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2014年3月24日 (月)

「丸山眞男 音楽の対話」 中野 雄

         150              丸山眞男氏

日本における政治思想史の巨人、丸山眞男(まるやま まさお)氏には、知られざる別の一面「音楽愛好家」としての姿が有りましたが、その丸山氏に思想史、音楽の両方の分野で師事されて交流40年以上にも及んだ音楽プロデューサーである中野雄(なかの たけし)氏がお書きになった本が「丸山眞男 音楽の対話」それに「丸山眞男 人生の対話」(文春新書)です。

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丸山氏自身が書いた専門書は、一般の人が読んで理解するには少々難解過ぎるようですが、中野氏の著書は非常に解り易く書かれているので、丸山氏の考え方の一端に触れるのには最適だと思います。

一昨日の3月22日は丸山氏の生誕百周年記念にあたるので、都内で開催された記念の会には数百人が集まったそうです。また、23日には東京フルトヴェングラー研究会主催で「丸山眞男とフルトヴェングラー」という、中野雄氏の講演会が開かれました。そこで、自分はその講演会に行ってみました。

講演内容のベースになったのは、「丸山眞男 音楽の対話」でしたが、中野氏の生の声で語られる多くのエピソードには大変興味をそそられました。丸山氏は、生前ワーグナーとフルトヴェングラーに特に傾倒していましたが、氏の単なる「音楽愛好家」の域を越えた、専門家以上の知識、見識には唖然とするほどです。それは『自分はこれまで音楽を深く聴いて来たつもりであったが、”真剣に聴くこと”とは一体どういうことを言うのだろう」と大きな疑問に遭遇するほどの衝撃です。その丸山氏の聴き方の源流となっているのはフルトヴェングラーの考え方、思想に一致するところなのでしょう。

「音楽愛好家とは何か」「音楽を深く聴くこととはどういうことか」、更には「生きることとはどういうことか」、それらのことを色々と考えさせられる講演でした。その内容は著書を読んで頂いても充分に体験が可能です。お読みになられたことがない方には是非御一読をお勧めしたいと思います。

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読書」カテゴリの記事

コメント

いつも楽しく拝見させていただいております。
ありがとうございます。
(おそらく)同年代のサラリーマンです。
中野さんの著作はいくつか読ませていただきましたが、この本、それからウィーンフィルについてお書きになった本は特に印象深く残っております。
ハルさんは多分お読みになっておられると思いますが、文春新書で宇野さん他との共著でクラシックCDの推薦板の著作を上梓されておられます。その中で、ベートーベンの交響曲についての彼の選定は、丸山先生へのオマージュのように思えて仕方ありませんでした。
音楽の「素敵な話題」をいつもご提供頂き、本当にありがとうございます。

投稿: のぶさん | 2014年4月 3日 (木) 22時46分

のぶさん、はじめまして。
コメントを頂きましてありがとうございます。
大変嬉しく思います。

文春新書の「クラシックCDの名盤」は私の愛読書です。中野先生の方が音楽業界のプロですから、丸山先生の受け売りということは決して無いと思いますが、ベートーヴェン演奏におけるフルトヴェングラーの凄さ、特に戦時中の演奏の凄さを認める点ではお二人は多く共通していたのだと思います。(個人的には丸山先生が評した”伸びたうどん”の戦後のEMI録音も大好きなのですが)

世の中、宇野先生や中野先生のファンも多い反面で批判的な方も多いようですが、このお二方から得たものがこれまで何も無いという人は居ないと思います。

これからも、どうぞ何でもお気軽にコメント下さい。楽しみにお待ちしております。

投稿: ハルくん | 2014年4月 4日 (金) 11時25分

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