ブラームス(協奏曲:ヴァイオリン他)

2017年5月20日 (土)

ブラームスのヴァイオリン協奏曲 新たに聴いたCDあれこれ

このところブラームスのヴァイオリン協奏曲をしばらく集中して聴いていました。

今まで聴いていなかった演奏の中にも興味深いものは多いですし、齢を取ったせいか段々と色々な演奏に対するストライクゾーンが広くなった気がします。それ自体は良いことではあるのでしょうが、聴いてみたくなるCDが増えてしまうという弊害??が起こります。

ですので実はストライクゾーンを厳しくしたいという衝動にも駆られてジレンマに陥っているところです。

まぁ、それはそれとして最近聴いたCDを旧記事に加筆しましたので宜しければご覧ください。

①パールマン、ジュリーニ/シカゴ響盤(EMI盤)
②アッカルド、マズア/ゲヴァントハウス盤(旧フィリップス盤)
③レーピン、シャイー/ゲヴァントハウス盤(グラモフォン盤)
以上、ブラームス ヴァイオリン協奏曲 続々・名盤~男祭り~ 

④チョン・キョンファ、ラトル/ウイーンフィル盤(EMI盤)
以上、ブラームス ヴァイオリン協奏曲 続・名盤~女神達の饗宴~ 

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2014年12月 8日 (月)

ブラームス ヴァイオリンとチェロのための協奏曲 メニューイン&パーナス、パブロ・カザルス/祝祭管弦楽団

Casals51ypk3dnn2lユーディ・メニューイン(Vn)、レスリー・パーナス(Vc)、パブロ・カザルス指揮カザルス祝祭管弦楽団(1969年録音/カナダDremi盤)

1876年生まれの偉大なチェリスト、パブロ・カザルスは80歳近くになっても、なお演奏を続けていましたが、晩年には指揮者としても偉大な演奏を多く残しました。

そのカザルスの、これはちょっと珍しい録音です。この演奏が行われた1969年といえばカザルスが亡くなる4年前であり、最晩年の記録です。カザルス祝祭管弦楽団を指揮していて、独奏を務めているのはヴァイオリンがユーディ・メニューイン、チェロがレスリー・パーナスです。CDの解説ではオーケストラが、Casals Festival Orchestra(カザルス祝祭管弦楽団)とだけ記載されていて、演奏場所の記載は見当たらないのですが、おそらくはプエルトリコで行われたカザルス音楽祭か、あるいはフランスのプラドでの音楽祭のどちらかであると思われます。

カナダのDremiレーベルは貴重な歴史的ライブ音源の発掘で定評が有りますが、このCDも大変興味がそそられるものでしたので、目に留まって直ぐに飛び付きました。このCDには他にブロッホの「チェロとオーケストラのための”シェロモ”」とチャイコフスキーの「ロココの主題による変奏曲」が収録されていますが、どちらもパーナスのチェロ独奏ですが、指揮をしているのはカザルスではありません。ですので見ようによってはこのCDはパーナスのものの様ではあります。

さて、ともかくディスクを聴いてみると、カザルスの録音にしては年代が比較的新しいせいもあって、モノラルながら中々に聴き易い音質です。Dレンジは狭く残響も少ないのですが、分離は良いですし、高音と低音のバランスの良さは上々です。それに、やはり感じられるのはカザルスの造り出す音楽の気宇の大きさです。聴き手の心の内に向かってぐいぐいと入り込んでくるような凄みが有ります。独奏者のユーディ・メニューインもレスリー・パーナスも大好きな演奏家ですし、二人ともとても素晴らしい演奏をしています。ところが、それでも二人を大きな掌の上に載せて好きなように演奏をさせているのは、実はカザルスだという気がしてしまうのです。演奏のどこまでが独奏者本人のものなのか、カザルスの影響によるものかが判らなくなります。
メニューインのヴァイオリンは時々音程が外れたりもしますが、音楽そのものの威容の前にはほとんど気になりません。そんな些細な疵を気にして演奏の魅力を少しでも聞き漏らしてしまっては勿体無いと思うのみです。
パーナスはカザルスから絶大な信頼を寄せられて、いつも祝祭管弦楽団のチェロ・パートの首席を務めていただけあって、実に素晴らしい演奏です。

カザルスのブラームスと言えば、弦楽六重奏曲第1番に決して忘れられない歴史的な凄演がありますが、この協奏曲の演奏にもそれと共通した魅力を感じます。この演奏を聴いていると、単に上手いだけの演奏が如何につまらなく虚しいものかということを思い知らされるような気がしてなりません。
パブロ・カザルスという人は何と偉大な演奏家で、音楽家、芸術家、人間であったことでしょうか。

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2013年10月19日 (土)

ブラームス ヴァイオリンとチェロのための協奏曲 ツェートマイヤー&メネセス ザンデルリンク/ケルン放送響

今年新しく聴いたブラームスのヴァイオリン協奏曲のCDでは、リサ・バティアシュヴィリの新盤が驚きの名演でしたが、その感想は既に記事にしてしまいました。
一方、ヴァイオリンとチェロのための協奏曲については、これまで聴いて来たCDに加えて、また一つ素晴らしいCDが加わりましたのでご紹介します。

このCDを聴いた理由はただ一つ。”ブラームス演奏の神様”クルト・ザンデルリンクが指揮をしているからです。「ブラームスと言えばザンデルリンク。ザンデルリンクと言えばブラームス・・・・」と、まるで念仏?のように唱え出してから、はや40年。この人の演奏を聴くたびに、その信仰心は高まるばかりでした。しかし、その教祖様も2年前に天上界へ帰られました。師が世に残していった多くの教え(=CDのこと)から、もっともっと多くのことを我々は学んでゆきましょう・・・って、何だか怪しい雰囲気になってしまいました。(笑)
とにかく、その洗礼を受けたファンにとっては、宗教に例えられるくらいザンデルリンクの演奏するブラームスは特別な存在だということです。

Ph08005トーマス・ツェートマイヤー(Vn)、アントニオ・メネセス(Vc)、クルト・ザンデルリンク指揮ケルン放送響(1985年録音/Profile盤)

 
ザンデルリンクの残した「ヴァイオリンとチェロのための協奏曲」の録音は自分が記憶する限り、他には無かったと思います。これはケルンのフィルハーモニー・ホールにおけるライヴ演奏です。

第1楽章は一般的なテンポよりも遅めで、どっしりとした構えです。緊迫感よりはスケールの大きい広がりが感じられる点で、1990年頃に録音されたザンデルリンクのブラームスの交響曲全集の新盤に通じる印象を受けます。それは晩年のザンデルリンクのスタイルなのでしょうが、決して緊張感が失われているわけでは無いのが素晴らしいです。ヴァイオリン独奏のツェートマイヤーはオーストリア出身の実力派ですし、チェロ独奏のメネセスもこの曲をカラヤンのDG録音でムターと共に演奏した実績を持つ名手です。ですので二人ともザンデルリンクの立派な指揮に聴き劣りしない見事な演奏を繰り広げています。けれども、それは独奏者として突出して目立とうというタイプの演奏では無く、あくまでもザンデルリンクの創り出す巨大な音楽と一体化したような演奏です。例えてみれば”救い主に忠実な二人の使徒”とでも表現できるかもしれません。

第2楽章に於いては管弦楽と独奏との一体感は更に高まってゆき、柔かく溶け合った合奏の響きが、つくづくブラームスを聴くことの喜びを与えてくれます。うーん、やっぱりザンデルリンクは神様だなぁ。

第3楽章もかなり遅いテンポですので、普段慣れ親しんだこの曲の印象とはだいぶ異なります。フレーズ毎に念押しをして重量感有るこの演奏を聴いた後だと、他の演奏が恐らく足軽に感じられることと思われます。もちろん好みの問題は有りますが、このスケールが巨大で滋味に満ち溢れた演奏は他の演奏とは完全に一線を画しています。

このディスクの録音は音質的には悪くありませんが、コンサート会場のずっと後方で聴くようなライブ感に溢れる音ですので、聴き手の好みは分れるかもしれません。個人的にはもう少し残響が押さえられても良いように思いますが、分離が特別に悪いということでもないのでこれで良しとします。あるいは使用するオーディオ機器によっては逆に満足出来るかもしれません。

この演奏は、これまでの愛聴盤のシェリング/シュタルケル/ハイティンク盤、シュナイダーハン/シュタルケル/フリッチャイ盤、レーン/トレスター/Sイッセルシュテット盤、メニューイン/トルトゥリエ/ベルグルンド盤などに充分伍するか、あるいはそれ以上の名演奏だと思います。

なお、このCDは二枚組で、もう1枚には同じ日のべートーヴェンの「田園」が収められていますが、そちらも同じように巨大なスケールで滋味溢れる素晴らしい演奏です。

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2013年3月22日 (金)

ブラームス ヴァイオリン協奏曲 リサ・バティアシュヴィリの新盤

Uccg1610m01dlリサ・バティアシュヴィリ(独奏)、クリスティアン・ティーレマン指揮シュターツカペレ・ドレスデン(2012年6月ドレスデン、ルカ教会で録音/グラモフォン盤)

リサ・バティアシュヴィリの演奏するシべリウスのヴァイオリン協奏曲のCDは、とても良いと思いました。でも、それだけなら新盤のブラームスを購入していたかどうかは分りません。ところが今回のオーケストラ伴奏は、クリスティアン・ティーレマンが指揮するシュターツカペレ・ドレスデンという豪華コンビなのです。ブラームスを演奏させたら比類の無い素晴らしさのSKドレスデンですが、この協奏曲のオケ伴奏をした録音というのは意外に少ないのです。これは期待が高まろうというものです。

さて、演奏を聴いてみた感想ですが、期待を大きく上回る素晴らしい演奏でした。

冒頭のホルンの音色からして既に違います。アルプスの山々に響くホルンの音を思わせます。そして、トゥッティになってもハーモニーの何と美しいことでしょう。ティーレマンのテンポが少々急き込んでいるのが気にはなりますが、オケの響きの余りの素晴らしさに許せます。長い序奏が終わると、いよいよヴァイオリンの登場ですが、バティアシュヴィリの溢れる気迫と情熱に強く惹きつけられます。シべリウスの演奏では美しさと優しさが前面に出ていましたが、今回は気迫の凄さが印象的です。それも正確な技術に裏付けされているので、とても安心して聴いていられます。ヴァイオリンの音色、そして重音の美しさは特筆ものです。非常に上手いヴァイオリンですが、どこまでも人間の温か味を感じさせる演奏です。メカニカルな冷たさは微塵も有りません。これはやはり彼女の人間性なのかもしれません。彼女の旦那様は名オーボエ奏者のフランソワ・ルルーですが、実にお目が高い。きっと彼女は優しい奥様に違いありません。ボクには判ります。

それにしても、これは完璧な演奏です。いくらスタジオ録音といっても、音程に僅かでもアヤしいところが全く有りません。それも音程が(機械的にではなく)「音楽的に」的確なことは、あのヘンリク・シェリングのようです。ですので重音や分散和音が本当に美しく耳に響きます。ハッタリでは無く、音楽そのものから充実感を引き出す点でも、シェリング的と言えそうです。女流奏者であれば、さしづめヨハンナ・マルツィというところでしょうか。

ところで、この楽章のカデンツァ部分では、舞台後方でティンパニがずっとヴァイオリンに合わせて叩き続けますが、とても雄弁でありユニークです。誰のものかと思ったらブゾーニの書いたものなのですね。どうりで珍しいわけです。

第2楽章でもSKDの美しさは際立っています。冒頭のオーボエ独奏は言葉にならないほどですが、続いてヴァイオリンが同じように美しく旋律を奏でるのも素晴らしい受け渡しです。この楽章でのヴァイオリンの歌いまわしや、オケの伴奏の素晴らしさは、これまで聴いたことが無いようにすら思えます。恐らくSKDという最高の名器が、ルカ教会という最高の響きの建物で演奏しているからでしょう。

そして第3楽章も白眉です。ザクセン風の堂々としたオケの響きとリズムが最高なのですが、それに乗るヴァイオリンが本当に立派です。ハッタリやこけおどしが少しも無いにもかかわらず、この充実仕切った演奏は何なのでしょう。
ブラームスはかつて、あるヴァイオリニストの演奏を聴いて、「あんなに綺麗に弾かなくて良いのにね。」と言ったそうです。きっとそれは、「この曲はジプシー風に激しく情熱的に弾くべきだよ」ということを言いたかったのでしょう。バティアシュヴィリの演奏は、充分過ぎるほど美しいですが、それでいて充分な迫力や情熱を持ち合わせています。ブラームスはきっと彼女の演奏に満足することと思います。ティーレマンのリズムのキレと重厚さを兼ね備えた指揮ぶりも本当に見事です。この人は、まだまだ出来栄えに凸凹は有りますが、ハマったときの演奏は実に素晴らしいです。

録音についても、旧東ドイツ時代から定評のあるルカ教会の深々とした残響を美しく捉えた素晴らしいものです。

ということで、ブラームスのこの協奏曲は過去に色々と聴いてきましたが、ことによると、これまでのマイ・フェイヴァリットであるシェリングとクーベリックのライブ盤(オルフェオ)をも凌駕しているかもしれません。ヴァイオリン独奏、オケの響き、録音、それら全てを総合すれば、そのように思います。

このCDのカップリング曲に選ばれたのは、ブラームスが「生涯で本当に愛したただ一人の女性」と称したクララ・シューマンの作曲である「ヴァイオリンとピアノのための3つのロマンス 作品22」です。選曲も粋なら、ピアノ伴奏をするのもアリス・沙良=オットーという粋な計らい。グラモフォンは力を入れてますね。間違いなく彼女はそれだけの逸材です。

<過去記事>
ブラームス ヴァイオリン協奏曲 名盤
ブラームス ヴァイオリン協奏曲 続・名盤(女神達の饗宴)
ブラームス ヴァイオリン協奏曲 続々・名盤(男祭り)

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2012年11月17日 (土)

ブラームス ヴァイオリンとチェロのための協奏曲 イ短調 メニューイン&トルトゥリエ

ブラームス晩年の名作、「ヴァイオリンとチェロのための協奏曲」はタイトルの通り、ヴァイオリンとチェロという二つの楽器が活躍する協奏曲です。そしてブラームスが書いた最後の協奏曲となりました。

複数楽器のコンチェルトはバロック時代には非常に盛んでしたし、モーツァルトも何曲か書いています。それが、ロマン派以降にはコンチェルトというスタイルそのものの衰退もあって、余り書かれなくなるのですが、そんな古い形式を使って名作を書いてしまうのがブラームスです。

この曲では、時にヴァイオリンがリードして、時にチェロがリードします。あるときは仲良く寄り添い、あるときは激しくぶつかり合います。ブラームスはこの曲に「夫婦」の意味をこめて書いたそうですが、何故ゆえ結婚経験のない彼が、夫婦の日常生活を知っていたのかは分りません。

この曲は、第1楽章や第3楽章も素晴らしいですが、僕は特に第2楽章を好んでいます。それにしても、なんという甘く優しい雰囲気でしょうか。ブラームスは愛すれども敵うことのなかったクララ・シューマンとの夫婦生活を密かに想い描いて、二人の愛の交歓を表現したのかもしれませんね。

この曲については、以前「ヴァイオリンとチェロのための協奏曲 名盤」で記事にしています。今回は、その後に聴いた印象的な演奏をご紹介したいと思います。

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ユーディ・メニューイン(Vn)、ポール・トルトゥリエ(Vc)、パーヴォ・ベルグルンド指揮ロンドン・フィルハーモニー(1984年録音/EMI盤)

この曲には幾つも名盤が有るので、この演奏は余り目立たないと思います。僕が興味を持った理由は、メニューインのブラームスだからです。バッハやベートーヴェンの演奏も素晴らしいですが、彼の弾いたブラームスのヴァイオリン協奏曲はとても気に入っています。ですので、この曲もとても興味深いところだったからです。

チェロを弾くトルトゥリエも渋いですね。個人的にフランスのチェロ奏者には好きな人が多いのです。フルニエやジャンドロンも良いですが、トルトゥリエも中々に好きな演奏家です。

この両者の共演を支えるのがパーヴォ・ベルグルンドです。これも興味をそそられますよね。

で、実際に聴いてみた感想です。

メニューインは音程、ボウイングとも完璧ではありません。滑らかさにも欠けています。けれどもスマートで無いのが逆に魅力です。端麗辛口なのは、ちょっと晩年のシゲティに似ています。反対にトルトゥリエは非常に上手いです。この曲を余裕を持って弾き切っています。といってロストロポーヴィチのような大げささは感じません。二人の音は一つの楽器のようにピタリと合わさるわけではありませんが、似ていないもの同士の夫婦が仲良く寄り添うような印象を受けます。ベルグルンドの指揮は得意とするシベリウスの演奏と同じように、透徹した演奏です。ブラームスにしては贅肉が少な過ぎかなとは思いますが、外面的な派手さが無いのも悪くは有りません。テンポは一貫して中庸、第2楽章など、もう少し浪漫的に沈滞してくれても良いのにな、とは思いましたが、これが彼らの味なのでしょう。

それにしても、この曲はやはり素晴らしい曲だなと、改めて感じさせてくれる良い演奏だと思います。

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2010年12月15日 (水)

ブラームス ヴァイオリン協奏曲 続々・名盤 ~男祭り~ 

僕の好きなヴァイオリン・コンチェルトと言えば、まずはベートーヴェン、ブラームス。それにチャイコフスキー、シベリウス、メンデルスゾーンと続きます。その中でも色々と違う演奏を聴いて大いに楽しめる点ではブラームスが一番かもしれません。このブログでも既に、特別に愛聴している演奏をご紹介した「ヴァイオリン協奏曲ニ長調 名盤」と、女流演奏家だけに絞った「続名盤 女神達の饗宴」と2度記事にしています。そこで今回は、男性演奏家だけに絞った「男祭り」です。もっとも”男”と言っても、ほとんどが往年の大巨匠達です。
それでは順にご紹介してゆきます。

123ブロニスラフ・フーベルマン独奏、ロジンスキー指揮フィルハーモニック響(1944年録音/Music&Arts盤) 録音は年代相応ですが、曲のせいか鑑賞には問題ありません。世紀のヴルトゥオーゾの演奏が聴けるだけで良しとしましょう。とにかく表現力が豊かで、とことん歌わせます。これこそがヴァイオリンの原点だという感じです。その自由奔放さは現在ではちょっと考えられません。2楽章終了時に拍手が入ったあとの終楽章での名人芸も凄いです。細部の仕上げは結構おおざっぱなところもありますが、このおおらかさが味なのでしょう。この演奏は機会があれば是非とも聴かれて欲しいと思います。

Cci00044 ヨゼフ・シゲティ独奏、オーマンディ指揮フィラデルフィア管(1945年録音/CBS SONY盤) シゲティは20世紀の歴史上で五指に入る偉大なヴァイオリニストだと思いますが、晩年の演奏は音が滑らかで無いために一般的には余り高い評価を受けていません。音楽そのものは、ちょっと類例が無いほどの深みに達しているので実にもったいないことだと思います。この演奏では技術的にもまだ衰えを見せていませんし覇気も充分ですので、晩年の演奏に付いて行けない方にはお勧めです。それでも他の演奏家に比べれば遥かに深い表現力です。音質は年代相応ですが聴き易いです。

71apecxm6ll__aa1500_ ユーディ・メニューイン独奏、フルトヴェングラー指揮ルツェルン祝祭管(1949年録音/EMI盤) フルトヴェングラーのこの曲の録音ではヴィートとの1952年イタリアライブが有りますが、なにせ隣の家から聞こえてくるような粗悪な音質です。それに比べればこちらは遥かにマシです。メニューインのヴァイオリンも素晴らしく、情熱的に弾き切っています。カデンツァは荒いほどですが、この曲には合っています。これはフルトヴェングラーの指揮に触発されているのでしょう。メニューインの代表盤としては後述のケンぺ盤になるでしょうが、こちらも捨て難いです。

Brahms_monteuxナタン・ミルシテイン独奏、モントゥー指揮アムステルダム・コンセルトへボウ管(1950年録音/TAHRA盤) ミルシテインはこの曲を何度も録音しましたが、これは全盛期のライブ録音です。生演奏にもかかわらず安定した技巧は流石ですが、到るところで音をポルタメント気味に引っ張るのには古めかしさを感じてしまいます。全体的に決して夢中になり過ぎてはいませんが、終楽章の早めのテンポによる躍動感は中々に聴き応えが有ります。録音が古い割には明快で聴き易い音質です。

429_2 ヤッシャ・ハイフェッツ独奏、ライナー指揮シカゴ響(1957年録音/RCA盤) 超人ハイフェッツとライナー/シカゴの共演とくれば演奏は聴く前から想像ができます。いつもながらの唖然とするほどの快刀乱麻ぶりです。このバイオリンの切れ味に対抗できるのはレオニード・コーガンただ一人でしょう。それにしても、爽快さは比類が無いのですが、ブラームスの暗い音楽の情緒表現にはほとんど期待できません。それでも2楽章は案外と歌いこんでいて中々に雰囲気が有ります。3楽章の上手さは凄いですが、健康的で何だかスポーツみたいです。やっぱり自分の好みには合いません。

Brahms_violin_con_02 ユーディ・メニューイン独奏、ケンぺ指揮ベルリン・フィル(1957年録音/EMI盤) メニューインの独奏するコンチェルトが推薦されている記事なんか滅多にお目にかかったことはありません。ところが中々に良い演奏が有ります。このブラームスもその一つです。外面的な美音や甘さを排除している点では自分の好みだといえます。シゲティの求道的なまでの厳しさには及びませんが、この禁欲主義には大いに惹かれます。2楽章なども非常に深々として感動的です。初期のステレオ録音なのがちょっと残念ですが、ケンぺの振るベルリン・フィルの厚い響きは魅力的です。

Mi0000955220 ダヴィド・オイストラフ独奏、クレンペラー指揮フランス国立放送管(1960年録音) オイストラフの弾くチャイコフスキーは最高に好きなのですが、ドイツものは必ずしも好きなわけでありません。この人の持つ楽天的な雰囲気がどこか音楽にそぐわない気がするからです。このブラームスでも、クレンペラーのスケールの大きな指揮に見劣りしない立派なヴァイオリンなのですが、どうしてもその点が気になります。3楽章では初めのうちクレンペラーの遅いテンポにややもたれ気味ですが、徐々にその壮大な表現にはまってしまうところは流石です。

4107071261 ダヴィド・オイストラフ独奏、セル指揮クリーヴランド管(1969年録音) オイストラフがこの曲をどうして10年も経たないうちに同じEMIに再録音したのかは判りませんが、演奏は非常に素晴らしいです。オイストラフの演奏は、クレンペラー盤の時にはアウアー流の美感に大きく傾いたスタイルでしたが、セル盤ではヨアヒム流の精神性に傾いた印象を受けます。荒々しいほどに思い切りよく弾く音には気合が漲っており、甘いポルタメントも抑制気味で、個人的には禁欲的な要素が増したこちらを好みます。セルのオーケストラ伴奏も堅牢で隙の無い充実したもので、クレンペラー盤のような、やや異種格闘技的な雰囲気は感じさせません。

Brahms41j7j0ng56lイツァーク・パールマン独奏、ジュリーニ指揮シカゴ響(1976年録音/EMI盤) パールマン31歳の録音ですが、当時の勢いそのままの快演と言えます。テクニック充分ですが少しも神経質にならずに思い切り良く弾き切っているのがこの曲にピッタリです。歌い方もポルタメントをかけて甘く弾いています。それが嫌味に感じられないのは恐らく心に感じたそのままの表現だからでしょう。ジュリーニの指揮は非常に立派で堂々としています。スケールが大きいですがリズムがもたれることも無く、良い面だけが表れています。シカゴ響の音には潤いこそ有りませんが、分厚い音ですしソロ楽器の上手さも特筆されます。

Brahms454サルヴァトーレ・アッカルド独奏、マズア指揮ライプチヒ・ゲヴァントハウス管(1978年録音/デッカ盤) 当時のゲヴァントハウス管の音に期待して購入したのですが、流石はフィリップスによる録音で中声部の厚い管弦楽の響きが心地良く味わえます。全体的にゆったりとしたテンポは良いのですが、第3楽章などは少々落ち着き過ぎのように思います。アッカルドのヴァイオリンは弾き崩すことをせずにある意味古典的な演奏なのですが、どうしてどうしてニュアンスに富み、深い味わいが有ります。但し3楽章だけはもう少しジプシー的な雰囲気が加わっても良いと感じました。

Bura008 アイザック・スターン独奏、メータ指揮ニューヨーク・フィル(1978年録音/SONY盤) スターンにはオーマンディ伴奏での旧盤も有りました。それも良い演奏でしたが、録音、演奏ともにこちらの新盤のほうが更に良いと思います。オイストラフほど楽天的では無く、シゲティほど厳しくは無い、丁度中間の位置づけです。メータの分厚いオケ伴奏に支えられて、テクニック、気迫の充実したバイオリンを聞かせてくれます。必ずしも注目される演奏ではありませんが、これは中々の名演だと思っています。

4107061668 ギドン・クレーメル独奏、バーンスタイン指揮ウイーン・フィル(1982年録音/グラモフォン盤) この中では唯一の現役奏者です。既に現代を代表する巨匠と呼んでいいでしょう。クレーメルを実際に生で聴くと音が随分細いので、この曲のライブの場合、分厚いオケ伴奏(しかもバーンスタイン)に埋もれてしまわないか心配ですが、録音であれば心配はありません。クレーメルらしい繊細でリリシズムに溢れた演奏です。3楽章も実に爽快感に溢れます。反面ブラームスの音楽の、しつこさや情念の深さは不足する感が無きにしもあらずです。クレーメルはこの後にもアーノンクールのオケ伴奏で新盤を入れていますが、僕はこの旧盤のほうが好きです。

189 フランク・ペーター・ツィンマーマン独奏、サヴァリッシュ指揮ベルリン・フィル(1995年録音/EMI盤) 往年の大巨匠達の中に入るとどうしても小粒な印象を受けます。ライブ録音にもかかわらず破綻の全く無い素晴らしく整った演奏なのですが、逆にブラームスに「あんなに綺麗に弾かなくても良いのにね・・・」とでも言われそうです。それだけオードソックスな演奏です。サヴァリッシュがベルリン・フィルを振るのも珍しいですが、ツインマーマンに見事に合わせた伴奏ぶりです。あっぱれ!2楽章のシェレンベルガーのオーボエ・ソロはもちろん絶品です。

Brahms791ワディム・レーピン独奏、シャイー指揮ライプチヒ・ゲヴァントハウス管(2008年録音/グラモフォン盤) 最高のテクニックで一音一音を完璧に弾き切っている点で最右翼の演奏だと思います。ただ、オイストラフやパールマンのほうが良い意味で荒々しく弾いているので必ずしもレーピンの方が聴いていて楽しいとは限りません。幾らかスッキリし過ぎの感が無きにしも非ずだからです。しかし第3楽章には生き生きとした躍動感が有ります。カデンツァにハイフェッツ作を使っているのが特徴でこれは面白いです。ゲヴァントハウス管は重厚な響きを聴かせますが、シャイーにより以前よりも響きに明るさをもたらされたのは、マズア時代の暗い響きを好む身としては悩ましいところです。それでもこの10年ほどの間にリリースされた演奏の中ではバティアシュヴィリに次ぐ魅力を感じます。

というわけで、これらの演奏はどれもが中々に個性的で捨てがたいものばかりです。

<補足>
メニューイン/フルトヴェングラー盤、ミルシテイン/モントゥー盤、パールマン/ジュリーニ盤、アッカルド/マズア盤、ツィンマーマン/サヴァリッシュ盤、レーピン/シャイー盤を追記しました。

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ブラームス ヴァイオリン協奏曲 バティアシュヴィリの新盤

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2009年11月 7日 (土)

ブラームス ヴァイオリンとチェロのための協奏曲イ短調op.102 名盤

いよいよ秋が深まってきました。いやでも「もののあはれ」を感じる季節です。

秋は夕暮。夕日のさして、山の端はいと近うなりたるに、烏の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などのつらねたるがいと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音などはたいふべきにあらず。
(「枕草子」清少納言)

B0087557_20323156 この季節にはやはりブラームスの音楽が一番心にしみわたります。昨年の秋は「ブラームス特集」として主要な曲をご紹介しましたが、今秋は一曲も取り上げていません。そこで、未だ触れていなかった「ヴァイオリンとチェロのための協奏曲」を取り上げてみます。

この曲には2人のソリストが登場します。ヴァイオリン協奏曲が「独身の曲」だとすれば、この二重協奏曲は「夫婦の曲」をイメージできるかもしれません。事実、ブラームスはこの曲に「夫婦」の意味を込めて書いたとも言われています。しかしこの曲の2人のソリストは時に寄り添い、時に激しくぶつかり合い、と正に実際の夫婦の縮図(!)のようです。

何はともあれ、とにかくこの曲は大変充実して書かれています。この曲は初めは交響曲となるはずでしたが、作曲の途中で協奏曲に変更されました。ブラームスの協奏曲は管弦楽パートが極めて充実しているので、どの曲も「独奏付き交響曲」という雰囲気なのですが、この曲では管弦楽をバックにバイオリンとチェロがぴたりと寄り添ったり対峙したりする様が絶妙です。これはやはり室内楽作品を得意とするブラームスならではでしょう。

第1楽章の展開部に入る前の2つの楽器の重奏には圧倒されます。そして全体の曲想は大変に魅力的です。第1楽章の主題のカッコ良さにも惚れ惚れしますが、第2楽章の昔を懐かしく回想するようなしんみりとした趣きはたまりません。第3楽章も充実しています。僕は、この曲がヴァイオリン協奏曲に負けず劣らず大好きです。

それでは僕の愛聴盤のご紹介です。

Cci00052 アドルフ・ブッシュ(Vn)、ヘルマン・ブッシュ(Vc)、クレツキ指揮フランス国立放送管(1949年録音/Music&Arts盤) 戦後、ヨーロッパのフランスでのライブ録音です。もちろんモノラルです。戦前のドイツロマン派の最後の大家アドルフ・ブッシュは四重奏団の活動が多かった為に、コンチェルトの録音はブラームスやベートーヴェンといった僅かのものに限られています。ですので二重協奏曲の録音が聴けるのは貴重です。この演奏は正にドイツ浪漫の何物でもありません。第2楽章の主題にボルタメントをかけて大きく歌うあたり、懐かしくもロマンティックな表現に圧倒されることでしょう。他の演奏とは全く次元が異なります。ただ、第1、第3楽章は録音が古い分聴き応えが半減するのが残念です。この録音は他レーベルでも出ていますが、1楽章冒頭の音消えが有りますのでご注意ください。Music&Arts盤は大丈夫です。

Bura005 ヴォルフガング・シュナイダーハン(Vn)、ヤーノシュ・シュタルケル(Vc)、フリッチャイ指揮ベルリン放送響(1962年録音/グラモフォン盤) 決して派手ではないですが、聴いていて自然に心に染み入るような演奏です。ウイーンの名手シュナイダーハンのバイオリンは非常に心のこもった美しい演奏ですし、シュタルケルの男気の有るチェロはブラームスにぴったりだと思います。またフリッチャイの伴奏指揮もとても素晴らしいです。彼らはブッシュ達ほど表現が濃厚では有りませんが、何度でも聴きたくなるような、実に味わいが有って魅力的なブラームスを聞かせてくれます。個人的にはとても気に入っている演奏です。録音は二人のソロの音は綺麗ですが、オケの音が幾らか古く感じられます。 

41rvqx5595l__ss500_ ダヴィド・オイストラフ(Vn)、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)、セル指揮クリーヴランド管(1969年録音/EMI盤) 僕がこの曲を初めて聴いた演奏です。非常に豪華な顔合わせなので、当時は決定盤の名を欲しいがままにしていました。現在よくよく聴いてみると、オイストラフもロストロポーヴィチも元々余り深刻な演奏はしないために、ブラームスにはいま一つ共感不足を感じます。もっともそれは僕の個人的な感想ですし、余り暗くならないブラームスの方が良いと言う人には丁度良い演奏かもしれません。二人とも力強く豪快ですし、技術的には当然優れていますが、掛け合いの部分なんかは2人が競うように弾いているので聴き手の好みが分かれるところだと思います。録音も余りパリッとしません。

Bura006 エーリッヒ・レーン(Vn)、アルトゥール・トレスター(Vc)、シュミット=イッセルシュテット指揮北ドイツ放送響(1970年録音/米JOY盤) これは海賊盤CD-Rですが、北ドイツ放送響創設25周年記念演奏会の貴重なライブ演奏です。レーンは1940年代のベルリン・フィルのコンサート・マスターですし、トレスターもやはり首席チェリストでしたので、フルトヴェングラーの演奏でもソロを務めています。何といってもイッセルシュテットが手兵の北ドイツ放送を指揮して、いかにもドイツ的な堅牢で、ズシリとした手ごたえの演奏をしているのが聴きものです。レーンは既に腕が衰えてしまっているのか怪しい部分が有りますし、チェロとの重奏部分でもピタリとは合っていません。けれども第2楽章の深々とした雰囲気あたりを聴いていると、やはりドイツの魂を感じさせてくれる気がします。海賊盤ながらステレオ録音ですし音質も非常に優れています。

Bura007ヘンリク・ シェリング(Vn)、ヤーノシュ・シュタルケル(Vc)、ハイティンク指揮コンセルトへボウ管(1971年録音/フィリップス盤) シェリングは僕の大好きなヴァイオリニストですし、シュタルケルも相変わらずブラームスに相応しい男っぽい演奏です。両者の息のピタリと合ったアンサンブルの素晴らしさも申し分が有りません。ハイティンクの指揮は派手さは有りませんが、コンセルトへボウのいぶし銀の響きを生かしていて不満は有りません。以前は地味過ぎる演奏のように感じていましたが、現在は控え目な美しさに満足です。不満を強いて言えば第2楽章が少々すっきりし過ぎなことぐらいです。アナログによる録音も美しく優れていますし、トータルでは現在最も気に入っています。

511kp95dojl__ss500_ ギドン・クレーメル(Vn)、ミッシャ・マイスキー(Vc)、バーンスタイン指揮ウイーン・フィル(1982年録音/グラモフォン盤) バーンスタインの粘って引きずるようなリズムはドイツ風とは違いますが、重量感が有って悪くありません。また、ブラームスではとかく透明感の有り過ぎる響きとなるウイーン・フィルも厚味の有る音を聞かせています。クレーメルとマイスキーのソロは幾らか軽めですが、テクニック、アンサンブルは優秀ですし、独特の繊細な叙情性も持ち合わせていて魅力的です。クレーメルはその後、アーノンクールの伴奏で再録音しましたが、バーンスタインとの旧盤のほうがずっと良いと思います。

Bura008 アイザック・スターン(Vn)、ヨーヨー・マ(Vc)、アバド指揮シカゴ響(1987年録音/SONY盤) ドイツ系のプレーヤーが誰も居ない演奏であるせいか、いわゆるドイツ風のブラームスからは程遠い、非常に爽やかなブラームスです。アバド/シカゴ響の演奏は常に腰が浮いた感じで重圧感が感じられません。ヨーヨー・マのチェロもテクニックは上手いのですがブラームスらしい含蓄が無く、えらくお気楽な感じがしてしまいます。スターンは晩年の録音の割には腕と音色の衰えを感じさせません。全体としては大変まとまりが良いのですが、全く北ドイツ風でない点が僕の好みからは外れます。

ということで、完全に「これは」と思えるのは無いものの、シェリング/シュタルケル/ハイティンク盤を最上位とします。次に来るのがシュナイダーハン/シュタルケル/フリッチャイ盤とレーン/トレスター/イッセルシュテット盤です。オイストラフ/ロストロポーヴィチ盤ではソリストの2人が、またクレーメル/マイスキー盤ではバーンスタインの指揮が、どちらも「牛刀をもって鶏を割く」という大げさな雰囲気なので余り好んでいません。但し、これはあくまで好みの問題です。

<注記> 以前はシュナイダーハン/シュタルケル/フリッチャイ盤をトップに挙げていましたが、現在はシェリング/シュタルケル/ハイティンク盤を好んでいます。そこで内容を一部書き替えました。

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2009年5月 5日 (火)

ブラームス ヴァイオリン協奏曲 続・名盤 ~女神達の饗宴~ 

ブラームスの作品には、明らかにハンガリーのジプシー音楽の影響を受けていて、哀愁が漂う情緒的な曲が数多く見られます。そのなかでも代表的な作品としてまっ先に上げられるのがヴァイオリン協奏曲二長調でしょう。

この曲は、既に「ブラームス ヴァイオリン協奏曲 名盤」で記事にしていますが、その中で、巨匠ヴァイオリニスト達と比べても一段と強い輝きを放っていたのが情熱的な点で正に並ぶ者が無いジネット・ヌヴーのライブ演奏録音でした。この曲は不思議と昔から女性ヴァイオリニストの名演奏が多いのですね。それは恐らくこの曲は多くの男性奏者が得意とするような古典的な造形性よりも、ジプシー音楽の持つ情熱や情感が前面に出ているからかもしれません。女性奏者がそのような”命がけ”ともいえる情熱的な演奏をすると、男性奏者はとてもかなわないです。そこで今回は特にジネット・ヌヴー以外の女性奏者による名演奏のCDをご紹介したいと思います。題しまして「女神の饗宴」です。ほらほら美人に滅法弱いフーテンのハルくんがステージにくぎづけになっていますよ。(笑)

131 ジョコンダ・デ・ヴィート(Vn)、フリッチャイ指揮ベルリン放送響(1951年録音/Audite盤) この録音は2009年に初リリースされるまでは知られていませんでした。有名なフルトヴェングラーとのイタリア・ライブの1年前の演奏です。録音状態について言えばイタリア録音よりも格段に良好です。ヴァイオリンの音はとても美しく、重音の倍音までもが良く録れています。イタリア・ライブほど熱狂的ではありませんが、かえってブラームスの重圧さが良く出ていて僕は好きです。デ・ヴィートのブラームスの代表盤にすべきだと思います。

Cci00030 ジョコンダ・デ・ヴィート(Vn)、フルトヴェングラー指揮トリノRAI響(1952年録音/IDイタリア盤) イタリア生れのヴィートのスタジオ録音によるバイオリン・ソナタ集は随分と端正な印象でしたが、このライブ演奏はフルトヴェングラーの伴奏指揮に触発されたからでしょうか、ひとつひとつの音に込めた情念の深さが際立っています。それは少々しつこく感じるほどなのですが、こういう女性の艶かしさも悪くは有りません。でも毎日付き合ったら疲れてしまうかも、っていったい何の話だ?(笑) 但し、イタリアの放送録音で音質が酷いのでお勧めはしません。

尚、ヴィートには、もうひとつヨッフム指揮バイエルン放送響(1956年録音/En Larmes盤)という海賊CD-R盤が有るのですが、イタリアでの演奏会から2年後の録音ですが、伴奏指揮がヨッフムで堅牢な為か、ヴィートの独奏もずっと安定感を増しています。そのうえ艶かしい表情は相変わらずです。録音もずっと良いですし、もしも正規録音盤が発売されればこちらを代表盤にするべきです。

Cci00031 ヨハンナ・マルツィ(Vn)、クレツキ指揮フィルハーモニア管(1954年録音/EMI盤) ヨハンナ・マルツィはハンガリー生れ。ヌヴーやヴィートに比べると一般的な知名度では劣りますが、実に素晴らしいヴァイオリニストです。非常に情熱的でありながら高い技術と男性的な造形性や堅実性を併せ持っています。第2楽章の深い情感も第3楽章の堂々とした立派さなど見事です。恋人にするならヌヴーやヴィートがエキサイティングで楽しいのでしょうが、女房にするなら堅実賢母タイプのマルツィが理想的だと思います。

Cci00030b イダ・ヘンデル(Vn)、ミュラー=クレイ指揮シュトゥットガルト放送響(1955年録音/ヘンスラー盤) これは彼女がまだ若い頃の演奏です。しかし彼女のヴァイオリンにはどうも余り面白みを感じません。堅実といえば確かにそうなのですが、技術的にも特別上手いわけでもありませんし、余りにも感情表現が控えめに過ぎるのが気に入らないのです。それは謂わば「三歩下がって夫の影を踏まず」とでもいう感じでしょうか。こういう女性は奥さんにすると良いのでしょうね。

Cci00032 ミシェル・オークレール(Vn)、オッテルロー指揮ウイーン響(1958年録音/PHILIPS盤) フランス生まれで生粋のパリジャンヌのオークレールも個性的な美人ヴァイオリニストです。フランス以外の欧米男性から見るとフランスの男は嫌われていますが、フランス女性はとても人気があるらしいです。オークレールのヴァイオリンは軽く鼻にかかったフランス語の発音そのもののような演奏です。重厚さとか情念の濃さというものは全く有りません。そこがとてもユニーク。パリジャンヌとデートでもしている気分になってしまい聴いていると結構楽しいです。  

Cci00031b ヨハンナ・マルツィ(Vn)、ヴァント指揮シュトゥットガルト放送響(1964年録音/GreenHILL盤) マルツィは録音が非常に少ないのですが、彼女の全盛期に伴奏者にも恵まれて録音状態の良いライブ演奏が残されているのは大変貴重です。ハンガリー人らしい情熱と情感が溢れるばかりなのですが、音楽が崩れることなく素晴らしいバランスを保っています。それを支えているのが幼少の時から師事したフーバイに鍛えられた演奏技術です。後年の名匠ヴァント指揮のオーケストラ伴奏も充実していて個人的に大好きな演奏です。
(追記:その後ヘンスラーから正規盤が出ました。高音域が強調されてヴァイオリンの艶は増しましたが、低域に厚みのあるGreenHill盤も捨て難いところで、無理に買い換える必要は無いと思います。)

144アンネ‐ゾフィー・ムター(Vn)、カラヤン指揮ベルリン・フィル(1981年録音/グラモフォン盤) この録音当時ムターはまだ弱冠16歳でしたが、ここで聴ける完成され切った演奏の驚きは一体何なのでしょう。単に技術的に上手く弾いているだけでなく、充分に気迫の込められた演奏には思わず引き込まれます。さすがに音楽の深みは今一つ不足するように感じられますが、ベルリン・フィルを熱気一杯に鳴らしているカラヤンの指揮に少しも負けていません。ベルリン・フィルの音色がやや明る過ぎるのが好みではありませんが、演奏全体の素晴らしさに傷がつくほどではありません。

Cci00033 チョン・キョンファ(Vn)、プレヴィン指揮ケルン放送響(1996年録音/En Larmes盤) 韓国に生れた素晴らしいヴァイオリニストのキョンファはブラームスの正規CDをこの4年後にラトルの伴奏で録音しています。しかしファンの間でそれ以上に評価の高いのが、この海賊CD-R盤の演奏です。自分はこの録音と同じ頃に東京でリサイタルを聴きに行きましたが、虚飾の全く無い素晴らしい演奏でした。このブラームスも同様です。深い情念と気迫を持ちながらも決して外面的に陥ることなく音楽の心そのものを音にします。タイプとしてはマルツィに似ています。

Cci00032b アンネ‐ゾフィー・ムター(Vn)、マズア指揮ニューヨーク・フィル(1997年録音/グラモフォン盤) ムターは10代の頃はぽっちゃりした容姿をしていて演奏についてはストレートな表現でしたが、年齢を重ねるにつれてバディも音楽もどんどんとグラマラスになりました。ハルくんはグラマラスは余り好みではなくて、どちらかいうとスリムで端正なタイプが好みです。しかし、ここまで驚異的な技術で艶かしく楽器を弾かれると、やはりおじさん的にはたまりません。脂の乗り切った濃厚なテクニックにメロメロです。もっとも、表現力が旧盤を大きく上回る割には、音楽の深みが増したようには感じられません。マズアの指揮も立派ながらいまひとつ気迫が足りないので、若い美女を囲う金持ちの爺さんパトロンというイメージです。

71mud5qz2hl__sl1300_チョン・キョンファ(Vn)、ラトル指揮ウイーン・フィル(2000年録音/EMI盤) カップリングがラトルの「運命」という変わったCDですが、どちらもミレニアムイヤーのライブ録音です。いかにも客席で聴いているような残響の深い録音のせいでヴァイオリンの音の迫力がやや緩和されて聞こえる印象です。ただ実際に4年前のライブよりも演奏そのものの傾向が更に内省的になっているのかもしれません。キョンファの相変わらず誇張や虚飾の無い演奏は心の奥に深く染み入ります。ウイーンフィルの美しい伴奏も大変魅力的であり、このCDはやはり折に触れて取り出したくなります。ラトルの「運命」は自分にとっては”おまけ”の印象です。

(補足)
チョン・キョンファ/ラトル盤を追加しました。

※その後にディスクを入手したバティアシュヴィリの新盤は古今の数々の名盤をも凌駕する最高の演奏でした。その紹介記事は下記のリンクからご覧ください。

<関連記事>
ブラームス ヴァイオリン協奏曲 続々・名盤(男祭り)
ブラームス ヴァァイオリン協奏曲 バティアシュヴィリの新盤

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2008年10月29日 (水)

ブラームス ヴァイオリン協奏曲ニ長調op.77 名盤

ブラームスは弦楽器の為に2曲の協奏曲を残しました。一つは言わずと知れた「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」です。そして、もう一つは「ヴァイオリンとチェロの為の二重協奏曲」です。この2曲はどちらも僕の非常に愛する曲ですので、もしも「どちらが好きか」と訊かれたら、答えるのに大変困ります。例えてみれば、二人の女性を同時に好きになってしまったような気分だからです。(単なる想像ですねっ)(^^)

とは言え、どうしてもどちらか1曲だけ選ぶとなれば、やはりヴァイオリン協奏曲のほうを選ばざるを得ないでしょう。めっきり冷え込んできた秋の夜長に一人静かに楽しむのには正にうってつけの曲です。「う~む、ブラームス!」とつぶやきながら、ウイスキーのグラスでも傾けたいです。

などと聴き手にとっては気楽なものですが、演奏家にとっては大変です。それは独奏部分が技術的に難しいだけでなく、ブラームスのあの2曲のピアノ協奏曲ほどでは無いにしても、ヴァイオリン協奏曲としては管弦楽部分がシンフォニックに書かれている最右翼の曲だからです。独奏者はステージでオーケストラに一人で渡り合わなければならないので、やりがいが有るのを通り越してほとんど苦行では無いでしょうか。しかも第2楽章ではオーボエの長いソロを聴かされてからようやく演奏に入るわけですからどこまで管弦楽に力を注いだ曲なでしょう。

しかしこの曲を力を持ったヴァイオリニストが管弦楽とあるときは渡り合い、ある時は寄り添い美しいハーモニーを築き合うような良い演奏を聴けた時には、ブラームスの音楽のだいご味を心から味わえて幸せな気持ちになります。

この曲にはブラームスのハンガリー趣味が強く表れているので、あまりカッチリと真面目に演奏されても面白く有りません。その辺りはブラームス自身も述べていたそうです。高い演奏技巧を駆使して、尚且つジプシーの情熱や奔放さが出るような演奏がこの曲の名演奏の条件だと思います。

この曲も昔から色々な演奏を聴いてきましたので、愛聴盤を振り返ってみたいと思います。

240 アドルフ・ブッシュ独奏、スタインバーグ指揮ニューヨークフィル(1943年録音/Music&Arts盤) 一番古い演奏ですが、ブッシュは僕の最も好きなヴァイオリニストの一人です。宇野功芳先生も「この人のヴァイオリンは音楽そのものと言うよりも人間の心そのものだ」と書いていましたが、本当にその通りです。ただ僕は個人的にはブッシュは1930年代のEMIへのSP録音時代よりもむしろ米国へ亡命した後の1940年代の演奏の方をより好んでいます。前時代的な余りに古過ぎるスタイルから戦後の時代につながるもっと普遍的な表現に変化したからです。この1943年のライブ盤は音も決して悪くないです。

ブッシュには更に後年のライブ録音も残っています。ハンス・ムンク指揮バーゼル管弦楽団(1951年録音/Music&Arts盤)です。しかし1943年盤と比べると録音が余りに悪いのとブッシュの腕もだいぶ衰えているので一応の記録としての価値しか無いと思います。

Cci00030 ジネット・ヌブー独奏、ハンス・シュミット‐イッセルシュテット指揮北ドイツ放送響(1948年録音/STIL盤) そのブッシュ晩年の演奏から遡ること3年前の有名な録音があります。僅か15歳の時にヴィエニャフスキ国際コンクールで優勝。その時の第2位が彼女より10歳以上も年上のオイストラフでした。この録音は29歳の時のライブ演奏であり、イッセルシュテット指揮の立派な伴奏のもとで激しく感情表現豊かに弾き切っています。実に感動的です。しかし彼女はこの翌年僅か30歳で飛行機事故に合い二度と帰らぬ人となったのです。なんということでしょうか。

672ヨゼフ・シゲティ独奏、ヘルベルト・メンゲス指揮ロンドン響(1959年録音/Philips盤) 僕の最も好きなヴァイオリニストの一人にヨゼフ・シゲティがいます。この人の晩年は、まるで人間の心そのもののバイオリンを弾きました。外面的な美感とは最も遠いところに有ります。たとえ弓がかすれようが音が少々汚くなろうが、この大ヴァイオリニストの演奏をじっと心の耳で聴きさえすれば、他に比べるものの無い程の感動を与えられます。例えてみれば人間国宝の歌舞伎役者みたいなものです。

そして僕の最も好きなヴァイオリニストの最後の一人はヘンリック・シェリングです。僕は幸運にも30年前に東京文化会館でこの人の生演奏を聴いています。その時はリサイタルで、バッハの無伴奏パルティータやブラームスのソナタを弾いてくれました。彼の生の音は随分柔らかくとても肌理の細かい印象でした。全然力づくで楽器を鳴らしていないのに、自然に音がどこまでも広がってゆく感じです。だからあの広い文化会館のホールがまるで楽器全体であるかのような気がして、自分がそのヴァイオリンの箱の中で聴いている錯覚に陥ってしまったのです。ヴァイオリンのコンサートを聴いてあんな風に感じたのは後にも先にもこの時だけです。

シェリングの二度目のステレオ録音にドラティ指揮ロンドン響との演奏(1962年/Philips盤)があります。若々しく切れは良いのですが、後年の円熟した演奏と比べると個人的には余り惹かれません。

268ヘンリック・シェリング独奏、ベルナルト・ハイティンク指揮コンセルトへボウ管(1971年録音/Philips盤) シェリング3度目のスタジオ録音盤です。この時代の彼はボウイングが非常に安定しているので音が美しく、バイオリンのみで言えばとても好きなのですが、恐らくハイティンクの指揮に問題が有るのでしょう、オーケストラが余りに覇気に乏しいのでがっかりなのです。この頃のハイティンクの指揮にはほとんど感心しなかった気がします。

814 ヘンリック・シェリング独奏、ラファエル・クーべリック指揮バイエルン放送響(1967年録音/オルフェオ盤) シェリングはこの曲は得意なので何度もコンサートで演奏していますが、その録音も海賊盤で幾つか出ていました。その中で僕が最も気に入っていた演奏の正規録音盤が近年に出ました。絶好調のクーベリックの凄まじい伴奏に乗ってスタジオ録音とは別人の集中し切ったヴァイオリンを聞かせてくれます。3大Bを弾いて、この時代にこれほど心を感じさせるヴァイオリニストは居なかったと思います。精神性とテクニックの両立を見事に成し遂げているのです。ということで僕のベスト盤はこのCDなのです。

他にもハイフェッツ/ライナー、ミルステイン/モントゥー、オイストラフ/クレンペラー、オイストラフ/セル、ムター/カラヤン、クレーメル/バーンスタインなど色々と有るのでこの曲を聴く楽しみは尽きません。それらについては下記の関連記事から続編をご覧ください。

さて、皆さんの愛聴盤はいったい誰の演奏でしょうか?お好きな演奏を教えて頂ければ嬉しい限りです。

<関連記事>
ブラームス ヴァイオリン協奏曲 続・名盤~女神達の饗宴~ 
ブラームス ヴァイオリン協奏曲 続々名盤~男祭り~
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