モーツァルト ピアノ協奏曲第23番イ長調K.488 名盤
秋の雰囲気がだいぶ深まってきましたね。どうしたってセンチメンタルになってしまうこの季節に、とてもふさわしい曲に順番が回ってきました。モーツァルト・ファンであれば、「ケッヘルよんぱっぱー」と聞いただけで、胸にきゅーんと来てしまうのではないでしょうか。僕自身、ピアノ協奏曲の中では1、2を争う大好きな曲です。
このピアノ協奏曲第23番K488は、前の第22番と次の第24番と同じ年の作品ですが、共通しているのは、管楽器が非常に印象的に使用されてる点です。特に22番、24番ではまるで、管楽器のシンフォニア・コンツェルタンテと間違えそうな部分がしばしば現れます。それに比べると、この第23番はティンパニーとトランペットが使用されない為に、全体の響きはずっと室内楽的に聞こえます。ですので、曲全体が夏のような輝かしい陽射しの元での色彩では無く、秋の紅葉のように非常に陰影に富んだ色彩を持っています。そして、この曲でもやはりクラリネットが重要な役割を担っていますが、第1楽章冒頭の主題が、名作「クラリネット協奏曲」と「クラリネット五重奏曲」のそれとよく似ているのが面白いです。
この曲は全3楽章のいずれもが、実に魅力的なのに驚かされます。ひとつひとつの音符、フレーズが一瞬さえも飽きさせることが有りません。元よりモーツァルトのピアノ協奏曲に駄曲は一曲も無いとは思っていますが、この曲ほど、完成度の高い曲も中々無いと思います。
第1楽章アレグロは、オーケストラの奏でる主題をピアノが繰り返すという単純明快な構成です。それでいて何度聴いても飽きさせないのは、やはり旋律、楽想の素晴らしさだと思います。「複雑にする必要の無い」下地の良さが有ればこそです。
第2楽章アダージョは、単独でも演奏されるほどに魅力的で、まるで秋の夕暮れのように人恋しさや物寂しさを感じさせてやみません。ホロヴィッツが記録映像の中で、「この楽章はシチリア―ノだ。」と述べながら、6/8拍子のリズムを強調して弾いていましたが、余りに強調し過ぎて違和感を覚えました。あくまでも「シチリア―ノ風」であって、舞曲の「シチリア―ノ」では無いと個人的には思っています。
第3楽章アレグロ・アッサイはロンドですが、2楽章から一転して飛び跳ねるように快活な音楽に変わります。正に「輪舞(ろんど)」です。今まで深く沈んでいたのに突然歓喜に豹変するのは、まるでモーツァルト自身のようだったのかもしれません。ところが、中間美以降は光と影が混じり合い、色彩が刻々と変化していって、嬉しいのか哀しいのか、よく判らなくなってしまいます。音楽のその余りに素早い展開に置いてきぼりにされそうで、ついてゆくのに精一杯です。ああっ、ウォルフィーくん、君って人は・・・・。この楽章は、本当にモーツァルトの魅力が極まっていると思います。
ということで、この曲は大切な大切な曲ですが、普段は所有ディスクをまとめて聴くなんてことは有りません。ですので、今から心がわくわくしています。では順番に聴いてゆきます。
クララ・ハスキル独奏、パウムガルトナー指揮ウイーン響(1954年録音/フィリップス盤) ハスキルが僅か8歳でデビューした時の曲が、この曲です。モーツァルトを弾くために生涯を捧げたクララおばさんが、何十年も最重要レパートリーとして弾き続けたこの曲の演奏には、聴いていて思わず涙ぐまずにいられません。音符のひとつひとつを慈しむように歌わせて、どこまでもゆったりと音楽に身を浸り切らせたような一体感が本当に素晴らしいです。実は僕が学生時代に最初に買ったのもこの演奏のLP盤でした。モノラル録音で、オケの音は良好ですが、ピアノの音が古めかしいのが残念です。
ロベール・カザドシュ独奏、セル指揮コロムビア響(1959年録音/CBS盤) 曲の性格の違いか、いつものセルの厳格なオーケストラの音に、やや窮屈さを感じます。カザドシュのピアノは、ここでもやはり粒がよく揃った、いぶし銀の輝きです。但し、この曲の持つ翳りの部分が少々希薄に感じられるのがもの足りません。どちらかいうと「秋」よりも「春」を感じさせます。このコンビの録音の中では、好みで下位にランクされる演奏です。
ウイルヘルム・ケンプ独奏、ライトナー指揮バンベルク響(1960年録音/グラモフォン盤) 1楽章は、速過ぎず遅すぎず実に良いテンポで進みます。ケンプのピアノは、相変わらず神経質なところが無いおおらかさで一杯です。2楽章は淡々ととしていますが、じわりとにじみ出るような味わいを感じます。3楽章は意外に早いテンポで躍動感が有ります。ライトナーが指揮するバンベルク響も美しい響きです。この曲の持つ室内楽的な雰囲気を生かしていて素晴らしいと思います。
エリック・ハイドシェック独奏、ヴァンデルノート指揮パリ音楽院管(1962年録音/EMI盤) 若い頃のハイドシェックのモーツァルトはタッチに軽みを感じるのと、天衣無縫の自在さが大好きです。特にこの曲の第3楽章は驚異的な速さで弾き切りますが、その中での一瞬のルバートや変幻自在のニュアンスが正に天才的です。同じフランス人でも、この曲に関しては一本調子のカザドシュとはまるで違います。ヴァンデルノートとオケもピタリと伴奏していて見事ですが、あの速さでファゴットが吹き切るののも驚嘆です。1、2楽章ではそこまで凄くは有りませんが、やはり大好きな演奏です。
ゲザ・アンダ独奏/指揮、ザルツブルク・モーツァルテウム室内管(1963年録音/グラモフォン盤) 全集盤からの演奏です。アンダのピアノの音が綺麗に録れていますし、情感的にも不足しない良い演奏だと思います。全集として曲の素晴らしさを味わうのには、これで何の不満も感じません。但し、演奏に何か特別な閃きを求めた場合には、もしかしたらここには見当たらないかもしれません。
クリフォード・カーゾン独奏、セル指揮ウイーン・フィル(1964年録音/DECCA盤) カーゾンのK488は、ケルテス指揮盤が一般的ですが、僕はセル盤で聴いています。セルの指揮はやはり厳格ですが、ウイーン・フィルの音の柔らかさが潤いを与えてくれます。カーゾンのピアノも柔らかなタッチでじっくりと一音一音をかみしめるように弾いています。落ち着いて心静かに味わうには、とても良い演奏だと思います。
リリー・クラウス独奏、サイモン指揮ウイーン音楽祭管(1965年録音/SONY盤) ハスキルより8年あとに生まれたクラウスも、やはりモーツァルトを得意としました。ハスキルほどロマンティックでは無く、ずっとすっきりと演奏しますが、やはり昔の人だけあって少しも機械的に弾くことは無く、人間の温かい肌触りを感じます。きりりとした切れの良さや若々しさも失っていませんし、好きな演奏です。オーケストラは臨時編成でしょうが、ウイーン的な緩い味わいが有ります。以前出ていた廉価盤に比べて、リマスタリングされた写真の全集盤は音が見違えています。
ダニエル・バレンボイム独奏/指揮、イギリス室内管弦楽団(1967年録音/EMI盤) EMIの全集盤に含まれています。ユニークなのは2楽章の遅さで、淡々とモノローグのように弾くので、まるで第22番の2楽章のようです。1、2楽章については、この人にしては平均的な出来栄えに思います。特別な閃きも感じない代わりに、これといって不満も有りません。この曲の素晴らしさは充分に伝えられています。
ダニエル・バレンボイム独奏、クーベリック指揮バイエルン放送響(1970年録音/BR KLASSIK盤) 前述のEMI盤から3年後のライブ録音です。EMI盤には何となく消化し切れていない感が残りましたが、この演奏では充分に引き込んだ結果なのか、完成度の高さを感じます。特に気をてらった表現では無くても、軽快なピアノタッチでロマンティックな味を醸し出していて、バランスの良さに感銘を受けます。クーベリックの指揮するオーケストラも優秀です。
アンネローゼ・ シュミット独奏、マズア指揮ドレスデン・フィル(1974年録音/独edel盤) 全集盤からの演奏です。1楽章は速めのイン・テンポでサラサラ流れるように進む演奏です。古典的な造形性では随一です。2楽章は淡々としていますが、それが逆に虚無感を生んでいて良いと思います。3楽章は速めで颯爽としています。オケも上手いですし、あらゆる点で中庸のリファレンス的な演奏だと思います。その分、特別に強い印象は残りません。
マウリツィオ・ポリーニ独奏、ベーム指揮ウイーン・フィル(1976年録音/グラモフォン盤) ベーム/ウイーン・フィルのモーツァルトのピアノ協奏曲伴奏は他に27番が有っただけだと思いますが、もっと沢山聴きたくなるほど美しい演奏です。立派で威厳が有るのに、窮屈になりません。但し、ポリーニのピアノは真面目の一言に尽きます。ベームの前で、肩に力を入れ過ぎたのかもしれませんね。指揮にピタリと合わせていますが、自在さが無いので余り楽しくありません。
ルドルフ・ゼルキン独奏、アバド指揮ロンドン響(1981年録音/グラモフォン盤) BOX選集に含まれています。他の曲と同様にだいぶ遅いテンポです。それも徹頭徹尾遅いので、正直もたれてしまう印象です。2楽章などは、それが効果的に働きそうなものですが、そうとも思えません。アバドも、ゼルキンのテンポに付けてゆくのが辛そうです。アバドの好きなテンポで演奏すれば、ずっと良かったんではないかという気がしてなりません。
ダニエル・バレンボイム独奏/指揮、ベルリン・フィル(1988年録音/TELDEC盤) テンポ設定や表現スタイルはEMI盤と変わりません。ピアノの音が幾らか重く感じるのと、オケの音に高いカロリーを感じます。特に第3楽章では、かなりシンフォニックに聞こえます。徹底しているのは良いとしても、この室内楽的な曲には少々過剰ではないでしょうか。消化不良を感じるEMI盤よりは上位としたいですが、バレンボイムではむしろクーベリック/バイエルンRSOとのライブ盤を取りたい気がします。
フリードリッヒ・グルダ独奏/指揮北ドイツ放送響(1993年録音/EMI盤) グルダには以前、アーノンクールが伴奏指揮したスタジオ盤が有りました。リズムが妙に誇張された演奏で余り好みませんでした。これはライブ演奏ですが、ずっとオーソドックスです。それでもピアノの低音部を強調してみたり、自由な解釈は色々と有りますが違和感を感じません。1、2楽章の落ち着いたテンポと、3楽章の速いテンポも理想的です。北ドイツ放送響の音は陰影が深く、しっとりとして美しいです。
グリゴリー・ソコロフ独奏、ピノック指揮マーラー・チェンバー管(2005年録音/グラモフォン盤) 元々録音の極端に少ないソコロフの、しかもモーツァルトのコンチェルトというのは非常に珍しいですが、これが何とラフマニノフの第3番との組み合わせです。ソコロフはロマン派では緩急自在の演奏を繰り広げますが、このモーツァルトは古典的な造形感を守ったオーソドックスな演奏です。ピアノタッチも軽く粒が揃い見事です。指揮がピノックで、ノン・ヴィブラート奏法の古典的なスタイルなのでピッタリと適合しています。それでいて第二楽章の孤独感や終楽章の躍動感も素晴らしく、言うこと有りません。
エレーヌ・グリモー独奏/指揮バイエルン放送響室内管(2011年録音/グラモフォン盤) 早めのテンポで引き締まった第1楽章も良いですが、2楽章の一見無表情の演奏が虚無感までも感じさせて、言いようも無く哀しくなります。大げさに歌うよりもよほど孤独な怖さを感じるのです。一転して、3楽章の飛び跳ねるような生命力のほとばしりは見事です。ピアノもオケも最上の出来栄えです。それにしても、本業のピアノはともかくも、グリモーの指揮の才能には驚嘆します。彼女のモーツァルトの弾き振りの第二弾、そしていずれは全曲を聴いてみたくなります。この美貌にして、この才能。う~ん、参った!(更に詳細は<後日記事>参照のこと)
ということで、改めて聴き比べてみましたが、最も魅力的に感じたのは、やはりハイドシェックのEMI盤で、それに追随するのが、ハスキル/パウムガルトナー盤、バレンボイム/クーベリック盤、ソコロフ/ピノック盤、グリモーの弾き振り盤の4つです。
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コメント
ハルくんさん、おはようございます。
家にあるこの曲の録音を聴いてみましたが、どうしてもハスキル/ザッヒャー/ウィーン交響楽団の演奏がレファレンスとして、頭に浮かんで来ます。そうした中で、カーゾン/ケルテス/ロンドン交響楽団(1967年頃の録音)の演奏が、そのことを半ば忘れて聴き入りました。特にピアノの左手からの表現の豊かさが、唯一ハスキルに近いものがあり、しかも、弱い音での表現に素晴らしいものがあります。第2楽章では胸を締め付けられるような切ないものを覚えました。オケが少し明るく活きいきとしているのも、この演奏の良いところと思います。
最後に、ハスキルのものを聴いてみましたが、難なく当たり前のように、右手、左手から沢山のことを伝えてくるので、改めてハスキルの天才ぶりに感心した次第。HABABI
投稿: HABABI | 2011年10月 8日 (土) 07時45分
HABABIさん、おはようございます。
ハスキルの演奏は、一音一音が意味深くて滋味に溢れている点で、およそ類例が無いと思います。何十年もかけてようやく到達した、いわば人間国宝の芸術みたいなものでは無いでしょうか。ザッヒャー/ウィーン響の演奏もまた味わいがとても深くて良いですよね。
僕はカーゾンはセル盤で聴いていますが、やはり良いと思います。
投稿: ハルくん | 2011年10月 8日 (土) 09時08分
ハルくん、こんにちわ
第23番、どんな曲だったか、思い出せなかったので、「ギーゼキング(カラヤン指揮)」のLPを聴きました。第2楽章のロマンティックな感じと第3楽章の活発な感じがいいですね。
ちなみに、私が持っている録音は、上記以外に、ロン(ガウベルト指揮)、ハスキル(ザッシャー指揮)、ブレンデル(マリナー指揮)等です。
投稿: matsumo | 2011年10月 8日 (土) 09時58分
matsumoさん、こんにちは。
23番は非常な名曲ですので、余り聴かれないのはもったいないと思いますよ。
ギーゼキングのモーツァルトも良いでしょうね。ロンは聴いたことがありません。ブレンデルは綺麗ですが堅苦しいので余り好みません。ハスキルは記事に書いた通りに大好きです。
投稿: ハルくん | 2011年10月 8日 (土) 10時22分
こんにちは。
第23番は、モーツァルトにしては、珍しく好きな曲の1つです。第2楽章が特に好きなので、ピアノで弾けるように練習しました。
異聴盤はそれほど聴いていませんが、ポリーニの演奏は、明るい輝きとクリスタルのような透明感のある硬質の音がよく映えていて、気品があるので好きです。
DVDも持ってます。ベームとオケに呼吸を合わそうとしているのか、よくベームの方を見ながらピアノを弾くことも多いのですが、鍵盤を見なくても、指の方はミスなく正確に動いているところが面白いです。
一連のベームとの録音では、ベームがポリーニをソリストに指名したそうです。
ベームが亡くなったとき、ポリーニは追悼リサイタルを開いて、モーツァルトの「アダージョロ短調」を弾いてます。ザルツブルグ音楽祭のさなか、グラーツで行われた葬儀にも参列したそうです。
機械的で冷たいなどと酷評されることもあった若い頃のポリーニは、ベームに指名されて嬉しかったでしょうし、尊敬もしていたのでしょう。
投稿: yoshimi | 2011年10月10日 (月) 07時13分
こんばんは
この曲は本当にいいですよね。
ハスキル、ギーゼキング、ポリーニを愛聴して
います。
3者とも、もっともっと協奏曲を残しておいて
欲しかったなぁとつくづく思います。
投稿: メタボパパ | 2011年10月10日 (月) 18時33分
yoshimiさん、こんにちは。
ポリーニはショパンなんかですと、透明で硬質な音と贅肉の無い透徹した表現が好きなのですが、モーツァルトの場合は遊び心が無さ過ぎるので聴いていてどうも楽しくならないのです。
僕も映像は観ましたが、ポリーニのベームへの尊敬の念がひしひしと感じられるように見えましたね。けれども、むしろ大巨匠の前でも自分の弾きたい音楽を自由に演奏してくれたら楽しいだろうになぁ、なんて思ってしまいます。これはあくまで僕の好みの問題ですけれども。
投稿: ハルくん | 2011年10月10日 (月) 18時43分
メタボパパさん、こんばんは。
この曲はホントにいい曲ですよね。
お気に入りの3者のうち、ギーゼキングだけは聴いていません。ちょっと聴いてみたくなります。
ハスキルはステレオ録音でもっと多く残してくれていたらとつくづく思ってしまいます。
ポリーニだけは新録音が可能ですが、録音することはまあ無いですかねぇ。
投稿: ハルくん | 2011年10月10日 (月) 18時56分
ハルくん、おはようございます。
朝から胸キュンのよんぱっぱーを少し聴き比べしました。推薦盤ではハスキル、ケンプのみ所有です。どちらも素晴らしい演奏ですね。
また、曲も、両端楽章の旋律、木管楽器の使い方など、本当にモーツァルトは天才だなあと、このような曲を残していただき感謝です。
ちなみに、古楽器演奏はいかがですか。明るい響きで新鮮ですよね。ただ、アダージョ楽章は現代楽器の方が上ですが……。k488で古楽器の中で私が好きな盤は、オケ中心で聴くなら、ノリントン指揮ザ・ロンドン・クラシカル・プレイヤーズ独奏タンが、ピアノの音を味わいたいならソフロニツキーが素晴らしいですよ。
今日はクラシック鑑賞の日ですので、今は、マーラーの1番を聴いています。次は、最近購入したチェリビダッケのボックスの中から選ぼうかと考えています。
投稿: ひらけん | 2011年10月29日 (土) 10時57分
ひらけんさん、こんにちは。
K488は本当に素敵な曲ですよね。K595と並んで特別に好きです。
ハスキルとケンプ、もちろん良いですが、ハイドシェックの旧盤が本当に素晴らしいですよ。機会あれば是非。ただ、もしかしたら現在は廃盤なのかなぁ。
タン/ノリントンもソフロニツキーも残念ながら聴いたことは有りませんが、モーツァルトの場合は、特に古楽器と現代楽器を区別しては聴いていません。好みで言うと、現代楽器らしくない現代楽器の音が好きです。例えばハスキルやリパッティの音ですね。それにバックハウスの音もいいなぁ。
チェリビダッケのBOXは、まるで欧米通貨並みに値下がりしましたね。以前に買った人を馬鹿にしているような安値ですが、今回購入する人は万歳ものでしょう。
投稿: ハルくん | 2011年10月29日 (土) 23時00分
今晩は、ハル様。
フィギュアスケートの季節ですね。カロリーナ・コストナ-選手が今季この曲使用していて、とても素敵な演技で、やっぱりK488良いわ~!と再認識致しました。モーツァルトの一部イイトコ取り寄せ集め盤しかないではイカンと思い近くの大型スーパーのCDショップに走りましたが23番がない!これはやはり「コンチェルト」に行かねば…親父さんにハル様ご推薦盤探してもらおう!東京のCDショップと違い、間口4m強、奥行7m位の小さなお店で、あまり商売っけのない、人の良さそうな店主が一人いるだけなの。同じシェヘラザートでも美姫ちゃんと真央ちゃんとでは全然違うものですね~。アッコちゃんはハンガリアンラプソディーの早いテンポに負けない軽快な演技だったし。二人とも素敵でしたね。
投稿: From Seiko | 2011年11月13日 (日) 21時46分
Seikoさん、こんばんは。
K488イイでしょう~。全曲聴いたらもっと気に入ること間違い無しですよ。
「コンチェルト」の店主のおじさんは、趣味でやっているんですかねぇ?クラシックなんて儲かるとは思えませんからね。それで老後の生計が立つなら羨ましいなぁ。ボクも小さなレコードショップ開こうかなぁ。いや、名曲喫茶経営もイイなぁ。毎日自分でコーヒー飲んで名曲三昧できるものな~。「名曲喫茶ハルくん」どうですか?(笑)
フィギュア・スケートシーズンですね。ヨナさんもミキティも出ないのが残念ですが、新星に期待したいですね。アッコちゃんはこういう曲がホントに上手いですね。他の人には中々真似が出来ないですね。
投稿: ハルくん | 2011年11月13日 (日) 22時49分
ハルくんさん、こんばんは。
モーツァルトのピアノ協奏曲が大好きです。
中でも、23番はお気に入りの曲ですので、できるだけいろいろな演奏を聴いてみたいと思っています。
ハルくんさんのお薦めのハイドシェック盤ですが、とても気に入っています。
ハイドシェックの演奏では…といってもそれほど聴いていませんが…ベートーヴェンのピアノソナタ32番(pianovox,2001年)の演奏が、私の愛聴盤となっています。
32番の2楽章、ジャズのラグタイムのような箇所?での演奏の自在さがすばらしい!と私は思っているのですが、同様のことをお薦めの録音でも感じました。
おかげさまで、お気に入りの曲のかけがえのない演奏と出会えました。ありがとうございました。
投稿: ANNA | 2012年5月 4日 (金) 22時09分
ANNAさん、こんばんは。
23番K488は本当に素晴らしい曲ですよね。
僕の大好きなハイドシェック盤をお気に入られたとのことで、とても嬉しいです。
実はハイドシェックのベートーヴェンは、日本での一連のライブ録音が自由奔放過ぎるように感じて、それほどは気に入りませんでした。ただ、Pianovox盤は聴いていませんが、評を読むと、日本ライブとは大分異なるようですね。特に32番は元々自由に飛翔する雰囲気が有るので、仰るように良いかもしれないですね。機会あれば聴いてみたいと思います。貴重な情報を教えて頂き、どうもありがとうございました。
投稿: ハルくん | 2012年5月 4日 (金) 23時58分
モンサンジュの本にリヒテルが語ってることに、モーツアルトピアノ協奏曲第23番はマリア・ユディーナによって弾かれているので、その後で弾いてもみっともないことになると書いてあったのがとても印象に残っていて、たまたまYouTubeに有ったので聴いてみた。成程リヒテルの言っている事が良く理解できる素晴らしい演奏である。第2楽章の内面に自然に沈潜していくが如き弾きぶりには感嘆するしかない。
投稿: リヒテル崇拝 | 2014年8月22日 (金) 23時21分
モーツアルト ピアノ協奏曲第23番K488
ピアノ演奏:マリア・ユディーナ
(録音1943年)
https://www.youtube.com/watch?v=riRK7P_ynfc&index=3&list=RD6l0bsTNsnX0
投稿: ハルくん | 2014年8月23日 (土) 08時54分
私の愛聴盤は、なんといってもホロヴィッツです。ビデオもCDも持っていますが、最高だと思います。ブゾーニのカデンツアもホロヴィッツの美音で生き返ります。第二楽章のピアノソロの美しさも格別です。
投稿: お名前不詳 | 2016年5月 7日 (土) 16時24分
お名前不詳さま
ハンドルネームでOKですので、お名前をお忘れないようお願い致します。
モーツァルトのコンチェルトには晩年まで興味のなかったホロヴィッツが、どうしてこの曲を録音する気になったか分かりませんが(やはり2楽章などにこだわりが有ったのかも)、どうも曲に対する愛情が余り感じ取れません。あくまでもホロヴィッツの美学による演奏であり、例えばハスキルのそれらとは異なるように思えてしまいます。
とは言え、しばらく耳にしていないので改めて聴いてみたい気にはなりました。ありがとうございます。
投稿: ハルくん | 2016年5月 9日 (月) 00時41分
こんばんは。
ケンプ盤なかなか良いですね。
しみじみとしていて安心感を覚えます。
オケの音色がまた良いです。
「いい曲だなぁ」と思える演奏で
これはなかなかの収穫でした。
関係ありませんが、古楽器演奏好きの私でも
フォルテピアノの音色だけは無理です。
ショパン時代のピアノも感心しません。
現代ピアノに限る・・・と書いたら偏狭でしょうか?
投稿: 影の王子 | 2017年6月 1日 (木) 20時25分
影の王子さん、こんにちは。
バッハ以前の音楽はどちらか言えばもう古楽器が良いかなとは思います。
ただハイドン、モーツァルト、シューベルトとなるとフォルテピアノは微妙ですね。
さりとてこのあたりの音楽を現代の大ホールに鳴り渡るようなスタインウェイで演奏されてもどうかと思いますので、そうなるとハスキルやケンプ、バックハウスの時代のピアノの音は丁度良い具合に感じられます。
投稿: ハルくん | 2017年6月 2日 (金) 11時40分
こんばんは。
暑くて死にそうです(泣)
カザドシュ&セルの選集はいずれも良いですね。
録音を度外視すれば「古さ」を感じないのです。
「中庸の美」という言葉が浮かびます。
宇野氏+中野雄氏+某F氏(CDが目の仇)の共著では
宇野氏は「CDが見つからなかった」の一言でしたが
「こんな名演集がまだあったのか」と思うばかりです。
SACDも発売されましたが、ハルくんはSACDやハイレゾ
をどうお考えでしょうか?
私はつぎ込むお金も気力も皆無ですが。
投稿: 影の王子 | 2017年7月22日 (土) 19時12分
影の王子さん、こんにちは。
本当に暑いですね!湿度が高く不快指数300%です!
カザドシュ&セルの選集は古典的なフォルムがとても良いですね。取り上げない評論家も多いですが、一般のファンにはいまだ根強い人気が有ると思います。
私はSACDプレイヤーを購入していません。
ディスクが高価なので、ならば安いCDを沢山買って聴きたいと思ってしまいます。今のCD並みの価格になることは考えられないのでメインになることはなさそうです。
もっともプレーヤー自体は安くなってきているので、よほど気に入っているものは将来SACDで買うことはあるかもしれません。
投稿: ハルくん | 2017年7月24日 (月) 12時32分
はじめまして。手持ちのCDで聞き改めて感動を覚えましたので、他の人がモーツアルトのこのK488番にどのような感想を持っておられるのか知りたくて、インターネット検索していたらこのサイトに導かれました。歳のせいか聞き終わると涙が滲んでいます。私は、名盤にはなかったですが、マレイ・ペライア演奏・指揮、イギリス室内管弦楽団、1984年録音盤で聞きました。これ以外ないので、繰り返し聞いています。第2楽章のピアノのオクターブ上昇(g-b-d-g-b-d)が最初と終わりころの2回ありますが、1回目のオクターブのgは聞こえるか聞こえない位の繊細な音で、なんとも言えません。聞けば聞くほどモーツアルトのK.488は素晴らしく、熱愛されている方がいらっしゃる理由がわかる気がします。
投稿: sato | 2024年9月12日 (木) 17時21分
satoさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
そうでしたか。
K488は本当に魅力的ですよね。これから秋に成りますます心に沁み入りそうです。
ペライア盤(それと他にもまだ少し)も有るのですが、良く聴けていません(汗)
近いうちに聴いて加筆したいと思います。
いつでもまたお気軽にコメントください!
投稿: ハルくん | 2024年9月13日 (金) 00時12分
ハルさん、掲載してくださって有り難うございます。60数年以上前、まだ高校生の頃でしたが、クラシック音楽の聞き始めでしたので何も分からずに、レコード店〔京都市内)のオヤジに「モーツアルトのピアノ協奏曲」と言っただけなのに、黙ってこの23番のレコードを出してきて買わされました。また次に行った時には「ベートーベンの弦楽四重奏曲」と言っただけなのにラズモフスキー第3番を渡されました。いまでもこれらは心に焼き付く愛聴曲ばかりです。昔のレコード店のあるじは、自分自信の好みであったのかもしれませんが、今思うと実に粋な人だったんだなと思い返されます。
投稿: sato | 2024年9月14日 (土) 17時45分
satoさん
なるほど!
お客さんを見てどんなアドヴァイスが最適かを考えての対応なのでしょうね。
現代にはそういうお店は存在するのでしょうかね?
良き時代、かな。
投稿: ハルくん | 2024年9月15日 (日) 11時39分