~人生のカノン~ ヨハン・パッヘルベル 「カノン」二長調
この曲はとっても親しまれている有名な曲ですね。皆さんもよくご存知のことと思います。実はハルくん、この曲が大好きなのですよ。
それにしてもなんと優雅で心優しいメロディなのでしょう。僅か5分程の短い曲なのですが、通奏低音が流れ始めたとたんに何か心が癒される気分になってしまいます。そして3本のヴァイオリンが静かに曲に入ってくるともうたまりません。心はうるうる状態です。曲はあっという間に進んで、通奏低音が歌い、その上をヴァイオリンが十六分音符で駆け回れば、優雅な落ち着きだけでなく非常に心を駆り立てられます。
この曲は街中の喧騒の中なんかでもBGMとしてよく流れていたりもしますが、僕はそんな時ですらハッと耳を奪われて思わず涙腺が緩んだりしてしまいます。この曲を聴いていると何だか、過去の人生や現在の人生、あるいは多くの友人との出会い、そして愛する人との出会いと別れ・・・。そういった様々な思いが次から次へと走馬灯のように心に懐かしく浮かんでは消えてゆくのです。それはまさに「人生のカノン」のように思えます。でもこの曲は決して感傷的では無く、ずっと肯定的な気分にさせてくれます。僕はそんな風に感じるのですが、皆さんはどうでしょう?
僕の好きなCDは、少し古いのですがフランスのジャン・フランソワ・パイヤール指揮パイヤール室内管弦楽団の演奏です。昔、NHKFMの朝の名曲の時間のテーマ音楽として使われていた演奏なのです。ですのでカノンというとこの演奏がすっかり身体に刷り込まれてしまったみたいです。現在のバロック演奏のスタイルとはかけ離れて、ゆったりと過剰なほどにロマンティックに演奏しています。時代遅れと言えばそれまででなのですけれど、だからこそ逆に良いのですよ。懐かしい気分たっぷりで疲れた心をとことん癒してくれるのです。このCDは名曲集なので他にも沢山曲が入っていますが、やはりカノンが白眉です。RCAの再録音盤も有りますが、僕の好きなのはこの懐かしいエラート録音の旧盤です。
現在のバロック演奏ならば、古楽器派の名アンサンブル、ラインハルト・ゲーベルとムジカ・アンティカ・ケルンのCDが有ります。いつものように実にスピーディな演奏なのですが、3本のヴァイオリンの絡み合いはニュアンスとセンスに溢れた名人芸で最高です。さすがにMAK、独特の味わいが有ります。僕はこれも大好きなのです。でもカノンの後にジーグを付けても5分かからないというのは驚異。カノンだけで比較しても、パイヤールが7分10秒かかっているのにMAKは僅か3分5秒と倍以上の早さです。ちょっと早く終わりすぎるよね。人生をこんなに早く駆け抜けたくは無いなぁ。
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