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2014年6月

2014年6月29日 (日)

地域コミュニティの音楽鑑賞会

昨日の夕方、東京世田谷区に有る「シェア奥沢」というコミュニティスペースで、クラシック音楽鑑賞会が開かれました。こちらは使用されなくなった空き家を利用して様々なコミュニティ活動を行っているということで注目されているそうです。

ひょんなご縁から音楽鑑賞会のプログラムの企画と曲目解説という大役を仰せつかって、昨日はその第一回だったのですが、たまたま昨日はNHKから取材クルーが来て、どのように空き家を有効活用してコミュニティ活動に取り組んでいるかを取材してゆきました。

鑑賞会そのものがテーマというわけでは無いので、どんな風に編集されるのかは分かりませんが、あす6月30日(月)午後4:55から「ゆうどき」というテレビ番組で放送されますので、お時間が有る方は良かったらご覧になられてみてください。一応全国放送みたいです。

ちなみに、昨日のテーマは「バロック音楽」です。自分が選りすぐった名曲の数々から聴きどころを抜粋してお聴きいただきました。参加者からはとても好評で、今後毎月開催してゆくことになりました。

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2014年6月27日 (金)

ハンガリー国立フィル 2014日本公演 ~小林研一郎のチャイコフスキー~

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ハンガリー国立フィルはハンガリーを代表するオーケストラですが、以前はハンガリー国立交響楽団の名称で呼ばれていました。コバケン(小林研一郎)がかつて音楽監督を務めたことでも知られています(現在は桂冠指揮者)。もう十数年も前にこのコンビで来日してマーラーの「復活」を聴かせてくれましたが、その素晴らしい演奏を忘れることは出来ません。

コバケンがブダペスト指揮者コンクールに優勝して今年でちょうど40周年なのですね。コンクール以降、ハンガリーですっかり人気指揮者となったコバケンでしたが、よほどハンガリーの国民気質と合ったのでしょう。いわゆるマジャール気質ですね。良く分る気がします。(笑)

そのハンガリー国立フィルが再び来日してくれて、コバケンの指揮するコンサートが昨夜サントリーホールで有りましたので聴きに出かけました。何か、しばらくぶりに旧友に会うような嬉しさで一杯でした。

客席はほぼ満席でした。やはりコバケンは人気が有りますね。

それにしてもコバケンももう74歳ですが、ステージに上がると全く(!)年齢を感じさせません。小走りに登場して指揮台に登り、大きくうなり(笑)、エビぞりになって(笑)、ダイナミックに(笑)指揮します。本当に驚きですね。

昨夜のプログラムは、下記の通りです。
グリンカ ルスランとリュドミラ序曲
チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲
チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」

まぁ定番のロシアン・プログラムですが、コバケンとハンガリアン・フィルのマジャール・コンビの演奏にも大いに期待しました。ちなみに協奏曲の独奏は千住真理子さんです。

さて、コンサートですが、グリンカは前プロですし、ウォーミングアップということで良かったように思います。

ヴァイオリン協奏曲では千住さんが真紅のドレスで登場して来ました。彼女は中々に好み(何が?)なので、どんなドレスで登場するか毎回楽しみです。何歳になっても知的で可愛らしい印象が変わらないで良いですねぇ(ドキドキ♡)
演奏については、やはりこの曲は難曲だなぁという印象。技巧だけでも大変だけど、音楽の魅力を引き出すのがまた大変。ロシアの巨匠が弾いてようやく本当の魅力が現れるというように思います。千住さん、頑張って弾いていたので、心の中で一生懸命応援しましたが、やはり曲が難曲過ぎる。でもイイんです。あの美しいお姿を見ているだけでも充分に満足です。
オーケストラは第一楽章の途中までは響きが今一つだったかもしれませんが、中盤過ぎから響いてきましたね。あの暗めだけれど芳醇な懐かしい音が響いてきました。あー、これこれ、これがマジャールの音!

プログラム後半の「悲愴」は聴きものでした。1楽章途中のアレグロヴィーヴォからの壮大なカタルシス!さすがはコバケンです。
2楽章も美しかったですが、三楽章のマーチは凄まじい迫力でした。でもオーケストラが単に音響的に鳴っている虚しい迫力とは異なります。
しかし本当の聴きものは終楽章です。パッションが籠りきった分厚い音の奔流に圧倒されました。全ての物を流し去るような凄みが有りました。
テミルカーノフとサンクトべテルブルグ・フィルの実演の「悲愴」は衝撃的でしたが、その次に感動した演奏だったように思います。

アンコールはブラームスのハンガリア舞曲から第1番と第5番です。わざわざコバケンが「変わった演奏です」と前置きを置いて演奏されましたが、本当にデフォルメが凄かったです。それはまるでハンガリーのジプシーがヴァイオリンを自由自在に演奏する様な趣でした。パーヴォ・ヤルヴィがフランクフルト放送響と聴かせてくれた同曲のアンコール演奏もデフォルメが圧巻でしたが、ジプシーの情念を濃厚に感じさせてくれる点で、昨夜のコバケンに軍配を上げたいと思います。なにせ演奏するメンバーは皆ジプシーの子孫達ですものね。

このコンビの演奏はまた聴けるチャンスが有るでしょうか。有ると良いなぁ。

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2014年6月25日 (水)

2014ワールドカップ 日本対コロンビア戦

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    岡崎選手のヘディングによる唯一の得点

日本は頑張って戦いましたが、やはり1次リーグで敗退しましたね。前半こそ1-1で折り返して後半の”奇跡”に期待しましたが、結局は1-4で敗れました。それでも不完全燃焼に終わった感の有る先の2試合よりはずっと楽しめました。それにしても、コロンビアはメンバーを落とした1.5軍であるにもかかわらず強かったですね。
ちなみにC組の現在のFIFAランキングです。
コロンビア       8位
ギリシア       12位
コートジボワール 23位
日本            46位

ランキングは余り当てにならないとも言われますが、やっぱり当てになる気がします。アジアのチームのランクが非常に低いのも、今回のワールドカップを観ていると納得してしまいます。なにしろアジアのチームの苦戦ぶりが目立ち過ぎていますから。日本と世界とに差が有るのではなくて、アジア全体が世界との差が有るのですね。
何しろ個の力の差が歴然です。”連動性”を生かした日本らしいサッカーで何度も何度も攻め立てても点が取れないのに、個人技で一瞬に得点されては敵いません。日本が個の力でも点を取れるようになるにはこの先何年かかるでしょう。
でも、必ずしも悲観しているわけではありません。アジアでトップの力を保持すれば、とりあえずはワールドカップに出場できるのですから。3試合を観戦できただけでも幸せです。世界にはかつての日本のように出場も出来ない国が数多く有るのですからね。ですから、選手たちには3試合とも「負けてもともと」ぐらいの気持ちでポジティブに試合をしてほしかったです。

それでも日本の選手のレベル全体が進歩しているのは確かなので、いつか本当の意味で世界に通用する選手が何人も出て、チームとして世界の強豪の相手になるような時代を夢見たいものです。
また4年後を楽しみに待ちましょう。

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2014年6月21日 (土)

モーツァルト ピアノ・ソナタ 全集他 名盤

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モーツァルトの作品ではオペラと宗教曲は別として、それ以外のジャンルではやはりピアノのための作品に優れた曲が多いように思います。ことにピアノ協奏曲は正に百花繚乱で、「優れた曲が良くもまぁ、こんなにも。」と思わずにはいられません。それに比べればピアノ・ソナタは幾らか見劣りはしますが、モーツァルティアンにとっては、やはりかけがえのないジャンルです。

全部で18曲有るピアノ・ソナタの中で、特に人気が高い曲と言えば、シンフォニーになぞらえてみると交響曲第25番ト短調に相当するイ短調K310、それにK331「トルコ行進曲付き」でしょう。ピアノの初心者が習う”小ソナタ”ハ長調K545ももちろん良く知られています。また初期の作品の中にも第4番変ホ長調K282や第5番ト長調K283などの名作が含まれます。
しかし、やはり音楽の充実度では、1784年にウイーンのアルタリア社から出版された第10番ハ長調K330、第11番イ長調K331、第12番ヘ長調K332、の3曲が断然際立っています。自分でも最も好んでいる3曲です。

なお補足として、曲番号表記の場合、第8番と第9番、それに第15番以降の曲順がモーツァルト旧全集と新全集では入れ替わっています。過去に発売されているディスクによって曲番号の表記が異なりますのでご注意を。

<番号が入れ替わった曲>
 第8番(旧:K310→新:K311)
 第9番(旧:K311→新:K310)
第15番(旧:K545→新:K533/494)
第16番(旧:K570→新:K545)
第17番(旧:K576→新:K570)
第18番(旧:K533/494→新:K576)

それはともかく、気に入った演奏があれば、全集を幾つも購入したいところなのですが、自分の好みにピタリとハマる演奏は意外に少ないのが実情です。例えばグレン・グールドの演奏などは少しも楽しめず、嫌いと言って良いですし、アラウは音がゴツゴツでまるでベートーヴェン、内田光子やグルダもいま一つしっくりとは来ません。仲道郁代も好みとちょっと違います(美しいお姿は正に好みなのですが)。
恐らくは、モーツァルトのソナタは技巧的に余り難しく無いために、逆に演奏が難しいのだと思います。構造がシンプルであり”美の本質”しか感じさせないような曲は実は演奏が難しいのでしょうね。有名な「トルコ行進曲」も著名な演奏家が弾いてガタガタに感じられる例も少なくありません。

では、どのような演奏が自分の好みかと言えば、使用楽器はフォルテピアノでなくて構わないのですが、現代風の音では無くて1950~60年代風の比較的地味な音が好きです。弾き方はスタッカート気味で端正なものが好き。フレーズの最後の音をだらしなく伸ばすロマン派風の弾き方は好みません。テンポは中庸が良く、十六分音符を端折らないようになるべく厳格にリズムを刻んで欲しい。但し表現はクールよりもパッションを感じられる方が良いかも。
と、ざっとこんなイメージなのですが、気に入っている演奏が必ずしも多く当てはまるものでも無いような気がしますし、全て当てはまるからといって実際に気に入るかどうかは分かりません。結構いい加減です。(笑)

ともかく、数少ないお気に入りの演奏をご紹介してみようと思いますが、どういうわけか全集は全て女流演奏家です。モーツァルトのソナタを純粋に演奏しようとすると、女流の方が向いているのかもしれません。男性演奏家だとどうしても”力技”になってしまったり”邪念”が現れてしまう傾向が強い気がします。

―全集盤―

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イングリッド・ヘブラー(1963-1967年録音/タワーレコード:旧フィリップス原盤)

ヘブラーの両親はポーランド人ですが、ザルツブルグとウイーンで本格的に音楽を学んだ彼女はモーツァルトを最も得意としていました。これは比較的最近購入したもので、以前は原盤を持つ旧フィリップスで廃盤に近い扱いだったのを、タワーレコードが再発売してくれました。ありがとう、タワー!
全集を二度録音したヘブラーの一度目の全集ですが、その後DENONに録音した二度目のものは入手性が良いです。あえて旧盤を購入した理由は、この人の若い頃の演奏が好きだからです。特に新盤と聴き比べをしたわけではありません。
この演奏を例えて言うと、『自分が高校生ぐらいだとして、五~六歳年上の綺麗で優しくピアノがとても上手なお姉さんが家で弾いている』というそんなイメージ(空想?妄想?)が湧いてくるような演奏です。プロの演奏家がステージで聴かせるような表現意欲の旺盛さを全く感じない純真素朴な演奏です。どの曲もゆったりとしたテンポで正確な拍を刻み、十六分音符を明確に弾いてくれています。ピアノのスタッカート気味のタッチも力みが無く、正に珠を転がすような美しい音です。過剰な残響を付けない録音が実際に直ぐ目の前でピアノを弾いているような臨場感を与えてくれます。いいなぁ、この雰囲気。くつろいだ気分で聴くにはこれ以上の演奏は無いと思います。但し、第8番イ短調K310のようなドラマティックな曲はおっとりし過ぎて物足りないです。その他の曲でもおっとりした演奏は多いですが仕方ありません、”優しいお姉さん”ですから。それに、これが一番”ロココ”な雰囲気を感じさせてくれます。

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リリー・クラウス(1967-1968年録音/SONY盤)

ハンガリー生まれのリリー・クラウスは「モーツァルトは燃え立つ火です」と語ったそうですが、確かにこの人の演奏にはパッションの炎が感じられます。当時の演奏家としてはテンポの緩急の巾が大きく、ダイナミクスの変化にも激しさを見せます。但しそれも”当時としては”ということであり、現代の演奏家が大ホールに響き渡るような派手な演奏を恣意的に行っているものとは根本的に異なります。あくまでも演奏は自然体であり、内面から湧き上がる情熱という種類のものです。クラウスの音自体は、ヘブラーと同様に古典的なスタッカート気味の弾き方で、珠を転がすような美しい音です。
クラウスも全集を二度録音しましたが、1回目はモノラル録音なので、2回目のステレオ録音盤を愛聴しています。どういうわけか「クラウスの全集はモノラルの旧盤に限る」という評価が今だに横行しているようですが、それは昔のCDが「金だらいを叩いたような音」と某評論家氏に評されたからであって、現在のソニーのリマスター盤では充分に美しいピアノの音を味わえます。
繊細さではヘブラーに軍配が上がりますが、何と言ってもクラウスのパッションには強く惹き付けられます。神経質では無い思い切りの良さが有る意味”男性的”ですが、モーツァルトに対する途方も無く深い愛情を本質に持つので、荒っぽさは感じません。”肝っ玉母さんの深い愛”、正にそんな感じです。
とにかくどの曲を聴いていても少しも飽きることなく、モーツァルトの音楽がどんどんと心の中に浸みこんで来ます。自分の感性と相性が良いからだと思います。あのK310においても後述するリパッティに迫る素晴らしさだと思います。K331の「トルコ行進曲」も完璧な素晴らしさです。

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マリア・ジョアン・ピリス(1974年録音/DENON盤)

ピリスも女流とは言え、ヘブラーの”無心”の演奏に比べると、端々に表現意欲が感じられます。といってテンポやフォルムを崩したりはしないので、現代では希少とも思える純粋で美しいモーツァルトの演奏を聴くことが出来ます。それに積極的に”聴き込もう”と思う時には、確かにヘブラーより面白みが多く感じられます。アレグロのテンポは現代風に速めで歯切れが良いですし、フォルテの打鍵もかなり強調されます。ただ、極端というほどでは無く、若々しい高揚感が感じられていて良いです。決して古典派風のピアノ奏法を逸脱しているわけではありません。装飾音の弾き方は優雅でセンスが良く、”現代のロココ”を感じさせてくれます。古典的な造形性を重視していても、内面にはロマンティックな感情を一杯に押し込めているのも魅力的です。
ただ、一つ問題として「トルコ行進曲」が異常に遅いテンポで沈み込んだ演奏なのです。この解釈にはちょっと驚かされます。
ピリスも既に全集を二度録音しましたが、これは彼女がまだ20代の時に日本のイイノホールで録音された第1回目のもので、DENONによるデジタル録音がピアノの透明な音を綺麗に捉えてくれていてとても素晴らしいです。残響が多過ぎ無いのもメリットです。グラモフォンに録音した2回目の全集では、演奏家ピリスの表現(演出)意欲が増幅されていて個人的には好みません。
自分にとって、これがリファレンスかと聞かれれば”イエス”ではありませんが、ちょっと気分を変えて聴きたい時には非常に楽しませてくれる全集です。
現在ではブリリアントレーベルからライセンス盤が廉価で出ていますので解説書の不要な人にはお買い得だと思います。

というわけで、三女流による全集盤はどれも愛すべきもので、”優しいお姉様あるいは奥様タイプ”のヘブラー、”熱い不倫相手タイプ”のクラウス、”若々しさに惹かれる恋人タイプ”のピリスと、どのタイプも良いよなぁ・・・って一体何の話??

真面目な話に戻りますと、この三組に順序を付けるのは難しいです。ですが、強いて言えば1番リリー・クラウス、2番イングリッド・ヘブラー、3番マリア・ジョアン・ピリスというところです。あくまで個人的にですが。

―選集/単独盤―

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ヴィルヘルム・バックハウス(1955、1961、1966年録音/DECCA盤)

所謂「選集」というのはほとんど聴かないのですが、バックハウスのCDは例外です。第4番、第5番と、第10番から第12番までの3曲が収められています。但しLP時代には、1955年録音の第11番は含まれていませんでした。CD化されて名作が1枚で聴けるように便利になりました。アレグロ楽章では元気が良くて男性的だと言えるかもしれませんが、それでいて無神経で感受性に乏しい演奏とはまるで次元が異なります。緩徐楽章も決して神経質では無いのですが、バックハウス特有のおおらかさ、滋味深さが良く出ていてとても味わい深いです。特に、第11番K331の第1楽章の天国的な美しさなどはK595の第2楽章につながります。「トルコ行進曲」のリズムの良さと立派さにも惚れ惚れします。ウイーンの名器ベーゼンドルファーの柔らかい音を忠実に捉えたDECCAの録音も幾らか古くは成りましたが素晴らしいです。

4011790530123 ヴィルヘルム・バックハウス(1966年録音/オルフェオ盤) 
これはザルツブルグ音楽祭でのライブ録音で、第5番K283と第11番K331の2曲を弾いています(他にベートーヴェンのソナタ「熱情」、第32番op111なども)。
前述のDECCAのスタジオ録音盤と大きな違いは有りません。もちろんライブですので、スタジオ録音に比べれば造形や指回りに僅かの崩れは有りますが、高齢にもかかわらず明確に弾けていますし、逆に即興の味わいが加わるのが愉しいです。モノラルですが録音は良質ですし、バックハウスの晩年のライブが聴ける点でファンにとっては貴重です。

660 ヴィルヘルム・バックハウス(1969年録音/DECCA盤)
これこそは有名なバックハウスの最後の演奏会です。バックハウスはこの年の7月26日と28日にアルプス山麓の「ケルンテンの夏」音楽祭で行われたコンサートの二日目の演奏中に心臓発作を起こしました。それでも後半の曲目を変更して弾き終えたのですが、その僅か5日後に85歳で亡くなりました。このCDには26日に弾いた第11番K331が収められています。このコンサート自体が感動無くして聴くことは出来ないものですが、この曲を生涯最後まで弾き続けたレパートリーの一つとした理由が分かるような気がします。ミスタッチが全く無いわけではないですが、とても一週間後にこの世を去る人とは到底思えない生命力に満ちています。スタジオ録音とはまた別の名演奏だと思います。

51rogvpu3xl__sl500_aa300_ ディヌ・リパッティ(1950年録音/EMI盤) 
白血病のために僅か33歳でこの世を去った天才ピアニスト、リパッティが残した録音は決して多くは有りませんが、いずれもかけがえの無い遺産です。中でもモーツァルトのピアノ・ソナタイ短調K310は知る人ぞ知る名演中の名演で、リパッティの演奏が有るのでこの曲の人気がこれだけ高いのだと思います。リズム感や切れの良さはもちろん、音楽の呼吸や間合い、フレージングの良さなどが絶妙です。モノラル録音ですが、派手さの無い底光りするようなピアノの音色が心に浸み渡ります。この演奏を聴かずしてK310を語ることは絶対に不可能です。「仮に」の話、リパッティがモーツァルトのソナタ全集を録音していたら、きっと最高のものに成っていたのではないでしょうが。そう思えて仕方が有りません。

4ktddi44 ディヌ・リパッティ(1950年録音/EMI盤)
1950年9月16日、亡くなる二ヶ月前にブザンソンで行われたリパッティ最後の演奏会のライブ録音です。悪性リンパ腫の末期であった為、高熱と痛みに耐える注射を何本も打ちながら舞台に登ったそうです。死を覚悟しながらも、音楽家として生きた自分の命が完全に燃え尽きるまでは聴衆に演奏を聴かせようという壮絶なまでの使命感を感じずにはいられません。バックハウスの最後のライブ盤と並んで、音楽ファン必聴の記録です。K310についてはスタジオ盤よりもテンポが速めで何かに追われるような強い切迫感が有ります。こちらの演奏にも大いに惹かれますが、リファレンスにしたい完璧な演奏としてはやはりスタジオ盤が上げられます。ライブながら音質は明瞭でスタジオ盤に聴き劣りしません。

バックハウスの選集は曲目が非常に良くK310以外の名曲を網羅していますし、そのK310にはリパッティの名演が有ります。ですのでこの二枚だけ有れば、あえて全集を持っていなくても事が足りるかもしれません。それぐらいこの二人は素晴らしいと思います。男のモーツァルトもやっぱり良いです。

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2014年6月20日 (金)

2014ワールドカップ 日本対ギリシャ戦

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試合が終わりました。痛恨のドロー。
4年間楽しみに待ち続けた試合がこんな程度かとガッカリする様なドキドキ感に乏しい内容でした。ボール支配率が70%といっても、守備を固めて相手にボールを持たせる戦法のギリシャ相手ですからね。持てて当たり前です。

しかし、10人で戦ってフラフラになり足が止まったギリシャに対して、最後にどうしてロングクロスばかり上げ続けたのでしょうね?ギリシャは背が高く空中戦は不利だと判り切っていたのに何度もクロスを送っては跳ね返されてばかりでした。ギリシャの守備の思う壺だったような・・・
最後は得点が入る予感が全くしませんでしたね。まるで日本自らが引分け狙いに行ったような戦い方でした。解説者が口をそろえて言っていた通りです。

スピードもパワーも無く一撃で相手を仕留める能力の乏しい日本はいわば農耕民族型。相手の足元からすくう地を這うようなグラウンダーで攻めてゆくのが効果的でしょうに、ギリシャの得意なグレコローマン・スタイルのレスリングを挑んだような気がします。

ただ、負けなかったのはせめてもの慰めですね。可能性を僅かでも残して次の試合が見られますからね。二試合で一次リーグの敗退が決まったスペインやイングランドに比べればだいぶマシかな。
こうなったらコロンビア戦の奇跡に期待しましょう。

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2014年6月17日 (火)

モーツァルト ピアノ協奏曲第20、23、24、25番 イヴァン・モラヴェツ&ネヴィル・マリナー/アカデミー室内管

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チェコ出身のピアニストであるイヴァン・モラヴェツは、それほど人気の有る存在だとは言えないでしょう。戦後に活躍したチェコのピアニストというとヤン・パネンカが有名ですが、個人的には知名度の点で劣るルドルフ・フィルクスニーとか、このイヴァン・モラヴェッツのほうがずっと実力のあるピアニストだと思っています。モラヴェッツの録音では、ブラームスのピアノ協奏曲第1番と第2番が冴えたテクニックに加えて、名人芸と呼べる雄弁な語り口で非常に魅力的でした。

そのモラヴェッツが、サー・ネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管のオーケストラ伴奏で録音したモーツァルトの4曲の協奏曲集が有ります。元々は第20番+23番と第24番+25番の各1枚づつのCDでリリースされたものですが、現在は2枚組で購入できるのでお買い得です。

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ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491
ピアノ協奏曲第25番ハ長調 K.503
イヴァン・モラヴェツ(ピアノ)
サー・ネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管
録音1997年(20、23番)、1995年(24、25番)
録音場所:ロンドン
(ヘンスラー盤)

モラヴェッツはとても理知的な演奏家のようで、モーツァルトの場合には、ブラームス演奏で見せたような大胆な表現は影を潜め、ずっと控え目で古典的な造形性を守っています。ですので、何気なく聴いていると気付かないぐらいの微細なニュアンスの変化に留めています。

比較的新しい録音ですので、モラヴェッツのピアノの硬質で澄んだ音色が良く捉えられています。ちょっとブレンデルの音を連想します。録音全体の響きとしては柔らかくとても美しいです。タッチは切れが良くリズム感が抜群で、全く崩れが有りません。それでいてメカニカルな印象を受けないのも長所です。またフォルテで打鍵が強過ぎにならないのも現代のヴィルトゥオーゾ・ピアニストたちとは一線を画した良識を感じます。

ネヴィル・マリナーの伴奏指揮は例によって無駄な力みが無く、特別な個性を持たないオーソドックスなものですが、その分モラヴェッツのピアノを押しのける様な真似はしませんし、最上の引立て役に徹しています。誤解が有るといけませんが、もちろん演奏に気合が入っていないわけでは有りません。必要十分な迫力を持ち合わせています。テンポの設定も中庸でイン・テンポをきっちりと守っていますので安心して聴いていられます。

収録された4曲の演奏はどれも完成度が高いと言えますが、特に第25番は同曲の最上位に位置する美演かもしれません。これまではハイドシェックの古いEMI録音を好んでいましたが、茶目っ気たっぷりで悪戯者のハイドシェックに対して、モラヴェッツはもっと王道を行く演奏です。ところが音楽の愉悦感においてはハイドシェックに優るとも劣らず、あの野暮ったいモラヴェッツの顔つきからはとても想像が出来ないほどです。やはりピアノは顔で弾くものではありませんね。指揮は顔でするものですけれど(棒で指揮しているうちは大巨匠には成れません??)。マリナー/アカデミーの伴奏も美しく非常に素晴らしいです。

それ以外では第20番が気に入りました。節度のあるロマンティシズムと陰りが曲そのものの美しさを強く感じさせてくれます。同じ短調曲の第24番もやはり素晴らしく、曲の性格から第20番よりもロマンティック度は増しています。
残る長調曲の第23番は、幾らかタッチが重く感じるのと終楽章がやや男性的過ぎなのが気になりますが、均整のとれた演奏です。

とにかく、どの曲も水準の高いモーツァルト演奏ですので、もっと多くの人に聴いてほしいと思います。

<関連記事>
ブラームス ピアノ協奏曲第1番 名盤
ブラームス ピアノ協奏曲第2番 名盤

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2014年6月16日 (月)

韓国が行っている「現代の性奴隷」とは

「SAPIO」の雑誌記事からです。

韓国人が世界の女性を「現代の性奴隷」にしている!

ベトナム戦争に派兵をして虐殺や強姦行為を繰り広げたと言われている韓国ですが、自国ではアメリカからも指摘を受けている女性の人権侵害を行なっているようです。日本に対して慰安婦問題でイチャモンを付け続けているこの隣国の厚顔無恥ぶりは一体どうなっているのでしょうか。
クマモンは良いですが、イチャモンは困ります。

そういえば河野談話の政府再調査の報告期限は今月22日ですが、国民に対して調査結果を包み隠さず公表することを期待します。韓国政府が公表の前から早くもイチャモンを付けているそうですが、日本政府の相手国に対する過剰な配慮や遠慮が必ずしも良い結果をもたらすとは限りません。これまでの失敗に学ぶべきです。

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2014年6月15日 (日)

2014ワールドカップ 日本対コートジボワール戦

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            ドログバ、香川、本田

ついに4年間待ちに待った瞬間です!2014ワールドカップ 日本の初戦、コートジボワール戦が行われました。
ちなみに、このコートジボワールって国、子供の頃の地図帳には確か”象牙海岸”と載っていましたっけ。

現地の天候が雨でしたので不安でした。細かいパスをつなぐ日本のサッカーにとってはパス精度の狂いが生じ易いピッチとなり不利だと思われたからです。けれども前半は手堅いゲーム運びをして、本田が素晴らしいシュートを決めるという最高の内容でした。いつもの日本らしからぬ前線でのプレスのユルさがやや気にはなっていましたが、コートジボワールは自分たちのチャンスを生かすだけの決定力に欠けていました。

1-0でリードして折り返した後半も失点を防いで悪くなかったのですが、ドログバが登場してから様相ががらりと変わりましたね。飲まれたわけではないでしょうが、存在感がやはり凄いです。いや、やはり飲まれてしまったのかな?戦場で敵に飲まれていては勝てる訳は無いですね。”サムライ・ブルー”の名が泣きます。
とにかく、立て続けの失点が悔やまれます。残念ですが、日本にこの試合をもう一度振り出しに押し戻す力は有りませんでした。

1-2の敗戦は有る意味、予想範囲内でしょうが、試合後半に進むにつれ日本は足が止まり、ミスも増えて内容的にはかなり不満が残りました。ドログバが出ていない前半に追加点が欲しかったです。あるいは同じような形での2点目の失点は何としても防いで欲しかったですね。せめて1-1のドローで終えて欲しかったです。

グループリーグ突破が厳しくなりましたが、残り2試合、背水の陣で頑張って欲しいです!

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2014年6月13日 (金)

2014 ワールドカップ ブラジル大会 開幕!

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とうとう始まりましたね!2014 ワールドカップ ブラジル大会。なんといってもオリンピックに肩を並べる唯一の競技大会ですからね。
今朝はオープニングセレモニーに続いて開幕ゲーム、開催国ブラジルとクロアチアの試合をテレビ観戦しました。
いやぁ~両チームともそれは気合が入っていること。技と力と気迫のぶつかり合いが凄まじかったです。これぞワールドカップ!
試合はブラジルの若きエース、ネイマールとオスカルの素晴らしい活躍で3-1となりブラジルの順当勝ちでしたが、クロアチアの実力も大したものです。点差ほどには一方的に感じませんでした。やはり南米、欧州のチームは強いです。我が日本チームは大丈夫でしょうか?でも、きっと頑張ってくれることでしょう。まずは日曜日の初戦、コートジボワールとの試合を見守りましょう。

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2014年6月12日 (木)

モーツァルト ピアノ協奏曲第24、21、17、12番 マウリツィオ・ポリーニ/ウイーン・フィル盤

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マウリツィオ・ポリーニはもちろん押しも押されぬ現代の巨匠ピアニストですが、この人を一番好んで聴いたのは、現代物は別として、1970年代にショパンの「エチュード」や「プレリュード」「ポロネーズ」あたりを録音していた頃です。シューマンの演奏もとても好きでした。一方、ベートーヴェンやブラームスの曲はそれほどではありませんでした。モーツァルトは、と言えば、ベーム/ウイーン・フィルと共演したピアノ協奏曲第23番&19番が忘れられません。”共演”と言っても、音楽を完全にベームがリードしていて、若きポリーニは「ベームさんの邪魔をしてはいけないぞ」とばかりに、忠実な使徒さながらの奥ゆかしい印象を受けました。

それ以降、ポリーニのモーツァルトを聴いた記憶はほとんど有りません。興味が薄かったせいもあるでしょう。ただ、ひょんなことでウィーン・フィルを弾き振りした協奏曲のライブ収録されたCDが2枚有ったのを思い出して、これを聴いてみることにしました。

Uccg50065m01dlピアノ協奏曲第21番K467&第17番K453(2005年録音/グラモフォン盤)

Uc0011ピアノ協奏曲第24番K491&第12番K414(2007年録音/グラモフォン盤)

ポリーニのような大ピアニストになると、ギャラの高額さから、小規模のホールでは採算が取れなくなります。その為にどうしても客席数の多い大ホールで演奏することになります。この演奏は全てウイーンのムジークフェライン大ホールで行われたコンサートライブです。ポリーニのようなヴィルティオーゾであればグランド・ピアノを弾きこなして音量も充分出せますし、それには幾らか大きめの編成の管弦楽がバランス的に合います。結局、そういう条件がモーツァルトのピアノ演奏に相応しいかどうかなのですが、これは最良だとは思えません。決してフォルテピアノによるこじんまりとしたモーツァルト演奏が好きな訳では無いのですが、今どき肥大化したモーツァルトはどうかなと思います。

とにかく演奏を聴いてみます。

まずは第21番K467です。ポリーニのピアノはロマン派的で、十六部音符を常にキッチリとは刻みません。ですので古典派を演奏すると、音符の音の座りがどうも悪く、落ち着かない印象を受けます。その点、先日のルプー盤とは決定的に異なります。更にダイナミクスの巾も大きいです。フォルテではここぞとばかり打鍵を強く打ちこみます。まるでベートーヴェンのようです。
さて、それではこの演奏は嫌いかというと、これが意外に楽しめます。ウイーン・フィルの音、とりわけ弦の柔らかい歌を聴いているだけでもうっとりします。ポリーニの指揮にベームのような貫禄は有りませんが、ウイーン・フィルの音はやはり特別です。それをバックにポリーニがポリーニらしく思い切り良くピアノを弾いているので痛快と言えば痛快です。不満を感じながら聴いていたのに、いつのまにか愉しんでいます。第2楽章などロマンティックの限りで、”みじかくも美しく萌え??”というところかな。終楽章も速いテンポで生命力に溢れていて心が躍ります。

第24番K491では冒頭の管弦楽の迫力に圧倒されます。弦楽がうなりを立てているのに興奮させられます。その割に騒々しく感じないのは、さすがにウイーン・フィルです。管楽やティンパニが目立ち過ぎずに全体の音に溶け合っているからですね。ポリーニのピアノは徹底的にロマン派的な演奏ですが、最もロマン派的なこの曲の場合には余り違和感は感じません。フォルテの強打は凄まじい限りですが許してしまいましょう。第2楽章はウィーン・フィルの弦の表現力は最高なのですが、神秘感は今一つのように感じます。こういう楽章はバレンボイムがやはり素晴らしいです。

第12番K414と第17番K453は、いわば前プロに当たるのでしょうが、どちらも明るくチャーミングな名曲です。特に第12番はルプー盤にも収録されていましたが、実に魅力溢れる曲ですね。ポリーニにしては、この2曲をなるべく若々しく弾こうと心がけているように感じます。若きモーツァルトの愉悦感を精一杯に感じさせてくれて楽しめます。但し、やはりフォルテ部分でロマン派的な重い打鍵がしばしば現れるのが気にはなります。
管弦楽伴奏については、もちろんウイーン・フィルの柔らかい音と豊かな表情が特筆ものです。ただ、リズムの刻みにやや甘さが有るので、優れた専門の指揮者が振れば更に良かったような気はします。そんな些細な点を全て忘れさせてくれるのがウイーン・フィルの美しい音ではあります。

必ずしも全面的に好きなタイプの演奏では無いのですが、中々に聴きどころと愉しさの有るポリーニ/ウイーン・フィルのコンビのモーツァルトです。今後また録音される機会は有るのでしょうか。続編が出たとしたら、何だかんだと言いながらもきっと聴きたくなることと思います。

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2014年6月 9日 (月)

天安門事件の学生運動リーダーへのインタビュー記事を読んで

中国の民主化運動が軍によって弾圧された天安門事件の悲劇から25年を迎えました。当時の学生運動のリーダーであった、ウアルカイシ氏が民主化運動の集会とデモに参加するために来日しましたが、日本の新聞の取材に応えています。同氏へのインタビューの記事詳細はこちらから。

その中で、記者の質問に答えた一つが非常に考えさせられましたので、特にご紹介しようと思います。

記者: 民主活動家として今後、日本にどのようなことを期待するか。

ウアルカイシ氏: まず民主活動家は自らの責任を明確に理解しておかなければいけない。(ノーベル平和賞受賞者の)劉暁波は私の先生だが、彼は身をもって範を示した。体制への反対者として、恐れず勇敢に、この歴史段階において自らの責任を果たしたのだ。
特に日本のようなアジアの民主国家は、中国共産党と直接対話することが可能であり、より大きな責任がある。しかしながら、過去、日本が中国に対してとった立場は、われわれを非常に失望させた。遠慮なく言わせてもらうと、自由と民主という普遍的価値への裏切りだったと認識している。過去二十数年間、日本政府は中国との交渉においてほとんど人権問題を提起してこなかった。日本は中国の人権状況を気にかけておらず、関心があるのは経済や貿易だけだという誤ったシグナルを出している。

以上なのですが、日本が東アジアにおける少数民族の弾圧や人権問題の解決、民主化に向けて出来ることは沢山あるはずですね。それこそがあの大戦の最大の贖罪であり、日本が世界の国々から信用され尊敬されるようになる唯一の道でなのではないでしょうか。

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2014年6月 8日 (日)

つれづれ日記 ~梅雨入り、W杯、AKB48総選挙~

とうとう関東地方も梅雨入りしました。昨日も今日も一日中雨です。涼しいのは音楽鑑賞には結構なことなのですが、ドヴォルザークとかスメタナとか爽やかな音楽が聴きたくなってしまいます。でも3月に始まったモーツァルト特集はまだまだ続きますので、あしからず。

それはそうと、いよいよ2014ブラジル・ワールドカップがカウントダウンとなりましたね。今朝は日本代表の開催前の最後の試合がありましたが、逆転に次ぐ逆転の、正に”ルーズベルトゲーム”を制して素晴らしかったです。森重のアシストも良かったけど、最後の大久保の得点にはシビレました。ワールドレベルの凄さでしたね。あれを是非とも本番で見たいものです。

夜にはAKB48選抜総選挙をテレビで放送していましたが、見たことない(というよりオジさんには区別がつかない)女の子ばかりでした。ボクなら大島優子に清き?一票を入れるんだけどなァ。えっ?彼女はもう卒業??
オジさんはお呼びでない!こりゃまた、失礼いたしました!(苦笑)

ということで、今月はワールドカップ三昧です。”サッカー日記”になるかもしれませんが、一応お断りを。

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2014年6月 6日 (金)

日本よ今こそアジアの真のリーダーになれ

ベルギーで開かれたG7サミットで安倍首相が、軍事力をバックにした領土・利権の拡大主義に対して積極的に糾弾する主張を行いましたね。<MSN産経: 首相、論戦をリード〝対中包囲網〟に欧米引き込む> 

日本の首相がここまで国際情勢問題で首脳会議をリードしたのは極めて稀な事だと思います。”敗戦国日本”は戦後常に戦勝国や近隣諸国に対して遠慮をしてきたからですね。大東亜戦争(もしくは太平洋戦争)を引き起こして、”善良な近隣諸国”に迷惑をかけた日本が国際情勢に口出しする余地は無かったからです。しかし時代は変わり、軍事大国化した中国が東アジア各地で領土と利権の拡大を狙っている以上、日本が世界の世論をリードしなければなりません。中韓以外の東アジア諸国が日本に大きな期待を寄せているのは明らかです。大東亜戦争が果たして”侵略戦争”であったかどうかは否定も肯定もしませんが、結果的にそれまで欧米列強国に植民地支配されていたアジアの独立解放を早めたことだけは確かです。中韓以外の国はそのことを理解しているからこそ、反日運動が起こらないのだと思います。逆に中国の横暴に歯止めをかけるアジアのリーダーになれるのは、やはり日本だと考えていることでしょう。中韓との友好関係に期待が出来ない以上は、それ以外の東アジアの諸国の民主主義と人権を守ること、そして経済発展に貢献すること、それにこれまで以上に力を注ぐべきです。安倍さんがそのことを良く認識していて最近の行動で示しているのは明らかです。

”日本よ今こそアジアの真のリーダーになれ”

そのように期待したいものですね。私はもちろん右翼でも何でもありませんが。

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モーツァルト ピアノ協奏曲第19番~第27番他 アンドラーシュ・シフ&ヴェーグ/カメラータ・アカデミカ

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アンドラーシュ・シフは人気が有るピアニストですが、個人的にはこれまで特別な感銘を受けた記憶はありません。彼のピアノは贅肉が少なくて、とても純度の高い音ですが、何というか、端正に過ぎて少々面白みに欠ける印象を受けていたからです。ですので、モーツァルトの協奏曲の録音も知ってはいましたが、これまで食指を動かされませんでした。ただ、ひょんなことで試聴をしてみたところ予想以上に良い印象を受けたので、後期の選集を入手してみました。

一方シャーンドル・ヴェーグについてはヴェーグ弦楽四重奏団を主宰していたことで余りにも有名ですが、真に素晴らしいヴァイオリニストであり、リーダーでした。その演奏については、このブログでも何度か記事にしました。けれども指揮者としての演奏はほとんど聴いたことがありませんでした。

61byx0phqlアンドラーシュ・シフ独奏、シャーンドル・ヴェーグ指揮ザルツブルク・モーツァルテウム・カメラータ・アカデミカ(1988-1993年録音/DECCA盤)

シフとヴェーグのコンビは、モーツァルトのピアノ協奏曲の全集を完成させていますが、自分が購入したのは第19番から最後の第27番までの9曲に加えて「2台のピアノの為の協奏曲」と「3台のピアノの為の協奏曲」(但しこちらの指揮はゲオルグ・ショルティ)が収められたCD5枚組の選集です。もっとも、このセットは既に廃盤で国内では入手困難でしたので、AmazonUKに注文して買いました。

実は試聴をしたときに強い印象を受けたのは、シフのピアノよりもむしろヴェーグ率いるザルツブルク・モーツァルテウム・カメラータ・アカデミカの演奏だったのです。それは、ひと口で言って”室内楽的な演奏”です。弦楽器、とりわけヴァイオリン・パートの表情づけが繊細かつ極めて雄弁で、あたかもヴェーグが自分で弾くヴァイオリンのようなのです。その表情にハッとさせられる瞬間が何度も訪れます。これほどデリカシーに溢れた管弦楽の演奏はちょっと聴いたことがありません。もっともそれを可能にしているのは、奏者の数をかなり減らしているからではないでしょうか。ですので曲によっては音の厚みが妙に薄く感じられます。録音編集で弦と管の音量バランスは合わせられるでしょうが、響きそのものは如何ともしがたいです。要するに”室内楽的な演奏”というのが長所でもあり短所でもあるのです。

シフのピアノに関しても特徴自体は上述した通りですが、基本的にモーツァルトには向いています。粒の揃った音には羽が生えたような軽味が感じられて天馬空を行くような趣が有りますし、硬質でコロコロいうような音は往年のリリー・クラウスを連想させます。クラウスのように内面に燃えるようなパッションを感じさせてくれるかというと、それほどではありませんが、時にはフォルテで非常に力をこめて鍵盤を叩くことも見受けられますし、若々しさに溢れていてとても愉しいモーツァルト演奏だと思います。特徴的な点としては、意外に楽譜通りに弾くのではなく装飾音を多く付け加えていることです。これは初めて聴いた時には「おやっ」と思いますが、繰り返して聴くと気になりません。極めて自然でセンスの良い装飾だからなのかもしれません。良し悪しは別にして、自分にはフリードリッヒ・グルダの装飾音よりも耳に残りません。また、カデンツァではオペラの旋律まで飛び出して来るのは楽しさの極みです。

収録曲の中で、最も気に入ったのは第21番K467です。演奏によってはムード的に流れてしまう曲ですが、室内楽的で贅肉の少ない美演を聴かせてくれます。デリカシーに溢れる弦の表情が新鮮です。管楽器とティンパニの音は控え目で全体に柔らかく溶け込んでいます。シフのピアノも端正で音の粒立ちの良さが生きていて魅力的です。先日ルプーの演奏を絶賛したばかりで、またまた絶賛するのも躊躇われますが、この演奏も実に素晴らしいです。

第20番K466はシンフォニックな曲なので、弦の音の厚みの無さがどうしても気になります。繊細な表情づけが素晴らしいだけに残念です。シフのピアノは、この曲の地獄の淵を覘きこむような怖さは感じませんが、過剰な力みの無い美演です。ただしカデンツァだけはベートーヴェン的でうるさく感じます。

第22番K482も良い演奏です。バレンボイムのようなロマンティックさは有りませんが、スッキリとした端麗さが魅力です。管楽器の洗練され過ぎない素朴な音もかえって楽しく感じられます。

第23番K488は元々編成がシンプルで室内楽的な曲ですので、このコンビには向いています。ですので水準以上の美演であるのは間違いありません。ただ、グリモーの新盤のような天才的な名演奏には及びません。

第24番K491は第20番と同じ短調のシンフォニックな曲ですので、弦楽の音の厚みが心配されましたが、意外に薄さを感じさせません。耳の慣れか録音の処理が上手かったのか分りませんが、ともかく不満を感じません。むしろ同じハ短調でもベートーヴェンの第3番のような過剰なほどの劇的演奏をされるよりは好ましいです。但し”怖さ”は有りません。シフのピアノには力が入っていますが、ぎりぎり曲の枠内に感じられますし、タッチの切れの良さも際立ちます。

第25番K503では音楽が肥大化することも無く、何の過不足も無く曲の良さをそのままに感じられる演奏です。

第26番K537は第20番の演奏と並んで気に入りました。「戴冠式」の呼名に相応しく、シフは真珠の粒の輝きを感じさせる魅惑のピアノを奏で、管弦楽は勇壮かつ美しい伴奏でそれを支えています。この曲に関しては、昔LPで聴いたヘブラーとコリン・デイヴィスによる最美の演奏に迫っているような気がします。

第27番K595は逆に幾らか期待外れです。第2楽章などは中々に美しいのですが、この孤高の曲を弾くにはシフの円熟度がまだ足りないように思われます。この曲では装飾音も余計に感じます。管弦楽伴奏も室内楽的な美しさは有りますが、ベームとウイーン・フィルのような入神の域には達していません。つくづく難しい曲だと思います。これは演奏者が頭で考えて演奏できるような音楽の種類では無いからですね。「音楽の女神の方から演奏者が選ばれる」そんな音楽ではないでしょうか。

「2台のピアノの為の協奏曲」ではピアノ独奏をシフとショルティが弾いています。「3台のピアノの為の協奏曲」では更にバレンボイムが加わります。この2曲については、管弦楽の演奏も含めて何の不満も無い出来栄えです。

ということで、個々の曲に関してはどうしたって好き嫌いが幾らか出るのは当たり前ですが、総じて素晴らしい演奏です。これなら改めて全集で聴いてみたい気がします。

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