モーツァルト

~ハルくんのザルツブルクへの旅~ モーツァルト ミサ・プレヴィス集

さてフーテンのハルくんのオーストリアの旅、このままリンツでブルックナーを聴き続けようかどうしようか迷いましたが、結局は西への車窓の旅を選択しました。到着したのはザルツブルクです。実はハルくん、この街には3年前に一度訪れていますのでこれは実話に基づきます。

P1000718モーツァルトの生れた街として有名なザルツブルクですが、夏に開催される音楽祭もまた余りに有名ですね。街中を挙げて、というよりは国を挙げて盛り上がりますので、それこそ世界中から大勢の音楽ファンが集まって来ます。ですがハルくんの訪れたのは晩秋でしたのでそんな盛り上がりは見られませんでした。ザルツブルク駅から地図を見ながら歩いて30分ぐらいでしょうか、街の真ん中を流れるザルツァッハ川の向こう側に旧市街が見えてきます。モーツァルトが生れたのはこの旧市街です。そしてこの旧市街は街ごとユネスコの世界遺産に登録されています。

P1000689_3 街の中に入ってみるとあらゆる建物が昔の姿のまま保存されているのですが、まあ何というかまるで「おとぎの国」なのです。有名な観光地だけあって、この時は音楽祭でもクリスマス市でも無いのに通りは相当な数の観光客が歩いていました。市場には多くの屋台が並んでいましたので、ハルくんは地元の食べ物とビールをたらふく味わってすっかりご機嫌となりました。

P1000692_2 街のほぼ中心部にモーツァルトの生家が有ります。黄色の建物で壁に「Mozarts Geburtshaus」と書いて有りますが、もちろん住んでいたときには書かれてなかったのでしょうね。建物の中はそのまま博物館になっていて彼が使ったピアノや楽器、一家の家具なんかを見ることが出来ます。おまけにカフェまであるので、甘いものにも目が無いハルくんはここでザッハトルテとウインナカフェを頂きました。なかなか美味しかったです。

P1000684それから訪れたのはザルツブルク大聖堂「Dom zu SALZBURG」です。ロココ調の美しい建物で、中に入りじっくりと回りの装飾を眺めていると時の経つのも忘れます。そして生れて間もないモーツァルトがここで洗礼を受けたのかと思うと正に感無量です。モーツァルトファンがこの街を訪れたらここだけは絶対に外せないですよ。

大聖堂の他には聖ペーター寺院もありますし、モーツァルトはこの街での少年時代に多くの宗教曲を書きました。それはバッハと同じように教会の式典やミサの為に書いたものです。決してコンサート用に書かれたものでは無いのですよ。この時代の作品でハルくんが特に好きなのは8曲のミサ・プレヴィスです。ミサ・プレヴィスというのは「小さなミサ曲」という意味で、教会の少年合唱団がごく小さな編成の伴奏で歌っていたのです。ですのでこのような曲は純真素朴な少年合唱が歌わないと雰囲気が出ません。たとえばアーノンクールがモーツァルトの宗教曲全集でプロの合唱団を指揮して録音していますが、どんなに合唱が上手くても素朴さに欠けるので僕は余り好きでは有りません。

全8曲は作品順に、ト長調K49/ニ短調K65/ヘ長調K192/二長調K194/ハ長調「雀のミサ」k220/ハ長調「シュパウル・ミサ」K258/ハ長調「オルガンソロのミサ」K259/変ロ長調K275です。

Cci00041 ラインハルト・カムラー指揮アウグスブルク大聖堂少年合唱団聖歌隊(1990年録音/ハルモニアムンディ盤) モーツァルトの父、レオポルドの生れた街アウグスブルクはミュンヘンのすぐ隣りの町ですが、その少年合唱団が素晴らしい歌声を聞かせてくれます。本当に教会で聴いているような素朴な合唱に感動します。やっぱりこうでなくてはね。ミサ・プレヴィス集のCDは意外に少ないので、このような全8曲の素晴らしい録音が残されたことを心から歓びたいと思います。特に最後の変ロ長調K.275は作品もハルくん自身最も好きですし、清らかなボーイソプラノが何という素晴らしさなのでしょうか!

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モーツァルト 「レクイエム」 ニ短調 K.626 

Erz13001 一週間後の12月5日はウォルフガング・アマデウス・モーツァルトの命日です。それにしても天才モーツァルトの残した多くの作品ほど世界中で演奏されている音楽は無いでしょう。なんでも彼の作品にもしも著作権が残っていたとしたら、それだけで小さな国がひとつ買えてしまうのだとか。小室哲哉氏が聞いたらなんと羨ましく思うことでしょうか。(^^)

私はこれまでモーツァルトの命日に「レクイエム」をことさらおごそかに聴いてきたという人間ではありませんが、今後残された人生で彼の命日にこの曲を聴いてみるというのも悪くないな、という気が最近してきました。

かつての私の職場の上役に相当のモーツァルトファンが居ました。その人は病気の為に定年前に亡くなってしまったのですが、生前に自分の葬儀にはレクイエムを流し続けて「モーツァルト葬」にしてほしいと言っていました。それなので奥さんは実際に本人の希望通りにしたのです。ご主人は本望だったことでしょう。だが私の葬儀のときにはどうでもいいので、生きているうちにせいぜいこの曲を聴いておきたいと思います。

「レクイエム」には今では様々な版が存在しています。私は正直、余り版にはこだわりません。理由は、結局どれをとっても本人の完成品では有り得ないからです。ジェスマイヤー版にケチをつけるのは学者やファンの自由ですが、モーツァルトが死の床で作品の完成をかりにも託した人物の偉業(とあえて言いたいです。彼が途中で補作をやめていたら、これほど演奏されるようにはなり得なかったからです。)は到底無視できるはずはありません。ましてやあの「ラクリモーサ(涙の日」を更に補作するなどというのは余計なことではないでしょうか。モーツァルトだってジェスマイヤーに「この曲はこのまま手をつけなくて良い」と指示した可能性だって充分考えられるのですし。

演奏も最近では古楽器演奏が流行りですが、それぞれの良さが有ると重うので余り限定はしたくありません。私はそんなに多くの演奏を聴いたわけでは無いですが、心に残った演奏は多く有りますし、最近知った素晴らしい演奏も有りますので是非ここでご紹介させて頂きたいと思います。

Cci00035 オイゲン・ヨッフム指揮ウイーン交響楽団(1955年/グラモフォン盤) これは記念碑的な演奏です。生誕200年の年にモーツァルトゆかりのウイーン・ステファン大聖堂において彼の命日に行われたミサがそのまま収録されています。その雰囲気には当然ただならぬものが有ります。だが、ミサという割にはどうもソロ歌手(特にソプラノのゼーフリート)がオペラチックなのが気に入りません。我慢して続けて聴いていると段々気にはならなくなるのですが。これは当時のスタイルとしては仕方が無いところでしょうか。

953 ブルーノ・ワルター指揮ウイーンフィル(1956年/オルフェオ盤) ワルターのモツレクには数種類の録音が有り、先に世に出た同じ年のウイーンフィル盤がSONYに有りますが、私はこのオルフェオ盤の方が好きです。オケ、合唱、独唱ともに欠点が少ないですし録音もなかなか良いです。演奏の感動が最も伝わってくるのです。但しやはりアルトがオペラチックな歌い方なので古さを感じてしまいます。

Cci00037 カール・シューリヒト指揮ウイーンフィル(1962年/Tresor盤) これもステファン大聖堂でのライブ演奏です。ワルターが出たらシューリヒトを出さない訳には行きません。モーツァルトの演奏にかけてはこの二人は別格だからです。ロマンティックなのですが、ヨッフムやワルターのように粘り気はありません。ずっと爽やかな印象なのです。この辺りはシューリヒトならではと言うところです。これは聴くたびに魅力が増してくる不思議な演奏です。やはりソリストの歌い方が古いのはこの時代では仕方ありません。

Cci00038 カール・リヒター指揮/ミュンヘンバッハ合唱団(1961年/テルデック盤) リヒターは「マタイ」や「ロ短調」のように遅いテンポのロマンティックな演奏も有りますし、逆にあの時代にしては早めのテンポできりりと引き締まった演奏も有ります。これは後者のスタイルです、正に襟を正して聴きたくなる演奏です。合唱の彫りの深さと仰ぎ見るような立体感は流石だと思います。現在でも余り古さを感じさせない名演奏だと私は思っているのですが。

713 カール・ベーム指揮ウイーンフィル(1971年/グラモフォン盤) 私が初めて買ったレコード(LP盤)です。当時は最新盤だったのに時の経つのは早いものです。最近ではすっかり古楽演奏派に押されてしまい、「もはや古いスタイル」と言われています。ですが、古くて何がいけないのだ!これほど感動的な演奏を前にして演奏スタイルがどうのこうのと言う方がおかしいと思います。確かにテンポは相当に遅いですが、その分スケールの大きい実に立派な演奏であり、時代を超えた普遍性を感じます。決して古臭いとは思いません。ベームのこの余りに美しく悲しい「涙の日」を聴く時には私はとても普通では居られなくなるのです。

Cci00023 ハンス・ギレスベルガー指揮/ウイーン宮廷音楽教会管弦楽団&合唱団(1979年/タワーレコード盤) この指揮者をご存知でしょうか?ウイーンの合唱界では有名な人です。一見聞いたことも無いような団体ですが、ウイーンフィルの団員と国立歌劇場合唱団が特別参加しています。この演奏は名門SEONレーベルがウイーンの音楽界の総力を挙げて録音に臨んだものなのです。最初の「キリエ」からして雰囲気が違いますし、合唱に非常に厚みが有ります。どんどん立体的に重なり合ってくる様は正に圧巻です。そして何より素晴らしいのは、いかにも大聖堂で教会合唱団を聴いているような厳かで敬虔な響きであることです。ソプラノとアルトはウイーン少年合唱団。しかもソロパートまでを少年が歌っているのですがこれが信じられないほど上手いのです。この純粋無垢な声を聴いてしまったら、大人の歌手はもちろんカウンターテナーでもとても聞けなくなるほどです。オーケストラの管楽パートも滅法上手いです。トップは皆ウイーンフィル団員なのだから当たり前ですが。この演奏がぬるま湯教会演奏などと思ったら大違い。「怒りの日」など切れ味と緊迫感が凄いです。この時代にこれほど正統的かつ新鮮な演奏をしていたギレスベルガーには本当に驚きます。

このCDには「戴冠式ミサ」も合わせて収められているのが嬉しいです。「レクイエム」の演奏と比べるとやや落ちますが、それでもフィリップスの同じウイーンのクリスチャン・ハラー盤よりもよほど良いと思います。録音も優秀ですし、タワーレコードの廉価盤として出ているので是非とも一聴されることをお薦めします。

Cci00036 ペーター・ノイマン指揮/ケルン室内合唱団(1990年/ヴァージン盤) モーツァルトで古楽器演奏は取り立てて好きということはありませんが、ひとつくらいは挙げておきたいです。P.ノイマンは宗教合唱曲のスペシャリストだけにやはり素晴らしいのです。前述のギレスベルガーやこういう演奏を聴いていると、所謂「巨匠指揮者」の演奏がどんなに感動的であっても、宗教曲の場合にはその専門家と合唱団が歌う方がやはり本物かな、と思えてきます。

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モーツァルト クラリネット協奏曲&ピアノ協奏曲第27番

とうとう11月です。秋がいよいよ深まってきました。

僕は秋の夜長にはブラームスを聴くのが大好きです。特に夜も更けてきたら彼の室内楽が一番。では昼間に聴くとしたら?私はモーツァルト。ただし晩年の曲を。特に「クラリネット協奏曲」K622と最後の「ピアノ協奏曲第27番」K595が良いのです。

晴れた日の秋の空。どこまでも抜けるように澄み切った青い空。果てしなく宇宙のかなたへまで繋がっている青い空。

そんな青空を眺めているとなんだか寂しくなってきます。ちっぽけな我々の命のはかなさとか自然界の永遠性だとか、なんだか良く分からないけれどそうことを嫌でも感じさせられてしまうからでしょうか。

このモーツァルトの晩年の2曲はそんな気分に実にふさわしいです。そして素晴らしい演奏があります。どちらもカール・ベームの指揮です。ベームにモーツァルトのこういう曲を振らせるとちょっと他の指揮者では真似のできないほどの深みが現れます。

「クラリネット協奏曲」イ長調K622

709_2  アルフレート・プリンツ独奏、ベーム指揮ウイーンフィル(ドイツグラモフォン盤)は、プリンツの素晴らしさももちろんですが、ベーム/ウイーンの演奏の素晴らしさに尽きます。文春新書「クラシックCDの名盤」の新版では中野雄先生が旧版の推薦盤ウラッハからこちらに変更されました。生意気のようだが私は昔からこの曲に限ってはウラッハよりもプリンツ(というかベームの)この演奏のほうが格段に好きでした。第1楽章の頭の弦のきざみを聴いただけで他の演奏とはまるで違います。柔らかくゆったりとしているが実に立派。人に依っては遅過ぎと感じるかもしれないですが、この曲の持つ永遠性の雰囲気を感じるためにはこの演奏が一番だと思います。そして第2楽章の天国的なまでの美しさ!もうとても言葉にはできません。

「ピアノ協奏曲第27番」変ロ長調K595

Cci00028ウイルヘルム・バックハウス独奏、ベーム指揮ウイーンフィル(DECCA盤)

ベームはこの曲をグラモフォンに再録音しています。それは独奏はエミール・ギレリスです。ベーム/ウイーンフィルの演奏だけで言えば録音も良いし互角の素晴らしさだと思います。しかしこの旧DECCA盤は1955年当時のウイーンフィルのおそらく録音で聴くことのできる最も魅惑的な響きを味わえる時代のかけがえの無い演奏なのです。DECCAには他にも親父クライバーの「フィガロの結婚」とか最高の録音が多く残されています。

ここでのバックハウスのピアノは正に彼岸の曲の彼岸の演奏です。宇野功芳先生が昔から「演奏を超越して直接曲自体と結ばれる、厳しいまでに純潔、純白な演奏だ」という風に推薦し続けている演奏ですが、全く異論が無いところです。(生意気だが師に異論を感じることは度々あります)(^^)

思えば僕がモーツァルトに開眼したのはこの演奏でした。名曲喫茶で曲名も演奏者も分らずに耳にした瞬間に脳天に電気が走ったのです。慌ててカウンターに行ってみたらこのレコードでした。人間の直感というものはある時は全てを越えてしまうようです。

この録音は現在は先のブラームスのピアノ協奏曲第2番とカップリングになっています。2大名演が1枚のCDで聴けるとは何とも有りがたいことです。

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プラハ室内歌劇場の日本公演 モーツァルト「魔笛」 他名盤

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日曜日に上野文化会館までプラハ室内歌劇場の来日公演を観に行きました。演目はモーツァルト「魔笛」です。

「魔笛」の実演を観に行くのはたぶん二十年以上ぶりです。昔はレコード(CDでは無く)で良く聴きましたし、ビデオ(DVDでは無く)でも良く観て楽しみました。最近は滅多に聴くことが無くなりましたが、生の公演に接するのはやはりとても楽しみです。

指揮はマルティン・マージク。チェコ出身のまだ若い世代の指揮者ですが、歌劇場を主体に振っているようです。日本にも来た事が有るようですが知りませんでした。演出はマルティン・オタヴァ。やはりチェコの人です。バイロイトでも演出したそうですが(但しモーツァルト)がやはり知りませんでした。

さて、いよいよ序曲が始まって、古楽器オケでは無いですが、ビブラートを極力抑えた所謂「古楽器的な弾き方」です。その意味では室内オケもなかなか良いです。ただ最初のうちは音がまだまだというところでした。

その後次々に出てくる歌い手はチェコ出身の歌手がほとんどでしたがまずまずでした。演出が奇をてらったものでないので自然に楽しめるのが嬉しいです。私はどうも前衛的な演出は苦手だからです。歌自体は第一幕では夜の女王が最高音がかすれたりしたし、他の歌手も全般的にまあまあというところ。楽しめたのではありますが。

休憩をはさんで第二幕になってからは、にわかにオケの音が溶け合うようになり、歌手の出来も随分良くなったので、すっかり惹きこまれました。歌手の誰かが突出していることも無い代わりにデコボコが無く、自分としてはみな合格点と言って良いです。すっかり「魔笛」を楽しめました。やっぱり「魔笛」は良いなぁ~!

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そして一日置いて家で「魔笛」のCDを久々に聴いてみました。一番好きなスイトナー/ドレスデン歌劇場盤(オイロディスク/DENNON)です。最近主流の早いテンポの演奏を聴いた後だと意外にゆっくりに感じます。昔はこれでも随分早く感じたものなのですが。しかしこの演奏は好きです。きりりとしているのに楽器が溶け合って音が実に柔らかいのです。さすがはドレスデン。特にヨハネス・ワルターの吹くフルートは絶品です。このオペラではフルートは非常に重要な役割ですが、ワルターのフルートときたらまさに魔法の笛です。この人はいつも驚くほど大きくビブラートを効かせますが、音が実に柔らかく、まるでフラウトトラヴェルソみたいです。当時のドレスデンのトップ奏者の音の魅力はウイーンフィル以上だったと思いますが、中でもワルターは本当にほれぼれするほど上手です。この録音は歌手陣が決してベストとは言えないですし、皆歌い方が真面目すぎるとも感じます。けれどもオケも歌手も合唱も皆ひとつに溶け合って、実に伝統的で魅力的な演奏を聞かせてくれます。ですのでやっぱり一番好きな演奏です。

でも他にも好きな演奏はいくつか有りますので揚げておきます。

255 ベーム/ベルリンフィル盤(DG)。ドイツオペラを大変得意とするベームの指揮はがっちりと造形が立派でもちろん素晴らしいのですが、なんと言ってもドイツの名テナー、フリッツ・ブンダーリッヒの歌うタミーノが聞けるだけでかけがえが無い演奏です。彼の歌はドラマティックで凛々しくて、本当にほれぼれします。ドイツリートを歌うときとはまた違った味わいを楽しむことができます。

563 サヴァリッシュ/バイエルン歌劇場盤(EMI)。オケの音がかっちりし過ぎて時々無機的に聞えるときもありますが、歌手全体はこれが一番好きです。パパゲーノはこのときのワルター・ベリーが最高だと思います。シュライヤーもタミーノを何度も歌っていますが、やはりこの時が一番だと思います。夜の女王のエッダ・モーザーも抜群に良いのです。

ついでに他の演奏で、期待はずれだった録音も含めて揚げておきます。

・ノリントン/ロンドン・クラシカルプレーヤーズ盤(EMI)。最近はむしろ主流とも言える古楽器オケ演奏です。新鮮に聞こえるのは間違いないのですが、何度も聴こうという気にはならないので、余り愛聴していません。

・ショルティ/ウイーンフィル(DECCA旧盤)。これはワースト?です。オケの音にデリカシーが感じられないことはなはだしいです。暴力的とさえ言えます。ひとえにショルティのせいでしょう。ウイーンフィルを振ってよくもこんな音を出せるものだと涙が出るやら呆れ帰るやらです。これに比べれば同じショルティでも新盤はずっと良いと思います。

・カラヤン/ウイーンフィル盤(EMI1952年録音)。尊敬する中野雄先生が推薦していたので買いました。けど、これがまたデリカシーの無い演奏にしか感じられませんでした。どうしてこれが良いのでしょうか?

・ベーム/ウイーンフィル盤(DECCA1955年録音)。これが案外期待はずれでした。オケも歌手も皆たるんでいる感じです。当時の古きよき味わい?そんな風には思えません。同じ時期の父クライバーのフィガロやクリップスのドン・ジョバンニは大好きなのですが。

・コリン・デイヴィス/ドレスデン歌劇場盤(フィリップス)。同じオケでもスイトナー盤のあの柔らかさは有りません。指揮者の違いか、オケが落ちたのか。おそらく両方なのでしょう。聴き通すのに少々疲れます。

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