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2013年8月23日 (金)

ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調作品131 名盤 ~最高傑作~

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第14番は、実際には15番目に書かれた作品です。シューベルトはこの作品を聴いて、「この後で我々に何が書けるというのだ?」と述べたと伝えられています。実際、この曲を最高傑作に上げる人は多いと思います。

曲の構成はとうとう7楽章となり、完全に古典的な様式から逸脱しています。交響曲の世界では後期ロマン派のマーラーにより古典的な4楽章構成が破壊されるのを待ちますが、弦楽四重奏曲においては古典派を極めたベートーヴェンが、その自らの手によって4楽章構成を壊してしまいました。ある意味、後期ロマン派へ続く道筋を一気に駆け抜けて先取りしてしまったとも言えそうです。

第1楽章 アダージョ・マ・ノン・トロッポ・エ・モルト・エスプレッシーヴォ

第2楽章 アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ

第3楽章 アレグロ・モデラート~アダージョ

第4楽章 アンダンテ・マ・ノン・トロッポ・エ・モルト・カンタービレ

第5楽章 プレスト

第6楽章 アダージョ・クワジ・ウン・ポーコ・アンダンテ

第7楽章 アレグロ

各楽章は切れ目無くつながりますが、人によっては1楽章を長い序奏、3、6楽章をそれぞれ4、7楽章への序奏楽段と位置づけて、この曲は拡大された4楽章であると解釈する場合も有るとのことです。

長いアダージョの1楽章は敬虔な祈りの雰囲気で非常に美しいです。変奏形式のアンダンテの4楽章は大変魅力的ですが、中間部で楽器ごとに弾かせるスケールが意外に難所で、名カルテットでも音程取りに苦労しています。5楽章のプレストはとてもユニークです。ピツィカートやスル・ポンティ・チェロ(擦れたような変な音)の技法を使って新鮮味を演出しています。そして、とりわけ印象深いのは終楽章です。ベートーヴェンの荒々しい男臭さがたまりません。う~ん、これぞ男の音楽だ!
実は、大学時代にオーケストラの部内演奏会で仲間とカルテットを組み、終楽章のヴィオラ・パートを弾いたことがあります。余興演奏とは言え、ベートーヴェンの傑作を弾く面白さは半端ではありません。もっとも酷い演奏を聴かされた人達にとっては迷惑だったかもしれませんが。(笑)

確かにこの曲の持つ斬新さから、最高傑作と呼ぶことにいささかも躊躇しませんが、個人的には旋律線の美しい第15番を最も好んでいます。それはともかくとして、第13番、14番、15番の3曲はベートーヴェンの極めた最高到達点であるのは間違いありません。

それでは僕の愛聴盤のご紹介です。

51u9dbjsblブッシュ弦楽四重奏団(1936年録音/EMI盤) ブッシュ達がアメリカに移住する前のSP録音です。カぺ―SQはさすがに古過ぎて抵抗が有りますが、ブッシュは充分鑑賞できます。確かにポルタメントを多用した古めかしさは有りますが、それが逆に現代では絶対に聴くことが出来ない極めて人間的な、それも人間の心そのものが音に成っているかのような温かさを感じずにはいられません。それが今でもリリースされ続けて愛好されている理由です。戦後の演奏しか聴いたことの無い方も一度は接しておくべき歴史的演奏です。

206リリ弦楽四重奏団(1952年録音/MCAビクター盤) ウエストミンスター録音による往年の名盤です。今聴くと、この厳しい曲にしては少々甘く柔らか過ぎるようにも感じますが、逆に余り革新性に捉われずに、落ち着いた気分で曲を楽しむことが出来ます。ブッシュSQほど古めかしい印象は受けませんし、この演奏に聴き易さや心地良さを覚える人だって少なくないと思います。とは言え終楽章では中々の緊張感を漂わせています。名演奏とは、やはり時代を越えて人に伝わるものだという気がします。

90650dc0bfe3c81c14f641d351d90ca5ブダペスト弦楽四重奏団(1961年録音/CBS盤) 全集盤です。学生時代に初めて買ったこの曲の演奏(LP盤)で、音楽の持つとてつもない厳しさを感じたものです。1楽章から楷書的で明確な音なのですが、無機的な印象は一切受けません。峻厳極まりない雰囲気を一杯に漂わせます。2~4楽章も柔らかく歌い崩したりはしません。どこまでも厳しい音楽ですが表情は豊かです。5~7楽章は彼らに正にピッタリの曲想ですが、圧巻は終楽章です。重厚なリズムと凄みの有る音のズシリとした聴きごたえには心の底から圧倒されます。こればかりは最高傑作の最高の演奏だと断言します。

151ジュリアード弦楽四重奏団(1969年録音/CBS盤) 旧盤の全集からです。ジュリアードと言えば、4人の卓越したテクニックによる精緻で完成度の高い演奏のイメージですが、それにピタリ重なり合うのがジョージ・セルとクリーヴランド管の演奏です。面白いことに実演ではスタジオ録音とは異なり、意外なほどに熱い演奏になるのも両者に共通しています。これはスタジオ録音ですので、完璧な合奏には感心しますが、少々窮屈な印象が拭えません。但し、終楽章の切れ味と音の凄みは流石です。

V4871ヴェーグ弦楽四重奏団(1973年録音/仏Naive盤) 全集盤です。1楽章は厳しさというよりも滋味を感じますが、1stヴァイオリンのハイ・ポジションの音程が僅かに怪しいです。2~4楽章でのゆったりとした深い味わいはとても魅力的です。5楽章も慌てずにゆとりが有ります。終楽章は意外に速めですが、この楽章の持つ緊迫感は幾らか弱いように感じます。良くも悪くもヴェーグの特徴がそのまま出ている演奏ですので万全とは言えません。

51jrjljelラサール弦楽四重奏団(1977年録音/グラモフォン盤) 後期四重奏曲集です。1楽章にはブッシュやブダペストのような神々しさは有りません。2~4楽章は明確な音により曖昧さが少しも有りません。ダイナミクスの変化が大きく多彩なのは良いとしても、少々神経質で煩わしさを感じてしまいます。これを面白いと感じる方も多いのでしょうけれども。終楽章は切れの良いリズムで立体感の有るダイナミックな演奏です。こんな演奏を当時から行っていたのには驚きます。

Suske_beethoven_late_2ズスケ弦楽四重奏団(1980年録音/Berlin Classics盤) 全集盤です。音そのものはヴィブラートの多い柔かで美しい音ですが、歌い方が端正なので絶妙なバランスを保っています。決して古めかしさは有りませんが、先鋭的にも成らないドイツ伝統の血筋を感じずにはいられません。彼らの音楽がそのままベートーヴェンに結び付いているかのような同質性は、他の国の演奏家からは中々感じられないものです。相当に弾き込んでいるからでしょうが、オーソドックスであることがどれほど素晴らしいことかを再認識する演奏です。

D0021969_10143431アルバン・ベルク弦楽四重奏団(1983年録音/EMI盤) 全集盤です。残響過多で分離の悪い録音は相変わらずです。ウイーンの団体らしい柔かさも見せますが、曲が曲なので比較的禁欲的な厳しい表情で統一しています。特に第6楽章などは崇高な祈りを感じさせて素晴らしいです。終楽章は荒々しいほどの豪快な迫力なのですが、表情や音量の変化を極端に付け過ぎているために姑息な印象を受けてしまい、自分のような天邪鬼には素直に感動が出ません。もっとも、人によってはこれが好きだという方も居るはずです。

51065xicuplジュリアード弦楽四重奏団(1982年録音/CBS盤) ワシントン国会図書館ホールでのライブ録音による新盤です。かつてのように機能性に徹した印象を受けないのはライブという条件と年月を経たことによる変化と両方だと思います。ここではアンサンブルを整えるよりも、音楽を如何に大きく深く表現できるかに最も力が注がれています。緩徐楽章での心への染み入り方がそれを証明しています。反面、終楽章での迫力や凄みは、彼らの旧盤やブダペストSQ、アルバン・ベルクSQには及びません。

G7138122wスメタナ弦楽四重奏団(1984年録音/DENON盤) 全集盤です。誇張や大げさな表情の全くない地味で控え目な表現なのですが、4つの弦楽器が繊細に重なり合い、織り成すベートーヴェン晩年の音楽が本当に深く心に染み入って来ます。音の静寂が、これほどまでに物を言う演奏も中々無いように思います。終楽章も無駄な力みの無い、非常に透徹した演奏ですが聴きごたえが有ります。かつて彼らが来日した時に実演で聴いたこの曲の感動がそのままに蘇ります。

Melos_beethoven_lateメロス弦楽四重奏団(1985年録音/グラモフォン盤) 表情を豊かに付けたり、アクセントを大きく強調したりと、非常に積極的な演奏です。5楽章の大胆さや、終楽章の劇的な表現も印象的です。その点ではアルバン・ベルクSQの旧盤に似ていますが、質の高さでは越えていると思います。けれども、それがそのまま感動を呼ぶかというと幾らか減衰してしまうのです。むしろ3、4楽章の美しさにに感銘を受けます。全体的にスケールやハイ・ポジションの音程が幾らか怪しく聴こえるのが気になります。

338アルバン・ベルク弦楽四重奏団(1989年録音/EMI盤) 二度目の全集の第1巻に含まれます。完成度においては旧盤に譲りますが(と言ってもライヴでこの完成度は凄いです)、表情の自然さは新盤の方が上です。旧盤はどこか作り物めいた感が有りましたが、新盤にはそれが有りません。全般に緩徐部分は旧盤、急速楽章は新盤が良いように思いますが、これも好みではあります。全体的にどちらが好きかと言われれば、自分は新盤です。

61vvfzeifl__sl500_aa300_ウイーン・ムジークフェライン弦楽四重奏団(1991年録音/PLATZ盤) 全集盤からです。いかにもウイーンの団体らしい甘さと柔かさが出ているのは4楽章で、非常に美しいです。反面、終楽章では気迫が溢れている割に感銘が薄い気がします。たとえば、楽譜の読みの深さもブダペストSQやスメタナSQに比べて甘いように感じます。室内楽専門の団体では無いハンディが、どうしても出てしまうのでしょうか。

Emersonbeethovenエマーソン弦楽四重奏団(1994年録音/グラモフォン盤) 全集盤からです。頂点の14番と15番で第1Vnがドラッカーでは無くセッツァーなのはちょっと残念です。ドラッカーの方が表現力の点で上だと思うからです。1楽章は透明感のある響きの極弱音で開始されますが、少しづつ音量を増してゆき最後は劇的に結びます。2楽章は速く弾むようなリズムが現代的です。4楽章も速めですが、各変奏のきりりとしてデリカシー溢れる歌い方に惹かれます。5楽章は文字通り”プレスト”で超快速ですが、唖然とするほど上手いです。そして、緊張感を湛えた6楽章に導かれて開始される終楽章こそが白眉で、速いテンポの激しいリズムと攻撃的とも言える迫力ある音に圧倒されます。けれどもアルバン・ベルクSQのような姑息な印象は一切受けません。

312ゲヴァントハウス弦楽四重奏団(1997年録音/NCA盤) 全集盤からです。1楽章は和音が美しいですが、加えて敬虔な祈りの雰囲気に満ちています。2、3楽章はリズムを厳格に刻むドイツ風の演奏です。4楽章はウイーンの団体のようにゆったりと歌うわけではありませんが、凛とした味わいが有ります。終楽章は速過ぎないテンポで毅然としていますが、気迫や音の凄みにも不足はありません。全体的に非常に完成度の高い演奏です。

以上の中で、たった一つ選ぶとすればブダペストSQをおいて他には有りません。但し、それに肉薄する凄さのエマーソンSQと、透徹の極みのスメタナSQも外せません。あとは現代ドイツ風なゲヴァントハウスSQにも大いに惹かれます。

さて、次回はいよいよ第15番です。個人的には聴き比べが最も楽しみです。

<追記> ジュリアード四重奏団の旧盤を後から加筆しました。

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ベートーヴェン(弦楽四重奏曲:後期)」カテゴリの記事

コメント

ハルくんさん、こんばんは。
もし、ベートーヴェンの全ての作品の中で「好きな」作品を挙げよと言われたら 私は弦楽四重奏曲の13番(大フーガを含む)と15番を選びますが、「最高傑作は?」と聞かれたら やはり、この「第14番」と答えるでしょうね。
この作品には ベートーヴェンの人生の総決算のような感じと、あと一歩で神々の領域に踏み入れてしまいそうな、とてつもなく恐ろしい、そして とても優しい感じのする、非常に奥深い音楽だと思います。
この曲の真価を教えてくれ、 弦楽四重奏曲の世界に 導いてくれた演奏が ブダペストQ盤なので、「これが最高だろうな」と、CDを聴き比べてみると ブッシュ、ズスケ、スメタナ、ゲヴァントハウス と、どれも感動的な演奏なので、改めて この作品の素晴らしいさを再確認出来ました。
今後の楽しみは 気になっている エマーソンQ盤と アウリンQ盤を聴く事です。
(まぁ これは、財布の中のヒデヨさん達とユキチ大先生と相談して ということになりますが・・・。(笑))

投稿: ヨシツグカ | 2013年8月23日 (金) 21時47分

ハルくん様

morokomanです。

いよいよ第14番ですね。この曲をはじめて聴いたのはズスケででした。あの時の衝撃は忘れられません。滔々と音が流れていくだけの感じでしたが、なんとも人間界の音楽とは思えない、もっと高次元の世界を垣間見るような気がしました。

そして第5楽章のプレスト。今までとうって変わった音楽になりますが、ほとんど現代音楽です。

「耳が聞こえないのに、なんでこんな時代を超越したような凄い曲が創れるんだ、ベートーヴェン!!!」と、思わず叫んでしまいました。

人間技とは思えませんでした。日本の神道でいう『神』の領域にまで行ったかのようです。

作曲者の肉体は人間ですが、そこにやどる精神はほとんど人間を超越してしまっている……そんな空恐ろしさを感じた曲です。

ズスケは(手放すはめになって)失われてしまい、現在は図書館でラサールを借りて聴いています。

ラサールって、言ってみればクロノス四重奏団のようなスタンスの、新ウィーン学派の曲が基本テリトリーなのにも関わらず、ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲を録音し、それが音楽界でのニュースになった、と聞いています。

「なんでラサールが?」という疑問があったそうですが、聴けば納得。後期弦楽四重奏曲はほとんど現代音楽とも言えますし、その祖先とも言える存在だと思います。

この作品は、「真の前衛芸術」だと思います。現在の凡百の自称作曲家達が、変わった手法で理解不能な音の塊を創っては「これが前衛だ!」と自称していますが、私に言わせれば「前衛ごっこ」です。

聴く人の魂に響かないものばかりだからです。こんな連中が「ブラームスの第4番の終楽章はパッサカリアだぜ。ブラームスって遅れてるぅ(蔑み)」なんて言ったところで、説得力なんてまるでありません。

「でもブラームスの4番って聴いている私の心を深く打ちますよ。古い形式を使っているのに、不思議ですね~。新しい形式のあんたらの音楽(と称する騒音)を聴いても、私はちっとも感動しませんよ」と遠慮なく言い返してやりたいです。

でも、14番は違いますね。聴く人の心を、高次元に導く。だからこそ言える、時代を超越した、「真の前衛」だと。本当に凄い、人類史上最高級の音楽がここにありますね。

投稿: morokoman | 2013年8月23日 (金) 22時41分

ハルくんさん、夜分にすみません!

弦楽四重奏曲第14番の記事を発見~。矢も盾もたまらず、一気に読みました。やはりこの曲は形式の斬新さと革命性、器に盛られた音楽の自由闊達さと深い瞑想と祈り、そして当時の音楽を突き抜けた前衛性等~、全ての面に於いてベートーヴェンの弦楽四重奏曲の中で、第15番と並ぶ最高傑作だと思います。個人的には~、音楽の深さと祈りの旋律線の美しさとで、貴殿と同じく第15番の方が好きですけどねぇ~。

それにしても、この曲はとんでもない曲ですね!耳が聞こえないのに、よくこんな時代を先取りした音楽を書けたものだと、ただ驚嘆し脱帽してしまいます。ある意味~神懸りとしか思えないような前衛性と革新性を感じます!そうそう、例えて言えば~最近聞いて深い感銘を覚えた、佐村河内守さんの交響曲第1番「広島」にも相通ずるものを感じます。二人とも耳が聞こえないのに、よくぞこんな音楽を書けたものです。正に天才の成せる業ですね!

ということで、私はオーソドックスなズスケ四重奏団でこの曲の真髄を知りましたが、やはり~一押しは、ハルくんご推奨のブダペスト四重奏団になるのですかね?あと、エマーソンとゲヴァントハウスも、気になるところではありますが~。いずれにせよ、この作品は~いろいろな四重奏団で聞き比べしたくなる傑作でございますねぇ~……。

投稿: kazuma | 2013年8月24日 (土) 01時50分

ヨシツグカさん、こんにちは。

そうですね。僕も記事に書きましたが、15番が好きでも、最高傑作の名にふさわしいのはやはり14番だという気がします。
どちらにしても13~15番には本当に底知れない魅力が有りますね。

改めてブダペストQの優位は揺らぎ無いと思いましたが、他にも素晴らしい演奏は有りますね。エマーソンQは是非お聴きになられてみてください。アウリンQも良さそうですが、全集ボックスは無いのでしょうか?有れば入手したいと思いますが。

投稿: ハルくん | 2013年8月24日 (土) 15時33分

morokomanさん、こんにちは。

作曲当時の音楽界にとっては、正に前衛的な作品だったでしょうね。
これだけの難曲を当時の演奏家が充分に演奏できていたのかどうかも疑問です。
その点、同業のシューベルトの耳は確かでしたね。

時代が移ってどんなに作曲技法が進歩しても、この音楽を越えられる作品って果たして存在するのでしょうかね?大きな疑問です。

投稿: ハルくん | 2013年8月24日 (土) 15時42分

kazumaさん、こんにちは。

やはり15番の方がお好きなのですね。14番を最高傑作と認めても、案外とそういう人は多いですね。

佐村河内守さんの交響曲「広島」も凄いですね。よく、この現代にあんな作品を書くことが出来たものです。

ズスケQをお聴きになられているのでしたら、ブダペストQとエマーソンQは是非のお勧めです。特にブダペストは虚飾を排した演奏ですので、人によっては近寄り難いかもしれませんが、他のカルテットとは一線を画したいわば究極の演奏だと思います。

投稿: ハルくん | 2013年8月24日 (土) 15時52分

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の中で一番好きですし
最高傑作だと思います。

2008年にハーゲン四重奏団の実演を聴きましたが
この世のものとは思えない美しい演奏でした。
録音技術が発達したとはいえ、
ここまでは収録できまいと思いました。

CDはARTE NOVAレーベルのアレクサンダー四重奏団
を聴いていますがまずまず満足といったところです。

おそらくこの曲の「理想的」CDはないでしょうね。

バーンスタインとウィーン・フィルの弦楽合奏のCDは
もっと評価されていいと思います。

老婆心ながら以下の文章は削除されてはいかかでしょうか?
>交響曲の世界ではマーラーにより4楽章構成が壊されてロマン派への完全移行が成し遂げられましたが

マーラーは後期ロマン派ですので。

投稿: 影の王子 | 2013年8月25日 (日) 00時11分

影の王子さん、こんにちは。

ハーゲンSQのベートーヴェンは実演、ディスクを問わず未聴ですが、いずれ聴いてみたい気はしています。

弦楽合奏盤にはこの曲や「セリオーソ」が有り面白いですが、やはり普段はオリジナルの四重奏で聴きたくなりますね。

御指摘の文章ですが、「古典派」に対して、広い意味で「ロマン派」と表現しましたので、当然「後期」も含まれています。
音楽学的に言えば、少々おかしな文章かもしれませんが、言いたいことは「交響曲の古典形式を完全に破壊したのはマーラーだが、弦楽四重奏のそれを破壊したのはベートーヴェンだった」ということです。
文章には読み手によって色々な受け止め方があるので、なるべく気を付けてはいますが、難しいところです。
削除のつもりは全く有りませんが、書き替えはちょっと考えてみます。ありがとうございます。

投稿: ハルくん | 2013年8月25日 (日) 10時15分

この曲をヒントにした映画「25年目のクワルテット」はご覧になりましたか?人生は不都合があっても調弦する暇もなく続けるこの曲のようだ、という意味ですが、原題はA late quartetなので「後期の弦楽四重奏」とも読めます。25年間共に演奏を続けてきたクワルテットのうち年長の一人がパーキンソン病で引退を決意したところから、各メンバーの家族をめぐる深く痛いドラマが始まります。私は昨年秋、自分の病気がパーキンソン病ではないかと疑ったことがあるので(症状が似ていた)診察・リハビリシーンや最後のステージの場面は見ていてつらかったです。弦楽奏者必見だと思います。

投稿: かげっち | 2013年9月 4日 (水) 12時37分

かげっちさん、怒涛のコメント6連発ありがとうございます(笑)

ご紹介の映画「25年目のクワルテット」は観ていません。公開劇場が少ないのですね。
近くで公開されたときには是非観てみたいと思います。どうもありがとうございました。

投稿: ハルくん | 2013年9月 4日 (水) 23時30分

こんにちは。

最近バリリSQで14番を改めて聴いてみました。エリートメンバーだからでしょうか、全体的に柔和な感じがしました。バリリは存命のようですね。個人的な好みとしては終楽章は仁王像みたいな凄みがあるほうがいいかなと思います。

「25年目の弦楽四重奏」は味わい深い映画でした。音楽映画というよりは人間関係の葛藤を中心に描いた作品で、中高年向きの内容ですが、多少、喜劇的でもありました。アカデミー賞級の名優の演技は見ものです。なんと、パンフレットには14番のパート譜が付いていました。冒頭部分だけですが、味な計らいです。

投稿: NY | 2013年9月20日 (金) 16時23分

NYさん、こんにちは。

バリリQは全員ウイーンフィルのメンバーですから、やはり柔らかい印象は有りますよね。この曲の終楽章などは彼らにしては結構力演していますが、ここはやはり仁王様や阿修羅のような豪快な演奏が好きですね。

「25年目の弦楽四重奏」はとても良い映画のようですね。いつか観てみたいと思います。パンフレットも買わなくては!
ありがとうございました。

投稿: ハルくん | 2013年9月21日 (土) 09時51分

ハルさん、こんばんは。

この曲が好きで、スメタナ、ズスケ、アルバンベルク(旧盤)など、いろいろ聴きましたが、私にはバリリが一番合っているようです。

ブダペストは1940年代のモノラル録音を聴いたのですが、硬いという印象です。何かこう、硬すぎるというか・・・

投稿: くま | 2015年6月 4日 (木) 23時28分

くまさん、こんにちは。

14番良いですよね。15番と並ぶ頂点ですね。
バリリQが一番お好きなのですね。とするとブダペストQは当然”硬い”と感じられると思います。それだけ硬派、ハードボイルドな演奏です。彼らは40年代のモノラル録音も好きですが、音楽の深さの点では、やはりステレオ録音が圧倒的です。

投稿: ハルくん | 2015年6月 5日 (金) 16時05分

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