ベートーヴェン 交響曲全集 名盤
楽聖ベートーヴェンの9曲の交響曲と言えば、クラシック音楽鑑賞における最高の醍醐味の一つと言えるでしょう。各曲については(第1番を除き)これまで聴いたCDの感想を書いて来ましたが、全集盤としてのまとまった比較鑑賞記は書いていませんでした。理由は全ての曲で好みを集約出来る指揮者などは存在しないからです。かのフルトヴェングラーでさえも、録音条件も含めて絶対では無いのです。
とは言え、全集として比べてみるのも、それはそれで意味が有るかもしれないと思い、以下の通り上げてみました。もちろんこれは自分の好みであり、優劣を述べるものではありません。聴き手が一人一人好みのものを愛聴すれば良いのです。
ということで、順にご紹介してゆきます。
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィル他(1948-54年録音/EMI盤) 歴史上最高のベートーヴェン指揮者は疑いなくフルトヴェングラーですが、この全集は個々の録音を集めたもので、全てモノラル録音です。2番、8番の音質が劣悪で、7番、9番(有名なバイロイト)も良くはありません。しかし、それでも全集を語るときに決して外すわけには行きません。この全集を聴いたうえで、他のフルトヴェングラーの録音や様々な指揮者の演奏を聴いて頂きたいからです。晩年の演奏はテンポが遅くなり力強さに欠けるという指摘も有りますが、その代わりに音楽の深さは神々しいほどの境地に達しています。
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮NBC響(1949-53年録音/RCA盤) フルトヴェングラーとは正反対のスタイルですが、鬼神トスカニーニも外すことは出来ません。速いイン・テンポでぐんぐんと進むエネルギー感が尋常でなく、決して好き嫌いで片付けられない圧倒的な存在感を示します。激しいスタッカートと明るいカンタービレはトスカニーニならではです。マエストロに鍛え上げられたNBC交響楽団のアンサンブルの凄さも特筆されます。モノラル録音で、残響の少ない音なので耳には優しくありませんが非常に明快な音です。
オイゲン・ヨッフム指揮ベルリン・フィル(1952-61年録音/グラモフォン盤) ヨッフムはベートーヴェンの交響曲全集を3回録音しましたが、これは最初のものです。収録時期に幅が有り、モノラルとステレオ録音が半々なことが、販売上では不利だったようです。しかしフルトヴェングラー時代の響きを色濃く持つベルリン・フィルと当時から優秀なバイエルン放送響の二大ドイツオーケストラを起用して、堅牢な聴き応えある全集となっています。録音は優れていて、モノラルのものでもステレオ録音と比べてさほど遜色有りません。
カール・シューリヒト指揮パリ音楽院管(1957-58年録音/EMI盤) シューリヒトの全集盤が聴けるのは非常に有難いです。トスカニーニよりも速いテンポで一気苛成に進み、しかもその速いテンポでも一画一画に深いニュアンスが込められているのは凄いことです。欲を言えば、ウイーン・フィルもしくはベルリン・フィルであれば更に嬉しかったですが、元々演奏スタイルがドイツ的では無いので、パリ音楽院の明るい音でも意外と違和感は感じません。モノラル録音(9番のみステレオが存在しますが)なのは残念ですが、非常に明快です。
アンドレ・クリュイタンス指揮ベルリン・フィル(1957-60年録音/EMI盤) 全てベルリン・フィルでステレオ録音の全集としては初めてのものだった気がします。当時としては速めのテンポで颯爽と進みゆく熱のこもった演奏です。ベルリン・フィルの優秀さはいわずもがなで、管楽器のソロの上手さも光ります。但し、EMIの録音は、当時のベルリン・フィルの重い響きが妙に明るく感じられますし、楽器の分離や色彩感も余り芳しくないのは残念です。
ピエール・モントゥー指揮ロンドン響、ウィーン・フィル(1957-62年録音/DECCA盤) 個々の録音を集めた全集なので、オーケストラがロンドンとウイーンの二つに分かれます。モントゥーは速めのテンポで気迫がこもり、キリリと引き締まったところがシューリヒトに似ていて、即興的な味わいも似ていますが、表現の幅の広さはモントゥーが上でしょう。曲ではウィーン・フィルの美音と室内楽的な合奏を味わえる1,3,6,8番は最高です。それ以外のロンドン響も悪く無いですが、自分の好みの上では幾らか物足りません。なお、9番のみはウエストミンスター録音です。
ブルーノ・ワルター指揮コロムビア響(1958-59年録音/CBS盤) ワルターが晩年にステレオ録音による全集を残してくれたのは最大の遺産では無いでしょうか。ワルターは往々にしてモノラル録音時代のニューヨーク・フィルとの演奏の方が生命力に溢れていて良いとは言われますが、あの派手で新大陸的な演奏よりも、ヨーロッパ的で落ち着きの有る最晩年のコロムビア響とのセッション録音の方が自分は好みます。「田園」を筆頭にワルターならではの名演が多く含まれます。録音も当時としては素晴らしいです。
オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管(1957-60年録音/EMI盤) EMIへのセッション録音による全集です。どの曲も、ゆったりとした構えで頑固一徹イン・テンポを守る典型的なクレンペラーの演奏ですが、その巨大な造形には、そんじょそこらの熱演型指揮者からは味わえない正に仰ぎ見るような風格が有ります。これもまたベートーヴェンの音楽の一つの神髄です。最晩年のドイツの楽団と残し残したブ録音には、更に管弦楽の響きの魅力が加わりますが、この全集は録音もまずまずですし貴重な遺産です。
フランツ・コンヴィチュニー指揮ライプチヒ・ゲヴァントハウス管(1958-61年頃録音/edel classics盤) この全集は、何と言ってもゲヴァントハウス管の音色が魅力的です。これほどの古き良き時代のドイツの古武士のような響きは今ではもう絶対に聴けません。コンヴィチュニーの指揮も、融通の利かない(ドイツの)ハゲ頭の頑固おやじのような演奏です。堂々とした極めて立派な演奏なのですが、どこか生真面目過ぎて面白みに欠ける面が有ります。しかし、そこがまた古のドイツらしさだと言えるのです。但し2番に関しては今だに最高の演奏です。
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィル(1961-62年録音/グラモフォン盤) 独グラモフォンがついに完成させた初のステレオ録音による全集でした。個人的にはベームに録音をさせて欲しかったのですが、この時のカラヤンも悪くは無いです。昔は随分と速いテンポと思いましたが、最近の耳では特に速くは感じません。部分的にはBGM的に聞こえますが、戦後20年近く経った当時、ドイツ的な重厚長大さから離れたスタイリッシュなベートーヴェンがもてはやされたのは分かる気がします。録音とリマスターはまずまずだと思います。
ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮ウィーン・フィル(1965-69年録音/DECCA盤) ウィーン・フィルとして初のステレオ録音による全集でした。Sイッセルシュテットは手兵だった北ドイツ放送響を振るとドイツ的で男性的な力強い演奏をしますが、ウィーン・フィルを振るとその柔らかい音色を生かした演奏となり、オーケストラの特徴が良く現れます。どの演奏も中庸のテンポによるオーソドックスなもので、全集として聴く分には良いと思いますが、曲によっては凸凹が有り、食い足り無さが残るものも有ります。DECCA録音は明瞭ですが音は薄めに感じます。
オイゲン・ヨッフム指揮コンセルトヘボウ管(1968年録音/フィリップス盤) ヨッフムが残した三つの全集盤のうち二度目の全集です。最初のグラモフォン盤と比べると、テンポに大きな変化は無いものの、幾らか落ち着きが見られます。それが年齢によるものか、オーケストラの違いによるものかは分かりません。しかし完成度は高まり、名門コンセルトヘボウの妙技と深い響きに魅了され、それだけでも聴き応え充分です。ヨーロッパ的な柔らかく深い響きを忠実に捉えたフィリップスの録音が素晴らしいです。
カール・ベーム指揮ウィーン・フィル(1970-72年録音/グラモフォン盤) グラモフォンへのセッション録音による全集です。ベームは実演でこそ燃える人でしたので、人によってはセッション録音の評価が軽んじられる傾向無きににしもあらずで、晩年の録音は特にそうです。しかしこの全集の演奏の安定感は見事です。ドイツ音楽を演奏して、ゆったりとした構えでこれほど安心して聴かせてくれる指揮者はそうは居ません。速いテンポで刺激的な演奏が流行る現代だからこそ、この全集の価値は高まるのだと思います。ウィーン・フィルの美音を捉えた優れた録音も嬉しいです。
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮シュターツカペレ・ドレスデン(1975-80年録音/Berlin classics盤) ブロムシュテットは全集を二回残していますが、これは最初のもので、名門SKドレスデンの首席指揮者だった時代に録音した一回目の全集です。この人は草食系男子(菜食主義者なのは有名)のせいか、どのオーケストラを指揮しても自分の色を要求するのではなく、オケの持つ色を尊重します。ですので、ドレスデンのように元々素晴らしい伝統の音色を持つオケを指揮する時は、余計なことをしないのが長所となります。全体的にハイ・レベルの出来ですが、曲によって幾らか差が有ります。
レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィル(1977-79年録音/グラモフォン盤) これはリリース当時、大変話題となったウイーンのムジークフェラインで行われたライブ収録による全集盤に含まれます。以前聴いた時には、随分と速くスッキリしている演奏だと感じましたが、ベーレンライター版が主流となった現在聴き直してみれば、充分に重量感が感じられますし、どの曲においても推進力、生命力と合わさった、非常に白熱した演奏です。録音も会場で聴くように自然で優れています。
ロヴロ・フォン・マタチッチ指揮ザグレブ・フィル(1980-81年録音/Prominent Classics盤) 我が国のファンから今でも愛されるマタチッチが祖国クロアチアで行ったツィクルスのライヴです。ザグレブPOは東欧の楽団特有の素朴な響きを持つのが魅力で、野人的?なマタチッチの芸風にはぴったりです。クロアチア放送によるステレオ録音で、年代にしては不満が残りますが鑑賞には問題無いです。マタチッチのベートーヴェンが、こうして比較的良い条件で聴くことが出来るのは貴重です。どの曲も地に根付いたような安定感が有り、男性的とも言える雄渾さが魅力です。
オトマール・スウィトナー指揮シュターツカペレ・ベルリン(1980-83年録音/DENON盤) 独シャルプラッテンとの共同制作の全集盤に含まれます。スウィトナーはモーツァルトでは相当速いテンポをとるイメージが有りますが、ベートーヴェンはむしろ全体的にゆったり気味に感じられ、肩の力も抜けて爆演からは最も遠い純音楽的な演奏と感じます。SKベルリンの響きはドイツ的ですが、武骨さよりは古雅な美しさが強く感じられます。どの曲をとっても”ヨーロッパの良心”を感じられるような、本当に心地良い演奏なのですが、決して聴き応えに不足することはありません。録音も優秀です。
ベルナルト・ハイティンク指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管(1985-87年録音/フィリップス盤) ハイティンクの二回目の全集盤となります。30年近く務めたコンセルトヘボウの常任指揮者を退任する直前の録音だけあり、どの曲も余裕のあるテンポによる力みの抜けた円熟の味わいが感じられます。単なる熱演とは次元が異なります。またオーケストラの美しい響きが大いなる魅力で、ウィーンともドイツとも違う、しかしヨーロッパ音楽の中心とも言える豊穣の響きは類まれな高い質感の音です。ハイティンクの指揮もこの楽団が有ればこそです。フィリップスの録音も優れています。
サー・コリン・デイヴィス指揮ドレスデン国立歌劇場管(1991-93年録音/フィリップス盤) ブロムシュテット以来のSKドレスデンの全集盤ですが、リズムが厳格に刻まれ、弦楽器はマルカートに弾かれ、内声部が厚く奏される典型的なドイツ風の演奏です。管楽器の古雅な音色と相まって、いぶし銀の響きは今なお健在です。北ドイツ的な武骨さとは異なる貴族的な音なのですが、ウィーン風の流麗な音とはまた異なります。デイヴィスの指揮は堂々と立派な造形を築き上げていますが、それでいて情緒を感じさせるのは素晴らしいです。ルカ協会で行われたバランスの良い録音で、旧東独エテルナの音造りに似ています。
ダニエル・バレンボイム指揮ベルリン国立歌劇場管(1999年録音/テルデック盤) 1999年にまとめて録音された全集ですが、バレンボイムの指揮はじっくりとしたテンポで雄渾さが感じられます。スフォルツァンドや、ティンパニの程よい強打が効果的です。SKベルリンの音色にはドイツ的な暗さが有り、ホルンの音にも野趣が感じられて素敵です。どの曲でも一気に引き込まれるタイプの演奏では無いですが、じっくり聴いていると、その良さがじわりじわりと増して感じられます。個々の曲を聴くよりは全集での鑑賞に向くかもしれません。指揮者のとしてのバレンボイムに懐疑的な声も耳にしますが、そのような方に是非聴いて貰いたいです。録音も優秀です。
クラウディオ・アバド指揮ベルリン・フィル(1999-2000年録音/グラモフォン盤) アバド二度目の交響曲全集ですが、ベーレンライター版を使用しています。演奏はピリオド楽器派の刺激的な演奏を意識しているように感じます。一度目のウィーン・フィル盤と比べて基本テンポは速まり、ドイツ的な音のタメや重さが取り払われています。どの曲もアバドが胃癌の治療に入る前の録音とは思えない非常な熱演ですが、ベルリン・フィルの音が明るくグラマラスなので古楽器的に端正に弾かせると逆に不釣り合いに感じられます。個人的にはむしろウィーン・フィル盤の方が好みです。なお、アバドは2001年にもローマでライブを収録しましたが、そういうわけで興味が湧かず未聴です。
サイモン・ラトル指揮ウィーン・フィル(2002年録音/EMI盤) ウィーンのムジークフェラインで行われた連続演奏会のライヴ収録の全集盤です。現在流行りのベーレンライター版を使用していますが、快速テンポで進みつつ、フォルテやアクセントの強調が刺激的なほどです。加えて弦楽は明らかにノン・ヴィヴラートに近いので、ちょうど最近の古楽器派の挑戦的な演奏スタイルを狙ったのでしょう。この録音当時では正直言えば余り耳に心地よさは感じられませんでしたが、時代の経過と共に段々と楽しめるように成りました。ラトルがそれだけ先を行っていたということでしょう。ライブですが、さすがウィーン・フィルの演奏は完璧、録音も優秀です。
リッカルド・シャイー指揮ゲヴァントハウス管(2007-09年録音/DECCA盤) ドイツの名門楽団にイタリア人のシャイーが音楽監督として就任したのは驚きでしたが、現在では当たり前になりました。上述のラトルよりも更にテンポが速く、ドイツ的なリズムの念押しが無いばかりか、前のめりになるほど煽り、緩徐楽章でさえもサクサクと進みます。曲によってはベートーヴェンというよりもロッシーニみたいです。管弦楽の響きは基本的には古のゲヴァントハウスの音を残してはいますが、音の出し方は、かなり軽いそれを目指しているようです。“軽薄短小”ならぬ“軽薄短速”のベートーヴェンは好みの分かれるところで、自分は正直言えば付いて行けません。
クリスティアン・ティーレマン指揮ウィーン・フィル(2010年録音/SONY盤) ウィーン楽友協会大ホールで行われたベートーヴェン・チクルスのライブ収録による全集です。ヴァイオリン両翼型の配置で、楽譜も古いブライトコプフ版を使用するという、最近の流行にあえて逆った解釈です。猫も杓子も古楽器奏法的な快速テンポでキレの良い演奏を目指す「軽薄短速」時代にあって伝統を重んじるとは、さすがはティーレマンです。どの曲もテンポは概して遅めでスケールが大きく、リズムにも重量感が有ります。「黄金のホール」と呼ばれるこのホールで実際に聴いているような臨場感の有る録音が素晴らしく、ウィーン・フィルのしなやかで美しい音色を味わうことが出来ます。
古楽器オーケストラの演奏も上げておきます。
フランス・ブリュッヘン指揮18世紀オーケストラ(1984-92年録音/フィリップス盤) ブリュッヘンには二回の全集盤が有りますが、これは最初に数年間かけてじっくりと録音を行った全集です。このころからピリオド楽器演奏が大きなブームと成りましたが、その立役者の一人でしょう。とは言え自分が当時聴いたのはバロック音楽までで、ハイドン、モーツァルトが限界。ベートーヴェンは全く聴きませんでした。この18世紀オーケストラの音は古雅で美しいですが、ノン・ヴィブラートの痩せた音はどうしたって貧相です。それでも巨大オーケストラの厚いステーキのような音に飽きた時の気分転換に聴くにはとても新鮮に感じられます。
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク(1991-94年録音/アルヒーフ盤) ブリュッヘン盤からさして時を経ていない時期の全集でしたが、この演奏には驚きました。全体的にどの曲も超快速ですが、シャイーが前のめりに感じられたのとは違い、決して上滑りすることなく安定感が有り、このテンポの必然性が感じられるのは凄いです。緩除楽章では潔良いほどサクサクと爽快に進みますが、効果的なダイナミクスなど聴いていてワクワクします。オーケストラの技量も非常に高く、ピリオド楽器なのに音の薄さが気に成りません。弦、管、打楽器の録音バランスも絶妙です。
あくまで自分として、どうしても外せない全集盤を絞るとすれば、(問題が多々有るのは承知の上で)フルトヴェングラー、ワルター、コンヴィチュニー、ベーム、スウィトナー、ラトル、ティーレマン、ガーディナーあたりになります。
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