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2014年6月21日 (土)

モーツァルト ピアノ・ソナタ 全集他 名盤

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モーツァルトの作品ではオペラと宗教曲は別として、それ以外のジャンルではやはりピアノのための作品に優れた曲が多いように思います。ことにピアノ協奏曲は正に百花繚乱で、「優れた曲が良くもまぁ、こんなにも。」と思わずにはいられません。それに比べればピアノ・ソナタは幾らか見劣りはしますが、モーツァルティアンにとっては、やはりかけがえのないジャンルです。

全部で18曲有るピアノ・ソナタの中で、特に人気が高い曲と言えば、シンフォニーになぞらえてみると交響曲第25番ト短調に相当するイ短調K310、それにK331「トルコ行進曲付き」でしょう。ピアノの初心者が習う”小ソナタ”ハ長調K545ももちろん良く知られています。また初期の作品の中にも第4番変ホ長調K282や第5番ト長調K283などの名作が含まれます。
しかし、やはり音楽の充実度では、1784年にウイーンのアルタリア社から出版された第10番ハ長調K330、第11番イ長調K331、第12番ヘ長調K332、の3曲が断然際立っています。自分でも最も好んでいる3曲です。

なお補足として、曲番号表記の場合、第8番と第9番、それに第15番以降の曲順がモーツァルト旧全集と新全集では入れ替わっています。過去に発売されているディスクによって曲番号の表記が異なりますのでご注意を。

<番号が入れ替わった曲>
 第8番(旧:K310→新:K311)
 第9番(旧:K311→新:K310)
第15番(旧:K545→新:K533/494)
第16番(旧:K570→新:K545)
第17番(旧:K576→新:K570)
第18番(旧:K533/494→新:K576)

それはともかく、気に入った演奏があれば、全集を幾つも購入したいところなのですが、自分の好みにピタリとハマる演奏は意外に少ないのが実情です。例えばグレン・グールドの演奏などは少しも楽しめず、嫌いと言って良いですし、アラウは音がゴツゴツでまるでベートーヴェン、内田光子やグルダもいま一つしっくりとは来ません。仲道郁代も好みとちょっと違います(美しいお姿は正に好みなのですが)。
恐らくは、モーツァルトのソナタは技巧的に余り難しく無いために、逆に演奏が難しいのだと思います。構造がシンプルであり”美の本質”しか感じさせないような曲は実は演奏が難しいのでしょうね。有名な「トルコ行進曲」も著名な演奏家が弾いてガタガタに感じられる例も少なくありません。

では、どのような演奏が自分の好みかと言えば、使用楽器はフォルテピアノでなくて構わないのですが、現代風の音では無くて1950~60年代風の比較的地味な音が好きです。弾き方はスタッカート気味で端正なものが好き。フレーズの最後の音をだらしなく伸ばすロマン派風の弾き方は好みません。テンポは中庸が良く、十六分音符を端折らないようになるべく厳格にリズムを刻んで欲しい。但し表現はクールよりもパッションを感じられる方が良いかも。
と、ざっとこんなイメージなのですが、気に入っている演奏が必ずしも多く当てはまるものでも無いような気がしますし、全て当てはまるからといって実際に気に入るかどうかは分かりません。結構いい加減です。(笑)

ともかく、数少ないお気に入りの演奏をご紹介してみようと思いますが、どういうわけか全集は全て女流演奏家です。モーツァルトのソナタを純粋に演奏しようとすると、女流の方が向いているのかもしれません。男性演奏家だとどうしても”力技”になってしまったり”邪念”が現れてしまう傾向が強い気がします。

―全集盤―

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イングリッド・ヘブラー(1963-1967年録音/タワーレコード:旧フィリップス原盤)

ヘブラーの両親はポーランド人ですが、ザルツブルグとウイーンで本格的に音楽を学んだ彼女はモーツァルトを最も得意としていました。これは比較的最近購入したもので、以前は原盤を持つ旧フィリップスで廃盤に近い扱いだったのを、タワーレコードが再発売してくれました。ありがとう、タワー!
全集を二度録音したヘブラーの一度目の全集ですが、その後DENONに録音した二度目のものは入手性が良いです。あえて旧盤を購入した理由は、この人の若い頃の演奏が好きだからです。特に新盤と聴き比べをしたわけではありません。
この演奏を例えて言うと、『自分が高校生ぐらいだとして、五~六歳年上の綺麗で優しくピアノがとても上手なお姉さんが家で弾いている』というそんなイメージ(空想?妄想?)が湧いてくるような演奏です。プロの演奏家がステージで聴かせるような表現意欲の旺盛さを全く感じない純真素朴な演奏です。どの曲もゆったりとしたテンポで正確な拍を刻み、十六分音符を明確に弾いてくれています。ピアノのスタッカート気味のタッチも力みが無く、正に珠を転がすような美しい音です。過剰な残響を付けない録音が実際に直ぐ目の前でピアノを弾いているような臨場感を与えてくれます。いいなぁ、この雰囲気。くつろいだ気分で聴くにはこれ以上の演奏は無いと思います。但し、第8番イ短調K310のようなドラマティックな曲はおっとりし過ぎて物足りないです。その他の曲でもおっとりした演奏は多いですが仕方ありません、”優しいお姉さん”ですから。それに、これが一番”ロココ”な雰囲気を感じさせてくれます。

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リリー・クラウス(1967-1968年録音/SONY盤)

ハンガリー生まれのリリー・クラウスは「モーツァルトは燃え立つ火です」と語ったそうですが、確かにこの人の演奏にはパッションの炎が感じられます。当時の演奏家としてはテンポの緩急の巾が大きく、ダイナミクスの変化にも激しさを見せます。但しそれも”当時としては”ということであり、現代の演奏家が大ホールに響き渡るような派手な演奏を恣意的に行っているものとは根本的に異なります。あくまでも演奏は自然体であり、内面から湧き上がる情熱という種類のものです。クラウスの音自体は、ヘブラーと同様に古典的なスタッカート気味の弾き方で、珠を転がすような美しい音です。
クラウスも全集を二度録音しましたが、1回目はモノラル録音なので、2回目のステレオ録音盤を愛聴しています。どういうわけか「クラウスの全集はモノラルの旧盤に限る」という評価が今だに横行しているようですが、それは昔のCDが「金だらいを叩いたような音」と某評論家氏に評されたからであって、現在のソニーのリマスター盤では充分に美しいピアノの音を味わえます。
繊細さではヘブラーに軍配が上がりますが、何と言ってもクラウスのパッションには強く惹き付けられます。神経質では無い思い切りの良さが有る意味”男性的”ですが、モーツァルトに対する途方も無く深い愛情を本質に持つので、荒っぽさは感じません。”肝っ玉母さんの深い愛”、正にそんな感じです。
とにかくどの曲を聴いていても少しも飽きることなく、モーツァルトの音楽がどんどんと心の中に浸みこんで来ます。自分の感性と相性が良いからだと思います。あのK310においても後述するリパッティに迫る素晴らしさだと思います。K331の「トルコ行進曲」も完璧な素晴らしさです。

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マリア・ジョアン・ピリス(1974年録音/DENON盤)

ピリスも女流とは言え、ヘブラーの”無心”の演奏に比べると、端々に表現意欲が感じられます。といってテンポやフォルムを崩したりはしないので、現代では希少とも思える純粋で美しいモーツァルトの演奏を聴くことが出来ます。それに積極的に”聴き込もう”と思う時には、確かにヘブラーより面白みが多く感じられます。アレグロのテンポは現代風に速めで歯切れが良いですし、フォルテの打鍵もかなり強調されます。ただ、極端というほどでは無く、若々しい高揚感が感じられていて良いです。決して古典派風のピアノ奏法を逸脱しているわけではありません。装飾音の弾き方は優雅でセンスが良く、”現代のロココ”を感じさせてくれます。古典的な造形性を重視していても、内面にはロマンティックな感情を一杯に押し込めているのも魅力的です。
ただ、一つ問題として「トルコ行進曲」が異常に遅いテンポで沈み込んだ演奏なのです。この解釈にはちょっと驚かされます。
ピリスも既に全集を二度録音しましたが、これは彼女がまだ20代の時に日本のイイノホールで録音された第1回目のもので、DENONによるデジタル録音がピアノの透明な音を綺麗に捉えてくれていてとても素晴らしいです。残響が多過ぎ無いのもメリットです。グラモフォンに録音した2回目の全集では、演奏家ピリスの表現(演出)意欲が増幅されていて個人的には好みません。
自分にとって、これがリファレンスかと聞かれれば”イエス”ではありませんが、ちょっと気分を変えて聴きたい時には非常に楽しませてくれる全集です。
現在ではブリリアントレーベルからライセンス盤が廉価で出ていますので解説書の不要な人にはお買い得だと思います。

というわけで、三女流による全集盤はどれも愛すべきもので、”優しいお姉様あるいは奥様タイプ”のヘブラー、”熱い不倫相手タイプ”のクラウス、”若々しさに惹かれる恋人タイプ”のピリスと、どのタイプも良いよなぁ・・・って一体何の話??

真面目な話に戻りますと、この三組に順序を付けるのは難しいです。ですが、強いて言えば1番リリー・クラウス、2番イングリッド・ヘブラー、3番マリア・ジョアン・ピリスというところです。あくまで個人的にですが。

―選集/単独盤―

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ヴィルヘルム・バックハウス(1955、1961、1966年録音/DECCA盤)

所謂「選集」というのはほとんど聴かないのですが、バックハウスのCDは例外です。第4番、第5番と、第10番から第12番までの3曲が収められています。但しLP時代には、1955年録音の第11番は含まれていませんでした。CD化されて名作が1枚で聴けるように便利になりました。アレグロ楽章では元気が良くて男性的だと言えるかもしれませんが、それでいて無神経で感受性に乏しい演奏とはまるで次元が異なります。緩徐楽章も決して神経質では無いのですが、バックハウス特有のおおらかさ、滋味深さが良く出ていてとても味わい深いです。特に、第11番K331の第1楽章の天国的な美しさなどはK595の第2楽章につながります。「トルコ行進曲」のリズムの良さと立派さにも惚れ惚れします。ウイーンの名器ベーゼンドルファーの柔らかい音を忠実に捉えたDECCAの録音も幾らか古くは成りましたが素晴らしいです。

4011790530123 ヴィルヘルム・バックハウス(1966年録音/オルフェオ盤) 
これはザルツブルグ音楽祭でのライブ録音で、第5番K283と第11番K331の2曲を弾いています(他にベートーヴェンのソナタ「熱情」、第32番op111なども)。
前述のDECCAのスタジオ録音盤と大きな違いは有りません。もちろんライブですので、スタジオ録音に比べれば造形や指回りに僅かの崩れは有りますが、高齢にもかかわらず明確に弾けていますし、逆に即興の味わいが加わるのが愉しいです。モノラルですが録音は良質ですし、バックハウスの晩年のライブが聴ける点でファンにとっては貴重です。

660 ヴィルヘルム・バックハウス(1969年録音/DECCA盤)
これこそは有名なバックハウスの最後の演奏会です。バックハウスはこの年の7月26日と28日にアルプス山麓の「ケルンテンの夏」音楽祭で行われたコンサートの二日目の演奏中に心臓発作を起こしました。それでも後半の曲目を変更して弾き終えたのですが、その僅か5日後に85歳で亡くなりました。このCDには26日に弾いた第11番K331が収められています。このコンサート自体が感動無くして聴くことは出来ないものですが、この曲を生涯最後まで弾き続けたレパートリーの一つとした理由が分かるような気がします。ミスタッチが全く無いわけではないですが、とても一週間後にこの世を去る人とは到底思えない生命力に満ちています。スタジオ録音とはまた別の名演奏だと思います。

51rogvpu3xl__sl500_aa300_ ディヌ・リパッティ(1950年録音/EMI盤) 
白血病のために僅か33歳でこの世を去った天才ピアニスト、リパッティが残した録音は決して多くは有りませんが、いずれもかけがえの無い遺産です。中でもモーツァルトのピアノ・ソナタイ短調K310は知る人ぞ知る名演中の名演で、リパッティの演奏が有るのでこの曲の人気がこれだけ高いのだと思います。リズム感や切れの良さはもちろん、音楽の呼吸や間合い、フレージングの良さなどが絶妙です。モノラル録音ですが、派手さの無い底光りするようなピアノの音色が心に浸み渡ります。この演奏を聴かずしてK310を語ることは絶対に不可能です。「仮に」の話、リパッティがモーツァルトのソナタ全集を録音していたら、きっと最高のものに成っていたのではないでしょうが。そう思えて仕方が有りません。

4ktddi44 ディヌ・リパッティ(1950年録音/EMI盤)
1950年9月16日、亡くなる二ヶ月前にブザンソンで行われたリパッティ最後の演奏会のライブ録音です。悪性リンパ腫の末期であった為、高熱と痛みに耐える注射を何本も打ちながら舞台に登ったそうです。死を覚悟しながらも、音楽家として生きた自分の命が完全に燃え尽きるまでは聴衆に演奏を聴かせようという壮絶なまでの使命感を感じずにはいられません。バックハウスの最後のライブ盤と並んで、音楽ファン必聴の記録です。K310についてはスタジオ盤よりもテンポが速めで何かに追われるような強い切迫感が有ります。こちらの演奏にも大いに惹かれますが、リファレンスにしたい完璧な演奏としてはやはりスタジオ盤が上げられます。ライブながら音質は明瞭でスタジオ盤に聴き劣りしません。

バックハウスの選集は曲目が非常に良くK310以外の名曲を網羅していますし、そのK310にはリパッティの名演が有ります。ですのでこの二枚だけ有れば、あえて全集を持っていなくても事が足りるかもしれません。それぐらいこの二人は素晴らしいと思います。男のモーツァルトもやっぱり良いです。

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モーツァルト(器楽曲)」カテゴリの記事

コメント

ハルくんさん、こんばんは。
モーツァルトのピアノソナタで まあ有名なのは 8、10、11、12、15番でしょうか。
確かに どの曲も魅力的ですが、私が好きな 作品は 3番と9番だったりします。
いかにも モーツァルトらしいメロディーの宝庫の 第3番、第2楽章 アンダンテの美しい 第9番ということになりますが、特に 9番のアンダンテは、私の 好きな「モーツァルトの楽章」で ハフナー・セレナーデの第6楽章と トップを争うほど大好きな曲です。
(ん~…我ながら かなりマニアック……。)
(笑)
私の所有している全集盤は ヘブラーの旧盤(ありがとう!タワー!(笑))と クラウスの 新旧 両盤ですが この3組だけで十分という気持ちになります。その他では やはり リバッティの8番、バックハウスの11番、ハスキルの10番 (ライブ)が忘れられません。
 
それから クラウスの新盤についてですが、有名批評家U氏の 例の「金ダライ」発言は あんまりだと思います。そもそも オーディオ装置によって CDの音は変わるものなので、U氏は 音の調整を怠った としか思えません。
私の そんなに高くない 装置で聴く クラウス新盤は 十分 美しいです。

投稿: ヨシツグカ | 2014年6月21日 (土) 20時35分

こんにちは。

モーツァルトのピアノソナタはあまり重要でないと思われるものも多いですが、8番と11番はやはりいいですね。ピアノを習う人は誰でも通る道ながら演奏は意外と難しいもので、アマチュアでトルコ行進曲やハ長調ソナタ(K. 545)がきれいに弾ける人は稀だと思います。

ヘブラーは存命のようですね。30年くらい前に生で聴きましたが、選曲が非常に柔らかい人ですよね。その日のメインはベートーヴェンのソナタ9番(ホ長調)だった記憶があります。

グールドはモーツァルトでとくに奇演・怪演が多いので好まれない方もおられるでしょう。実のところ、私はモーツァルトのピアノ曲はあまり好きではなく、個性的な演奏でないと間がもたなくなるので、なんだかんだといいながらグールドの全集はかなり聴いています。

投稿: NY | 2014年6月21日 (土) 22時04分

今晩は、ハルくんさん

CDを購入する時、いつの間にか買ってしまうのが、モーツァルト作品なんですね。ピアノ・ソナタも沢山の演奏家のものが集まってしまいます。
さて、モーツァルトのピアノ・ソナタに求めるものですが、私もほぼハルくんさんと同じようになります。例えば、ドビュッシーやラヴェルなら音質の悪さが鑑賞を邪魔しますが、モーツァルトやベートーヴェンなどは、殆ど影響ありませんね。私も、ヘブラー(旧)、クラウス(旧)、グールドなどの全集を持っています。また、バックハウスやリパッティも持っており、同じ感想です。
クラウスはEMIの韓国盤を持っており、モノでも十分鑑賞できます。確か、シャルランの録音と聞いていますが、SONY盤とは違う、フランスの香り?がします。モーツァルトを弾くというのは、本当に難しいと思います。普通に弾くと、時間を持て余すのか、つい装飾音を付けてしまいますが、これが曲者でロココ調にならない人が多いです。アルゲリッチが殆ど、モーツァルトをやらないのがよく解ります。
私が愛聴している盤は、ヘブラーの旧盤で8、10、11、15番の組み合わせのものと、ソナタではありませんが、「ピアノ小品集」というアルバムです。ここに収められている、ロンドニ長調K485は大好きな曲で、他にアダージョK540、ファンタジアK397,カプリッチオK395などがあります。これらの曲を聴くと、ヘブラーの素晴らしさが本当によくわかります。「モーツァルト弾き」とは彼女のことを指すのでしょう。その割にわが国では過小評価されていますねえ。残念です。
私は以前から演奏家の容貌(風貌、雰囲気?)と、演奏内容は関係があると思っています。ヘブラーも晩年に録音したモーツァルトはもう60年代とは全く違っていました。スリムなモーツァルトではなくなっていました。まさしく、晩年のヘブラーの容貌そのものです。

投稿: クレモナ | 2014年6月21日 (土) 22時13分

ヨシツグカさん、こんばんは。

確かにアンダンテ楽章には中々に効し難い魅力を持つものが有りますね。
「ハフナーセレナーデ」のアンダンテ!
正に珠玉の一品ですね。僕も大好きですよ。

クラウスの旧盤の演奏ももちろん良いと思いますが、新盤の音に不満を感じない以上、個人的には新盤のほうを上位にしたいという気持ちです。

バックハウスとリパッティは不滅ですね。
特にリパッティのK310は何という演奏なのでしょう!

投稿: ハルくん | 2014年6月21日 (土) 22時20分

NYさん、こんばんは。

トルコ行進曲やK545は難しいですよね。
アマチュアどころかプロでも意外に満足できない演奏は多いと思います。

ヘブラーの真骨頂はやはり優しい優雅な雰囲気の曲だと思います。正に「ロココ」という印象を受けてしまいます。

グールドのバッハは好きですけど、モーツァルトはどうも苦手です。モーツァルトのソナタが苦手に方には、逆に合うのでしょうか?(二重否定は肯定なのかも?)

投稿: ハルくん | 2014年6月21日 (土) 22時32分

クレモナさん、こんばんは。

モーツァルトやベートーヴェンの場合には、最新の優秀録音で現代的な楽器の響きを聴かされるとかえって抵抗を感じてしまいます。
やはり「ロココ」を感じられるような音と演奏が好きですね。

若い頃のヘブラーは素晴らしいですね。K310だけは少々おっとりし過ぎていて、リパッティやクラウスのほうが好きですが、それ以外の曲は本当に良いなぁ。

演奏家の容貌と演奏内容については、関係が有るような無いような・・・
難しいところですが、持っている雰囲気は関係あるような気もしますね。

投稿: ハルくん | 2014年6月21日 (土) 22時43分

ハルくんさん、こんばんは

どうしようかと思っていたリリー・クラウスのステレオによる全集盤を、このブログを見て、思い切って注文しました。

リパッティの演奏、バックハウスのトルコ行進曲付きも好きな演奏ですし、ケンプによるトルコ行進曲付きとK.310イ短調もよく聴いて来ました。

特に好んで聴いていたのは、エッシェンバッハが1964年に録音したK.333です。とても素直に弾いています。全集として1969年に録音し直した方は、少しわざとらしさを覚えます。1964年録音の方は、ギーゼキングの演奏にも似ていますが、さすがギーゼキング方は、淡々と弾く中で、いろいろな変化を覚えます。一方、エッシェンバッハの方は、爽やかさが魅力です。

リリー・クラウスのモノラル録音の方のK.333は、すごく恣意的な印象のある演奏で、聴いていて頭の中がグラグラします。この辺りが好みの影響なのだろうと思います。さて、ステレオ録音の方ではどうなるか、届くのが楽しみです。なお、リリー・クラウスによるモーツァルトのピアノ協奏曲(スタジオ、ステレオ録音)は、好んで聴いています。

投稿: HABABI | 2014年6月22日 (日) 22時41分

HABABIさん、こんばんは。

リリー・クラウスのステレオ盤は僕は大好きですが、聴き手の好みだけは実際に聴かれてみないと判りませんからね。

K333はそれほど良く聴く曲ではありませんが、やはりチャーミングな曲ですね。
クラウスが問題となるとすれば終楽章でしょうか。ステレオ盤も”無心”で弾いているとは言い切れなさそうです。”恣意的”とまでは思わないのですが。
とにかく聴かれてみて下さい。ご感想記事を楽しみにしています。

ステレオ録音の協奏曲も好きですが、オーケストラ伴奏がちょっと粗いのが残念ですね。

投稿: ハルくん | 2014年6月22日 (日) 23時19分

ハルくんさん、リリー・クラウスの弾くK.333を確認してくださり、ありがとうございます。

昔買ったLPが1枚出て来ましたので、小生のブログに感想を書いてみました。宜しければ、ご覧下さい。HABABI

投稿: HABABI | 2014年6月23日 (月) 10時32分

 ハルくんさん、こんばんは。お久しぶりです。
 モーツァルトは難しいと私も思います。音に深みがないとお話にならないのではないでしょうか。ハルくんさんが挙げられているピアニストもすばらしい音を出す人ばかりですね(1曲だけとはいえリパッティの伝説的名演はやはり外せませんね)。
 女性ピアニストの方があっているのでは、というご意見には一理あると感じましたが、男性の演奏もなかなか捨てたものではないと私は思います。私は往年の名ピアニスト、ワルター・クリーンの演奏が好きです。確か、昔NHKの番組でモーツァルト演奏の講師を務めていたと記憶していますが、さすがというべきでしょうか、私の中では彼のモーツァルトが最も純粋です。

投稿: ぴあの・ぴあの | 2014年6月23日 (月) 22時50分

ぴあの・ぴあのさん、こんにちは。
ご無沙汰しましたが、お元気そうで何よりです。

ワルター・クリーンさんは”クリーン”の名前の通り純粋で美しいモーツァルトを弾きますね。スタイルとしてはカーゾンに近いように思います。やはり”クセ”のあるモーツァルトよりも彼らのようなオーソドックスな演奏が好きです。
クリーンさんのソナタ集は持っていませんが、機会あれば入手したいです。
ご紹介ありがとうございました。

投稿: ハルくん | 2014年6月24日 (火) 11時29分

はじめまして、よろしくお願いします。
ピリスさんの演奏は、感受性の鋭い人の演奏で良い演奏だと思います。リパッティの演奏は非常に高貴であり、ペルルミュテールの演奏は謙虚で嘘が無く音が美しく素晴らしいです。
グールドさんの演奏は、他の人の演奏と同じ次元で考えることは出来ないと思います。早過ぎたり遅すぎたり、音量のバランスが悪かったり・・・。しかし、ピアニストのグールドさんの存在は、途方も無く大きくて、西洋音楽史上の一つのイベントです。モーツアルトのピアノソナタを、演奏様式上の実験の食材と考えています。クレメンティやクーラウじゃあ役不足です。実験ですから、安定せず、要するに聞き手が試されている訳です。良いとか悪いとかを論じている人は、残念ですが、演奏の意味が理解できなかったのでしょう。
モーツアルトのピアノソナタは、練習曲では無くて、演奏会場でピアニストが演奏するに足る、曲集なのです。その為の、再評価の為の再評価の試みです。彼の録音は、いずれ来る、未来の名演奏の為の、汲めども尽きないアイデアと意欲の「源泉」と思われます。
楽しみ方は自由ですが、音楽を聴く事の意味も、多様になっているのが現代なのです。伝統は、その事をも、飲み込んで行くのです。

投稿: unknown | 2014年8月29日 (金) 22時24分

unknownさん、はじめまして。
せっかく非常に興味深いご意見を頂いたのにお名前が無く残念です。実名の必要は有りませんので次回は是非お書きください。

もちろんモーツァルトのピアノソナタは素晴らしいコンサートピースだと思っています。(人によってはそうでない方もおられるかもしれませんが)
グールドが才気或る演奏家というのも認めるところです。実際にバッハ演奏などは実に素晴らしいですね。
しかし、彼のモーツァルトの演奏が楽しめるか楽しめないかは、聴き手によります。楽しめない方が(自分のごとく)、『いずれ来る未来の名演奏の為の演奏様式上の実験』のために耳に無理をさせて聴く必要も無いという気がします。
グールドの演奏が無理なく楽しめる、あるいは実験として楽しめる、という方が鑑賞すれば良いと思います。おっしゃる通り、楽しみ方は自由ですので、無理をしてまで理解しようとしないのも、それもまた自由なのではないでしょうか。
楽しく無ければ(少なくとも自身にとっては)「音楽」ではない。そんな気もするのですが。

しかし、それはともかく本当に興味深いご意見を頂きましてありがとうございました。

投稿: ハルくん | 2014年8月30日 (土) 11時26分

ハルさん今晩は

1970年代の初めの頃京都会館でへブラーのK331の演奏を聴きました。パンフレットの顔写真から、この人は男と思って行ったところドレスを着た人が現れたのでびっくりした記憶があります。そのときの第一楽章の短調の第3変奏が単調に弾かれ、そのためかとても美しく聞こえ、これがモーツアルトの悲しみかと、ちょうどその頃読んだ小林秀雄の道頓堀で聞こえた40番交響曲についての「疾走悲しみ」という解説を納得したような気になりました。その後へブラーのレコードを買って聴いたところ第三変奏は演奏会と同じように聞こえました。その後私にとってのK331はこの変奏がどのように弾かれているかが良し悪しの基準となりましたが、未だにこのへブラーの演奏を超える物に出会っておりません。グールド論外、ピリスのK331を2枚持っていますが、だめです。内田版だめ、リリークラウスもだめだだったと思います。へブラーのデノン版もフィリップス版に比べると早くなっており、悪くなっています。ゆっくりと単調に演奏することで、感傷的な悲しみをかくも美しく表現したへブラーは天性のモーツアルト弾きだったと信じています。音楽の友社の21世紀の名曲名盤のK331にはへブラーのフィリップス版が12番目に上げられていますが、グラムホンやペンギン名盤ガイドブックの中にへブラーの名前はありません。残念です。

投稿: takikura | 2014年12月 8日 (月) 05時13分

takikuraさん、こんにちは。
コメントを頂きましてありがとうございます。

若い頃のヘブラーの実演をお聴きになられたのですね。素晴らしい体験ですね。
彼女のソナタ全集は、現在は再録音盤のほうが一般的ですが、自分は所有していません。
というのも協奏曲などの演奏を聴いても、どうしても若い頃の演奏のほうに魅力を感じるからです。旧録音盤が埋もれた存在なのは実に勿体無い話ですね。
ただ、自分はリリー・クラウスの演奏も非常に好きではありますが。

投稿: ハルくん | 2014年12月 8日 (月) 18時54分

ハルくん様、はじめまして
愚生がモーツァルトのピアノ・ソナタ全集で、愛聴しておりますのはEMI原盤の、ツァハリアスです。クリュイタンスのベートーヴェン交響曲全集、クレンペラーのマーラー交響曲集と同一シリーズの白と赤の二色刷ケースに、収められて居るものです。
端正で気取りの無い自然体の音楽で、あるがままに曲を愛でるには、これと思っております。
LPで、ギーゼキングやグールドも分売の内の一枚をお試し(笑)してみましたが、全曲購入は見送りました。尤も後者は柴田南雄さんが、作曲に例えるとケージの4分33秒を演奏の領域でやってのけた訳で、伝統から隔絶した所で新たな演奏様式を打ち立てたと、称賛しておいででしたが、良さが判りませんでした(笑)。それでは。

投稿: リゴレットさん | 2018年2月11日 (日) 14時09分

リゴレットさん、こんにちは。
ご投稿ありがとうございます。大変うれしく思います。

ツァハリアスは何かの室内楽を聴いたような気がしますが、実は余り印象には残っていません。モーツァルトは良いですか?

ギーゼキングはその後全集盤を購入しているのですが、記事にアップするほど聴きこんでいません。
グールドは私も苦手ですね。全集を買う元気はちょっとありません。
他にもまだ色々と聴いてはみたいのですが追いついていません。

いつでもまたお気軽に書き込み下さい。
今後とも宜しくお願い致します!

投稿: ハルくん | 2018年2月13日 (火) 12時44分

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