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2020年12月

2020年12月26日 (土)

ステファン・メラ― ベートーヴェン ピアノソナタ全曲演奏会

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ウイーン国立音楽大学教授であり、ベートーヴェンのピアノ音楽の権威であるステファン・メラ―氏によるベートーヴェンのピアノソナタ全32曲演奏会が12月21、22日に横浜市開港記念会館講堂にて開催されました。
二日とも午後、夜の合計4回での公演でしたが、私もスタッフとして開演後しばらくロビーに留まったものの、あとは客席で演奏を聴くことが出来ました。

メラ―氏は数曲を連続して弾き、約1時間ごとに5分程度の休憩を挟む程度というタフさ。1曲として楽譜を見ることなく、どの曲も実にエネルギッシュにして味わい深い演奏でした。

よく練習曲としても弾かれる初期のソナタからはその演奏の激しさ、深さから完全なベートーヴェンの姿が浮かび上がりますし、中期のソナタからはとても200年以上昔の音楽では無く、いま生きている人間の激しい感情と現実感が迫り来ます。そして後期のソナタこそが白眉で、とりわけハンマークラヴィーア、31番、32番が非常に印象的でした。

ベートーヴェンが生涯を通して作曲し続けた唯一のジャンルであるピアノソナタを、彼が生きて作曲したウイーンの街に伝統として根付いた演奏スタイルでこうして連続して聴くことの意味の大きさがひしひしと感じられました。そのような公演に多少でも関わり合えたのは何とも貴重な体験だったと心から感謝です。

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(主催 ミュージックオフィス小路清忠アーティスツサークル)

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中 恵菜 ヴィオラ・リサイタル

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こちらのコンサートは中恵菜リサイタル実行委員会の主催で開かれ、私が委員長を務めました。そのご報告となります。

中 恵菜(なか めぐな)ヴィオラ・リサイタル(ピアノ江崎萌子)が盛況のうちに終了しました。
今年NHK BSやFM放送で取り上げられ、今大きく注目されている新進カルテット、カルテット・アマービレのヴィオラ奏者 中 恵菜さんのソロ・リサイタルは、中さんの高校時代からの同級生で現在はライプツィヒでコンサート修業中のピアニスト江崎萌子さんの一時帰国に合わせての共演でした。

同じドイツで研鑽を積み、気心も知れたお二人の造る音楽は大変素晴らしく、お客様に大絶賛されました。かくいう主催者もしばし音楽に聴き惚れてしまい完全にお客さんモードになりました!
プログラムもシューベルトのアルペジオ―ネソナタやブラームスのソナタ第二番をメインに掲げてヴィオラという楽器の素晴らしさを再認識されたお客様が大勢いらっしゃいました。

お二人が我が国の音楽界を牽引する演奏家に成長するのもそう遠い未来のことでは無いでしょうし、更には世界に向けて頑張っていって欲しいものです!

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開催:2020年12月19日 川崎市高津区”小黒恵子童謡記念館”にて

(主催:中恵菜リサイタル実行委員会、協力:県央音楽家協会)

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ご投稿についてのお願い

皆様こんにちは。

勝手に二週間もの間のコメントご投稿を自粛させて頂きまして誠に申し訳ありませんでした。

ただし、多くの方が連続してご投稿されると、今回の様にとてもお返事を差し上げることが出来なくなります。

そこで、今後は頂いたコメントにお返事を差し上げるまでは、次のコメントをお待ちくださるようお願い致します。

この交流の場を長く続けてゆく為にも是非ご理解とご協力をお願い致します!

ハルくんより

※このお願いについてのコメントは特に不要です。

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2020年12月16日 (水)

中 恵菜 ヴィオラ・リサイタルのお知らせ

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直前のご案内となりますが、NHK BSでも放送されて大きな話題となっている新進カルテット、カルテット・アマービレのヴィオラ奏者 中 恵菜さんのソロ・リサイタルを来週12月19日(土)に川崎市高津で主催致します。

ライプツィヒで研鑽中のピアニスト江崎萌子さんの一時帰国に合わせての特別共演です。

中さんの使用楽器のヴィオラ Montagnanaの豊饒な音色と記念館所蔵ピアノのベーゼンドルファーインペリアルとのハーモニーを是非ともお聴き逃しなく♬ 

新型コロナ感染対策としてお客様を会場収容人数の4分の一に減らし、充分な座席距離を置いての公演です。
14時の回は既に満席ですが、18時の回は残り数席ございます。ご興味ありましたらこちらまでご予約下さい!

日時:2020年12月19日(土)
1回目 14:00開演(13:30開場)※予約満席 
2回目 18:00開演(17:30開場)

会場:小黒恵子童謡記念館(東急田園都市線高津駅より徒歩約10分)※下部チラシ参照

ご予約は 中 恵菜リサイタル実行委員会(TEL 090-6009-7213)迄

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2020年12月15日 (火)

もう一つの「バイロイトの第九」 カール・ベーム 1963年ライブ

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ドイツの有名なバイロイト音楽祭は、リヒャルト・ワーグナーが自分の作品のみを上演する目的で建てた祝祭劇場で毎年夏に開催される音楽祭です。けれどもベートーヴェンの第九だけは、開幕記念演奏会のときにワーグナーが自分で指揮をして演奏されたことから例外的に節目節目に演奏をされて来ました。

オールド・クラシック愛好家にとっては「バイロイトの第九」と言えばまず、第二次大戦で中断したバイロイト音楽祭が戦後に再開した1951年の開幕で行われたフルトヴェングラーの演奏が思い浮かぶことでしょう。フルトヴェングラーは1954年にもバイロイトで演奏をしていますが、メジャーレコード会社のEMIが1951年の録音をレコード化したことから、こちらが圧倒的に良く知られています。その神がかった演奏はどれほどの時を経ても第九の一つのスタンダードと成り得ています。(この録音も含めて第九の様々な演奏家のCDについてはこちらから)

しかし今回取り上げるのは、もう一つのバイロイトの第九で、ワーグナーの生誕150年、没後80年記念となった1963年にカール・ベームが指揮した演奏です。この演奏は過去に幾つか海賊レーベルから出ていましたが、近年になりバイエルン放送局所蔵の音源をオルフェオがCD化しました。モノラル録音ですが広がりや臨場感が有るので聴き易く、年代的にはかなり良好の音質です。リマスタリングされた音が幾らかイコライジング気味な音なのが残念ですが、この手の復刻ではむしろ控え目の方ですし、何より高音域が過度に強調されることもなく、中音域から低音域のしっかりした音に支えられているのが嬉しいです。その為に木管楽器やチェロ、コントラバスの低弦、ティンパニなどの音が非常に明瞭で力強く響きます。

ベームの指揮はもちろんフルトヴェングラーの山あり谷あり波乱万丈型とは違い、基本的にインテンポを守り造形感を強く感じさせます。しかし実演で燃えて鬼神となるベームの本領をかなり発揮していて、そのエネルギー感が半端有りません。後年のグラモフォンの録音では遅いテンポで巨大な広がりの有るスケールを感じさせましたが、それよりも全楽章ともテンポは速めで直線的な迫力を強く感じさせます。爆発する推進力と重厚感がここでは見事に両立しています。

フルトヴェングラーのバイロイト盤と並べても決して遜色のない素晴らしい演奏であり録音であると思います。

グンドゥラ・ヤノヴィッツ(ソプラノ)
グレース・バンブリー(メゾ・ソプラノ)
ジェス・トーマス(テノール)
ジョージ・ロンドン(バス)
カール・ベーム(指揮)
バイロイト祝祭管弦楽団&合唱団
録音:1963723
場所:バイロイト祝祭劇場
録音:モノラル(ライヴ)

発売:独オルフェオ

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2020年12月11日 (金)

緊急事態宣言とお願い

嬉しいことにこのところ沢山の方からコメント書き込みを頂いていて大変有難いのですが、お返事が間に合わなくなっております。

全てのコメントにお返事を差し上げるのがポリシーですが、このままではお返事崩壊が避けられません。

そこで今日から二週間の12月25日までをコメント書き込みの自粛要請期間とさせて頂きます。

拙ブログが続くのも皆様の閲覧とコメントの書き込みがあればこそと感謝の気持ちに少しも変わりは有りませんが、どうぞご理解下さいますよう宜しくお願い致します。

ハルくん

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2020年12月 4日 (金)

ブルックナー 交響曲第8番 クリスティアン・ティーレマン/ウィーン・フィルハーモニー CD新盤/決定盤

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今やドイツ・オーストリア音楽の盟主となったクリスティアン・ティーレマンはウィーンでもドレスデンでもバイロイトでも引っ張りだこですが、口の悪い輩には、やれ「指揮が下手だ」とケチを付けられるようです。確かにしゃくりあげる(アッパースイングの)指揮姿は格好の良いものでは無く、見ているだけで心を奪われるカルロス・クライバーの指揮姿とは雲泥の差が有ります。だが、個人的にはビジュアルイメージほどには好まない演奏が案外と有るクライバーよりも、映像では無く音だけを聴いていた方が良いと思えるティーレマンに好感を持ちます。

そんなティーレマンがウィーン・フィルとブルックナーの全曲演奏、全曲録音を開始しました。これまでミュンヘンやドレスデンでブルックナー録音を残してきたこの人の一大プロジェクトは大歓迎です。

その皮切りは第8番で、いきなり初球から剛速球を投げ込まれた印象です。これは昨年の10月に録音されたもので、このコンビは日本でもこの曲を演奏しましたね。その生演奏を聴いた人の話では、ご本人はとても良いと感じたらしいのですが、周りの知人にはそれほど称賛されてなかったそうです。

そしてこのCDがリリースされる直前にNHKでウィーンでのライブ映像が流れました。当然観ましたが、やはり映像だと指揮姿に気を取られてしまい、演奏そのものに集中出来ませんでした。要は良いのか悪いのかよく分からなかったのです。

そして今回、ようやくCDでじっくりと音楽に集中出来ました。そして感想はと言えば。。。素晴らしい!!です。

第1楽章からゆったりとしたテンポで構えが大きく、それでいて少しももたれません。いいテンポです。目新しいことは何もしません。実にオーソドックスです。ブルックナーの音楽の魅力がごくごく自然に心に浸み込んで来ます。トゥッティの響きも素晴らしく、これはウィーン・フィルなら当然と言えば当然なのですが、それを捉えるバランスの良い録音も上出来の仕事です。

第2楽章も少しも慌てず騒がず、しかし堂々とした進軍で聴き応えが有ります。ここぞという時にはぐっと重みを与えるセンスも良しです。中間部ではウィーン・フィルの美しい弦の魅力が全開です。

第3楽章のハーモニーの美しさも当然過ぎるものの、やはり美しい!です。どこまでもゆったりとブルックナーの法悦の世界に浸り切れます。

第4楽章もまた雄渾でスケールが大きく、しかしもたれない良いテンポです。チェリビダッケのような異形の凄みさえ有りませんが、全体も細部も充実し切っています。

全曲を聴き終えてみて、これはオーソドックスなスタイルでの究極の演奏だという気がします。これまで個人的に好んでいたクナッパ―ツブッシュ、シューリヒト、チェリビダッケは比べてみれば、やはり個性やアクの強さが相当に有ります。極めて高い次元のオーソドックスさで並ぶのはヴァントのみでしょう。ヴァント晩年の北ドイツ放送響やミュンヘン・フィルとの演奏は本当に素晴らしいですが、このティーレマン新盤の決定的なアドヴァンテージはやはりウィーン・フィルというブルックナー・オーケストラとして最上の名器です。特にヴァイオリン群と木管群の音色と歌わせ方の素晴らしさは他のどこの楽団も及びません。

これから出て来る後続の曲の特に5番、7番、9番などの演奏が楽しみでなりません。

※この他のCDの鑑賞記は下記をご覧ください。
ブルックナー 交響曲第8番 名盤

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