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2015年1月25日 (日)

伊藤悠貴チェロ・コンサート at シェア奥沢

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若手チェリスト伊藤悠貴君のミニ・コンサートが昨日シェア奥沢で開かれたので聴きに行きました。伊藤君は世田谷区奥沢の出身なので、これは地元の方の為に特別に開いたコンサートです。

伊藤君の経歴をご紹介してみます。

15歳よりロンドン在住。21歳でブラームス国際コンクールおよび英国の最高峰、ウィンザー祝祭国際弦楽コンクールにて優勝、名門フィルハーモニア管と協演しデビュー。ロンドン、パリ、ローマほか欧州主要都市、韓国、国内の著名なホール・劇場・宮殿でのソロリサイタルは絶賛を博す。初録音『ラフマニノフ・チェロ全曲集』は世界的音楽誌「ストラッド」特薦盤に選ばれたほか、欧州、米国、国内でも高い評価を受けている。2012年YCAアーティスト、2014年CHANEL Pygmalion Daysアーティスト。倉田澄子、A.ボヤルスキー各氏に師事。英王立音大AD在学中。

ということで、一応まだ学生さんながらもロンドンを中心にリサイタルやコンサートを多く開いていて、時々日本でも活動を行っています。今年の秋には大友直人指揮東京交響楽団とドヴォルザークの協奏曲の演奏が予定されているそうです。

昨日のコンサートでは、ピアノ伴奏を植木園子さんが勤めました。やはり地元出身で、伊藤君を幼少の頃から知っているそうです。

演奏された曲目は下記の通りです。

JSバッハ 無伴奏チェロ組曲第6番から
       プレリュード、サラバンド
ピアッティ カプリース第8番
エルガー 愛の挨拶
ブラームス(ゲリンガス編曲) 
       「6つの歌op86」から第2曲「野の寂しさ」
       「5つの歌op.105」から第1曲「歌の調べのように」
ラフマニノフ プレリュードop.23-10
         ヴォカリーズop.34-14
ポッパー ハンガリー狂詩曲
(アンコール)
サン=サーンス 「白鳥」

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  演奏後の伊藤悠貴君(右)、植木園子さん(左)

経歴に恥じない素晴らしい演奏でした。コンサートホールでの堅苦しい演奏会では無く、リラックスして聴けるサロンコンサートだったのですが、演奏に固唾を飲んで聴き入ってしまいました。他の皆さんも同じだったと思います。
まず、チェロの音がとっても美しく響いています。シェア奥沢は木造家屋なので自然な響きが特徴ですが、残響が長い訳ではありません。しかも僕は一番近くの席で聴いたので直接音がはっきりと届きます。にもかかわらず音に柔らかさが感じられますし、倍音の響きがとっても良く聞えるのですね。楽器を無理なく自然に鳴らしている印象を受けます。
それになによりも素晴らしい「歌心」を持っています。これはもう練習で得られるものでは無く生まれつきのものだと思います。演奏会終了後にご本人から直接聞いた話では、「後期ロマン派の音楽が一番好き」なのだそうですが、どうりでと合点の行く演奏でした。チェリストはやはり「歌心」が一番大事ですよね(もちろんどの弦楽器も同じではあるのですが)。
ですのであの「ヴォカリーズ」の深く静かな演奏からは、正に伊藤君の名前の通り「果てのない悠久の歌の貴さ」というようなものが確かに感じられたのです。

伊藤君は指揮の勉強もしていて、ロンドン、日本で比較的小規模なオケを指揮したそうです。いずれはラフマニノフやマーラーの指揮もしたいということですから、器楽曲の枠に留まらない大きな音楽全体を見渡そうとする感覚をお持ちなのでしょう。まだ25歳の伊藤君ですが、行く行くは大チェリスト=大指揮者=大音楽家であったカザルスやロストロポーヴィチのようになってくれると良いですね。

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   演奏会後の交流会にて歓談する伊藤君と私

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演奏会(オムニバス)」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。

先日初めて、何の期待もなく伊藤さんのコンサートに行って、その音色に衝撃を受けた者です。

それ以来、いつか大阪城公園のいずみホールで、伊藤さんの無伴奏チェロ組曲第6番、特にサラバンドを聴きたいと夢見ています。

1番は良く演奏されているようですが、6番は珍しいですね。

至近距離でお聴きになられたそうで、たいへん羨ましく思います。

投稿: お名前不詳 | 2016年6月18日 (土) 23時22分

こんにちは。お返事が遅くなり申し訳ありませんでした。
コメントを頂きまして誠にありがとうございます。せっかくですので出来ればお名前(といっても本名でなくハンドルネームで構いませんので)をお書きください。

大阪のコンサートをお聴きになられたのでしょうか?東京では頻繁に開いていますが、大阪はまだこれからですが、嬉しいコメントに伊藤さんも喜ぶこと思います。

ごく小規模のサロンコンサートを大阪でも開かれると良いですね。そのときには是非いらしてください!

投稿: ハルくん | 2016年6月26日 (日) 10時35分

お返事ありがとうございます。

>大阪のコンサートをお聴きになられたのでしょうか?

今月初めの高槻公演です。
曲は「ドボコン」でした。
生チェロ独奏を聴くのは、2007年の鈴木秀美氏の無伴奏チェロ組曲全曲演奏会以来9年ぶりというせいもあるのかもしれませんが、「チェロってこんなにいい音だったんだ」と呆気に取られているうちに曲が終わってしまいました。

>ごく小規模のサロンコンサートを大阪でも開かれると良いですね。

贅沢すぎてため息がでそうです。

そのときは必ず聴きに行きます。

投稿: blue monk | 2016年6月27日 (月) 13時31分

blue monkさん、こんにちは。

お返事くださりありがとうございました。
大フィルとのドヴォルザークを聴かれたのですね。東京では昨年秋に演奏を聴きましたが、あの曲の良さを十分に引き出していて見事でした。大阪でも素晴らしかったようですね。

サロンコンサートやリサイタルをこれから関西でも増やしてゆくのではないでしょうか。
ぜひ応援してあげてください。

何でもまたどうぞお気軽にコメントください。
楽しみにお待ちしております!

投稿: ハルくん | 2016年6月28日 (火) 22時10分

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