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2016年6月12日 (日)

宇野功芳先生が亡くなられました ― 黙祷 ―

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宇野功芳先生が亡くなられました。以下は、産経新聞WEBニュースからです。

『 音楽評論家で指揮者の宇野功芳(うの・こうほう=本名・功=いさお)さんが10日、老衰のため死去した。86歳。葬儀・告別式は近親者のみで行う。後日、お別れの会を開く予定。

 父は漫談家の牧野周一。国立音楽大声楽科で合唱指揮者を志す一方で、音楽評論...を始める。歯切れ良い筆致で指揮者のハンス・クナッパーツブッシュやカール・シューリヒト、エフゲニー・ムラビンスキーをはじめ、20世紀を代表する演奏家の紹介で知られた。
   また、大阪フィルを率いた朝比奈隆に早くから注目して評価を高め、難解とされたブルックナーやワーグナーの音楽の真価を分かりやすく解説。一方で、指揮者としても独特の手法で人気を集めた。著書に「宇野功芳の『クラシックの聴き方』」など多数。』 以上

 宇野先生の本は大学生の時に「モーツァルトとブルックナー」を読んだのが最初です。当時それほどポピュラーと言えなかったブルックナーの音楽の紹介に新鮮さを感じました。吉田秀和氏のような文学的な文章でも有りませんし、好き嫌いのはっきりした物言いにアンチ派も多かったと思いますが、それだけ支持者には強く愛されたということでしょう。

ブルックナーの音楽やクナッパーツブッシュ、シューリヒト、朝比奈隆といった本物の音楽家を日本で正当に評価されるようにした貢献度は計り知れません。

私はかつて勤務先の関係で先生を知っていたので、コンサート会場でお見かけしたときには必ずお声を掛けました。今となっては、それらのちょっとした会話が大変懐かしく思い出されます。

先生、ありがとうございました。
黙祷。

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音楽やその他諸事」カテゴリの記事

コメント

ハルくんさん、こんばんは。
宇野功芳氏、亡くなられたのですね…。
クラシック音楽を聴く時に、私の世代までの方は、誰もが一度は 氏の評論を目にしたのではないでしょうか。
 
私も、氏の推薦する LPやCDで 有名ではない演奏家を知り 音楽鑑賞の幅が広がったことは事実です。
しかし、かなり偏った書き方なので、鑑賞歴が長くなるにつれ、「なんか違う」と思いはじめ 徐々に卒業してゆきました。
いずれにしても、私が 影響を受けた評論家のひとりです。
 
 
氏の ご冥福をお祈りいたします。

投稿: ヨシツグカ | 2016年6月12日 (日) 22時19分

宇野先生の評は確かに偏ってはいましたが、多くの評論家が当たり障りのない評を書いていて余り参考にならないのとは一線を画していましたね。

自分も多くの駄盤(自分にとっては)を買わされましたが、徐々に自分との好みの違いが理解できるようになり失敗しなくなりました。
氏に批判的な方も多いですが、わが国のブルックナーの音楽の普及に大きな貢献をしたことは事実です。
ご冥福を祈りたいと思います。

投稿: ハルくん | 2016年6月12日 (日) 23時43分

宇野氏に対しては肯定も否定もありましたが
現役の評論家たちがあまりにも情けないと感じます。

佐村河内問題ですっかり失墜した許光俊氏
(推薦盤にしなかった宇野氏は流石でした)

ウィキペディアの記事をそのまま使って追放された岡本稔氏

フルトヴェングラーの「英雄」44年盤を「ウラニア劇場で収録」
と書いた山崎浩太郎氏などなど・・・

本業ではないのにクラシック音楽の書籍を出している
宮城谷昌光氏・百田尚樹氏・樋口祐一氏たちの方がはるかに立派です。

宇野氏の逝去は一つの時代の終わりかもしれません。

投稿: 影の王子 | 2016年6月15日 (水) 19時25分

ハルくんさん、お久しぶりです。

ああ、ついに宇野功芳先生が亡くなられたのですか? 実に残念な訃報ですね!

思えば~、私の真のブルックナー開眼は、宇野先生の評論のお陰なんですね!先生の音楽評論に出会う前には、知名度の大きい~カラヤンの演奏で聞いていましたが、どこがいいんだか?さっぱり分からず、ただ冗長で退屈な曲だなぁ~と感じていました。

ところが、先生のブルックナー評論を読むやいなや、目から鱗が落ちて~、推薦盤を聞く度に深い感動と共感を覚え~、心底ブルックナーを聞く喜びに魂が打ち震えたものです!

ワルターの第4番「ロマンティック」に始まり~、マタチッチ、ケンペ、ヨッフムの第5番~。そして、シューリヒト、マタチッチ、ヨッフムの第7番~。クナッパーツブッシュ、シューリヒト、ケンペの第8番~。シューリヒト、ヨッフムの第9番etc.~。名盤には枚挙にいとまがない程です!

本当にありがとうございました。本当にお疲れ様でした!と、申し上げたいです! 

宇野先生のご冥福を、心から祈念致します。ハルくんさん、この貴重な記事をブログに載せて頂き~本当にありがとうございました!

投稿: kazuma | 2016年6月15日 (水) 22時13分

影の王子さん、こんにちは。

私がクラシックを聴き始めた40年ちょっと前の音楽評論家というのは、ほとんどの人がカラヤン、ベーム、ショルティなどメジャーレーベルのスターばかりを褒め称える提灯記事を書いていました。レコード会社や雑誌社から仕事を貰うためには仕方なかったかもしれませんが、宇野氏は数少ない「好き嫌い」をはっきりと書いた人ですね。私も宇野氏の高評価の演奏で嫌いなものは多く有りましたが、宇野氏を信用しなくなったことはありません。「宇野氏はあてにならない」と批判をするのは自分の耳に自信が無いからかもしれません。特定の評論家の好みと自分の好みがことごとく一致する方がよほど気持ち悪いです。

最近の評論が面白くないのは、演奏家が面白くなくなったせいかもしれません。きっとそうです。やはり時代は変わっていますね。

投稿: ハルくん | 2016年6月17日 (金) 12時42分

kazumaさん、こんにちは。
お久しぶりです。

人の好みは色々で、カラヤンのブルックナーを好むのもまた一つだとは思います。もちろん私は、ことブルックナーに関しては宇野氏やkazumaさんの好みとほとんど同じですが。

それにしても、今日ドイツ、オーストリア以上に日本のブルックナー愛好家が増えたのには宇野氏の貢献は計り知れませんね。
心から感謝したいと思います。
誰が何と言おうと(宇野氏の口ぐせ!)宇野氏は偉大な存在でした。

投稿: ハルくん | 2016年6月17日 (金) 12時51分

はじめまして!
宇野氏の死因が「老衰」というのが救いです。
天寿を全うしたのだと思います。

私も、宇野氏にはお世話になりました。
一番印象的なのはシェエラザードのストコフスキー・LSO盤の終楽章のトランペットの追加に「僕は、誰が何と言おうと、これを支持する!」です。実際、この盤は今でも新鮮で素晴らしいと思います。ストコフスキーをゲテモノ扱いしていた評論家が多い中、ストコフスキーをを教えてくれた氏には深く感謝したいです。
ご冥福を心より祈ります。

投稿: じんたろう | 2016年6月26日 (日) 09時06分

じんたろうさん、初めまして。
コメント頂きましてありがとうございます。

宇野さんはご自分でも言っていた通り、良い意味での「天邪鬼」でしたから、既成概念に捕らわれない自由な評論・考えをいつも持っていましたね。そこが良かったのでしょう。
判で押したように同じような当たり障りのない評論ばかりでは面白くも何とも有りません。
ただ、個性を意識するあまり、奇をてらった評論家が存在するのもどうかと思います。

またいつでもお気軽にコメントください。
楽しみにお待ちしております。


投稿: ハルくん | 2016年6月26日 (日) 23時41分

私にとって宇野先生は仲人のような方です。
私は音楽と結婚したようなものなので。

先生には実にたくさんの名曲を教えて頂きました。
特に、先生のおかげでブルックナーの8番の良さが
分かったときには、本当に天にも昇るような喜びを
感じました。最近ではようやくモーツァルトの本当
の良さが分かるようになり、これも先生のおかげです。
それにしても、中年になってやっと良さが分かって
くるなんて、分かりやすいようで実に奥が深いです
ねモーツァルトは。
先生は私の一番の恩人です。宇野先生がおられな
かったら私はこんなに幸せな人生を送っていなかった
でしょう。そう思うとぞっとします。
本当にありがとうございました。ご冥福をお祈り
いたします。

投稿: atsu | 2016年7月16日 (土) 00時21分

atsuさん、コメントありがとうございます。

そのお言葉を、宇野先生も天国でさぞかしお喜びになられていることでしょうね。

私のこのブログも実は宇野先生の新書ほかの「〇〇の名盤」シリーズを参考にしています。
ディスクの1枚1枚を簡潔に分かり安く、数種類を並べて比較し易くという具合です。
自分がそれだけお世話になって来たからなのですね。

これからも共に音楽を愛好して幸せな人生を送りましょうね。
宇野先生に心からの感謝を捧げて!

投稿: ハルくん | 2016年7月16日 (土) 01時03分

ハルくんさん、お返事を頂きありがとうございました。
ところで、ハルくんさんは宗教曲にもお詳しいよう
なのでお聞きしたいことがあるのですが、
宗教曲は宇野先生がおっしゃっていたように合唱団
に参加したりしないと理解するのが難しいのでしょ
うか? ハルくんさんも合唱に参加した経験がおあり
なのですか? また、キリスト教に興味がないと理解
できないものなのでしょうか?

私は宗教曲が苦手で、フォーレのレクイエムぐらいしか
良さが分からないのです。ヴェルレク、マタイ受難曲
などに時々挑戦しているのですが、全然分かりません。
宗教に全く興味がないのがいけない気もしますが…
よろしくお願いします。

投稿: atsu | 2016年7月16日 (土) 12時57分

atsuさん、こんにちは。

宗教曲中心に聴いておられる方には及びませんが、やはり大好きです。私は合唱団に所属したことは有りませんし、キリスト教徒でもありません。もちろんそういう経験があれば更に深く理解することは可能かもしれません。
でも、それでは色々な楽器を理解するのに全部演奏経験が無ければということになってしまいます。ですので経験が理解することの絶対条件ということは無いのではないでしょうか?

無理に全曲を通さずに、ヴェルディなら第1曲レクイエムと第2曲「怒りの日」だけ、マタイなら第1曲だけを何度も聴かれたら良いのではないでしょうか。
マタイは合唱団がよく取り上げるので生演奏を聴いてみるのも良い方法だと思いますよ。

投稿: ハルくん | 2016年7月17日 (日) 00時08分

ハルくんさん こんにちは。お返事ありがとう
ございます。

なるほど、合唱団に参加したことがなくても良さが
分かる方もおられるのですね。それを聞いて、
これからは安心して挑戦することができそうです。
自分には宗教曲は無理なんじゃないかとずっと思って
いたので嬉しいです。

それから、生演奏を聴いてみるという発想がありま
せんでした。CDで大好きになってからコンサートと
いうことしかやったことがなっかたものですから。
確かにこれだけ規模の大きな合唱曲はCDには入りき
らない部分がたくさんあるでしょうからね。

本当に参考になりました。ご親切にありがとうござい
ました。

投稿: atsu | 2016年7月17日 (日) 10時18分

atsuさん、幾らかでもご参考になりましたら嬉しく思います。

いつでもまた何でもお気軽にコメントください。楽しみにお待ちしています!

投稿: ハルくん | 2016年7月21日 (木) 12時51分

やはり宇野氏のいない「レコード芸術」って寂しいですね。
もう何十年も買ってませんが、読む記事がほとんどありません。
宇野氏の月評はもれなく読んでいましたが・・・

「レコード芸術 月評特選盤1980-2010」
交響曲編・協奏曲編 という単行本で
昔の月評を読むと
宇野氏、故・小石忠男氏、故・諸井誠氏のは
その演奏の良さを的確に表現していたと思います。
昔はCDが高価でしたから、評論家にも緊張感があったのでしょう。
評論家たちの質の低下はCDの廉価化と連動している?
気がします。

投稿: 影の王子 | 2016年8月28日 (日) 19時13分

影の王子さん、こんばんは。

僕もレコード芸術を買わなくなっても宇野さんの月評だけは立ち読みしていました。(笑)
今はそういう魅力のある評論家は居ないのですかね?むしろ演奏そのものの魅力が薄くなっているのが原因かもしれませんし、そもそも仰られる通りレコード(CD)1枚が余りに安易に購入できる世の中になってしまいましたからね。
ときどき、一生聴き返せないようなCDコレクションをして何のためになるのか考えることがあります。

投稿: ハルくん | 2016年8月29日 (月) 00時41分

>自分も多くの駄盤(自分にとっては)を買わされましたが、徐々に自分との好みの違いが理解できるようになり失敗しなくなりました。

批評家は絶賛しているのにいざ聴いてみると自分にはサッパリ…。誰でも一度は通る道ですよね。

ネットを始めて驚いたのはこの事に対して悪態をついたり、自分の好みと合わない批評家を蔑んだりする人間の多いこと。

こちらのブログを参考にして駄盤を買わされたと思った方も相当数いらっしゃるでしょうが、それで腹を立てるのはお門違いというものです。

投稿: cloud | 2016年8月30日 (火) 15時09分

cloudさん、コメントありがとうございます。

まったくもって同感です。
以前にも書きましたが、特定の評論家の好みと自分の好みがことごとく一致する方がよほど気持ち悪いです。好みが合わずに怒っているうちはまだまだですね。評論家を”評論”できるようになれば楽しいし、もっと沢山のものが見えてくるというものですよね。そう思います。

投稿: ハルくん | 2016年8月30日 (火) 22時37分

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