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2023年12月18日 (月)

ラファウ・ブレハッチ ショパン ピアノソナタ第2番&3番 名盤

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今年もあと二週間ほどとなりましたね。そんな中、自分はワーグナーの「ワルキューレ」をもくもくと聴いています。手持ちのCD17種を聴き終えて、あと残りは3種ですが、年内に聴き終えられるかどうか。。。 
それはそれとして、今年リリースされた新盤を全く聴いていないわけでもありませんし、どうせなら今年のうちにご紹介しようと思います。 
まずは2005年ショパン・コンクールの覇者で、ポーランドのピアニスト、ラファウ・ブレハッチのショパンのピアノ曲集です。中核となるのは二曲のソナタですが、それぞれの後に小品を置いています。これは演奏会でのアンコールピースをイメージしたのでしょうか? なお、アルバムのタイトルはシンプルに「ショパン」です。

曲目は下記の順番です。

・ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調op.35「葬送」
・夜想曲 第14番 嬰ヘ短調op.48-2
・ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 op.58
・舟歌 嬰ヘ長調op.60
ラファウ・ブレハッチ(ピアノ)(2021年録音/グラモフォン盤) 

ブレハッチのレコーディングは決して多くは無く、その実力とキャリアからすればもっと多くの録音を行っていても良さそうですが、この人もまた完全主義者の性格が有るのでしょうか。そこにようやく出されたソナタ集です。どちらも大好きなので早速聴きました(なのに鑑賞記は3月のリリースから9か月もあと!)。 

ピアノソナタ第2番は、一楽章の開始こそ重く荘重に弾かれますが、第1主題は、どうも冷静で抑揚が効き過ぎのように感じます。もっともっと切迫感が欲しいです。第2主題は最高に好きな部分ですが、ここでも、どこまでも飛翔してゆく心の高まりが感じられません。二楽章はあの機関銃のような激しさは全く無く、いたって冷静です。三楽章の葬送行進曲も淡々としています。そこに文学的な“悲劇性”が姿を見せることは無く、純音楽的に楽譜を音にした印象です。なので中間部はせっかく静寂で美しいのですが、それが余りひき立たない結果に終わります。もちろんブレハッチは熱くなり過ぎない知的な演奏家だとは思いますが、この2番にはそれほどの魅力は感じられません。 

ところがです!ピアノソナタ第3番は、一楽章の開始から一気に惹き付けられました。テンポは幾らか速めで疾走感に溢れますが、そのピアニズムの何とも鮮やかなこと。第二主題ではぐっとテンポを落として、更に念押しするあたり、2番ソナタとはまるで違います。旋律の歌わせ方には充分に心が籠り、豊かな情緒に惹かれます。後半は緩急の変化が自然で、フィナーレに向かって高まってゆく充実感が素晴らしいです。二楽章もテンポは速めで、やはり鮮やかなピアニズムとその隙間に見せる情感のひだが何とも魅力的です。三楽章は淡々と進みますが、弱音の美しさが極めて印象的です。第二主題の深さも最も素晴らしい演奏の一つに数えられると思います。終楽章はじっくりと腰を据えて、一つ一つの音をたっぷりと鳴らし切っていて凄味すら感じさせます。大交響曲のような響きのスケールの大きさを感じます。 

最後に「舟唄」がゆったりと弾かれていて、ソナタで感動した後にさながらアンコールを味わっているようです。

というわけで、2曲のソナタの印象が大きく分かれる結果となりました。

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