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2015年3月13日 (金)

ラフマニノフ 交響曲第2番ホ短調op.27 ヴァレリー・ポリャンスキーの名盤

Rachmaninov_chan9665ラフマニノフ 交響曲第2番ホ短調op.27 ヴァレリー・ポリャンスキー指揮ロシア国立交響楽団(/1997年録音シャンドス盤)

毎年恒例となっていた「暖炉にあたった気分で聴く冬のロシア音楽特集」ですが、今年は暖冬だったせいか(といっても北日本はいまだに大雪で大変ですが)、特集をしないうちに早春を迎えてしまいました。(汗)
そこで「早春のロシア音楽特集」??に切り替えです。

ということで、まずはラフマニノフの交響曲第2番です。
ラフマニノフの交響曲では第3番が通好みというイメージですが、ポピュラーなのはやはり第2番ホ短調op.27ですね。この曲は確かに昔のハリウッド映画音楽に似た部分も多いですが、実際は映画音楽の方がラフマニノフの音楽を取り入れたというのが正しいでしょう。あの、身も心もとろけてしまうほどに甘く美しい旋律の第3楽章アダージョが典型です。

もっとも僕は最近では第1楽章を非常に好んでいます。というのも、あのシベリウスの後期の曲に通じるような「永遠」という趣を感じずにはいられないからです。それはもちろん以前の記事で紹介したスヴェトラーノフやマリス・ヤンソンスのCDの演奏からもある程度は感じ取れるのですが、新たに愛聴盤に加わったヴァレリー・ポリャンスキーのCDからは最もシベリウス的な”静寂”が感じられるのです。情緒綿々とオーバーに歌い回すのがラフマニノフの音楽だと思っていると、認識を大きく覆されます。ポリャンスキーの演奏は”常識的な”ラフマニノフの演奏スタイルからは最も遠いところに有ります。

それにしても、この演奏は何と美しいのでしょう。静かに、心の奥にゆっくりとゆっくりと浸みこんでくるような、いじらしいほどの美しさです。表現に虚飾が無い分、時間は余計に掛りますが、内面に浸透して到達する深さは計り知れないほどです。その点、特に魅力を感じるのは第1楽章と第3楽章です。第2、第4楽章ではたとえばスヴェトラーノフの豪放な迫力には及びませんが、第2楽章の緩徐部分の美しさにはやはり胸を打たれます。

ところで、ポリャンスキーの手兵のロシア国立響ですが、これはかつてスヴェトラーノフが率いた楽団とは別のものです。あのスヴェトラーノフの分厚く鳴り響く音には及びません。金管の上手さや全体の音の切れの良さなども僅かに劣る印象です。けれどもポリャンスキーの音楽性はそのハンディを物ともしない素晴らしさなのです。このコンビのチャイコフスキーの後期三大交響曲のCDの演奏と全く同じ類の素晴らしい満足感を得られます。それに、未聴ですが大半の交響曲を録音しているグラズノフの演奏なども、さぞや美しいのではと想像させます。

これほど実力のある指揮者がこれまで日本でほとんど無名の存在だったのは信じられないことですが、嬉しいことに今年の7月、ついに日本の聴衆の前に姿を現してくれます。それもチャイコフスキーの三大交響曲を一夜で演奏するという離れ業を行なってくれるのです。それまであと4か月。待ち遠しくて仕方が有りません。

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コメント

ハルくんさん、こんばんは。
今年は「暖冬」と言われていますが、昨日、別府市は"雪"が降ってました…(なごり雪?)(笑)
ラフマニノフの交響曲第2番、いいですねぇ~。"映画音楽的"とか"ムード音楽的"だとか言われていますが、この ロシアの"浪漫"は ラフマニノフにしか書けない音楽ですよね。
私は大好きです。
このポリャンスキー盤は私も愛聴盤で 良く聴いています。
まるで "ふわっと"降って すくに溶けてしまう雪のように、 儚く、美しい 演奏ですね。
 
その他、スヴェトラーノフ盤とゲルギエフ盤を持っていますが、ゲルギエフが意外と淡泊なのが 残念です……。

投稿: ヨシツグカ | 2015年3月13日 (金) 23時15分

ヨシツグカさん、こんにちは。

ポリャンスキー盤をお聴きになられているのですね。スヴェトラーノフももちろん素晴らしいですが、ポリャンスキーの演奏で聴くと曲の別の良さが出てきますね。どちらが好きと言うことではなく、両方とも好きですねぇ。

ゲルギエフはいずれ全集として再録音するのではないでしょうか。但しマリインスキー以外ではやらないで欲しいのですが。

投稿: ハルくん | 2015年3月14日 (土) 11時08分

 こんにちわ。 お久し振りです。

 ラフマニノフの交響曲第2番、やっぱりいいですね!。
以前に2番が採り上げられていた際に、アシュケナージ/コンセルトヘボーの演奏にクビッタケとコメントさせていただきましたが、今も同じです。
 他の演奏をYOU TUBEで探しましたが
ゲルギエフは第1楽章の終盤で尻切れトンボですし、全曲演奏動画は今一でした。
 動画ではありませんが、「長時間作業用BGM・CLASSIC」に辿り着きました。演奏者は不明ですが、聴いて吃驚。なんと、演奏がエモーシャルでアシュケナージの演奏にそっくりで気分を高揚させてくれました。
 演奏者不明のこの演奏やアシュケナージの萌える演奏は好きですので何回も聴き直してしまいました。
 「早春のロシア音楽」に相応しいラフマニノフでした。

投稿: たつ | 2015年3月21日 (土) 15時54分

たつさん、こんにちは。

交響曲第2番イイですよね~。
これまではスヴェトラーノフ盤の濃厚な演奏が好きでしたが、このポリャンスキー盤を聴いてからは、こういう「静」を感じさせる演奏もアリなのだなぁと認識を新たにしました。
名曲にはやはり様々な演奏スタイルを受け入れる懐の深さがあるものですね。

投稿: ハルくん | 2015年3月23日 (月) 12時43分

こんにちは。
ようやく中古屋で縁が在りました。

初聴きは心地良過ぎてZzzz...苦笑。2度目は強い気持ちで最後まで。

冬の澄んだ空気、柔らかい陽射を想像してしまいます。シベリウスを感じさせるというご指摘、同感です。

久々にコノ曲を聴いたのですが、こんな曲だったか!?と動揺する位にスヴェトラーノフとは違います。

モノ足りないと感じる聴き手もいるでしょうが、鎮まる気持ちにさせてくれるのは魅力です。

聴く程に理解を深めていける演奏と感じています。

投稿: source man | 2017年12月15日 (金) 10時03分

source manさん、こんにちは。

ポリャンスキーは近年日本に招へいされることが増えましたが、元々声楽指揮を得意にしているだけあり一味違うマエストロですね。

この曲なんかスヴェトラーノフの豪放な演奏も良いですが、こういう演奏でも聴いてもらいたいなぁと思います。
ご感想どうもありがとうございました!

投稿: ハルくん | 2017年12月19日 (火) 10時51分

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