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2016年11月13日 (日)

「Breeze」 ジャン-ピエール・ラクール&長谷川ゆき ~1900年パリ万国博覧会時代の響き~

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  opus55 LLC (OPFF-10035)
元パリ管弦楽団のヴァイオリニスト、ジャン-ピエール・ラクールとフランスで学び現在もパリと日本で活躍しているピアニスト長谷川ゆきの共演による新しいCDが発売されました。

タイトルの「Breeze」とは英語の”(心地よい)そよ風”の意味ですが、どうせならフランス語で「La brise」として欲しかったかなぁ。余計なことですが。

このアルバムには3曲のヴァイオリン・ソナタが収録されています。

 グラナドス:ヴァイオリン・ソナタ
 ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ「遺作」
 ヴィエルヌ:ヴァイオリン・ソナタト短調作品23

”1900年万国博覧会時代のパリの響きを”というのがアルバムのコンセプトです。モーリス・ラヴェルとルイ・ヴィエルヌの二人はフランス人ですが、エンリケ・グラナドスはスペイン人でもフランスに移り住みました。1900年万博の頃、3人は共にパリで活躍をしていたのです。

それにしても、どれも演奏機会が決して多くは無いにもかかわらず素晴らしい名曲です。このような曲を並べる辺りは、フランスの演奏家でなければ出来ないことでしょう。

ラヴェルには晩年に書かれたヴァイオリン・ソナタが他にあり、そちらは3楽章構成ですが、この遺作ソナタは単一楽章です。但し、長大なので実際の演奏時間は遺作のほうがむしろ長くなります。とても詩情に溢れた名作で、個人的にはこちらのほうを好みます。

グラナドスのソナタも単一楽章ですが、この曲は元々は複数楽章で書かれる構想だったらしく、そのスケッチが残っているそうです。現在演奏される場合は完成した第一楽章に当たるこの曲だけが演奏されます。

ヴィエルヌは4楽章構成で完成されていて全てを耳にすることが出来ます。

演奏については、ラクールのヴァイオリンの何とも素敵なこと。フランスで生まれてフランスで活躍してきた人でなければ弾けないようなとても洒脱で美しい演奏です。フランスのヴァイオリニストには”大家”という感じの人は少ないですが、みなラクールと同じような魅力を持つ点で共通していますね。

長谷川ゆきもフランスの空気を長く吸って、体中にその空気が一杯に詰まっていることからラクールと一体感のある演奏を繰り広げていて素晴らしいです。

CDの録音は日本で行われたようですが、あたかも響きの豊かな教会で録音したかのようなとてもフランス音楽に向いた音造りとなっています。

普段中々耳にすることの少ない名曲を~爽やかに しなやかに そよ風のように~心地良く楽しめるCDとしてお勧めしたいと思います。

なお、演奏者の長谷川ゆきさんからCDを直接購入されると詳細な曲目解説が付いてきます。特にヴィエルヌのソナタの解説はフランス語文献を読み込んだ川田朔也氏による読み応えあるもので好評だそうです。
長谷川さんのブログ末尾のリンクからのご購入が対象ですので、ご注文される方はこちらからがよろしいと思います。
長谷川ゆきさんのブログへ

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