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2014年8月 6日 (水)

モーツァルト クラリネット五重奏曲イ長調K.581 名盤

ようやくモーツァルトのクラリネット五重奏曲の登場です。
「これほどの名曲がどうしてブログ開始から6年も経つまで登場しなかったのか!」と問われそうですが、それはさておき早速記事に参りましょう。

Stadler1b モーツァルトが”ウイーンの最初のクラリネット名演奏家”と称賛されたアントン・シュタードラーと出会って、彼の為にあの傑作クラリネット協奏曲K622を贈ったことは有名ですが、この五重奏曲もやはりシュタードラーの為に書いた曲です。

楽器は独奏クラリネットに弦楽四重奏(第1、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)という編成で、曲の構成は以下の通りです。

第1楽章 アレグロ
第2楽章 ラルゲット
第3楽章 メヌエット
第4楽章 アレグレット・コン・ヴァリジオーニ

特に充実した聴きどころは第1楽章と第4楽章ですが、第2楽章ラルゲットは真に素晴らしい演奏で聴いた場合には、それ以上に感動的だと思います。ただ、そういう演奏は極めて稀です。

この曲は、天国的で彼岸の境地の雰囲気を持つクラリネット協奏曲と比べると、ずっと現世的な美しさやロマンティシズムを感じさせます。この五重奏曲に影響を受けたブラームスも、同じ編成による一大傑作を書きましたが、あれこそは現世の人間感情そのものの映し絵でした。
それにしても、この二人の傑作はクラリネット五重奏曲に限らず、あらゆる室内楽曲における最上の名作の一つとして、ライバル関係にあるかもしれません。それに両曲ともクラリネットが主役であることには間違いありませんが、第1ヴァイオリンの役割が極めて重要な点でも共通しています。

この五重奏曲は協奏曲と同じようにシュタードラーの考案したバセット・クラリネット用に書かれたので、近年ではモーツァルト当時のバセット・クラリネットを研究・復元した楽器を使用する演奏家も増えています。

ということで、愛聴盤のご紹介です。まずはウイーンの演奏家から始めましょう。いずれもウイーン・フィルのメンバーから構成される団体ばかりです。

3198101343レオポルト・ウラッハ(Cl)、ウイーン・コンツェルトハウス四重奏団(1951年録音/ウエストミンスター盤) 往年のウイーンの名奏者ウラッハの演奏は昔から定評が有ります。アントン・カンパーのヴァイオリンともどもレトロで深い味わいが何とも魅力です。但し、カンパ―はややベタベタと歌い過ぎに感じられなくも無く、それはブラームスでは絶大な魅力となっていたのですが、モーツァルトでは必ずしも最適とは言い難いような気もします。オリジナルテープに起因するであろう音揺れが所々に見受けられるのもマイナスです。むしろウイーン・コンツェルトハウス四重奏団の演奏であれば、クラリネットのフリードリヒ・フックスはやや薄味ですが、1961年に日本で録音したステレオ録音盤を求めるのも手だと思います。

623アルフレート・ボスコフスキー(Cl)、ウイーン八重奏団(1963年録音/DECCA盤) ”小粋な”ウイーンのイメージに最も近い演奏です。兄貴ボスコフスキーのクラリネットは少しも深刻ぶらないところに惹かれるのですが、第1ヴァイオリンを弾くアントン・フィーツがまた最高です。この人ほど美しい音でウイーンの粋な情緒をさらりと、しかし味わい深く感じさせる奏者は中々他に居なかったように思います。全体的に小粋な分だけ、おおらかに聞こえるかもしれませんが大好きな演奏です。透明なデッカの録音は古さを少しも感じさせません。

Mozart_clarinet_quintetk581アルフレート・プリンツ(Cl)、ウイーン室内合奏団(1969年録音/
録音/ヴィーナスレコード盤) 執筆でご活躍されているプロデューサーの中野雄さんがトリオ・レコード時代に制作したウイーン・フィル団員による録音の中の白眉です。というのもここでは名手プリンツの演奏を聴くことが出来るのに加えて、第1ヴァイオリンを弾いているのがワルター・ウェラーです。よくぞこの共演が良質な録音で残されたものだと感謝に耐えません。庶民的な小粋さのアントン・フィーツに対して、貴族的な優美さのウェラーがまた最高です。それはプリンツや他のメンバーの演奏にも共通した特徴で、この両盤は何物にも代え難いウイーンの魅力に満ち溢れています。第2楽章の深みにおいて傑出しているのもこの演奏の長所です。

Mo4988001907848_1lアルフレート・プリンツ(Cl)、ウイーン室内合奏団(1973年録音/録音/DENON盤) この録音では、第1ヴァイオリンをゲルハルト・へッツェルが弾いています。この人は非常に優れたヴァイオリニストでしたが、ウイーン生まれでは無かった為に、先人たちが持っていたウイーンの小粋さにはやや欠けているように思います。豊かな表現力を聞かせる部分も有りますが、その点だけがこの曲に於いてはマイナスの要因です。プリンツや他のメンバーは素晴らしく、総合的な合奏体としては申し分ありませんが、第2楽章の深みはウェラー盤に及びません。

Mo41d0h3vdhxl__sl500_aa300_ペーター・シュミードル(Cl)、ウイーン・ムジークフェライン弦楽四重奏団(1991年録音/PLATZ盤) これは現役のウイーン・フィル・メンバーですが、第1ヴァイオリンはライナー・キュッヘルが弾いています。キュッヘルのほうがへッツェルよりもウイーン風に感じますが、上手さは逆にへッツェル優位の感が有り、まずは互角というところです。クラリネットのシュミードルはプリンツと比べると風格に於いて僅かに及ばない気はしますが、やはり良い演奏です。全体的には僅差ながらもウイーン室内合奏団のほうが優れていると思います。

続いてはドイツの演奏家です。

M735504 カール・ライスター(Cl)、ウイーン弦楽四重奏団(1981年録音/カメラ―タ・トウキョウ盤) ドイツ生まれのライスターは同曲異録音が多いのが特徴ですが、この録音はウェルナー・ヒンク率いるウイーン弦楽四重奏団との演奏です。さすがにライスターは深みのある音で貫禄を感じさせます。この修行僧のように生真面目なライスターにはウイーンの奏者でも余り歌い崩さないヒンクが合うように思います。小粋さこそ余り感じさせませんが、柔らかい弦の音色がこの曲にはやはり適しています。強い個性には欠けますが、手堅さでは一頭抜きん出た演奏だと思います。第2楽章も素晴らしいです。

続いてはフランスの演奏家です。

Mo193フランソワ・エティエンヌ(Cl)、ヴェーグ弦楽四重奏団(1952年録音/ディスコフィル・フランセ原盤:グリーンドア出版盤) フランスの往年の名奏者エティエンヌの歴史的録音ですが、所有盤は知人のアナログ盤からデジタルコピーしたものです。市販でもグリーンドアから復刻盤が出ているので入手可能です。フランス式の音がこの曲に合うかどうかは好みの問題だと思いますが、ウイーンとはまた違ったパリの小粋さが中々の魅力です。ヴェーグも晩年のベートーヴェンの枯淡の境地の演奏とは異なり、花も実も持ち合わせています。並みのヴァイオリン奏者とは表現力の格の違いを感じさせます。

Mo4153568ジャック・ランスロ(Cl)、バルヒェット弦楽四重奏団(1959年録音/エラート盤) エティエンヌに続くフランスのクラリネットの大家ですが、何故か二人とも同郷以外の四重奏団との録音でした。ランスロはいかにも”粋なパリジャン”といった小股の切れ上がり方が好みの分かれるところでしょうが、同じフランス風ならエティエンヌの情緒感有るほうが好きです。バルヒェットもオールドファンに非常に人気が有りますが、個人的には特別強く惹かれるヴァイオリニストというわけではありません。

続いてはオランダの演奏家です。

Mo952ゲオルゲ・ピーターソン(Cl)、アルトゥール・グリュミオー他による弦楽四重奏団(1974年録音/フィリップス盤) 当時のコンセルトへボウ管の首席Gピーターソンとベルギー生まれのグリュミオーという、いわばベネルクス?の演奏です。さすがは名門コンセルトへボウの首席だけあって上手いクラリネットですが、グリュミオーがそれを食うほどの存在感を示しています。テンポは速めでフランスの奏者以上に小股の切れ上がった演奏ですが、音楽に”翳り”が感じられないのが難点です。明るいラテン系の演奏好きの人には好まれると思います。

更に続いては大西洋を渡りアメリカの演奏家です。

Mo1245250944デヴィッド・オッペンハイム(Cl)、ブダペスト弦楽四重奏団(1959年録音/CBS原盤:ソニー盤) CBSのプロデューサーでもあったオッペンハイムと本当に欧州からアメリカに渡ったブダペストSQとの共演です。オッペンハイムの音は軽く、明るい典型的なフランス風です。ブダペストSQは彼らのベートーヴェンのような厳しさは見られませんが、とても楷書的で明確に弾いています。にもかかわらず、ゆったりとしたテンポで音楽に余裕が有り、非常に豊かな情感を漂わせるあたりは流石だと言えます。

M51rtwmrz0lリチャード・ストルツマン(Cl)、東京カルテット(1990年録音/RCA盤) ストルツマンのクラリネットの音の色彩的変化と高い技術による変幻自在な歌い回しは正に天才的だと思います。ローカル的な特徴こそ有りませんが、純音楽的な魅力は計り知れません。この録音では第1ヴァイオリンを二代目のピーター・ウンジャンが弾いていますが、カナダ人とは思えない(失礼)、柔らかな音でしっとりとした演奏が素晴らしいです。これはローカルな味わいに人一倍こだわる自分を魅了する非ローカル的な名演奏だと思います。

ここからはバセット・クラリネットによる演奏になります。

M516ijzasnsl__sl500_aa300_ デイヴィッド・シフリン(バセットCl)、チェンバー・ミュージック・ノース・ウエスト(1984年録音/デロス盤) クリーヴランド管にも在籍した名奏者シフリンによるバセット・クラリネットを使用した先駆けの演奏です。さすがに低音域の音の威力に圧倒されます。けれどもこの演奏の魅力は第1ヴァイオリンを弾くカヴァフィアンに寄るところも大きいです。音は痩せていますが、ロマンティックで豊かな表現力が素晴らしいです。他の弦楽メンバーは力量に幾らか不足する感が有りますが、二人の演奏が他の欠点を補って余りあります。

Mo169デイヴィッド・シフリン(バセットCl)、エマーソン弦楽四重奏団(1997年録音/グラモフォン盤) シフリン二度目の録音ですが、エマーソンという最強の四重奏団との共演となりました。第1ヴァイオリンを名手ユージン・ドラッカーが弾くのもベストです。弦楽に関しては全員がセンスの塊ですし、これ以上完璧な演奏は不可能かもしれません。5人の織成す音が何とも立体的で立派であるのも驚きです。これこそは非ローカル的な純音楽的演奏としての正に最高峰だと思います。

最後はバセット・クラリネットと古楽器四重奏団による演奏です。

M51lccyjqsalエリック・ホープリッチ(バセットCl)、18世紀オーケストラ団員(1987年録音/フィリップス盤) アメリカのホープリッチはバセット・クラリネット研究の第一人者とも呼べる人で、このK581も既に4回もの録音を行なっています。この演奏は第1回目の録音ですが、モダン楽器をずっと聴いてきて、古楽器のノン・ヴィヴラート奏法による地味な音を聴くと実に新鮮さが感じられます。表現の「禁欲さ」がこの演奏の特徴だと思いますが、逆に「面白みが感じられない」という感想も生まれそうです。弦楽がやや弱いのもマイナスですが、協奏曲K622とのカップリングであるのは購入し易いと思います。

Mo10017チャールズ・ナイディック(バセットCl)、ラルキブデッリ(1992年録音/Vivarte原盤:ソニー盤) ナイディックもやはりアメリカの奏者です。バセット・クラリネットはどうもアメリカ優位の感が有りますね。その名手が古楽器アンサンブルの雄、ラルキブデッリと共演をしています。ホープリッチ盤に比べると表情づけがずっと豊かで、テンポの加減や付加された装飾音などがとても面白いのですが、それが”表現過多”に感じられるリスクも持ち合せています。第1楽章などはモダン楽器派以上に過激であり、アレグロ部の16分音符を前のめりに端折っているのには抵抗が有ります。どちらかいうと後半の第3楽章以降のほうが自然に愉しめます。

ということで、個人的にはウイーン・スタイルの演奏が最も好きで、中でもボスコフスキー/ウイーン八重奏団盤とプリンツ/ウイーン室内合奏団の1969年盤の二つが最高です。
続いてはライスター/ウイーンSQ盤も捨て難いですが、むしろ純音楽的な演奏としてシフリン/エマーソンSQ盤を取ります。
オール古楽器派の古雅な音にも大いに魅力が有り、ホープリッチ盤とナイディック盤は表現スタイルこそ正反対ですが、どちらも捨て難いです。
番外として、ウラッハ/ウイーン・コンツェルトハウスSQ盤はやはり外すことが出来ません。

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モーツァルト(室内楽)」カテゴリの記事

コメント

ハルくんさん、こんばんは。
クラリネット五重奏曲は、協奏曲とは少し雰囲気が違って、聴いていて愉しいですね。
確かに第2楽章など 深い部分もありますが 全体的な印象は "洗練された癒やし……または 楽しみ"と言った所でしょうか……。
こうした曲想を演奏させれば ウィーンの演奏家の右に出るものはありません。
という事で 私の愛聴盤は ウィーンの演奏家達です。ウラッハ、A.ボスコフスキー、プリンツの3強ですが、協奏曲とは違い、より貴族的な印象の ボスコフスキー盤とプリンツ(DENON)盤を良く聴いています。
 
プリンツは'69年録音もあるのですね……。
すごく気になります……。(笑)

投稿: ヨシツグカ | 2014年8月 6日 (水) 20時23分

今晩は!
ハルくんさんが取り上げられたCDのうち、何枚かの演奏は所有していますが、「刷り込み」とは恐ろしいもので、CD初期に大枚をはたいて購入した、ザビーネ・マイヤー盤が忘れられません。BPOの仲間とのDENON盤で、CDの音はこんなにも良いものだと、つくづく感じたものでした。それと、もう一つの購入理由は美人?演奏家だったということです。確か、ハルくんさんも、滅法、美人さんに弱いとお聞きしていますが、私もその仲間です。
ザビーネ・マイヤーはその人形のような容姿に似合わず、野太い音質が特徴のように思いましたが、今でも好きな盤の一つです。でも、今のマイヤーはすっかり、おばさん(失礼)の風貌に変わってしまいましたね。残念!
それと、番外編でブダペストSQと競演した、あのベニー・グッドマンのRCA盤があります。1938年録音ですから、音質は良くないし、あまりモーツァルト的ではないですが、真面目に楽譜通り吹いているのが解ります。このCD、協奏曲がカップリングされていて、こちらは立派なステレオ録音で、ミュンシュ/BSOのサポートで、素晴らしい演奏を繰り広げています。あまり、人には勧められないCDですが、珍盤紹介ということで。

投稿: クレモナ | 2014年8月 6日 (水) 20時54分

ヨシツグカさん、こんばんは。

この曲はウイーンの演奏家ですよね。うーん、やっぱり同じですね。(笑)
ボスコフスキー盤とプリンツ盤、これも同じですね。
プリンツの1969年録音は、Vnがワルター・ウェラーなのが大きいです。この曲に関してはヘッツェルよりも絶対に上だと思います。
CDはかつてヴィーナス・レコードから出ていたのと、近年タワー・レコードが3枚組(確か)のセットを出していました。どちらも廃盤のようですが、中古で良く見かけます。

投稿: ハルくん | 2014年8月 6日 (水) 23時09分

クレモナさん、こんばんは。

ザビーネ・マイヤーはもちろん好きですよ。
若い頃はホント可愛かったですね。でも最近も好きですよ。熟女顔が良いです。僕は余り若いよりも年輪を重ねた女性の色気が好きで・・・何の話だ!(笑)
でもその割にCD持っていませんね。ABQとの録音が無かったかな?買うならあれが欲しいです。

ベニー・グッドマンのモーツァルトは協奏曲を耳にしたことがありました。面白いですが、さすがにCDを買おうとまでは思いませんでした。

投稿: ハルくん | 2014年8月 6日 (水) 23時18分

おはようございます。
中野翁プロデュースのウィーン室内合奏団盤は小生にとっては宝物の一枚です。
CDでしか聴いたことがありませんのでLP盤との音の比較等についてはコメントできませんがとりあえずアートユニオンから出ているCDは↓で入手可能ですのでご参考まで。
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%84%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%88%E6%9B%B2%E9%9B%86-%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%B3%E5%AE%A4%E5%86%85%E5%90%88%E5%A5%8F%E5%9B%A3/dp/B000068USC/ref=sr_1_3?s=music&ie=UTF8&qid=1407369168&sr=1-3&keywords=%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%B3%E5%AE%A4%E5%86%85%E5%90%88%E5%A5%8F%E5%9B%A3

投稿: kenken | 2014年8月 7日 (木) 08時59分

kenkenさん、こんにちは。

中野さんには何度かお目にかかる機会が有りましたが、10年以上も前に初めてお会いした時に、この録音のお話しを伺いました。やはりご本人もとても誇りに思われている録音のようです。

昔持っていた(現在は有りませんが)トリオのLP盤は確かに素晴らしい音でした。若林駿介氏の録音でしたが、今思えば良い意味でのデジタル録音的な明晰さが有ったようです。
CDはそれよりは落ちる印象ですが、元々優れた録音ですので、CDだけを聴いていれば不満には感じないと思います。
アートユニオンが現役盤なのですね。非常に価値ある再リリースですね。
情報提供ありがとうございました。

投稿: ハルくん | 2014年8月 7日 (木) 23時05分

エティエンヌ、ヴェーグ盤が登場したのには驚きました。
随分以前のLP盤ですから。
手元にハイドン協会盤のLP (モノラル) があり、今でも時に聴いています。ヴェーグの名を知ったのもこのLPでした。
CDではプリンツ、ウィーン室内合奏団 を残してあります。
いい曲ですね。

投稿: 蝶 旅の友 | 2014年8月 8日 (金) 15時55分

蝶 旅の友さん

エティエンヌ、ヴェーグ盤のLPをお持ちとは凄いですね。私は知人からコピーを頂いただけですから。
そのエティエンヌ盤とプリンツ盤が有ればまずは文句有りませんね。本当に良い曲だと思います。

投稿: ハルくん | 2014年8月 8日 (金) 23時23分

ハルくんさん、こんにちは。
プリンツ/ウィーン室内合奏団の'69年盤を聴いてみました。
録音の加減からか プリンツのクラリネットの音が太めになっている感じがします。演奏も こちらの方が 確かにウィーンの香りが強い印象ですね。
やはり コンツェルトハウスQのメンバーだったウェラーの存在が大きいのでしょうね。
私の好みに"ぴったり"です。
ご紹介、ありがとうございました。
 
一緒に購入した ホープリッチの'04年盤は 意外とロマンティックな演奏でしたが、第一楽章など 独特な雰囲気があり、これも なかなか良いです。
 
あらためて 「名曲だなあ……」と思いました。

投稿: ヨシツグカ | 2014年8月13日 (水) 17時03分

ヨシツグカさん、こんにちは。

ウィーン室内合奏団のセットが届いたのですね。お盆休みにゆっくりと鑑賞出来て贅沢三昧ですね。
クラ5も69年盤がとても気に入られた様子で良かったです。ウェラーの存在は大きいですよね。中々あれを越える人というのはその後に出ていない気がします。

ホープリッチ盤の独特の味わいも良いですよね。あれはあれで結構気に入っています。

投稿: ハルくん | 2014年8月14日 (木) 09時21分

こんにちは。こんなに忙しい夏になるとは思いませんでした、このサイトもすっかりごぶさたしているうちに、私をさしおいてこんな重要会議が(笑)私のクラリネットの最初の師匠はプリンツやボスコフスキー、そしてウラッハを学ぶよう薦めました。この曲に関しても推奨盤の結論はハルくんさまと同じです。

バセットクラリネット奏者ではザビーネ・マイヤー盤もあげておくべきでしょうが、彼女はもともと息の速度が遅い奏者で(弦楽器で弓が遅いのと似ています)私は好きでありませんでした。この楽器は誰が吹いても息が遅くなり、バスクラやバセットホルンに近い響きがします。ウィーン的な魅力には遠いように感じます。

ドイツ系クラリネット奏者がなぜヴィブラートをかけないのか定かではありませんが、私はそのほうがフランス系の演奏より好きです。尊敬するランスロの演奏は傾聴すべき名演ですが、
愛聴盤ではありません。フランスならむしろパスカル・モラゲス(モラーグ)をお薦めします。

というわけで個人的にはウィーンスタイルが最も好きなのですが、ただしシュミードルはウィーンフィルにしては息が遅めの奏者なので、私は好みません。楽屋で写真までいただいたのにこんなこと言ってはいけないのですが。

この曲の聴き所を他にも挙げてみましょう~1楽章の第1主題が変形されて3,4楽章にも出てくる妙。1楽章の第2主題が短調に変わる瞬間のクラの音色。3楽章はメヌエットのトリオが2つあり、1つはクラをまったく使わず、もう1つは逆にクラの音域の広さとレガートの豊かさをアピールする分散和音を使ったレントラーになっているのも素敵です。モーツァルトは、クラリネット奏者にとって旧約聖書のような存在です(新約はブラームス)。

投稿: かげっち | 2014年8月21日 (木) 12時54分

かげっちさん、お久しぶりです。

そうなんですよ。重要会議をかげっちさん欠席のまま進行させてもらいました。(笑)

私の場合はクラはもちろんですが、弦楽それも第1ヴァイオリンが大きなポイントになるのですね。そうなるとやはりウイーンの奏者の持つ味わいはちょっと他に代え難いのです。
そういう意味でもご紹介頂いたボスコフスキー盤は最高でした。改めて感謝します。

フランスのパスカル・モラゲスですか。機会あれば是非聴いてみたいですね。ありがとうございます。

第3楽章もホントに魅力的ですね。
この曲とブラームスは、やはりクラリネットの旧約、新約聖書なのでしょうねぇ。

投稿: ハルくん | 2014年8月21日 (木) 13時33分

シフリン新盤、エマーソン四重奏団だけあって
過不足無い名演だと思います。

一聴するとドライな演奏に思えますが
ストレートに曲の良さが伝わってきます。

アンサンブルの絡みが本当に素晴らしいです。

投稿: 影の王子 | 2014年12月17日 (水) 22時55分

影の王子さん

ウイーンの演奏家に代表されるようなローカルな味わいを求めるのでなければ、これほど聴き応えのある演奏は中々考えられません。
各楽器奏者の実力、からみあいが本当に凄いですね。

投稿: ハルくん | 2014年12月18日 (木) 14時54分

お早うございます。

以前から聴いてみたかったプリンツ/ウィーン室内'69を入手して昨夜聴きました。

第1楽章、Vnの入りからムムっ。モーツァルトのVnソナタをバリリで聴いた時と同じ衝撃です。ヘッツェルの暗さはブラームスでは最上ですが、自分はモーツァルトには適度な華やかさ、ウィーンの香りを求めてしまいます。

カップリングはヘッツェルがVnですし、曲は違えど対比できるので或る意味最高の組み合わせです。参りました。

投稿: source man | 2017年3月29日 (水) 08時13分

source mansさん、こんにちは。

ウェラー良いですよね!
ヘッツェルには感じられない古の甘いウィーンの香りがありますね。
その点ではむしろ後のキュッヘルはウイーンの味を感じさせてくれます。
とにかく気に入られて良かったです。

投稿: ハルくん | 2017年3月29日 (水) 11時38分

お久しぶりです。プリンツをsource mansさんにも布教していただき、ありがとうございます(笑)考えてみたら私がクラを始めたのが1974年です。
ウィーンフィルには家族で団員という人々が多く、シュミードルは親子三代クラ、現役のオッテンザマー一家はウィーンとベルリンの五つの主席クラの座を親子三人で占めていることはご存じかもしれません。それに比べプリンツは、あまり弟子も持たず、孤高の巨匠という印象です。前にも書いたかもしれませんがリードが独特で、私の師匠が吹かせてもらったけれど鳴らなかったそうです(プリンツは息の量が凄いらしい)。豊かで伸びやかな音色と、レガートが多めなのが特徴です。
それにしてもおっしゃるように、この曲はVnが難しいですね。私も何度か仲間と挑戦しましたが、Vn奏者の方が怯むことが多いです。クラだけ巨匠風に書くのでなく、1楽章には弦楽器の競演があり、3楽章にはクラとVaとの掛け合いもあり、実によく書かれています。

投稿: かげっち | 2017年3月30日 (木) 13時21分

かげっちさん、こんにちは。

いえいえ、とんでもありません。
でも、かげっちさんの愛する楽器の名演奏を広く知って貰うことに繋がったとしたら嬉しいですね!

僕もかげっちさんにご紹介頂いたボスコフスキーたちの演奏が今では一番のお気に入りとなりました。あらためて感謝します!

プリンツは五重奏曲はもちろんですが、協奏曲が最高ですね。特にベームとの録音ではオーケストラと共に神っています。第2楽章の深遠さなど言葉になりませんね。

投稿: ハルくん | 2017年3月30日 (木) 14時50分

ありがとうございます。他にも名演はいろいろあるのですが、自分の音楽史が変わったという意味ではプリンツとの出遭いが大きかったのです。今の自分のテイストからすれば意外ですが、最初に買ったLPは(うわっ古っ!)ウェーバーとヒンデミットの五重奏でした。それからボスコフスキー、プリンツのモーツァルト五重奏、そして来日したウィーンフィルで生のプリンツを聴いたのでした。師匠がドイツで学んだ方だったので、フランスの巨匠を知ったのは学生になってからです。

投稿: かげっち | 2017年3月31日 (金) 13時08分

かげっちさん、こんにちは。

今から何かの楽器を習い始めるなら、ドイツ流、フランス流などなど自分の好きなスタイルを初めから選ぶでしょうが、学生時代に始めるときにはそこまで意識していないですよね。続けているうちに段々と自分の方向性が見えてゆくということでしょう。

たとえアマチュアでも目指すところは高く置きたいですよね。
私も『生涯学習』としてヴァイオリン&ヴィオラを続けてゆきたいですが、現実は中々・・・。でも頑張ります!


投稿: ハルくん | 2017年3月31日 (金) 15時31分

お早うございます。

ボスコフスキー/ウイーン八重奏団を入手。テンポを落とす第2楽章がとても良くて、第1楽章だけ妙に速めなのは落差による効果を狙ってなのか...。第3楽章ではクラリネットが太く響きます。

コレは聴き応えありました。ご紹介に深謝です。クラシックを聴き始めた頃はサロンな先入観で聴いていなかったモーツァルト、今は後期の作品に憑りつかれています笑。

投稿: source man | 2017年4月30日 (日) 08時08分

source manさん、こんにちは。

僕もこの演奏を聴いたのは随分後になってでした。ブログお友達のかげっちさんに紹介頂いたブラームスとのカップリングだったのです。そうしたらブラームス以上に気に入ってしまいました。今では大好きな演奏です。

モーツァルトは真剣に聴いてみないと真価は中々分からないでしょうね。でも逆にサロン的な先入観で聴き始めて次第に真価に目覚める方も居るでしょうし、色々なパターンはあるかもしれません。

投稿: ハルくん | 2017年4月30日 (日) 10時30分

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