エルガー、ホルスト、ヴォーン・ウイリアムズ、他イギリス音楽

2012年7月28日 (土)

エルガー 「威風堂々」第1番 ~2012 ロンドンオリンピック開催~ 

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いよいよロンドン・オリンピックが始まりましたね。無類の(?)スポーツ観戦好きの僕には大変に熱い夏になります。

(日本時間では)今朝の開会式も素晴らしかったですね。さすがはイギリスというか、気品と、慈愛の精神と、ユーモアがとても感じられました。なにしろ映像によって、エリザベス女王がジェームス・ボンドにエスコートされてバッキンガム宮殿からヘリコプターで会場にやって来て、空からパラシュートで降り立つような演出は正にイギリス式ユーモアです。日本の天皇陛下をこんな演出で登場させようとは誰も思わないでしょう。

サイモン・ラトルが指揮してロンドン交響楽団が演奏する「炎のランナー」のテーマ曲も傑作でした。ミスター・ビーンがオーケストラのメンバーとして混じって繰り広げるユーモアのなんと楽しいこと。さすがです。

一方でイギリス国家を耳の聞こえない子供たちの歌声で聞かせるあたりは、慈愛の精神を強く感じました。こういう部分は日本人としても是非とも見習いたいですね。

それにしても若者たちがスポーツで競い合う姿は本当に感動的です。この日のために毎日毎日鍛錬した成果を国の代表として、あるいは一個人として全力で披露するわけですから、心から感動せざるを得ません。

僕は大体どの競技も楽しみますが、特に好きなサッカーは、開会式に先駆けて始まったので既にヒートアップしています。女子がカナダに勝ったのは順当としても(川澄さんのシュートはお見事!)、男子がスペインの無敵艦隊を撃沈するなんて嬉しい番狂わせです。しかも、それは偶然では無く、個人技で優るスペインに一対一の局面でも決して負けていないのが嬉しかったですし、何よりもチームワークの勝利というのが素晴らしかったです。これなら期待できます。

体操にも本当に期待できますね。世界の選手に怖れられる内村くんは凄過ぎ(出来過ぎ??)です。「金メダルの目標は4個」と平気で言い切りますが、少しも気負いが感じられません。本当に取ってしまいそうです。田中三兄弟も爽やかでイイですね。理恵ちゃんにはメダル獲得というよりもあの美しい演技で観客を(男性の目を?)湧かせてもらいたいです。うーん素敵だぁ。熱い!

卓球も凄く楽しみです。世界で実力を上げてきた福原愛ちゃん、石川佳純ちゃん、それに平野さん頑張れ!おじさんは応援しているぞ!
男子の水谷準くんも期待充分です。メダルも夢では無いです。若い丹羽くんにも期待したいです。

水泳では北島康介にもちろん期待ですが、この何年かで日本の選手層はとても厚くなりましたよね。何人も活躍してくれるのではないかな。

その他にも、柔道、レスリング、陸上、マラソン、バレーボール、重量挙げと上げれば楽しみは幾らでもあります。こりゃあ、熱いゼ!野球とソフトボールが無いのは残念ですが、野球場も無く、野球のルールを全く知らないイギリスでは、まぁ仕方がありませんね。

それでは、世界の若者たちが競技を堂々と繰り広げることを願って、イギリスのエドワード・エルガーの「威風堂々」第1番を聴きます。

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サー・アーサー・ブリス指揮ロンドン交響楽団(1958年演奏/DECCA盤) ブリスは19世紀の末にイギリスに生まれた作曲家で、エルガーとも親交が有ったそうです。指揮者もしていたために、1964年のロンドン響の日本ツアーの時にはモントゥーとともに来日して自作曲を指揮したそうです。この演奏は。マーチ集の中に収められていますが、ジャケットがイイでしょう。演奏は本当にあっさりと地味ですが、この控え目のセンスが何とも英国を感じさせるのです。録音は古いですが、その割には明瞭です。

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サー・ジョン・バルビローリ指揮フィルハーモニア管(1962年録音/EMI盤) 録音は古いですが、演奏は最高です。やはり派手派手さは少しも無く、盛り上がっても決して絶叫はしません。中間部の気高い精神を感じさせる落ち着いた雰囲気も正に英国紳士。アメリカのオケでは中々こうは行きません。バルビローリはエルガーのスペシャリストですが、こうした一品にも素晴らしさが滲み出ています。

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2011年8月13日 (土)

ヴォーン・ウイリアムス「グリーンスリーヴスによる幻想曲」 ~サマースペシャル・名曲シリーズ~

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今日から夏休みに入りました。といっても自分の勤務する会社は全部で5日間です。これを短いと感じるか長いと感じるかは、人それぞれでしょうが、世の中には連休と無縁の方だって多くいらっしゃるわけですから、ぜいたくを言ってはバチが当たります。

そこで今週はモーツァルトのピアノ協奏曲シリーズもお休みします。ウォルフィくん、おやすみだよ~ん。

代わりにサマースペシャル・名曲シリーズとしてヴォーン・ウイリアムスの「グリーンスリーヴスによる幻想曲」です。イギリス音楽って実に爽やかですよね。もちろん北欧音楽ほどの清涼感は有りませんが、この爽やかな音楽は、暑苦しい夏に涼しく爽やかな空気を与えてくれます。特にレイフ・ヴォーン・ウイリアムスの音楽は、イギリスの民謡を題材にした曲が多いので、どの曲もとても爽やかです。シンフォニーも多く作曲していますが、どちらかと言うと短い管弦楽曲のほうにこの人の特徴が強く表れている気がします。僕の大好きな「舞い上がるひばり(あげひばり)」なんて名曲も有りますが、今日は「グリーンスリーヴスによる幻想曲」です。

この「グリーンスリーヴス」という曲は元々は16世紀に、イギリスのスコットランド近くの地方で歌われ始めた民謡なんだそうです。どうりで涼しい空気感を持つメロディですよね。ただし作曲者は不明です。ある男性が女性、それも娼婦に対する恋慕を歌にしたという、せつない内容なのです。歌詞はこんな風です。

ああ、私の愛した人は何て残酷な人、
私の愛を非情にも投げ捨ててしまった。
私は長い間あなたを愛していた、
側にいるだけで幸せでした。

グリーンスリーヴスは私の喜びだった、
グリーンスリーヴスは私の楽しみだった、
グリーンスリーヴスは私の魂だった、
あなた以外に誰がいるでしょうか。

という具合です。娼婦に熱を上げるのは本人の勝手ですが、これじゃ困ったものですよね。早く正気に戻りなさいとアドヴァイスしてあげたいです。でも、そんなにもイイ女だったら、一度ぐらい会ってみたいなぁ~。(苦笑)

実は僕が初めてこの曲を知ったのは、アメリカの古いフォーク・ソング・グループのザ・ブラザース・フォアの歌でです。クラシック音楽としては、この歌を題材にした作曲家は何人か居ますが、何といっても有名なのはヴォーン・ウイリアムスですね。元々美しいメロディはますます美しく感じられ、中間部の変奏部分の詩情溢れる幻想的な雰囲気も最高です。僅か5分ほどの短い曲ですが、つかの間の癒しの時間を味わえます。

それでは僕の愛聴盤です。

Barbirori_elgar サー・ジョン・バルビローリ指揮シンフォニア・ロンドン(1962年録音/EMI盤) イギリス人といってもバルビ様はイタリアの血が半分入っていますので、やはり恋歌を歌わせると、どこか熱が入ります。単たるムード的に済ませないで、旋律を明確に歌わせて男の恋心を強く訴えかけます。中間部の歌い方もやはり明確です。それでいて詩情を失わないところはさすがです。録音は少々古めかしいですが、元々地味な響きの曲なので、それほどマイナスには感じません。

Vwilliamsboult サー・エードリアン・ボールト指揮(1970年録音/EMI盤) 交響曲/管弦楽曲集に収められています。いかにも英国紳士風の控えめな歌い方です。バルビ様のように綿々と訴えかけたりはしません。それがイギリス音楽風なのかもしれませんが、曲の内容を考えると、もっと迫るような歌い方でも良いようにも思います。もちろん聴き手の好みも有るでしょうが、僕には地味過ぎに感じられてしまいます。やっぱり、♪ときには娼婦のように~♪という風に行って欲しいなぁ。

12360191164111925131865122901010718 サー・ネヴィル・マリナ―指揮アカデミー室内管(1972年録音/DECCA盤) マリナ―もやはり、速めのテンポであっさりと歌います。爽やかには違いありませんが、少々物足りない気がします。余りにBGM的に聞こえてしまうからです。DECCAの録音は優秀で明瞭なのですが、余り心に訴えかけてくるようなタイプの演奏では有りません。個人的な好みとしては、ちょっと違うかなぁ~という感想です。

せっかくですので、ブラザース・フォアのCDもご紹介しておきます。

Brathers_four_ ザ・ブラザース・フォア(CBS盤) 昔、フォーク・ソングの全盛時代に、彼らは「ブラ・フォー」という愛称で日本でもとても人気が有りました。(「アラフォー」ではありませぬよ。) 僕も高校の放課後に、彼らの「500マイル」や「グリーン・フィールズ」「トライ・トゥ・リメンバー」といった名曲をギター片手に友人と歌ったものです。ですので、今こうして彼らの歌を聴くと、青春時代の思い出が蘇ってきます。あの時の友達は、好きだった娘は、いまどうしているのかなぁ。♪あのこ~どこにいるのやら~♪ 

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2011年7月 6日 (水)

ホルスト 組曲「惑星」 名盤 ~七夕スペシャル~

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明日は七夕ですね。「七夕伝説」と言えば、織姫(おりひめ)と牽牛(けんぎゅう)が1年に一日だけ会えるという有名なお話ですが、この二人はご夫婦なんですよね。二人とも結婚する前は大変な働き者だったそうです。それが結婚したとたんに、毎日毎日天の川のほとりでラブラブばかりしていて、ちっとも働かなくなってしまいました。そこで天帝が怒って二人を天の川の両岸に別れさせてしまい、7月7日だけは会えるようにようにしたのだそうです。これ、ちょっと可哀そうですよね。新婚さんだったら仕方がないですよね。現代人じゃ無いのですし、新婚さんのうちぐらいゆっくりラブラブさせてあげれば良いのにね。どうせ、そのうちに熱は冷めちゃうんでしょうから。(苦笑)

でも、おかげで「元祖遠距離恋愛」状態になったので、逆にいまだにラブラブが続いているのかもしれませんね。1年に一晩だけじゃ、お二人ともさぞや燃え尽きるんでしょうね。明日も熱い熱い夜になることでしょう。

ところで、星にちなんだ曲と言えば、やはりホルストの「惑星」です。ホルストの代表作、というよりも20世紀の代表的な管弦楽曲の一つです。地球以外の太陽系の七つの惑星に、それぞれの名前の曲を作ったのですね。大編成のわりには親しみ易く分り易い内容です。ですのでとても人気が有りますね。

七つの曲は次の通りです。

 「火星」 戦争をもたらす者

 「金星」 平和をもたらす者

 「水星」 翼のある使者

 「木星」 快楽をもたらす者

 「土星」 老いをもたらす者

 「天王星」 魔術師

 「海王星」 神秘主義者

この中で、一番良く知られているのは「木星」です。何年か前に平原綾香さんが「ジュピター」として大ヒットさせたので有名ですね。原曲はさすがに素晴らしく、個人的にはやはりこの曲が好きです。「火星」も人気が有りますが、まるで「スターウォーズ」なのが、ちょっとです。というか、スターウォーズが真似したんでしょうけどね。一転して、静かで詩情のある「金星」を聴くと、ああ英国の音楽だなあ、と思います。全体的にイギリス音楽の趣きは希薄ですが、この曲は別です。

それでは僕の愛聴盤です。

Srcr9080 レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィル(1971年録音/CBS盤) 昔、アナログ盤時代から愛聴しました。この演奏が好きな理由はただ一つ。「木星」が断然素晴らしいからです。特にこの曲の中間部で、ぐっとテンポを落として歌う部分には胸を揺さぶられます。ホルストの音楽からは少々はみ出しているかもしれませんが、この圧倒的な説得力の前ではどうでも良くなります。但し他の曲は、繊細さがいま一つのようにも感じます。イギリス音楽らしい詩情が更に欲しい気がします。幾ら「近代管弦楽」と言っても、何となくアメリカ音楽のように聞こえるのは気のせいでしょうか。

Holst エードリアン・ボールト指揮ロンドン・フィル(1978年録音/EMI盤) ボールト卿は、なにせこの曲の初演者です。生涯の録音回数は何と5回(!)に及びます。4回目の録音のニュー・フィルハーモニア管盤も評価が高いようですが、僕が持っているのは最後の録音です。この演奏は本当に素晴らしいですね。少しも派手派手しくならずに、「音の暴力」とはまるで無縁。大人の品格を感じさせます。「金星」では詩情が溢れるようで、実に美しいです。反面「木星」はバーンスタインと比べると軽く穏やか過ぎて、幾らか物足りなさを感じます。一番好きな曲なので残念ですが、他の曲の素晴らしさで、この演奏はやはり外せません。

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