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2014年12月24日 (水)

ハインリッヒ・シュッツ オラトリオ「イエス・キリスト生誕の物語」SWV435 名盤

メリー・クリスマス!
世の中がもっともっと平和になりますように。
ということで、今日はやはりクリスマスにちなんだ曲で行きたいと思い、ハインリッヒ・シュッツのオラトリオ「イエス・キリスト生誕の物語」SWV435にします。

ドレスデンの宮廷楽長として活躍したシュッツは、何しろヨハン・セバスティアン・バッハより100年も早く生まれているので「ドイツ音楽の父」と呼ばれていますね。ルネッサンス風の古い無伴奏合唱曲も多く書いていますが、聴き易いのはやはり管弦楽伴奏が付いた曲です。中でも晩年に書かれたクリスマス・オラトリオは、キリスト誕生の物語を独唱、重唱、合唱、器楽合奏を用いて演奏する非常に親しみやすい名作です。

キリストが生まれる物語を聖書から福音史家(エヴァンゲリスト)がレチタティーヴォで朗唱し、それに天使、羊飼い、東方の博士たち、祭司長、律法学者、ヘロデ王といった登場人物たちの歌と合唱がからみあい、幸福感に満ちてとても落ち着いた雰囲気のうちに曲は進行してゆきます。終曲の合唱ではキリスト誕生の喜びが高らかに歌われますが、ここでもある種の”奥ゆかしさ”が失われることはありません。全体の演奏時間は30分ちょっとの規模なので、聴き惚れているうちに終わってしまい、もっともっと聴いていたくなるほどです。ですので気付かないうちに何度も繰り返して聴いてしまいます。

それでは愛聴ディスクをご紹介します。

6684093アンドリュー・パロット指揮タヴァナー・コンソート/タヴァナー合唱団/タヴァナー・プレイヤーズ
福音史家:ナイジェル・ロジャース(T)
天使:エマ・カークビー(S)
ヘロデ王:デヴィッド・トーマス(B)
(1985年録音/EMI盤)

アンドリュー・パロットはバッハの曲の演奏を聴くと、余りに美し過ぎて、逆に峻厳さに欠けるような気がしてしまいます。けれどもヘンデルやシュッツのこの作品では、楽しさや明るさが音楽に100%奉仕して心から満足させてくれます。合唱は透明感が有り極めて美しく、独唱陣も素晴らしい出来栄えです。
メンバーにイギリス人が多い為か、ドイツ語で歌っても余り”それらしく”は聞えませんが、曲が持つ性格からも、これはこれで良いと思います。
ナイジェル・ロジャースとエマ・カークビーの歌はさすがに魅力充分で文句有りません。タヴァナー・プレイヤーズの演奏もいつもながら素晴らしいです。

ディスクはこの素晴らしい演奏だけでも充分なのですが、やはりドイツ系の演奏家も聴きたいと思い、フリーダー・ベルニウス盤をオーダーしました。クリスマス・イブの記事には間に合いませんでしたが、25日に聴けたので加筆します。

Shutzフリーダー・ベルニウス指揮シュトゥットガルト室内合唱団/ムジカ・フィアタ・ケルン/シュトゥットガルト・バロック・オーケストラ
福音史家:クリストフ・プルガルティエン(T)
天使:モニカ・フリンマー(S)
(1990年録音/VIVARTE:SONY盤)

ドイツの古楽器派のベテラン、ベルニウスの録音です。全体的に南ドイツらしい一種のおおらかさ、温かさを感じます。それはこの曲の曲想にとても良く合っていてキリスト生誕の喜びが一杯に感じられることになります。余り神経質にならない合唱や器楽演奏も非常に好ましいものです。独唱では福音史家のプルガルティエンの美しいドイツ語がやはり本物を感じさせます。問題は天使を歌うフリンマーで、大きくアクセントの付いた歌唱がどうも人間的に感じさせてしまい、天使には聞こえません。この点がパロット盤のカークビ―に大きな差を付けられています。ですので、もしもどちらか一つを選べと言われたら、迷うことなくパロット盤の方を取ります。

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ドイツ、オーストリアのバロック音楽(パッヘルベル、ビーバー、シュッツ他)」カテゴリの記事

コメント

ハルくんさん、メリー・クリスマス。
おぉ、シュッツですか!
前期バロックの作曲家の内では モンテヴェルディと 二大巨星ですね。
 
私は クリスマス~年始には マウエルスベルガー(兄)/ドレスデン聖十字架合唱団の クリスマス小品集 というCDを聴いています。
ボーイ・ソプラノやボーイ・アルトに 身も心も清められています。
「クリスマス・オラトリオ」も 出来れば ドレスデンの演奏で聴いてみたいですね。

投稿: ヨシツグカ | 2014年12月24日 (水) 22時28分

ヨシツグカさん、メリークリスマスです!

シュッツ良いですよね。
イタリアのモンテヴェルディにドイツのシュッツ。
モンテヴェルディのほうが先輩なのでしょうが、どちらも素晴らしいですものね。

同感です。シュッツは出来ればドレスデン聖十字架で聴きたいところですね。

投稿: ハルくん | 2014年12月25日 (木) 01時10分

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