ドイツ・オーストリア音楽

2018年3月 6日 (火)

絨毯座公演 クルト・ヴァイル作曲「マハゴニー市の興亡」(ブレヒト台本)

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3月3日(土)のことになりますが、絨毯座の公演でクルト・ヴァイル作曲「マハゴニー市の興亡」(ブレヒト台本)を観に行きました。
ヴァイルはこれまで「三文オペラ」以外は観たことが無く、大変興味深かったです。舞台は仮想?アメリカなのですが、マハゴニーでは1に食うこと、2にセックス、3に賭けボクシング、4に酒。「ここではやっていけないことはない。何でもありだ!」と歌われます。
ドイツにヒトラーのナチス党が勢力を伸ばす直前の作品ですので、やはり当時の混沌、無秩序化したドイツの時代背景を想像せざるを得ません。初演時には保守的な観客が抗議して騒動となり、ナチスのグループが妨害組織をつくりデモを仕掛けました。
我が国でこの作品は演劇としては近年も何度か公演されていますが、音楽劇としての公演は何十年ぶりだとか。貴重な観劇となりました。
 ステージの写真は絨毯座さんサイトから)
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2016年8月15日 (月)

ヴォルフ 「スペイン歌曲集」コンサート/ 黒田大介、宮田珠江、森勝久

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夏休みに入った11日のことになりますが、中村初恵さんつながりでお知り合いになれたテノール歌手、黒田大介さんの出演するフーゴー・ヴォルフの「スペイン歌曲集」コンサートを聴きに行きました。
「スペイン歌曲集」を聴けるだけでも貴重な機会なのですが、このコンサートでは曲の合間にセリフや寸劇を加えて聴衆がイメージを膨らませ易くすることを狙った演出が凄く楽しめました。
ヴォルフ自身の役を務めたピアニストの森勝久さんの発案は素晴らしく、そのアイディアを生かした黒田さんの奥様の訳詞、そしてもちろん黒田さんとソプラノの宮田珠江さんの素晴らしい歌唱と演技にすっかり魅了されてしまいました。

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2014年3月20日 (木)

フルトヴェングラーと同時代の作曲家 ~エルンスト・ペッピング&ハインツ・シューベルト~

ドイツの大指揮者フルトヴェングラーが同時代の作曲家の作品をどれぐらいの頻度で取り上げたのかは詳しく有りませんが、フルトヴェングラー自身が作曲も行なっていたわけですし、演奏会では案外と取り上げていたのかもしれません。
ただ、我々が現在聴くことができる録音はそれほど多いわけではありません。

実は今月初めのことだったのですが、東京フルトヴェングラー研究会の鑑賞ゼミに参加する機会が有りました。その日のテーマの一つが「珍しいフルトヴェングラーを聴こう」ということでしたので、フルトヴェングラーと同時代の作曲家の作品の演奏を鑑賞しました。

その日に鑑賞したのは下記の4作品です。

1.エルンスト・ペッピング:交響曲第2番へ短調
2.ウォルフガング・フォルトナー:ヴァイオリン協奏曲
3.ハインツ・シューベルト:「賛歌的協奏曲」
4.イーゴリ・ストラヴィンスキー:「妖精の接吻」から

このうち、1.と3.に使用したCDを発表者の方からお借りして来ましたので、ちょっとご紹介してみたいと思います。

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ヴィルヘルム・フルトヴェングラー/ベルリン・フィルハーモニー(ARKADIA盤)

エルンスト・ペッピング 交響曲第2番へ短調(1943年10月30日録音)

ペッピングは1901年にドイツに生まれて、ベルリン音楽大学で作曲を学びました。1934年からベルリンの教会音楽学校で教鞭を取るようになりました。ぺッピングはプロテスタント教会音楽家として多数のミサ曲やモテットを作曲しましたが、それ以外にも3曲の交響曲や、ピアノ協奏曲、管弦楽のための変奏曲、オルガン曲、ピアノ曲などの器楽曲を書いています。ちなみにこの人は1981年まで存命しました。

交響曲第2番は戦火真っ只中の1943年に書かれた作品で、フルトヴェングラーが初演者なのかどうかは定かでありませんが、これが世界最初の録音とのことです。曲は保守的な4楽章構成ですが、全体に悲劇的で重苦しい雰囲気を漂わせています。後期ロマン派のマーラーの作品に近いものが感じられます。

ハインツ・シューベルト 「ソプラノ、テノール、オルガン、管弦楽のための賛歌的協奏曲」(1942年12月6日録音)

シューベルトと言っても有名なフランツ・シューベルトではなく、20世紀生まれのハインツ・シューベルトです。この人は1908年にドイツに生まれて、ミュンヘン音楽院で音楽を学び、作曲と指揮の両方で活躍をしました。
作風はやはり後期ロマン派風で「大管弦楽のためのシンフォニエッタ」、「ヴァイオリンと管弦楽のための協奏的組曲」などを書いています。

「賛歌的協奏曲」は1939年に書かれた作品ですが、このフルトヴェングラーがベルリン・フィルを指揮し、それにエルナ・ベルガー(ソプラノ)、ヴァルター・ルートヴィヒ(テノール)、フリッツ・ハイトマン(オルガン)と行ったこの演奏が世界で最初の録音だったようです。よく”世界初演”と書かれているのを見受けますが、指揮者でもあったシューベルト本人がそれ以前に初演した可能性も有り得ると思いますが確証は有りません。

この曲は単楽章構成で、”協奏曲”と言っても二人の独唱歌手とオルガンのための協奏曲という非常に珍しい編成です。更には弦楽器による独奏も用いられています。”賛歌”というのは教会音楽的な厳粛なものではなく、”苦悩を背負った人間が人間らしく生きられるような強い祈りの気持ち”が込められているように感じます。
ところが、この人は1944年に徴兵されて、翌年の1945年に戦死してしまいました。楽譜もほとんど戦火で焼失されてしまったそうです。

それにしてもぺッピングとシューベルト、どちらの曲も全くの後期ロマン派風の音楽で、ワーグナーやマーラーなどの影響を強く感じます。同じ時代のロシアの革新的な音楽と比べれば、随分と保守的な音楽に聞こえます。もっとも、それはナチス・ドイツによって「退廃的な音楽だ」という烙印を押されて迫害を受け、国外に亡命せざるえを得なかったパウル・ヒンデミットの例に代表されるように、ドイツ国内に留まって音楽家として生き残るためには、このようなナチスの意向に沿った保守的な音楽を書く道しか無かったのかもしれません。
従って、フルトヴェングラーと同時代の作曲家の作品であるにもかかわらず、「現代の音楽」というよりは「前時代の音楽」という気がしてなりません。

ただ、これらが陳腐な音楽かと言えば、決してそのようなことは無く、現代音楽の無味乾燥なものに比べれば遥かに音楽の体を成しています。革新的な新鮮さは持たなくとも、心に自然と浸みこんでくるような親しみ易さが有ります。あの佐村河内氏も好むかもしれません??

ARKADIA盤はCD2枚組で、他にブラームスの交響曲第4番やベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番(コンラート・ハンゼン独奏)といったフルトヴェングラーの第二次大戦中の定番とも言える録音が収められています。
録音はもちろんお世辞にも明瞭とは言えませんが、アナログ的で柔らく聴き易い音だと思います。1枚ものではメロディアやロシアン・ディスクなどのレーベルからぺッピングとシューベルトの2曲が組み合わされた形でリリースされていますので、ご興味の有る方は一度お聴きになられてみても決して損は無いと思います。

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2009年11月12日 (木)

後期ロマン派交響曲作曲家の巨人 マーラーとブルックナー

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ブログを初めてから1年3ヶ月が過ぎましたが、これまで一度も記事を書いていない作曲家が居ます。グスタフ・マーラーです。その理由は決して興味が無いからでは無くて、大好きだからなのです。どうしても気軽には書けないのです。アントン・ブルックナーについてもやはり同じです。第4番「ロマンティック」だけは記事にしましたが、それはむしろ気楽に書けるからであって、4番より好きな曲は他に幾つも有ります。それが正直なところです。ベートーヴェンやモーツァルトもほとんど記事にしていませんが、それは名作が余りに多過ぎる為に、一体どこから手をつけて良いのか見当がつかないからなのですね。

ともかくは、マーラーとブルックナーの記事をしばらく続けようと思っています。2人は同じ後期ロマン派の交響曲作曲家として並び立つ存在ですが、作風はまるで正反対です。教会のオルガニストであり、俗世間を超越して森羅万象を音にしたような作品を神様に捧げようとしたブルックナー。それに対して、コンサート・オーケストラの指揮者であり精神分裂的と思えるほどに人間の喜びや悲しみ、あるいは厭世感を音楽にしたマーラー。しかし両者はどちらも掛け値なしの大作曲家です。

なにせ自分は多忙のサラリーマンの身ですので、これまでの「名曲名盤案内もどき」のスタイルでは、記事を書くのに結構時間がかかってしまい、週一回のペースではとても更新が出来ないかもしれません。そこはどうぞ気長にお付き合い頂ければと思います。そして気軽にコメントを頂けることを楽しみにしていますので、どうぞ宜しくお願いします。

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