ハンヌ・リントゥ指揮フィンランド放送響 2015日本公演
今年はフィンランドの生んだ大作曲家ヤン・シベリウスの生誕150年記念の年なので、我が国でもシベリウスの曲のコンサートが盛んに開かれています。
特に嬉しいのは来日する機会が決して多いとは言えないフィンランドの名門オーケストラがやって来ることです。
昨夜はフィンランド放送交響楽団のコンサートを聴きに、トリフォニ―ホールへ足を運びました。
この団体はフィンランドの優れたオーケストラの一つですが、エッサ・ペッカ・サラステ時代に録音されたシベリウスの交響曲全集は自分の愛聴盤です。
今回初めて聴く指揮者のハンヌ・リントゥはフィンランド出身ですので、やっぱり、あの偉大なヨルマ・パヌラの門下生です。パヌラ教授は数えきれないほど優れた指揮者をフィンランドから生み出していますが、名指揮者でも有る御本人の演奏が中々聴けないのがちょっと残念です。
昨夜のプログラムは以下の通りでした。
交響詩「タピオラ」作品112
交響曲第7番ハ長調作品105
(休憩)
交響曲第5番変ホ長調作品82
後期の傑作を並べた涎物の構成ですね。どちらかと言えば前半、後半を逆に聴いてゆきたい気もしますが、コンサートの構成としてはやはりこうなるのでしょう。
さて、リントゥの指揮は本当にオーソドックスで安心して聴いていられます。奇をてらったところが一切なく、これでこそシベリウスの音楽を堪能できるという感じ。これはパヌラ門下に共通して言えることですね。
フィンランド放送交響楽団の音もそれは素晴らしく、ネイティヴのオーケストラ以外からは聴けない本物のスオミの音。派手さ奢侈さが全く見られずにとても地味なのですが、深い森と湖から聞こえてくるような仄暗く、しかし手ごたえの有る美しい響きです。
おかげで遠く足を伸ばした甲斐が有る、素晴らしい時を過ごすことが出来ました。
今月末にはもうひとつフィンランドの名門ラハティ交響楽団が来日します。しかも率いるのがあのオッコ・カムとくれば、またまた聴き逃せません。
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コメント
東京はいいなあ、うらやましいなあ、と指をくわえております。その夜の演奏は他でも噂に聞いておりました。
投稿: かげっち | 2015年11月12日 (木) 12時40分
かげっちさん、こんにちは。
お元気そうですね。
確かに現在の私の住んでいる厚木から都心へは遠くてたまらないと感じていますが、夜の公演でも行く気になれば行けますからね。
ずっと恵まれているということですね。
それでも2016年から都心では大ホールのメンテナンスで会場不足になるのだとか・・・。
この際、地方公演を徹底的に企画するわけにはいかないのですかねぇ。地方創生をしなければいけませんね!
投稿: ハルくん | 2015年11月12日 (木) 15時10分
リントゥの別の夜はNHKで見ました。2番1楽章の途中から聴いたので前半は録画をこれから見るところです。晶子さんも出演したこちらの夜は、お聴きになりましたか?
オケが一音一音に込める思いの強さをひしひしと感じましたし、1楽章や4楽章のアーティキュレーションで「へえ、そういうやり方もあるのか」という驚きがいくつもありました。
投稿: かげっち | 2015年12月 1日 (火) 13時05分
かげっちさん、こんばんは。
放送は録画していてまだ観ていないのです。
愛しの晶子サマが出るのでじっくりと集中して観たいもので・・・(笑)
トリフォニ―では席が遠く細部は聴き取り難かったので録画を楽しみにしています。聴きどころが沢山ありそうですね。
ありがとうございました!
投稿: ハルくん | 2015年12月 1日 (火) 23時55分
私もNHKの放送を見ました。
諏訪内晶子さんのシベリウスは最高でした。
録画はDVDで永久保存です。
機会があれば、ご感想をお聞かせ下さいね。楽しみにしています。
投稿: オペラファン | 2015年12月 8日 (火) 11時53分
オペラファンさん、こんばんは。
今回の諏訪内さんのシベリウスですが、数年前の禁欲的な印象が薄れて感じられました。例えて言うとムターがグラマラス(演奏がです。ナイスバディではありません。)になってしまったのを連想します。
CDでも聴かれたあの諏訪内さんのクールなシベリウスが今回は随分とダイナミックに弾かれていて何となく戸惑いを感じました。
でも彼女自身の美貌は増していて素敵でしたね。幸せな生活を取り戻したようで(と勝手に想像していますが・・・)嬉しいです。
投稿: ハルくん | 2015年12月 9日 (水) 00時02分