ベートーヴェン(交響曲第1番~3番)

2010年11月11日 (木)

ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン 2010 プレートルの「エロイカ」

Viener_po_2010

今年もウィーン・フィルハーモニーが来日しました。世界のオーケストラの中で僕が特に好きな楽団といえば、なんといってもシュターツカペレ・ドレスデンと、このウィーン・フィルです。いぶし銀の響きのドレスデンは、例えてみればコシのある信州蕎麦。なめらかで艶やかな音のウィーン・フィルはのど越しの良い更科蕎麦というところです。どちらが美味しいかということではなく、味わいの違いだけなのです。ということで、僕はツアーの最終公演となる10日のサントリーホールへ行ってきました。

当初、この日に予定されていたプログラムはマーラーの第9交響曲でした。ウィーン・フィルとは所縁のマーラー、それも最高傑作の9番とあっては聴き逃すわけにはいきません。そう思ってチケットを購入し、心待ちにしていたのですが、指揮者のサロネンが来日不能になり、代役としてジョルジュ・プレートルが振ることになりました。それに合わせて、曲目もエロイカに変更されました。ウィーン・フィルのベートーヴェンは3年前にアーノンクールで7番を聴きましたし、自分としては是非ともマラ9を聴きたかったのです。同じ気持ちのファンは多かったのではないでしょうか。とは言え、ウィーン・フィルのエロイカが聴けるのですから悪いはずは有りません。

ジョルジュ・プレートルというと、最初に名前を知ったのは、マリア・カラスの歌う「カルメン」のレコードの指揮者としてでした。随分と昔の話です。それ以来、ほとんど注目をしない指揮者だったのですが、近年のニューイヤーコンサートへの登場で、その素晴らしい指揮ぶりに驚かされました。音楽家とはいっても、結局は芸人なので、長年一つの道を真っ直ぐ歩んでいれば、いつか芸の大きな花が咲くものなのですね。

そんなことを思いながら会場へ入ったところ、宇野功芳先生がソファに座られていました。以前にも面識が有ったので、お声をかけさせて頂きました。私「今日はプレートルですから期待できますね。」 先生「絶対に良いですよ。」 私「ほんとうに楽しみですね。」 こんな短いやりとりでしたが、先生も期待充分ということがわかりました。

さて予鈴が鳴って席に着き、団員がステージに上がるのを見守り、いよいよコンマスのキュッヘル登場です。チューニングが終わり、最後にプレートルが出てきました。前半はシューベルトの交響曲第2番です。序奏の1stヴァイオリンのスケールは幾らか不揃いでしたが、こういう始まりはウィーン・フィルでも難しいと見えます。曲が進みにつれて音が混じり合い、どんどんと響きが膨らんでいきます。こうなるとウィーン・フィルの独壇場です。この曲は普段聴くことは有りませんが、この楽団特有の柔らかく美しい音で聴くと、やっぱりシューベルトはウィーンの音楽家だなぁと思います。音楽とオケの音とに寸分の隙間も感じないからです。正に「同質性」を感じます。プレートルはこの曲ではほとんど手を加えずに、表現を楽団に任せてたようです。この曲ではそれはとても好ましい事だと思います。

休憩をはさんで、後半はいよいよ「エロイカ」です。冒頭の二つの和音は、とても速く切れの良い音でした。かつてのフルトヴェングラーのような重い音とは全く異なります。その後のテンポはかなり速めです。けれどもそれぞれの楽器が次ぎから次ぎへと、出たり引っ込んだりする掛け合いの見事さはため息が出るほどで、「ああ、ウィーンフィルだ!」と心の中で叫びました。それはフルトヴェングラー時代と(それ以前は知らないので)少しも変わることが有りません。プレートルのテンポは速いですが、速過ぎるとは感じさせません。テンポを落とすところは気付かせないぐらいに微妙に落として雰囲気を変えていますし、程よい緊張感が有って、音楽の流れの良さを感じさせます。

第2楽章も速めです。葬送を意識し過ぎて、音楽がもたれるようなことはありません。それに、ウイーン・フィルの弦の何と美しいことでしょう。そこに柔らかい音の管楽器が溶け合って、至福の美しさとでも言いたくなります。トゥッティでの強奏もわめきちらすことは無く、響きの美しさを感じます。

第3楽章は相当に急速テンポでした。老齢のプレートルがよくぞこれほど躍動感ある指揮をするものだと驚きました。そのテンポで余裕をもって弾き切って、少しもリズムがこけないオケの安定感もさすがです。トリオのホルンはウインナホルンの味わいが最高です。

第4楽章は冒頭のピチカートが軽やかに始まります。続く、弦の掛け合いの美しさはさすがです。この楽章も速いテンポで進み徐々に高揚してゆきますが、全曲を通して感じるのは、プレートルの音楽はドイツ的な重圧さとは異なる、フランス的な(と言って構わないでしょう)「軽み」です。ですが、そこは円熟の巨匠のこと、少しもせわしない雰囲気はありませんし、逆に色々な所でちょっとしたニュアンスの変化や遊び心を感じさせて、実に聴きごたえがあります。これこそが本当の「芸の術」なのでしょう。聴いていて本当に楽しくなります。

終了後の聴衆の拍手はもの凄かったです。演奏の素晴らしさもあるでしょうが、たぶん86歳の巨匠が日本に来るのはこれが最後かもしれないという皆の思いもあったと思います。プレートルもそれに本当に嬉しそうに応えていました。

アンコールはブラームスのハンガリア舞曲第1番でした。ヴァイオリンが、もうこれ以上たっぷりとは弾けないであろう限界まで大きく歌っていました。弦の音が本当に美しかったです。テンポの変化が凄く、ドラマティックな演奏ですが、最高のエンターテイメントです。2曲目は得意の「トリッチ・トラッチ・ポルカ」ですが、普段の1.5倍の速さではないかと思わせるほどの急速テンポが素晴らしかったです。

盛大な拍手の中、ウィーン・フィルの団員も満足した様子でしたが、彼らが舞台袖に引き上げた後もプレートルは一人で何度も何度も舞台に戻って来ました。出来ることなら、神様が許してくれさえすれば、再びこの舞台で名演奏を聞かせてほしいものです。その時には絶対に聴きに行きたいと思います。当夜、聴くことができなかったマーラーの9番はまた聴ける機会がきっと有ることでしょう。曲目変更の不満も全く消え去って、満足感に浸りきった本当に素晴らしいコンサートでした。

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2010年11月 6日 (土)

ベートーヴェン 交響曲第2番ニ長調op.36 名盤

Beethoven1 ベートーヴェンが、この第2交響曲を作曲したのは、彼が有名な「ハイリゲンシュタットの遺書」を書いた1802年です。弟の問題、難聴や体調の問題、音楽家としての人気の低下などから、あれほど絶望的な感情に陥っていながらも、いざ創作をするとこれほど明るく生命力のみなぎった曲を書いてしまうのですから、なんという人なのでしょう。音楽家としてのプロフェッショナルさには脱帽です。

この曲は古典形式を強く残してはいますが、ハイドンの影響下に留まっていた第1番とは異なって、そこから大きく脱皮したロマンの香りや情熱のほとばしりが聴き手に強く迫ってきます。ですので第3番以降の傑作群と比べても、それほど聴き劣りがしません。特に素晴らしいのは1楽章と2楽章です。第1楽章はいかにもベートヴェンらしい勇壮な主題ですし、終結部も素晴らしく何度耳にしても興奮します。そして第2楽章のロマンティックな歌も実に美しいです。時を忘れてずっと浸っていたい気分になります。そのくせ、どこかにベートーヴェンの苦しい気持ちが隠されているような陰りを感じます。1、2楽章の魅力と比べると後半の3、4楽章は少々物足りない感は有ります。とはいえ、この第2交響曲はやはり魅力的な佳曲だと思います。

それでは、僕の愛聴盤をご紹介します。順番に聴いていきたいと思いますが、まずはモノラル録音からです。

Beethoven4_furjpg ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ウイーン・フィル(1948年録音/EMI盤) ロンドンへの演奏旅行中のライブ録音です。これは正直、愛聴盤とは呼べません。録音が劣悪で、戦時中の録音以下だからです。けれどもフルトヴェングラーに他の録音が無いために、EMIの全集に含まれています。間違ってもこの曲を目当てにしてはいけません。但し演奏そのものは、さすがにウイーン・フィルです。音のしなやかさと、こぼれるようなロマンの香りが素晴らしいです。録音がせめてもう少し良ければ、と思わずにはいられません。

3200060182 アルトゥーロ・トスカニーニ指揮NBC響(1951年録音/RCA盤) カーネギーホールでの録音です。1楽章は相当に速いテンポで力強く突き進みます。音の迫力が凄いです。2楽章は速めですが、カンタービレを効かせてよく歌っています。3楽章も非常に力強いです。終楽章は速めですが、極端ではありません。全体として、どこまでも明晰で、あたかも地中海の気候のような演奏なので、もう少し陰りというものが欲しくなる気がします。もっともこれはこの人の全ての演奏について言えるのですけれど。

Schu_bet_758カール・シューリヒト指揮パリ音楽院管(1957年録音/EMI盤) これもEMIへの全集に収められています。1楽章の序奏のあとの主部は相当に速めです。けれども音のタメに余裕が有るので、せかつく感じは有りません。このあたりはシューリヒトの魔法と言って良いです。2楽章は粘らず清楚で実に美しいです。3楽章はリズムの切れの良さが光ります。終楽章のテンポは意外にゆとりがあります。フレーズ毎に丁寧に念押ししながら進む感じがしますが、決してもたれません。

ここからはステレオ録音になります。

51ysbm2rlel__sl500_aa300_ ブルーノ・ワルター指揮コロンビア響(1959年録音/CBS盤) 1楽章はかなり速めです。情熱と生命力が凄く、これはワルターが82歳のときの録音ですが、とても年齢を感じさせません。時々感じさせることのある、音の結晶度不足もここでは全く感じません。そしてゆったりと歌う2楽章のロマンの香りはいかばかりでしょう。ここには「田園」の2楽章にも匹敵する深い味わいが有ります。3楽章はリズムが生き生きしています。終楽章は幾らか遅めでゆとりが有りますが、決してもたれるわけではなく、フレーズの歌いまわしが非常に美しいので、せかせかした指揮者の演奏とは別の曲を聴く感じがします。

Beethoven_cluytensアンドレ・クリュイタンス指揮ベルリン・フィル(1959年録音/EMI盤) 全集盤に収められている演奏です。第1楽章の主部に入ると快速テンポでグングンと進み行くのが快感です。アンサンブルの良さも流石はベルリン・フィルです。2楽章の牧歌的な味わいと美しさは秀逸ですし、3、4楽章の切れの良いリズムによる躍動感と音楽の生命力も最高です。録音についてはEMIなので元々期待は出来ませんし、リマスターが高域型で音そのものが軽く感じられますが、この曲の場合には曲想から抵抗感は少ないです。

Cci00055フランツ・コンヴィチュニー指揮ライプチヒ・ゲヴァントハウス管(1960年頃録音/edel classics盤) これも全集盤に収められていますが、昔、学生時代に廉価LP盤で聴いて非常に好きだった演奏です。1楽章序奏部の和音から厚いドイツの響きがとても美しく魅了されてしまいます。更に主部に入ると、ゲヴァントハウス管の合奏の上手さと切れ味に驚嘆させられます。それは単に機能的に優れているだけではなく、ドイツの伝統そのものから成り立つ凄さを感じるからです。2楽章は速めで甘さは控えめですが、和音はやはり美しいです。続く3楽章も良いですが、終楽章は分厚い合奏に凄みすら感じます。それにしても、この凄さは実際に耳で聴いてみないと分からないと思います。

51pbpkptral__ss500_ カール・ベーム指揮ウイーン・フィル(1972年録音/グラモフォン盤) 全集盤の中に収められた録音です。1楽章序奏部の響きはドイツのオケとはまた違ったウイーン的な柔らかさです。それが主部に入ると驚くほど速いテンポで生命力に満ち溢れます。晩年のベームの演奏が全て重いと思ったら大間違いです。2楽章は一転して、ゆったりとロマンの歌を奏でます。ウイーン・フィルの美しく抒情を感じる音も最高です。3、4楽章のテンポはゆとりが有りますが、リズムの切れも良く、決してもたつくことは有りません。

649 カール・ベーム指揮バイエルン放送響(1978年録音/audite盤) ウイーン・フィル盤から6年後のミュンヘンでのライブ録音です。1楽章のテンポは6年前とほぼ同じで非常に躍動感を感じます。2楽章も非常に美しく、ウイーン・フィルに中々に迫っています。3、4楽章もウイーン・フィル盤と余り変わりませんが、ドイツのオケのせいか、4楽章の立派さは更に上回っているような気がします。総合的にウイーン・フィル盤とどちらを取るかは非常に難しいですが、個人的には僅差でウイーン盤を選びたいです。

0184442bcヘルベルト・ブロムシュテット指揮シュターツカペレ・ドレスデン(1978年録音/Berlin classics盤) これも全集盤に収められています。ゲヴァントハウス管の音も素晴らしかったですが、SKドレスデンの音も最高です。演奏の凄みという点ではコンヴィチュニーに及びませんが、この演奏も実に素晴らしいです。1楽章主部は結構速いテンポなのですが、マルカートで全ての音符を弾き切っているので、実際よりも落ち着いて聞こえます。やっぱり伝統的なドイツのオケの響きと演奏には理屈抜きで惹かれます。

以上の中から、特に好きな演奏を上げるとすれば、コンヴィチュニー/ゲヴァントハウス盤がダントツです。これは学生時代から全く変わりません。他には、ウイーン・フィルが美しいベーム盤、SKドレスデンが素晴らしいブロムシュテット盤、そして指揮者の芸格が抜きんでたワルター盤も外せません。

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2010年9月11日 (土)

ベートーヴェン 交響曲第3番変ホ長調「英雄」op.55 名盤(ステレオ録音編)

Naporeon2 ベートーヴェンが第3交響曲を、初めはナポレオンに献呈するつもりでいたのに、彼が皇帝の座に就いたことに腹を立てて献呈を取りやめてしまった、というのは有名な話です。但し他にも、第2楽章のテーマが「英雄の死と葬送」だったことから、相応しくないと考えて取りやめたという説も有るそうです。まあ歴史の真実は誰にも分らないということです。この曲の副題は「エロイカ(Eroica)」で元々はイタリア語でしたが、もしも英語なら「ヒーロー(Hero)」ですか。ベートーヴェン作曲交響曲第3番「ヒーロー」ではちょっとサマにならないですよねぇ。(笑) それじゃ甲斐バンドか麻倉美樹になってしまいます。(古っ!)

それはさておき、フランス革命の後の混乱を収拾したのがナポレオンならば、ベートーヴェンの「エロイカ」は交響曲に革命をもたらしました。ハイドン~モーツァルト~そしてベートーヴェン自身の第2交響曲から何と大きな飛躍を遂げたことでしょう。それまでの古典派交響曲とは全く異なるスケールの大きさです。正に音楽界の「大革命」と呼べるでしょう。第1楽章の雄大な広がりとうねり、第2楽章「葬送行進曲」の静かに始まり徐々に高まってゆく悲しみの感情と大きさ、第3楽章スケルツォの躍動感と立派さ、第4楽章のエロイカ変奏の呆れるほどの充実感と、それぞれが本当に素晴らしいのですが、長大な曲全体の統一感も実に見事です。

それでは、フルトヴェングラーの名盤モノラル録音の名盤に続いて、今度はステレオ録音の名演奏を聴いてみることにしましょう。

Monteux_eroicaピエール・モントゥー指揮ウイーン・フィル(1957年録音/DECCA盤) オールド・ファンに人気の高いモントゥーは速めのテンポで気迫がこもり、キリリと引き締まったところがシューリヒトに似ています。即興的な味わいも似ていて、”幾らか重みを増したシューリヒト”という印象です。ステレオ最初期の古い録音のせいもあって響きが薄いですが、逆に当時のウイーン・フィルの室内楽的な演奏を味わえるのがとても楽しいです。モントゥーには最晩年のコンセルトへボウ管との録音が有り評価が高いですが、このウイーン・フィル盤にも独特の良さが有って好んでいます。

Beethoven_cluytensアンドレ・クリュイタンス指揮ベルリン・フィル(1958年録音/EMI盤) 全集盤に収められている演奏です。第1楽章から速めのテンポで颯爽と進みゆく熱のこもった演奏です。ベルリン・フィルの優秀さも手に取るように感じられます。ところがEMIの録音は分離が悪く、音色感の乏しい音でがっかりです。2楽章以降もライブのような気合の入った演奏で、管楽器のソロの上手さも光りますし、合奏はアンサンブルの良さが際立ちます。

422 ブルーノ・ワルター指揮コロンビア響(1959年録音/CBS盤) ワルター晩年のステレオ録音です。第1楽章は戦闘的な雰囲気からは最も遠い、優しく穏やかな表情の「英雄」です。2年前のトスカニーニ追悼コンサートの時に見せた気力もだいぶ影を潜めてしまいました。さすがの英雄(ワルター)もこの時すでに83歳ですので精力減退というところでしょうか。得意の一瞬のパウゼもほとんど見せていません。第2楽章の葬送も余り暗さを感じない演奏です。ワルターらしいと言えばそれまでですが。第3楽章は颯爽として活力があります。そして第4楽章では再び柔和な表情のエロイカ変奏を聴かせます。迫力には欠けますが、決して嫌いではない演奏です。

Cci00055フランツ・コンヴィチュニー指揮ライプチヒ・ゲヴァントハウス管(1960年頃録音/edel classics盤) 全集盤に収められている演奏ですが、何と言ってもゲヴァントハウス管の音色が魅力的です。これほどの古き良き時代のドイツの古武士のような音色は今ではもう聴けません。但しコンヴィチュニーの指揮は相変わらずで、融通の利かない(ドイツの)ハゲ頭の頑固おやじのような演奏です。第1楽章提示部も真面目に繰り返しています。ゆったりとしたテンポで堂々とした立派な演奏なのですが、どこか生真面目過ぎて面白みに欠ける面が有ります。そこがいかにもドイツらしいとも言えるのですけれども。

026 ラファエル・クーベリック指揮ウイーン・フィル(1971年録音/オルフェオ盤) ザルツブルク音楽祭でのライブ演奏です。ゆったりと広がりのあるテンポでスケールの大きさを感じます。クーベリックは手兵のバイエルン放送響とは実演ではヒートアップし過ぎて前のめりになることがしばしば有りますが、ウイーンPOとはそのバランスが上手く保たれています。但し前半の2楽章まではやや不完全燃焼の物足りなさを感じます。第3楽章からはようやくエンジン全開になって、熱気と迫力で聴きごたえ充分です。録音は決して悪くはないのですが、マスタリングのせいか高域が強調され過ぎで音が硬く感じられるのが難点です。

410pr0hx8el__sl500_aa300_カール・ベーム指揮ウイーン・フィル(1972年録音/グラモフォン盤) グラモフォンへのスタジオ録音です。ベームは実演でこそ燃える人でした。ですのでスタジオ録音の評価が軽んじられる傾向無きにしもあらずです。この録音が含まれる全集盤も昔は人気が有りましたが、現在では余り話題になりません。けれどもこの演奏の安定感は見事です。ドイツ音楽を演奏して、ゆったりとした構えでこれほど安心して聴かせる指揮者はそうは居ません。音楽そのものを心から味あわせてくれます。ウイーン・フィルの美音を捉えた優れた録音も嬉しいです。

649 カール・ベーム指揮バイエルン放送響(1978年録音/audite盤) ベームはバイエルン放送響と相性が良く、ライブでの熱演の録音が幾つも残されています。当然期待されるわけですが、この演奏は録音が残響過多でオフ気味なのでオケがだいぶ遠く感じます。実際には中々の熱演をしているようなのですが、柔らかい録音に緩和されてしまっているのが少々残念です。基本的なテンポは6年前のスタジオ録音とよく似ています。バイエルン放送はもちろん優秀ですので、ウイーン・フィル盤と優劣を付けるのは難しいところです。

0184442bc ヘルベルト・ブロムシュテット指揮シュターツカペレ・ドレスデン(1976年録音/Berlin classics盤) ブロムシュテットが首席指揮者だった時代に録音した全集盤に収められています。この人は草食系男子(菜食主義者なのは有名)のせいか、どのオーケストラを指揮しても自分の色を要求するのではなく、オケの持つ色を尊重します。ですので、ドレスデンのように元々素晴らしい伝統の音色を持つオケを指揮する時には余計なことを一切しないのが長所となります。このオケのベートーヴェンを聴けるというだけで価値が有るのですが、この演奏は全集盤の中での出来映えは大分劣るほうだと思います。

875 クラウス・テンシュテット指揮ウイーン・フィル(1982年録音/Altus盤) いまだに熱烈なファンを持つテンシュテットですが、僕がこの人を初めて聴いたのはエロイカでした。70年代終わりのころにNHK FMで「東ドイツの幻の名指揮者」という紹介が印象的でした。その時のオケは記憶ではベルリンPOなのですが、確かではありません。さて、このCDは、ザルツブルク音楽祭でのライブ演奏です。以前は海賊盤でしか聴くことができませんでしたが、併録されたマーラーの10番のアダージョが余りに素晴らしいので記事にしたことが有ります。それが最近ついに正規盤でリリースされました。このエロイカも非常な名演奏で、今まで一部のファンにしか知られていなかったのが本当に勿体なかったぐらいです。第1楽章のスケール大きな広がりと流れの良さはフルトヴェングラー以来だと思いますし、フォルテの音のひとつひとつに込められた気迫はトスカニーニ、シューリヒト並みです。極めて繊細な弱音で開始される第2楽章の悲しみの深さも計り知れません。中間部では足取りの一歩一歩が心に重くのしかかるようです。第3楽章も実に堂々としたスケルツォです。第4楽章はスケールの大きさよりも白熱した演奏です。この楽章の白熱度合ではクーベリック/ウイーン盤が並ぶと思いますが、トータルではやはりテンシュテットが圧倒的です。

上記以外の演奏で特に記憶に残るのは、フェレンツ・フリッチャイの晩年のライブ盤です。クナッパーツブッシュ以上に遅いイン・テンポの巨大な演奏でした。ただ、クナもそうなのですが、5番、7番のように比較的短く凝縮された曲はそのやり方が大いに魅力を発揮しますが、エロイカのように元々曲が長大なのを、更に巨大に演奏されてしまうと聴いていてもたれてしまいます。
ムラヴィンスキー盤は何故かモノラル録音でしたが、贅肉の削ぎ落とされた演奏に窮屈さを感じるので余り好みとは言えませんでした。

というわけで、3回に亘って「エロイカ」の名盤を聴きましたが、フルトヴェングラーの「エロイカ」は他のどんな指揮者をもってしても越えられない孤高の高みに到達した演奏だと改めて思いました。ステレオ録音盤に限定して言えば、テンシュテット/ウイーン・フィル盤が最高です。これは正規盤で出て入手がし易くなりましたし、録音も優秀ですので絶対のお薦めです。あとは入手困難なもののシューリヒト/フランス国立管盤は外せません。

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2010年9月 4日 (土)

ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 名盤(モノラル録音編) ~指揮者の英雄たち~

フルトヴェングラーと同じ時代を生きた指揮者たちは本当に個性が豊かでした。現代であれば間違いなく巨匠と呼ばれたであろう人たちでさえも(たとえばルドルフ・ケンぺとか)、当時の大勢の巨人たちの間にあってはただの中堅指揮者程度にしか見られませんでした。もちろんフルトヴェングラーの振るベートーヴェンは神様の領域でしたが、彼以外にも指揮者の「英雄」は何人も存在します。正に巨匠の時代だったわけです。そんな人たちの演奏をあらためて聴いてみましょう。まずはモノラル録音期の演奏からです。

Toscanini_beethoven_3_4 アルトゥーロ・トスカニーニ指揮NBC響(1953年録音/RCA盤) 陰影の深いフルトヴェングラーとは正反対の演奏です。速いイン・テンポでぐんぐん進む推進力は爽快ですが、余りに陰りの無い健康的な音楽は自分の好みとは言えません。けれどもこの生命力に溢れる演奏は、決して好き嫌いで片付けられない圧倒的な存在感を示します。激しいスタッカートと明るいカンタービレもトスカニーニならではです。この人に鍛え抜かれたNBC交響楽団が手足の如く統率されて、豪快に骨太の演奏を聴かせるので正に圧巻です。録音は明快ですが、残響の少ないデッドな音なので耳には優しくありません。

630 ブルーノ・ワルター指揮シンフォニー・オブ・ジ・エア(1957年録音/MUSIC & ARTS盤) シンフォニー・オブ・ジ・エアというのはトスカニーニの手兵だったNBC交響楽団のことで、これはトスカニーニの追悼コンサートをワルターが指揮したものです。トスカニーニのスタイルを意識したのかは分かりませんが、ワルターにしては速めのテンポで贅肉の少ない演奏です。とは言え、ところどころにやはりワルターらしい、柔らかい表情や一瞬の間(ま)が現れるのが面白いです。録音は特に良いわけではありません。歴史的な演奏を聴けるだけで喜ぶべきでしょう。

Schu_bet_758 カール・シューリヒト指揮パリ音楽院管(1957年録音/EMI盤) シューリヒトのEMIへの全集の中の1曲です。この人のエロイカの録音は多いのですが、これは唯一のスタジオ録音です。トスカニーニよりも早いテンポで一気苛成に進みますが、熱い情熱がほとばしるようです。しかもこの速いテンポで一画一画に深いニュアンスが込められているのは本当に凄いことだと思います。切れの良いスタッカートの切迫感もトスカニーニ並みです。オケの音は明るいですが、演奏スタイルがドイツ的で無いので違和感は感じません。録音もモノラル末期で非常に明快です。

550 カール・シューリヒト指揮ウイーン・フィル(1961年録音/オルフェオ盤) ザルツブルク音楽祭のライブです。表現的には速いテンポで一気苛成に進むパリ音楽院管盤と変わりません。テンポが僅かにゆっくりになりましたが、生命力は相変わらずです。それにやはりウイーン・フィルですので、音には柔らかさと甘さを感じます。完成度ではスタジオ録音のパリ音楽院盤に及びませんが、ウイーン・フィルの音には捨て難い良さを感じます。録音は年代的には標準レベルだと思いますが、音質が硬く分離が悪いのが気になります。

Mahcci00045 カール・シューリヒト指揮フランス国立管(1963録音/PECO盤) シャンゼリゼ劇場でのライブで、これは演奏が素晴らしいうえにステレオ録音です。テンポは'61年ウイーンPO盤よりも更に僅かにゆったり気味です。生命力は全く失われていませんが、一気苛成に進む印象はかなり薄れました。第2楽章だけは逆に速めですが、音楽の流れの勢いが凄まじいです。全体的にシューリヒトらしい一画一画のニュアンスのこだわりがスタジオ録音並みの精度なのには驚かされます。これほどの素晴らしい演奏が優秀なステレオ録音で聴けるのは実に幸せです。初出の仏ディスク・モンターニュ盤は非常に入手が困難ですが、PECO盤でも聴くことができます。

494 カール・シューリヒト指揮ベルリン・フィル(1964年録音/テスタメント盤) ベルリンでのライブです。録音はモノラルですが明快です。シューリヒト晩年の「エロイカ」はここに挙げた4種の中では最もテンポが遅くなっています。決してもたつくわけでは有りませんが、それ以前の生命力と気迫は明らかに後退しています。更にはこの人特有の一画一画のニュアンスのこだわりも余り見られません。その理由はドイツの名門オケなので逆に徹底できないのかもしれません。普通の意味ではとても良い演奏なのですが、もしも名前を伏せればシューリヒトと分からないと思います。

Cci00015 ハンス・クナッパーツブッシュ指揮ウイーン・フィル(1962年録音/伊メモリーズ盤) ウイーンでのライブです。巨人クナのベートーヴェンは、実は個人的にはそれほど好みません。遅いインテンポで悠々と進むスケールの大きさは凄いのですが、聴いていてもたれます。また、この演奏には人間的なドラマを感じません。僕は苦しみ歓喜を爆発させる(だけでは困りますが)ベートーヴェンを感じたいと思うのです。クナには'50年代の録音も幾つか有りますが、どうせ微動だにしない「英雄」を聴くならば、やはり晩年の演奏が良いと思います。この演奏はLiving Stage盤とかでも出ていますが音質が劣るので、伊メモリーズ盤がお勧めです。但し相当に入手は困難です。

この他では、カルロス・クライバーの実父エーリッヒ・クライバーがウイーンPO、コンセルトへボウと残した2種の演奏がLP時代に印象深い名演奏でしたが、現在CDは所有していません。

これらの今では伝説ともいえる英雄たちの演奏を、ここで良いの悪いのなどと言う気は起りません。すべてが個性的で真に素晴らしい演奏ばかりだからです。我々音楽ファンは、それらになるべく多く触れる機会を持って、自分の気に入った演奏を味わえば良いだけではないでしょうか。

次回はステレオ録音期の演奏を聴いてみます。

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フルトヴェングラーの「エロイカ」の名盤

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2010年8月29日 (日)

ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 ~フルトヴェングラーの名盤~

Furtwangler1 フルトヴェングラーは自身の著書「音と言葉」のなかで、ベートーヴェンの音楽についてこのように語っています。

『ベートーヴェンは古典形式の作曲家ですが、恐るべき内容の緊迫が形式的な構造の厳しさを要求しています。その生命にあふれた内心の経過が、もし演奏家によって、その演奏の度ごとに新しく体験され、情感によって感動されなかったならば、そこに杓子定規的な「演奏ずれ」のした印象が出てきて「弾き疲れ」のしたものみたいになります。形式そのものが最も重要であるかのような印象を与え、ベートーヴェンはただの「古典の作曲家」になってしまいます。』

フルトヴェングラーは当時から既に、ベートーヴェンの曲が多くのコンサートの中でルーティンワークのように演奏されることに大きな危機感を感じていたのです。そして演奏を行う際には古典的な形式感だけでも、内心の情炎だけでもいけないと述べています。

フルトヴェングラーの演奏は現代の「演奏ずれ」したものと比べれば、随分と造形を損なっているように感じないでもありません。急激なアッチェレランド(たとえば第九の終結部)などは一見、そう見えます。但し、曲全体を通して眺めると、不思議と構造的な破たんを感ずることはありません。部分的なデフォルメが決して全体の統一感を損なわないのです。このことは驚くべきことです。なぜならそんな相反することを同時に成し遂げられるような演奏家は他に存在しないからです。この点が古今の指揮者のなかで独自の位置に置かれる理由だと思います。もっとも個人的には、ブルックナー、ワーグナー、ブラームスなどの演奏においては、一部の例外は有るにしても、大半の演奏で人間感情の吐露が余りに勝り過ぎている点で余り好んではいません。やはりフルトヴェングラーに最も適しているのはベートーヴェンの音楽だと思います。

僕がクラシック音楽を聴き始めたころ、当然ベートーヴェンのシンフォニーを聴きたいということになります。そこで「運命」「田園」「合唱」などと副題が付いて親しみが湧く曲を順に聴いていきました。買ったのは当時のベストセラーのカラヤンのレコードです。でも「英雄」だけは、さて誰の演奏で聴いてみようかと音楽書籍を調べてみると、なんでもフルトヴェングラーという人の第二次大戦中の演奏が伝説的な名演らしいことが分かりました。いわゆる「ウラニアのエロイカ」です。それをどうしても聴きたくなってレコード店で探してみると、もちろんオリジナルのウラニア盤ではありませんが、海外の廉価LP盤がありました。音質は貧弱でしたが、元々古い録音なので意外と抵抗感なく聴けました。それよりも音楽の凄さが直感的に伝わってきたのです。目の前に迫りくるこの音は一体何なのだろう・・・と。恐らく貧弱な音質を通してでも、フルトヴェングラーの言う「演奏ずれ」のしていない一度限りの演奏を心に感じたからなのだと思います。

フルトヴェングラーの「エロイカ」の録音は「運命」と並んで非常に多く、恐らく10種類以上は有るでしょうが、僕は主要なものしか聴いていません。それでも片手の指の数以上にはなってしまいます。まずはそれらをご紹介します。

Cci00054 ウイーン・フィル(1944年録音/ターラ盤、メロディア盤) いわゆる「ウラニアのエロイカ」です。僕はターラの戦時中録音集BOXとメロディアの単独盤で持っています。戦時中の古い録音にしてはバランスが良く、随分と音がしっかりしていますし、ウイーン・フィルのアンサンブルが驚くほど優秀です。とにかく演奏の燃焼度が半端でなく、凄まじいほどの燃え上がり方です。明日をもしれぬ当時の時代の緊張感が、このような演奏にさせたのかもしれません。フォルテの一つ一つの音がまるで雷の一撃のように迫り来ますし、ウイーン・フィルの楽員が死んだ気になって弾いている姿が目に浮かびます。この演奏は歴史的な記録ということを別にしても、絶対に聴かれるべきです。CDは色々なレーベルから復刻されていますが、メロディア盤かターラの1枚ものなら手堅いところだと思います。

Furt_be3_1950 ベルリン・フィル(1950年録音/ターラ盤、audite盤) 戦後のベルリン・フィルとの演奏です。翌々年1952年には幾つものエロイカの録音を残しますが、それに比較するとテンポがだいぶ速めで、ウラニア盤に近い印象です。但し音はウイーン・フィルのしなやかさの代わりにベルリン・フィルの剛直さを感じます。音楽に勢いを感じるので、52年の一連の演奏よりも好むファンも少なくないと思います。CDは1枚ものではターラ盤が有りますが、auditeから最近出たRIAS放送録音集は高音が少々固い面はあるものの、ターラ盤からベールを1枚も2枚も剥ぎ取った印象で完全に上です。但しセット物のみになります。 

Furt_be3 ウイーン・フィル(1952年録音/EMI盤) 昔はウラニア盤以外では、このEMI録音しか聴くことができませんでした。僕は独エレクトローラの疑似ステレオLP盤で聴いていましたが、これは非常に美しい音がしていました。唯一のスタジオ録音盤ということもあり、他のライブ録音と比べると興奮度合いがずっと控えめですが、その代わりにゆったりとした広がりが有ってスケールの大きさを感じます。近年流行の古楽器派的な演奏と比べると非常に遅いテンポですが、音楽が停滞したりもたれると感じることは全く有りません。フルトヴェングラー以外の一流指揮者が、この遅いテンポをとると大抵もたれてしまうのとは、やはり大きな違いです。特に極めて遅いテンポでじっくり始まって徐々に巨大に高揚してゆく終楽章は素晴らしいです。録音も良いですし、代表盤のひとつとして選択するべきです。僕はCDでは海外EMIのReferences盤で聴いていますが、音はとても気に入っています。

794 ウイーン・フィル(1952年録音/ターラ盤) EMI録音が11月26と27日に行われた直後の30日に同じウイーンで開かれた演奏会の録音です。従って表現はほぼ同じです。とは言え、やはりライブのほうが気分的な高揚感が勝り、即興性を強く感じます。逆にその分だけEMI盤の安定感には欠けることになりますが、この辺は一長一短だと思います。ファンにとってはEMI盤と比較する興味は起きますが、繰り返して鑑賞することを考えた場合には、やはり録音が優れていてウイーン・フィルの柔らかい音質を味わえるEMI盤をとることになります。こちらもライブにしては音質は悪くありませんが、幾らか音の揺れとざらつきを感じます

Furt_be3_be ベルリン・フィル(1952年録音/ターラ盤) ウイーンでの演奏会の一週間後の12月7日に今度はベルリンでこの曲を指揮しました。第1楽章は速めのテンポでストレートに進むのが1950年盤に似ています。一転して第2楽章は重く暗く粘ります。終楽章はやや彫の深さにかける気がします。録音状態はウイーンでの前の週のライブに比べると音が安定はしていますが、終楽章のみ幾らかざらつきを感じます。余り奥行きを感じない録音なので1950年盤と大差は無いところです。

41uvmjpcql__sl500_aa300_ ベルリン・フィル(1952年録音/audite盤) ’52年12月のベルリン演奏会は二日間で、これは翌日8日の録音です。RIAS放送局のオリジナルテープからCD化されたために非常に良い音質です。演奏も二日目ということもあり、オーケストラに安定感を感じます。切迫感は前日のほうがあるかもしれませんが、録音が良い分だけ演奏に彫の深さを感じられて満足できます。印象としてはEMI盤の大きな広がりに、ライブの高揚感を加えた感じです。第2楽章も悲しみが深く心に染み込んで非常に感動的です。フルトヴェングラーが亡くなって50年以上も経って、実に素晴らしい録音が現れました。但しこれもRIAS録音集なので、是非とも分売して欲しいと思います。

以上から、更に厳選すれば、1944年盤、1952年EMI盤、1952年RIAS盤の三つです。それぞれに特徴が有るのでこれ以上は絞ることは出来ません。

次回は、フルトヴェングラー以外の指揮者の「エロイカ」の名盤を聴いてみます。

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