ブルッフ

2011年8月16日 (火)

~サマースペシャル・名曲シリーズ~ ブルッフ 「スコットランド幻想曲」op.46

Scottland

毎日暑い日が続いています。
こんな時には、家で爽やかな気分に浸れる音楽を聴くのが一番です。「グリーンスリーブスによる幻想曲」に続いて、スコットランドにちなんだ曲を聴きましょう。マックス・ブルッフの「スコットランド幻想曲」です。

ブルッフはドイツの作曲家ですが、ベルリンの音楽大学の教授でもあったので、生徒の中には日本の山田耕作なんかも居ました。ブルッフの一番有名な作品は「ヴァイオリン協奏曲第1番」で、僕もとても好きな曲です。けれども、同じヴァイオリン協奏曲のスタイルをとりつつも、もっと自由に書いた名作が「スコットランド民謡の旋律を自由に用いた、管弦楽とハープを伴ったヴァイオリンのための幻想曲」です。これでは余りに長過ぎるので、通常は「スコットランド幻想曲」と呼ばれます。

ブルッフの音楽の基調はドイツ・ロマン派としてのロマンティックな音楽ですが、たとえスコットランド民謡を使わなくてもどことなく爽やかな雰囲気を持っています。「ヴァイオリン協奏曲第1番」も、やはりそうでした。ですので「スコットランド幻想曲」ともなると本当に涼しげな空気感が一杯に広がります。爽やかで懐かしいメロディが幻想的な雰囲気の中に次々に現れてきます。民族楽器のバグパイプを模した和音なんかも登場します。
演奏会で取り上げられる機会が決して多いとは言えませんが、珠玉の一品と呼べる素敵な曲なのです。もしもこの曲を聴かれたことが無い方は、是非ともお聴きになられてほしい名曲です。

元々CDの種類も多くは有りませんが、僕が愛聴盤にしているのは下記の3つです。

516u2hymstl__ss500_ チョン・キョンファ(Vn)、ケンぺ指揮ロイヤル・フィル(1972年録音/DECCA盤) この曲は余りにたっぷりと歌われると甘さが過多になって爽やかさが失われてしまいます。大家が演奏すると往々に陥りやすいです。ドイツの森では無く、北国スコットランドの景色を目の当たりにするような空気感が欲しいのです。その点、若きキョンファのバイオリンは実に端正で余分な脂肪分が無く、凛とした雰囲気がこの曲にうってつけです。懐かしい歌い方といい、リズムの切れの良さと言い、正に最高です。更に名匠ケンぺのオケ伴奏も実に素晴らしく、それほど優秀でもないロイヤル・フィルからうっとりとするような美しい演奏を引き出しています。この演奏は、この曲の不滅の名盤だと思います。

51vg6rqyvl_2五嶋みどり(Vn)、メータ指揮イスラエル・フィル(1993年録音) 五嶋みどりの初期の録音です。カップリングのシベリウスでは透徹した曲の魅力が十分に演奏できているとは思えませんでしたが、このブルッフは素晴らしいです。若さに似合わずどっしりとした恰幅の良さを感じますが、脂肪分は少なくとても爽やかです。技術的にも非常に安心感が有りますし、歌心にも不足しません。メータ指揮のオケも響きが美しく、全体的に北欧のクールさよりはドイツ風の空気を感じさせますが、この曲の名演としてチョン・キョンファに次ぐのではないでしょうか。

20091209_1551327 諏訪内晶子(Vn)、マリナ―指揮アカデミー室内管(1996年録音/フィリップス盤) わが愛しの晶子嬢、24歳の時の録音です。演奏本位で言えば、キョンファ盤以外は何も要らないと言いたいところですが、プレイヤー本位(というかCDジャケット本位?)ということで、やはり晶子嬢です。そのお嬢様も今ではすっかり大人の女性になり、私生活や脱税問題で色々と叩かれて苦労しているようなので気の毒です。キョンファの名演奏には敵いませんが、彼女のスリムな体形のように脂肪分少なく爽やかな演奏なので、決して悪くありません。

<補足>
五嶋みどり/メータ盤を追記しました。

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