歌舞伎

国立劇場で歌舞伎「大老」

3326_1 国立劇場へ歌舞伎を観に行きました。演目は「大老」です。言わずと知れた井伊直弼の半生記です。井伊大老といえば、今年のNHK大河ドラマの「篤姫」でも非常に存在感の有る役どころであったので皆さんも記憶に新しいところだと思います。

歌舞伎といっても作家は昭和の劇作家北條秀司なので、台詞はほとんど時代劇調でとてもわかり易く、私のような歌舞伎初心者にはとても有り難いのです。(^^)

3326_2_2 彦根でのんびり暮らしていた井伊直弼が兄の突然の死により家督を相続し、大老として国政を担うことになり、国家存亡の危機に直面した我が国を米国と通商条約を結ぶことで欧米列強国の植民地になることを防ごうと奮闘するのですが、水戸藩を中心とする攘夷派と争って、最後は結局桜田門外で暗殺されてしまいます。その彼の半生を、心の葛藤や妻お静の方との情愛を交えて見事に描き出していて大いに楽しめました。

井伊直助役は中村吉右衛門で、その迫力ある演技には圧倒されました。特に最後の暗殺される直前のお静と二人きりの場面で「生まれ変わったらお前とのんびり静かに暮らしたい。大老には絶対になりたくない。」という語りにはとても感動させられました。

さすがに国立劇場は劇場として格調が高いので、このような演目にはふさわしいです。一方で歌舞伎座の庶民的な芝居小屋の雰囲気もまた捨てがたい良さが有って好きです。両者の違いを味わうのもまた楽しいものです。

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歌舞伎でアイーダ

200849 昨日はお盆休み2日目。歌舞伎座に行ってきました。といっても今月の出し物は「野田版 愛陀姫」。演劇界の才人野田秀樹さんがオペラ「アイーダ」を歌舞伎へ書き換えた注目の演目ですのでとても楽しみでした。

原作のエジプトとエチオピアの争いを、戦国時代の美濃と尾張に置き換えて主役のアイーダは愛陀と、将軍ラダメスは木村駄目助座衛門(きむ、らだめす、けざえもん)と名前をパロっているあたりから笑えますが、将軍を決めるお告げを告げるいんちき占い師の名前が「細毛」と「荏原」の二人というのが大笑いでした。

演出は歌舞伎と言ってもほとんど演劇風の実にわかり易いものです。ヴェルディの勇壮な音楽が、笛やお囃子や演歌ヴァイオリンで安っぽくバックに流れるのがまた雰囲気をかもし出してセンス抜群です。とくに凱旋のシーンでは軍隊ラッパのアイーダ行進曲とともに美濃軍が旗印を連ねて、大八車に戦利品を積んで行進してくるなど、最高のパロディで大笑いでした。

それが最後の地下牢での二人のこの世への別れのシーンになると、迫真の演劇のやり取りが実に胸を打ちました。その感動たるや、オペラ公演をむしろ凌ぐほど。さすがは野田秀樹です。そういえば、このシーンの音楽だけは、ヴェルディの原曲では無くマーラーの第五交響曲の「アダージェット」に差し替えていました。ちょっと驚いたものの違和感は感じませんでした。むしろイメージにピッタリで分かり易くて良かったと思います。

実に面白かったです。公演はまだ2週間ほど続くのでお薦めですが、昨日も立ち見が出るほどでしたので前売りはもう残っていないかもしれません。

野田秀樹演出の歌舞伎は過去も2回ほど行われていて、それは劇場映画化されています。歌舞伎シネマという形で全国の劇場で順番に公開されていますのでお薦めします。特に「研辰(とぎたつ)の討たれ」という作品は抱腹絶倒、これほど面白い映画はこれまでに思い当たりません。騙されたと思って必ず観に行ってください。もうひとつの「鼠小僧」という作品もやはり面白いですよ。

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