ルービンシュタインのショパン「ピアノ協奏曲」
今年の夏も終わりました。まだ秋というのには少々早い気もしますが毎日確実に涼しくなっています。今年もまたむし暑くなった6月頃からはボヘミア音楽ばかりをよく聴いたものです。でもさすがにそろそろ飽きてきました。(^^) これから秋も深まってくるとブラームスがとにかく良い季節なのですが、今ごろはまだ中途半端な時期です。そこで今ごろ聴くのに丁度良いのがショパンです。僕はショパンを一年通して聴くことは無いのですが、時々聴きたくなる時期があります。
ショパンはソナタ2番、3番も好きですし、プレリュードもワルツもマズルカも良いです。そしてコンチェルトもとても好きです。実はこのコンチェルトには宝のような演奏が有ります。アルトゥール・ルービンシュタインが祖国ポーランドで1966年に弾いたライブの第1番と第2番です。両方とも良い演奏ですが1番が特に素晴らしいのです。この人はRCAに相当な量の録音を残していますが、スタジオ録音だとどうもサロン的とでも言うかお気軽に弾く傾向にあります。上手いのですが、何となく(気分的に)余裕があり過ぎるのです。その点ライブ、とくに祖国の聴衆を前にした時の演奏では遥かに真剣勝負で弾くので本当に素晴らしいのです。
この演奏は伴奏がヤン・クレンツ指揮ポーランド国立放送交響楽団です。まず1番の導入部のオケ演奏から心がこもっていて実に良いです。この曲のオケ伴奏のなかでも一番好きなほどですね。そしていよいよルービンシュタインの登場なのですが、これがまだまだ決して枯れてなどいなくて若々しく男性的で少しも女々しくありません。それでいて心がこもり切っています。この演奏を聴くと、アルゲリッチやツィマーマンはもちろん、ルイサダ(の6重奏版は大好きなのですが・・・)ですらわざとらしく聞えてしまいます。表情づけが少々多すぎるのです。ルービンシュタインは過度に崩さず、本当にここぞというところでルバートさせます。それが演出ではなく心からのものなので聴き手の胸に響くのでしょう。但しスタジオ録音の場合だと、なかなかこういう感動は沸いて来ません。
2番には1960年に同じワルシャワで弾いた録音も有ります。そちらはロヴィツキ指揮ワルシャワフィルの伴奏でした。演奏はどちらも素晴らしく互角というところです。
このCDはスイスのPrelude & Fugueというレーベルがポーランド放送のライセンスで出した物で、現在も出ているかどうかは判りません。だから余計に私のお宝盤なのです。スイスのレーベルだけあってCDジャケットに自国の画家パウル・クレーの絵を使っていますが、この演奏にふさわしいとても素適な絵です。
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