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2017年7月

2017年7月24日 (月)

マーラー 歌曲集「さすらう若人の歌」 名盤

マーラーの音楽の醍醐味は管弦楽を駆使した大編成のシンフォニーにありますが、歌曲もマーラーのファンにとっては格別な魅力を持つ分野です。

歌曲集も幾つか有りますが、連作歌曲集としては「さすらう若人の歌」(Lieder eines fahrenden Gesellen )が最初の作品です。僅か4曲で短いですが、マーラーの最も良く知られた歌曲集であり、素晴らしい魅力に溢れます。

この作品は、本人の手紙の中に記されているように、ヨハンナ・リヒターという女性歌手へのかなわぬ思いが作曲動機となりました。作品は管弦楽版とピアノ伴奏版の二つが有りますが、先にピアノ伴奏版が完成して、その後に管弦楽用の楽譜が完成しました。もっとも初演は管弦楽版のほうが先に行われたという記録が残っています。

歌曲の歌詞はマーラー自身の手で書かれましたが、ドイツ民謡集『子供の魔法の角笛』に影響を受けていて、実際に第1曲は民謡集をベースにしています。

日本では「さすらう若人の歌」と訳されていますが、"Eines fahrenden Gesellen" とはドイツでは「マイスターとなるために国を広く渡り歩いて修行をする職人」という意味なのだそうです。マーラー自身もこの作品を書いた当時、指揮や作曲を学びながら数々の都市を周っていましたので、自らを曲の主人公に重ね合わせたことでしょう。そして若きマーラーは作品の主人公のように失恋の痛手を負っていたのです。”旅と失恋”というテーマは「美しき水車小屋の娘」に出てくる粉ひき職人とも共通していますね。

曲集は4曲から構成されます。
1.
恋人の婚礼の時(enn mein Schatz Hochzeit macht
2.
朝の野を歩けば(Ging heut' morgens übers Feld
3.
僕の胸の中には燃える剣が(Ich hab' ein glühend Messer
4.
恋人の青い目(Die zwei blauen Augen
 

1曲「恋人の婚礼の時」 若者は恋人を失った悲しみを歌います。どんなにこの世の美しさを想ってみても、眠りについている時でさえ、その痛手と苦しみから解放されることはありません。

2曲「朝の野を歩けば」 晴れやかな気分の曲です。朝陽を浴びながら鳥のさえずりや牧場の朝露のような美しい自然の中を歩く喜びに溢れますが、恋人が去ってしまったことを思い出すと自分には幸せが花開くことは無いのだと気づきます。この曲の旋律は交響曲第1番の第1楽章に出てきます。

3曲「僕の胸の中には燃える剣が」 若者は寝ても覚めても、失った女性が自分の心臓にナイフを突き立てるという妄想に襲われ続けます。悪夢から覚めたとき、自分が黒い棺に横たわっていれば、目が二度と開かなければと願わずにいられません。

4曲「恋人の青い瞳」 恋人の青い眼差しは若者に愛と苦しみの両方を与えました。「なぜ私を見つめたりしたんだ?今の私には永遠の苦しみと嘆きしかない」と歌います。
 しかし、街道に立つ一本の菩提樹の蔭で、ようやく安らかに眠ることができ、「人生がどうなるか知りもしないが、全てがまた素晴らしくなった。恋も、苦しみも、 現(うつつ)も、夢も!」と肯定的に曲が終わります。
シューベルトの「菩提樹」を思い起こしますが、悲壮感で終わるシューベルトとは逆の終わり方が興味深いです。 この曲の旋律は交響曲第1番の第3楽章に出てきます。

曲は、バリトンもしくはメゾ・ソプラノで歌われますが、歌詞内容からはバリトンがふさわしいように思います。

それでは愛聴するCDのご紹介です。

管弦楽版
この曲は何と言ってもフィッシャー=ディースカウと切り離すことは出来ません。

Mahlerimg091D.フィッシャー=ディースカウ(Br)、フルトヴェングラー指揮フィルハーモニア管(1952年録音/EMI盤) 古いファンはこの曲とこの演奏とは切っても切り離せないと思います。フルトヴェングラーが「トリスタンとイゾルデ」のセッション録音を行ったときに時間が余ったことから、その録音に参加していたFディースカウとこの曲の録音が急遽決まったそうです。おかげで我々はこうして永遠の名盤を聴くことが出来るのです。フルトヴェングラーの指揮は全体に遅いテンポで粘りますが、演奏の味の濃さは比類が有りません。若きFディースカウの歌唱も曲に没入していて後年の演出臭さを感じません。そうなると元々の表現力がマーラーにはぴったりです。録音は歌が大き過ぎてバランスが悪いですが明瞭さは充分です。オーケストラの音はさすがに古めかしく感じますが鑑賞に問題はありません。

Mahler710glcwmuul_sy355_D.フィッシャー=ディースカウ(Br)、フルトヴェングラー指揮ウイーン・フィル(1950年録音/オルフェオ盤) 前述のEMI盤に2年先立つ歴史的な録音が有ります。これこそはFディースカウのデビューコンサートで一大センセーションを巻き起こしたときの記録です。EMI盤の音質に比べればかなり聴き劣りしますが鑑賞には一応耐えます。何よりもウイーン・フィルの柔らかい音が魅力的です。Fディースカウの歌の表現力の幅と完成度は2年後のEMI盤よりも未成熟な気はしますが、他の普通の歌手と比べれば既に大きく凌いでいます。


Mahler965D.フィッシャー=ディースカウ(Br)、クーベリック指揮バイエルン放送響(年録音/グラモフォン盤) クーベリックのセッション録音には少なからずみられる傾向ですが、冷静にして表現も幾らか
あっさり気味です。ですのでフルトヴェングラー盤が好きな方には物足りなく感じられると思います。その為かFディースカウの音楽への没入度もいま一つです。けれどもこの曲をマーラー青春の曲と捉えれば、むしろこれぐらいで丁度良いかもしれません。凡百の歌手と比べれば充分過ぎるほどの上手さです。歌とオーケストラの総合点ではトップレベルですのでリファレンスにしたい演奏です。

Mahler_img_5D.フィッシャー=ディースカウ(Br)、バレンボイム指揮ベルリン・フィル(1989年録音/SONY盤) このバレンボイム盤はゆったりと表情豊かに演奏していて満足出来ます。ベルリン・フィルは音色が明るいのでマーラーの情念が幾らか薄められはしますが美しいですし、演奏そのものは秀逸なので不満ということではありません。但しこれもフルトヴェングラー盤が好きな方には、おっとりし過ぎに感じられることでしょう。第2曲の躍動感もいま一つです。総合的にはFディースカウの歌唱に演出臭さが少ないのは好みですし、
ソニーによる録音は優秀ですし、これはもっと見直されて良い演奏だと思います。

Mahler230030467ミルドレッド・ミラー(Ms)、ワルター指揮コロムビア響(1960年録音/CBS盤) この歌曲集と密接に関わる交響曲第1番があれほど素晴らしいワルターなので期待するところですが、その期待を裏切らない素晴らしさです。楽譜、音符一つ一つの読みの深さはバーンスタインと並びます。それほどテンポが遅いわけでも無いのにオーケストラの表情が何とも味わい深いです。但し歌手にメゾ・ソプラノが選択されていて、ワルター/ニューヨーク・フィルの「大地の歌」でも使われたミラーです。とても良い歌唱なのですがこの曲はやはり男性で聴きたいところです。


Mahler976クリスタ・ルートヴィヒ(Ms)、ベーム指揮ウイーン・フィル(1969年録音/オルフェオ盤) ベームのマーラー録音は少ないですが、これはザルツブルク音楽祭のライブです。録音も明瞭でウイーン・フィルの音の魅力を味わえます。但しこの演奏にワルターのようなマーラー愛を感じられるかと言えば微妙です。やはりベームにマーラーは余り似合いません。3曲目などもベームにしては凄みが有りません。また
ルートヴィヒの歌唱も意外に良くありません。一生懸命歌っているのですが、粘りが多くしつこすぎに感じます。メゾ・ソプラノなので余計に強く感じられてしまうようです。

Mahlerthbrzdfft5トーマス・ハンプソン(Br)、バーンスタイン指揮ウイーン・フィル(1990年録音/グラモフォン盤) バーンスタインとウイーン・フィルの組み合わせとあれば歌手は誰でも構わない、と言っては極端ですが、それぐらい魅力的な演奏です。フルトヴェングラーに匹敵する大きなスケールと劇的な表現力が圧巻です。録音もずっと新しいのでウイーン・フィルの音の繊細さや美しさをとことん味わうことが出来ます。
ハンプソンはFディースカウと比べると小粒で声に華やかさも不足しますが、バーンスタインの元で中々に健闘した歌唱を聴かせています。これをFディースカウが歌っていたらなどと思うのは止めておきましょう。

Mahler230010525ヨルマ・ヒンニネン(Br)、インバル指揮ウイーン響(1992年録音/DENON盤) ヒンニネンはフィンランド生まれのバリトンですが声質が重く暗い印象を与えます。なので2曲目などは余り似合いませんが、逆に4曲目などでは深く沈んだ雰囲気が音楽にぴったりで非常に惹き付けられます。高域の声が苦しそうに聞こえるのは僅かにマイナスですが、全体的には悪くありません。インバルも落ちついた指揮ぶりで、
ウイーン響の持つ素朴で柔らかい音色を生かしていて素晴らしいです。個人的にはフランクフルト放送響との交響曲全集の響きよりもむしろ魅力に感じられます。

313a121wgvlトーマス・クヴァストホフ(Br)、ブーレーズ指揮ウイーン・フィル(2003年録音/グラモフォン盤) ブーレーズのマーラーはバーンスタインのような巨人タイプでは有りませんが、ウイーン・フィルから極上の美感を引き出しています。それでも第2曲までは特別な印象までは受けませんが、第3曲での演奏の切れ味の良さに耳を奪われ、続く第4曲では一転して遅いテンポで沈滞する味わいに強く惹きこまれます。クヴァストホフの歌も後半2曲の方が出来が良いと思います。総合的にはFディースカウには及ばず、ハンプソン並みという感じでしょうか。このCDは録音が新しいので特にウイーン・フィルの音を楽しみたい方にはお勧め出来ます。

ピアノ伴奏版
ピアノ版でもやはりFディースカウが巾を効かせます。(笑)


Mahler71mnpavvoll_sl1016_D.フィッシャー=ディースカウ(Br)、バーンスタイン(Pf)(1968年録音/CBS盤) この録音はバーンスタインというマーラー演奏の巨人との共演。このコンビでオーケストラ盤が無いのは残念ですが
喝を癒します。バーンスタインのピアノが全く素晴らしいです。ピアニストとしてどうこう言う以前にマーラーの音楽として最高だからです。この表現の大胆さと表情はどんなに上手いピアニストでも真似できないと思います。加えてオーケストラ以上に曲の構造を理解させます。Fディースカウも同様に表情力豊かで素晴らしいのですが、個人的には何となく演劇臭く、その上バーンスタインに無理やり合わせた歌唱に感じてしまえるのが少々残念です。

Mahlerimg0912D.フィッシャー=ディースカウ(Br)、バレンボイム(Pf)(1978年録音/EMI盤) 前回から10年後のピアノ版の録音ではピアノがバレンボイムに変わりました。マーラー音楽の表現者としてはバーンスタインの足元にも及びませんが、しかしFディースカウは逆に自分の歌を自然に歌っている印象を受けます。凄みには欠けますが歌曲としてのまとまりはずっと良いです。一長一短なものの聴き手の大半の方は、やはりバーンスタイン盤を選ぶと思います。かく言う自分も、どちらか一つと言われれば、やはりバーンスタイン盤に軍配を上げます。

Mahler194クリスティアン・ゲルハーエル(Br)、ゲロルド・フーバー(Pf)(2009年録音/RCA盤) このドイツのバリトンは大好きです。リリカルな声そのものはFディースカウよりも好みます。この人は「さすらう」を室内楽版で一度録音していますのでこれが二度目になるので十分に歌い込んですっかり自分のものにしている印象を受けます。フーバーのピアノも非常に安定して美しくゲルハーエルの歌唱と寸分の隙も感じさせません。破格のFディースカウ/バーンスタイン盤と完成度の高いゲルハーエル/フーバー盤はがっぷり四つのいい勝負です。

室内合奏版(シェーンベルク編曲)
さすがにFディースカウは出てきません。(笑)


Mahler61cd20pmpl_sx300_ql70_ロデリック・ウイリアムズ(Br)、ジョアン・ファレッタ指揮アタッカ四重奏団、ヴァージニア・アーツ・フェスティヴァル・チェンバー・プレイヤーズ(2015年録音/NAXOS盤) 前回ご紹介した室内楽編曲版「大地の歌」のCDにカップリングされています。シェーンベルク編曲の室内合奏版はピアノ版とはまた異なる新鮮さが有ります。これは是非とも聴いて頂きたいです。ロデリック・ウイリアムズはアメリカ人の歌手ですが声も若々しく美しい声が魅力的です。室内アンサンブルの演奏も繊細な味わいが有りとても素敵です。これは間違いなくナクソスの掘り出し物の一つとしてお勧めです。

ということで、この名曲は多くの名盤に恵まれますが、マイ・フェイヴァリット盤は管弦楽版ではFディースカウ/フルトヴェングラー盤とハンプソン/バーンスタイン盤の二つです。

ピアノ版ではFディースカウ/バーンスタイン盤とゲルハーエル/フーバー盤の二つ。室内合奏版は一つですのでそのまま。こんな感じです。

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2017年7月17日 (月)

マリインスキー劇場のソリスト来日公演ツアー~ロシアより愛の調べ、愛の詩~のお知らせ

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世界有数のオペラハウスとして、ウイーン(国立歌劇場)、ミラノ(スカラ座)、ニューヨーク(メトロポリタン歌劇場)と並び称されるサンクトペテルブルグのマリインスキー劇場。

そのマリインスキー劇場でワレリー・ゲルギエフが指揮者・芸術監督を務めていることは有名ですが、将来のマリインスキーを担う若手を育てるアカデミーの設立者・責任者がゲルギエフの姉ラリッサ・ゲルギエワ女史です。あのアンナ・ネトレプコも当アカデミーの出身です。

その名門アカデミーで研鑽を積み、ラリッサ・ゲルギエワに愛弟子として鍛えられ、信頼されたのがソプラノ歌手の中村初恵さんです。

中村さんは我が国におけるロシア歌曲の卓越した歌手であり、現在も日本とロシアを行き来して活躍されています。

その努力と実績がマリインスキーに認められたことから、このほど劇場から二人のソリスト歌手と専属ピアニストとが日本に派遣されて、中村さんと共演ツアーが行われることが実現しました。
東京(2公演)、横浜、埼玉、群馬、長野の合計6か所で公演が行われる大ツアーです。

そのうちの3公演ではロシアでも有名な音楽家ファミリー出身のチェリスト、ドミトリー・フェイギン氏、モスクワで研鑽を積んだ優れた若手ヴァイオリニストの小野唯さんがゲストとして共演をします。

皆さま、この素晴らしいツアーを是非お聴きになられてください。

<日本ツアー日程>
9/16(土)   八ヶ岳高原音楽堂
9/23(土・祝) 太田市学習文化センター
9/27(水)   駐日ロシア連邦大使館(パーティ付き)
9/29(金)   横浜みなとみらい小ホール☆
10/1(日)   久喜総合文化会館
10/5(木)   日経ホール※

企画・制作 一般社団法人ハートフルアート
共催     ロシア文化フェスティバル
協賛     ロシア連邦文化省・日本航空
後援     駐日ロシア連邦大使館・東京室内歌劇場

各公演につきましてのチケット予約・お問合せはフライヤーをご覧ください。

※日経ホール公演(10/5)のご優待チケットお問合せは、ハートフルアート080-3202-5227(中根)まで

☆私がサポートする横浜みなとみらい公演(9/29)のチケットがございますので、お申し込み可能です。
メールにてrsa54219@nifty.com

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2017年7月16日 (日)

「グスタフ・マーラー 現代音楽への道」 柴田南雄・著 ~38年前の演奏会~

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グスタフ・マーラーに関する本は何冊か読みましたし、あらためて購入することもほとんど無くなっていたのですが、たまたま中古CDショップの書籍コーナーで立ち読みをしていたところ一冊の本に目が留まりました。

それが柴田南雄・著の「グスタフ・マーラー 現代音楽への道」(1984年刊行)でした。この本は主にマーラーのシンフォニーの第1番から第10番までを順にたどり、曲の分析や解説と共にマーラーの生涯に触れながら書き進められています。

各曲の初演記録や日本における初演にも詳しく書かれているのですが、第9番の最後にこう書かれていました。

『最後に、「第九」の日本人による本邦初演は1973年5月に森正指揮のN響が行ったが、その後日本にはマーラーの第九をともかくも自分たちの手で演奏したアマチュアの人たちが居ることを紹介しておこう。アマチュア初演はどうやら、1979年5月11日、東京浅草公会堂での「マーラー交響曲第9番特別演奏会」(久志本涼指揮、東京周辺の19大学のオーケストラの有志による)であり、第二回目は1983年1月23日、五反田の簡易保険ホールでの新交響楽団定期公演(山田一雄指揮)であったようだ。わたくしは残念ながら両回とも不参であった。』

実は、立ち読みしながらこの部分に驚いてしまったのです。その1979年のアマチュア初演こそは、大学卒業直後の春に自分がヴィオラで参加した演奏会だったからです。

当時はそんなことを少しも知らなかったですし、他のメンバーからもそんな話を聞いた記憶は有りません。

マーラーだけでなくあらゆるシンフォニーの中でも最も好きなこの曲の38年も前に参加した演奏会がそんな歴史を持っていたとは全く知りませんでした。

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2017年7月10日 (月)

伊藤悠貴 チェロ・リサイタルのお知らせ

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現在最も勢いのある若手実力派チェリスト伊藤悠貴さんのチェロ・リサイタルが7月15日(土)大田区アプリコ小ホールで開催されます。
3月のみなとみらいリサイタルで伊藤さんとの素晴らしいDUOを聴かせたピアニスト入江一雄さんとの共演第2弾です。
お近くの方も遠くの方も是非この素晴らしいリサイタルをご一緒に聴きに行きませんか!

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2017年7月 6日 (木)

歌劇「マノンレスコー」 オベール/マスネ/プッチーニ 東京室内歌劇場公演のお知らせ

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歌劇「マノンレスコー」の大変ユニークな公演が有ります。
東京室内歌劇場が来週7月11日(火)18:45に渋谷の伝承ホールにて開催します。

アベ・プレヴォ―の原作「騎士デ・グリューとマノン・レスコ―の物語」を題材としたオペラをプッチーニ、オベール、マスネの三人の作曲家が書いていますが、今回はストーリーに沿ったうえで3つのオペラから其々の歌を抜き出して再構成した内容となっているのです。

指揮は大島義彰さん、そしてこの企画・構成・制作を行ったのは知り合いの原好香さんですが、果たしてどのような内容になるのかとても楽しみにしています。 

ご興味の有る方は是非ご一緒しましょう。
チケットのご予約は私を通してでも受け賜われますので、メールにてご連絡ください。
メールアドレスrsa54219@nifty.com

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2017年7月 5日 (水)

佐倉フィルハーモニー第66回定期演奏会 伊藤悠貴指揮、山田磨依ピアノ独奏

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記事のアップがだいぶ遅れてしまいましたが、先月6月18日に千葉県佐倉市の市民オーケストラ、佐倉フィルハーモニーの演奏会を聴きに行きました。定期公演を今回で第66回を数える歴史のある団体です。

何故はるばる千葉までアマチュアオーケストラを聴きに出かけたかと言えば、指揮者が
若手チェリストで抜群の実力を誇る伊藤悠貴さんだったからです。

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チェロの弓を指揮棒に持ち替えて(と言っても彼は指揮棒を用いません)、ロッシーニ「セヴィリアの理髪師序曲」、ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」、チャイコフスキー「交響曲第4番」という非常に聴き応えの有るプログラムを演奏しました。

ラフマニノフのピアノ独奏は、まだフランス留学中から私も親交のある若手の山田磨依さんです。彼女が最も得意とするフランス物とは異なるロシアの曲をどんな風に演奏するのかも興味深々でした。

さて実際に演奏が始まると、「序曲」から一気に熱気に包まれました。伊籐悠貴さんの指揮は非常に大胆でドラマティック。音楽が光輝いています。
実は伊籐さんは、もう一つの活動拠点である英国でこれまで何度も指揮をして来ました。チェロであれほどの才能を示しますが、20代の若さで指揮にも素晴らしさを発揮して、その可能性は無尽蔵です。
しかし、普段チェロの演奏では奇をてらったところは無く、常に正攻法で王道を行くような演奏をしますが、指揮では大胆さが大きく顔を出します。このちょっとしたイメージの違いはとても面白いです。案外と指揮をするときの方が奥底に潜んでいるものが表面にそのまま浮かび上がるのかもしれませんね。
そういう意味でもメインのチャイコフスキーは圧巻でした。とくに第1楽章、第4楽章のフィナーレでの追い込みが凄まじく、興奮の極みでした。
パーカッションをプロを中心とした腕利きの布陣で固めたことも大きかったです。

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山田さんのラフマニノフも
彼女の持つ美しい音色で詩情一杯に弾きこなされました。新しい発見に驚きです。決して”借り物”ではない「磨依さんのラフマニノフ」がしっかりと聴けたことが大きな喜びでした。
 
聞けば伊藤さんは佐倉フィルとの再演の話が、もう既に出ているそうです。これは楽しみですね。次はどんなプログラムになるのでしょうか。

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