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2016年11月26日 (土)

イェルク・デームス来日公演 ベートーヴェンピアノ協奏曲第3番

Dames_kobayashi
まだ11月というのに昨日は東京でも雪が降って驚きました。幸い午後には降り止んで、さしたる影響もない中をサントリーホールで読売日本交響楽団のコンサートを聴いてきました。

指揮者は小林研一郎、ピアニストはイェルク・デームスでしたが、なんと60年以上もステージに立つデームスさんの演奏が最大の聞き物です!
デームスさんは1950年代のウエストミンスター録音でワルター・バリリ達との演奏を色々と聴いたので非常に懐かしく感じられるピアニストですが、録音当時はまだ20代だったので現在でも現役で演奏を続けていらっしゃるのですね。
昨日は前半がベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番、後半がブラームスの交響曲第4番という2曲プログラムでした。ですので、いきなりデームスさんの登場となります。
オケ導入部が長い曲ですが、コバケンと読響の安定した演奏に続いてピアノの演奏が始まりました。実にじっくりと落ち着いた演奏です。体を大きく動かすわけでは無く、淡々と弾いているように見えます。力みなく、しかし枯れているわけでもない円熟の技は、例えれば歌舞伎役者の人間国宝のような味わいです。もちろん若手演奏家のような力強さには欠けますが、演奏から醸し出される音楽の香りが何とも魅力的です。やはりというか特に第2楽章の美しさに惹きつけられました。
オーケストラは余りガツンとした芯のある音は出していませんでしたが、これはコバケンがデームスさんの音楽に合わせていたのでしょうか。この曲のオケ演奏はもう少しドイツ的なしっかりとした音が欲しいような気もしました。
協奏曲の後にデームスさんがアンコール演奏したのはシューベルトの即興曲142-2でした。これはもう絶品のシューベルトで、個人的には協奏曲以上に惹きつけられました。
さて、後半のブラームスですが、3番までのシンフォニーはコバケンでそれほど聴いてみたいとは思わず、聴くなら4番だと思っていました。4番のみは自分の好みはともかくフルトヴェングラーに代表される造形性を犠牲にしたロマンティックな演奏スタイルも有りだからです。そうしたスタイルのエッシェンバッハの指揮するブラ4の超名演をこのサントリーで聴いています。
しかし、この日のコバケンと読響の演奏はテンポをそれほど動かさずに古典的な造形を保とうとしていました。その割にはどっしりとしたドイツ的なリズム感や音色が欠けているので魅力に乏しくなります。元々我が国のオケでそうした正統的なスタイルの演奏でドイツの楽団のような魅力を感じさせるのは無理だと思っています。ドイツのローカルオケでも醸し出すズシリとした音は聴けた試しがありません。であればロマンティックに徹した熱演のほうがよほど楽しめるのですが、この日の演奏はそうではありませんでした。
むしろアンコールのハンガリア舞曲第1番、これは若きコバケンが君臨したハンガリーの血を感じさせる熱演で楽しかったです。こういうブラ4が聴きたかったですね。

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コメント

こんばんは。

ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番のCDでは
リヒテル&ザンデルリンク(DG)が古典的名盤だと思いますが
最近のお気に入りはグールド&バーンスタイン(ソニー)です。
宇野氏が「未熟極まりない」と酷評した盤ですが
僕は「若々しい」と肯定できました。
両者とも「攻めてる」感が曲想とマッチしてると思います。
ステレオ初期なのでテープヒスはありますが鮮明な録音です。

未聴ですがグールド&カラヤンのライブ盤はモノラル録音です。
レコード会社はこちらの方をプッシュしてますが?

投稿: 影の王子 | 2016年11月28日 (月) 22時52分

連投失礼します。

イェルク・デームスの録音では
ベートーヴェンの3つの選帝候ソナタを持っています。
13歳の作品であり、作品番号が無い(WoO47)ため
全集録音ではかならず外されますが
ヘ短調の「第2」は「悲愴」のプロトタイプといえる魅力作です。
演奏も素晴らしく愛聴しています。

投稿: 影の王子 | 2016年11月28日 (月) 23時11分

まだ現役で弾いていらしたのですね。クラリネットソナタやトリオの名盤でも協演しているので、室内楽のほうが聞き覚えがありますが、協奏曲だとそういう感じになるのですね。いいなあ。

投稿: かげっち | 2016年11月30日 (水) 13時15分

影の王子さん、こんばんは。

ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番は自分にはやや微妙な存在で、第4番、第5番に比べると好みが弱いのです。ですので愛聴盤も定まっていません。CDはそれなりの数が有るので、いずれじっくりと聴き比べしたいとは思っています。
でもそういえば4番もまだ記事にしていませんでした。

投稿: ハルくん | 2016年11月30日 (水) 22時12分

影の王子さん、

デームスの録音では、室内楽や歌曲伴奏の印象が非常に強いです。でも自分は聴いては居ませんが、シューマンのピアノ曲全集なども録音しているのですね。
やはりドイツ・オーストリアの人ですね。

投稿: ハルくん | 2016年11月30日 (水) 22時15分

かげっちさん、こんばんは。

年配のクラシック愛好家はウエストミンスター録音の印象が強いと思いますので、いまだにデームスさんが現役なのを驚かれることでしょうね。若いころからワルター・バリリやウイーンフィルの人たちと数多く共演したのですから幸せな方ですね。
最近、そのデームスさんと50年間もデュオで共演していたルッツ・レスコヴィッツさんというオーストリアのヴァイオリニストと知り合う機会が出来ました。日本が好きで何度も来られるので、いずれ記事で紹介したいと思っています。

投稿: ハルくん | 2016年11月30日 (水) 22時31分

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