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2018年8月

2018年8月28日 (火)

レスパス弦楽四重奏団のコンサート ~シューベルト弦楽五重奏曲他~

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先週の土曜日25日のこと。横浜吉野町市民プラザで開催されたレスパス弦楽四重奏団のコンサートを聴きに行きました。

桐朋学園大学出身の若手奏者を中心に結成されたこのカルテットは第1ヴァイオリンの鍵富弦太郎さんを核にしてとても良く練り上げられた演奏を行うので大変気に入っています。

メンバーは鍵富弦太郎(第1ヴァイオリン)、小形響(第2ヴァイオリン)、福井萌(ヴィオラ)、湯原拓哉(チェロ)というメンバーです。
そしてこの日はシューベルトにチェロの荒井結子がゲスト参加しました。

プログラムを演奏順にご紹介しますと、

・ハイドン : 弦楽四重奏曲第17番ヘ長調

・ドビュッシー : 弦楽四重奏曲ト短調
     ―休憩―
・シューベルト : 弦楽五重奏曲ハ長調
です。
もちろん前半の2曲も名作ですし楽しめましたが、目玉はなんといっても後半のシューベルト。五重奏と聞いて「ます」と間違えることなかれ。シューベルトが余命いくばくもない中で完成させた屈指の傑作ですね。
この50分にも及ぶ大作を素晴らしい演奏で堪能しました。有名な団体の演奏で聴いても必ずしも満足できないこの曲ですが、今日の演奏には僕がいつも求めたいと思っている古く良き時代のウイーンの素朴な情緒感が感じられたのが嬉しかったです。それは、やはり鍵冨さんの音楽的センスの良さが大きいのでしょうが、他のメンバーやゲストの荒井さんの実力とが一体となって初めて成り立つのは間違いありません。
彼らの次回の演奏会が今から楽しみです!
(下記写真は彼らのブログから)
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2018年8月11日 (土)

ドヴォルザーク 交響曲第5番へ長調op.76 名盤 ~続・ボヘミアの草原にて~

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ドヴォルザークの交響曲は作曲年代を追うごとに充実して行きますが、それでは滅多に演奏される機会のない第5番までの作品がつまらないかと言えばそんなことはありません。

作品番号の付いていない第1番からして既にドヴォルザーク好きにとってはグッとハートを惹きつけられる魅力が有ると思います。ただ、その割には第2番と第3番に関してはもうひとつ魅力が足りなくは感じています。

第4番以降については文句無しで、諸先輩作曲家達から受けた影響が完全には拭い去れないものの、ドヴォルザーク自身としての音楽の魅力が大きく感じられます。

今回上げた第5番も最初に楽譜出版されたそれ以降の作品の中に有って非常に楽しめる秀作交響曲だと思います。作曲者自身はこの曲に作品番号Op.20を付けたのですが、こともあろうに楽譜出版を行ったジムロックが勝手にOp.76と付けてしまいました。そのために長い間第6番、第7番よりも後に書かれた作品だと誤って考えられていました。

しかし裏を返せば、この第5番がそれだけ魅力的だったということなのでしょう。個人的にも第6番よりもむしろこちらを好んでいます。

第1楽章はアレグロ・マ・ノントロッポで、第6番とも共通したボヘミアの陽光の牧草地をイメージさせる大変美しい楽章です。時折アルペンホルンらしい音も聞こえて爽やかなことこの上ありません。 

第2楽章アンダンテ・コンモートは主部のほの暗く情緒的な旋律の美しさにはドヴォルザークファンならずとも魅了されることでしょう。スラヴの哀愁が一杯に漂っています。

第3楽章スケルツォ楽章ですが、主部はスラブ舞曲風で快活なリズムが印象的です。中間部も明るく幸福感に満ち溢れています。

第4楽章アレグロ・モルトは極めてエネルギッシュであり、その荒々しさは同じスラヴでもむぢろロシア的な印象です。畳みかけるリズムと金管と打楽器の迫力にいやでも興奮させられます。

それでは僕の愛聴盤のご紹介です。

41841syprrlヴァ―ツラフ・ノイマン指揮チェコ・フィル(1972年録音/スプラフォン盤) ノイマンのチェコ・フィルとのドヴォルザーク交響曲全集の旧録音盤に含まれます。写真はその全集盤です。チェコ・フィルの持っている温かく素朴な響きがこの曲にピタリと合っています。ノイマンの指揮はいつも通り、わざとらしさの無い自然体なのですが、終楽章辺りでも、スラヴの迫力を必要十分にしっかりと引き出していて物足りなさは皆無です。ティンパニの切れの良さは印象的です。各楽器の音が明瞭に聞き取れる優れたアナログ録音であるのも嬉しい限りです。 

711lltp5pwl__sl1087_ズデニェック・コシュラー指揮スロヴァキア・フィル(1978年録音/オーパス盤) オーパスレーベルに録音された交響曲全集はノイマンの新旧の全集盤と並ぶ素晴らしい金字塔です。コシュラーとスロヴァキア・フィルのコンビはよほど相性が良いのか、どれもが素晴らしい演奏で驚きます。スロヴァキア・フィルの弦楽の優秀さや管楽の音色の素朴な美しさなど魅力の点ではチェコ・フィルを上回るのではないかと思わせるほどです。コシュラーの全集盤は恐らく日本では僅かにしか流通しなかったと思われますが、単独盤で現在入手できるとすれば英国のライセンスレーベルRegis盤でしょう。明瞭で広がりが有り優秀なリマスターが施されています。 

Dvorak_61j5fwzynl_sy355_ ヴァ―ツラフ・ノイマン指揮チェコ・フィル(1982年録音/スプラフォン盤) 旧録音からわずか10年後の再録音盤です。写真は単独盤ですが、自分が所有しているのは全集盤です。ノイマンのドヴォルザークは旧盤と新盤のどちらを取るかは毎回迷うところですが、演奏はほぼ同じと言って良いです。新盤はデジタル録音ですが、オフマイクなので客席で聴いているような印象を受けます。各楽器が身近に感じられる旧盤とどちらを好むかは聴き手次第です。個人的にはわずかでも音楽に円熟味を増した感のある新盤を取りたいような気がします。 

Dvorakcci00055ズデニェック・コシュラー指揮チェコ・ナショナル響(1994年録音/ビクター盤) コシュラーは晩年にチェコで新しく創設された楽団を指揮してドヴォルザークのシンフォニーを5、7、8、9の4曲を録音に残しました。この5番はライブ録音ですが優秀な奏者を集めたと言われるだけあり素晴らしい演奏です。しかし長い時間をかけて練り上げられたようなスロヴァキア・フィルの音色の魅力にはまだ僅かに及ばない印象です。しかしスロヴァキア盤が入手するチャンスがほとんど失われた現在、このチェコ・ナショナル盤でコシュラーの素晴らしさを是非味わって頂きたいと思います。

Dvorak_717tis6tkyl__sl1200_イルジー・ビエロフラーヴェク指揮チェコ・フィル(2012年録音/DECCA盤) 最も新しいチェコ・フィルによる全集盤ですが、今は亡きビエロフラーヴェクが最晩年に残した最上の遺産です。DECCAによる録音は客席で聴くような臨場感があります。ビエロフラーヴェクの指揮は奇をてらうようなことは全く無く、チェコの伝統的でオーソドックスなスタイルを踏襲しています。スメタナやドヴォルザークはやはりこうでなくては魅力を損なってしまいます。第2楽章の主部の情緒感が今一つの気がしますが、その分終楽章の迫力ある充実感は聴きごたえ十分です。

さてどれもがこの曲の魅力を伝えているのですが、強いて好みで絞ればノイマン/チェコ・フィルの新旧両盤となります。しかしその差はほとんど無いに等しいです。

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2018年8月 9日 (木)

ペーター=ルーカス・グラーフのリサイタル

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今週5日のことでしたが、世界的フルーティスト、ペーター=ルーカス・グラーフのリサイタルを聴きに新百合ヶ丘のユリホールへ行きました。ピアノは田原さえさんです。 

昔からこの人のフルートは大好きで、特にモーツァルトのカルテットやコンチェルトなど何度繰り返して聴いたか分かりません。堅実で王道を行く演奏でありながら、決して派手にはならない華を感じられるのが好きでした。

今回のプログラムは以下の通りでした。 

G. F. ヘンデル:ソナタ op.1-11

J. ラウバー:3つのフモレスク フルート・ソロのための

F. シューベルト:アルペジオーネ・ソナタ イ短調 より 第1楽章(編曲:P.L.グラーフ)

A. ルーセル:笛吹きたち

福島和夫:冥 フルート・ソロのための

Ph. ゴーベール:ノクターンとアレグレットスケルツァンド

 

それにしてももう89歳になるそうですが、年齢による衰えなど微塵も感じさせず、その演奏の素晴らしさ、風格に唖然とさせられました。若くして世界の超一流になった人が長年積み上げてきた芸格はとてつもない領域に達しますね。先日同じくここで聴いたジェラール・プーレさんのヴァイオリンもそうでした。

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2018年8月 7日 (火)

ブログ開設10周年記念オフ会風景

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拙ブログの開設10周年を記念してオフ会を開きました。

会場は自由が丘にある民間コミュニティ、シェア奥沢です。

こちらのオーナーである堀内先生がこのブログに訪れて頂いたのがご縁で、こちらでレコード鑑賞会を私が企画することになりました。4年前のことです。

それはじきに生演奏のコンサートに変わってゆきましたが、それがはずみとなり私の地元の神奈川で音楽家の団体を立ち上げることになりました。つまり現在の私のリアル音楽活動はここから始まったのです。

そういう意味からも記念オフ会を開くのにこれほど相応しい場所は有りませんし、今回もまた先生に全面的にご協力を頂くことが出来ました。

特に想い出に残る記事を幾つか選びスクリーンに映し、エピソードをお話ししながらお気に入りの演奏を皆さんに聴いて頂きました。そして鑑賞会の後には楽しい交流会となりました。

シェア奥沢さん、そしてこの日ご参加下さった皆様には心からお礼申し上げます。

そして会にご参加は出来なくても、日頃ご声援を頂いている全ての皆さまへ深く感謝致します!

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2018年8月 3日 (金)

ブログを開設してからちょうど10年が過ぎました

このブログを開設してからちょうど10年が過ぎました。
その10年前の今日書いた最初の記事がこれです。
本当に月日が経つのは早いものですね。このときには何年続くかどうかなんて考えもしませんでした。
実はこのブログのヒントは今は亡き音楽評論家、宇野功芳先生の著書「クラシックの名曲・名盤(講談社現代新書)です。あの小さな新書で紹介された名曲の数々はこれからクラシックを聴いてゆきたいと思う人には最適な道案内だと思ったからです。推薦CD、それ以外のCDを片っ端から聴いて、結果「自分はそうは感じない、こう感じる」という具合に思ったことをこのブログに書いてきました。
なにせアマチュアの音楽愛好家が書くことですから、専門性に乏しい内容なのはご容赦頂くとしても、どこかで『評論家気取り』なんて批判を受けたような気がします。これは本物の評論家諸氏に申し訳ないですね。
しかし評論家といえども評論には自分の考え、好みが大きく出るわけで、本質的には何ら変わらないというのが僕の考えです。
アマチュアリスナーの僕らも全員が評論家を気取るべきです。そう、あたかも自分が評論家になったつもりで、愛聴曲、愛聴盤、愛聴演奏家を見つけてゆくべきです。
これはクラシック愛好家の大いなる楽しみなわけですから。愛好家にかかってはたとえホロヴィッツといえども「嫌いだ」で済ませて何のお咎めも受けません。(笑)
さて、このブログはこれからまた10年先まで続いていけるでしょうか。もしも続いていたときには今日の記事を読み返すことにします。
明日は自由が丘のコミュニティ、シェア奥沢で記念のオフ会を開きます。きっと楽しい集いになることと思います。
まだ参加を受け付けていますが、食材調達の都合上、本日中(8/3)にご連絡ください。

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