国立劇場で歌舞伎「大老」
国立劇場へ歌舞伎を観に行きました。演目は「大老」です。言わずと知れた井伊直弼の半生記です。井伊大老といえば、今年のNHK大河ドラマの「篤姫」でも非常に存在感の有る役どころであったので皆さんも記憶に新しいところだと思います。
歌舞伎といっても作家は昭和の劇作家北條秀司なので、台詞はほとんど時代劇調でとてもわかり易く、私のような歌舞伎初心者にはとても有り難いのです。(^^)
彦根でのんびり暮らしていた井伊直弼が兄の突然の死により家督を相続し、大老として国政を担うことになり、国家存亡の危機に直面した我が国を米国と通商条約を結ぶことで欧米列強国の植民地になることを防ごうと奮闘するのですが、水戸藩を中心とする攘夷派と争って、最後は結局桜田門外で暗殺されてしまいます。その彼の半生を、心の葛藤や妻お静の方との情愛を交えて見事に描き出していて大いに楽しめました。
井伊直助役は中村吉右衛門で、その迫力ある演技には圧倒されました。特に最後の暗殺される直前のお静と二人きりの場面で「生まれ変わったらお前とのんびり静かに暮らしたい。大老には絶対になりたくない。」という語りにはとても感動させられました。
さすがに国立劇場は劇場として格調が高いので、このような演目にはふさわしいです。一方で歌舞伎座の庶民的な芝居小屋の雰囲気もまた捨てがたい良さが有って好きです。両者の違いを味わうのもまた楽しいものです。
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