« ルッツ・レスコヴィッツ ヴァイオリン・リサイタルのお知らせ | トップページ | プッチーニ オペラ「蝶々夫人」 新国立劇場公演2017 »

2017年2月 2日 (木)

ブラームス 弦楽六重奏曲第1番&第2番 ~隠れ名盤~ ルッツ・レスコヴィッツ、エミール・クライン他

Luzles_003s_2
オーストリアのザルツブルク出身のヴァイオリニスト、ルッツ・レスコヴィッツ氏の存在を知ったのは一昨年の秋のことでした。氏の生演奏を聴いたヴァイオリン好きの友人が感激してその話をしてくれたからです。

その後、実際に自分も演奏を聴ける機会が有りました。友人の話に違わずそれは素晴らしい演奏でした。

レスコヴィッツ氏をご存知の方は少ないと思います。何故なら氏はエージェントを使わずに、小規模のコンサートを各地で開いているからです。聞くところでは氏は必ずしも大勢の客を好むわけでは無く、本当に自分の演奏を聴きたい客にたとえ人数は少なくても演奏を身近に聴いて貰う方が良いという考えなのだそうです。

今では本場でも希少となりつつある伝統的なウイーンの演奏法を伝承する目的で世界を旅するルッツさんは、まるで音楽の伝道師のようではありませんか。

レスコヴィッツ氏のキャリアを読んで頂くとどれほど凄い演奏家なのかがお分かりになると思いますが、とりわけ名ピアニストのイエルク・デームス氏と50年もの間、デュオを組んだことは特筆されると思います。

過去には協奏曲の録音もされたようですが、残念なことに現在入手できるCDはごく限られています。そんな中で見つけたのが「ブラームス 弦楽六重奏曲第1番&第2番」です。

Luz_brahms_sextet_front       (1995年録音/ARTE NOVA CRASSICS盤)

これはARTE NOVAから発売されたディスクです。
第1ヴァイオリンのルッツ・レスコヴィッツ氏と第1チェロのエミール・クラインが演奏全体をリードしている印象ですが、他の4人の奏者も知名度は低いながら、いずれも実力者ばかりです。

演奏は一言で”極めて美しい”です。第1番ではパブロ・カザルス達の録音に代表されるような、激しく、まるで慟哭するような演奏が有りますが、それとは正反対です。このブラームスの青春の息吹を心の奥底に染み入るような実に柔らかい歌い方で聴かせてくれます。この曲は前半の第1楽章と第2楽章が非常に充実しているので、どうも頭でっかちのような印象を受けてしまいがちです。ところが彼らの演奏で終楽章を聴いてみると、何ともゆったりとしたウイーン的な魅力に溢れ、すこぶる充実して聞こえます。もちろん前半の1、2楽章の演奏も素晴らしく、全体のバランスが凄く良いのです。レスコヴィッツ氏のヴァイオリンは誇張や恣意的な表現を排除して大変美しく、この名曲に独特の輝きを与えています。

Luz_brahms_sextet_back
もし貴方がブラームジアーナーであれば、第1番の感想を読まれれば、第2番の演奏がそれ以上に曲に向いていることは楽に想像出来ると思います。「アガーテ」と呼ばれるこの曲には大げさな演奏は似合いません。レスコヴィッツ氏とエミール・クラインがリードする演奏には、恋人への思い、優しさが溢れ出ています。元々第2番もとても好きでしたが、この演奏で聴くと人気の高い第1番に肩を並べる名曲であることに気づきます。過去のウイーン・コンツェルトハウスQやアマデウスQなどの演奏をすっかり忘れさせるほどに素晴らしい内容です。

残念なことに、これほど素晴らしいCDなのに現在は廃盤となっています。中古もしくは海外のAmazonなどで探されるしかありません。

☆ 2017.3.11.演奏会情報(東京都目黒区洗足)
 
ルッツ・レスコヴィッツ ヴァイオリン・リサイタル

<関連記事>
ブラームス 弦楽六重奏曲第1番&第2番 名盤
ブラームス 弦楽六重奏曲第1番&第2番 ジュリアード四重奏団のライヴ盤

|

« ルッツ・レスコヴィッツ ヴァイオリン・リサイタルのお知らせ | トップページ | プッチーニ オペラ「蝶々夫人」 新国立劇場公演2017 »

ブラームス(室内楽)」カテゴリの記事

コメント

お早うございます。

どうしても聴いてみたくて、先日ようやく入手できました。

1番の冒頭はとても静かに始まり、もうチョット聞こえてきて欲しいと感じていると、2楽章辺りから熱を帯びてきて引き込まれていきます。コノ適度な熱が最高で、続く2番も最後まで継続されます。耳に残る第2楽章が在る1番も良いですが、コノ演奏だからなのか、2番とても好きです。

とにかく静かな夜に最高な御供でした。国内盤ですが、コレが定価800円代、中古なので300円弱...苦笑。隠れ名盤を紹介下さり深謝。

サインして貰いたい位ですし、東京のリサイタルが羨ましい。いつか名古屋にも来られるのを願います。

投稿: source man | 2017年3月 7日 (火) 09時00分

source manさん、こんにちは。

それはまた随分と破格の価格で入手されましたね。お流石です。(笑)
演奏がとても気に入られたとのことで嬉しいです。2番の素晴らしさなどは実際に聴いてみないと分りませんからね。

ルッツさんは主に関西、東京で活動されていますので、京都では良くコンサートを開いています。次回思い切って足を運ばれてみてはいかがでしょうか。

投稿: ハルくん | 2017年3月 8日 (水) 11時22分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1080200/69429856

この記事へのトラックバック一覧です: ブラームス 弦楽六重奏曲第1番&第2番 ~隠れ名盤~ ルッツ・レスコヴィッツ、エミール・クライン他:

« ルッツ・レスコヴィッツ ヴァイオリン・リサイタルのお知らせ | トップページ | プッチーニ オペラ「蝶々夫人」 新国立劇場公演2017 »