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2013年7月13日 (土)

ドヴォルザーク 交響曲第8番 カレル・アンチェル/コンセルトへボウ管のライブ盤

31qbwg0ngblカレル・アンチェル指揮アムステルダム・コンセルトへボウ管(1970年録音/EMI盤)

それにしても暑いですね~(汗汗)
毎日毎日、鉄板の上で焼かれてイヤになっちゃう、泳げたいやきくんになった気分です。(苦笑)

こういう季節にはクラシックよりも、むしろバリバリのロックやラテン・ミュージック、ボサノヴァなんかが聴きたくなりますが、クラシックであれば、ボヘミア音楽なんかは爽やかで良いですよね。ドヴォルザークとかスメタナとか。
ということで、今日はドヴォルザークです。
つい先日も、コシュラーのドボ8を記事にしたばかりですが、今度はカレル・アンチェルのドボ8です。

何年か前にIMGの企画、EMIの制作で出た「20世紀の不滅の大指揮者たち」は、非常に素晴らしい企画でしたので、僕も何人かのマエストロのディスクを購入しました。このシリーズの中の一人に、カレル・アンチェルが居ましたが、僕はアンチェル・ファンであるにもかかわらず、そのディスクは購入しなかったのです。理由は簡単、メインのドヴォルザークの交響曲第8番の演奏が、アムステルダム・コンセルトへボウ管だったからです。この名門オケの演奏とあれば飛びつきたいところですが、ことドヴォルザークに関しては、チェコおよびスロヴァキアのオーケストラの音が圧倒的に好きなので、他の国のオケには余り興味が沸かないのです。これはもう好みの問題ですので、どうにもなりません。

名指揮者アンチェルが西側へ亡命する前にチェコ・フィルとスプラフォン・レーベルに残したセッション録音には、ドヴォルザークの「新世界より」と、スメタナの「我が祖国」という、いまだに同曲中の決定盤とも呼べる名盤中の名盤があります。チェコ・フィルの前任の主席指揮者ヴァーツラフ・ターリッヒは、「指揮するたびに一度として同じ演奏はしなかった」と、同業のフルトヴェングラーに言わしめたほど即興性が高かったのですが、アンチェルはセッション録音を聴く限りでは、極めて構築性の強固な指揮者の印象です。ところがライブになるとまるで人が変わり、驚くほど開放的な演奏を行い、時には阿修羅のごとき爆演と化します。「新世界より」や「我が祖国」でのライブ盤が、それを証明しています。

この人には、ドヴォルザークの第8番のセッション録音が無いのが残念ですが、それでもチェコ・フィルとの1960年のライブ録音(PRAGA盤)が有るのが幸いで、モノラル録音であるハンディを度外視すれば、やはりベストの演奏だと思います。ですので、以前はコンセルトへボウ盤が出ても購入意欲が湧かなかったのです。ところが時が経つと人間の気持ちは変わるもので、せっかくのアンチェルのステレオ録音ならば一度は聴いてみるべきだったかな、と思い直しました。

このシリーズは既に廃盤なので、安価で入手するのには時間がかかりましたが、先日無事に入手することが出来ました。「いつ買うの?今でしょ!誰が買うの?君でしょ!」と言われた気がしました。(苦笑)

それでは聴後の感想をご紹介します。

第1楽章から非常に安定感が有ります。チェコ・フィルとのライブ盤での彫の深い歌い回しに比べると非常にオーソドックスな表現です。それでもフレージングが自然なのは、さすがに名匠です。コンセルトへボウはチェコ・フィルほどの素朴な音色ではありませんが、さりとて都会的でメカニカルな音でも無いので、このような曲には比較的適していると思います。少なくとも違和感は感じません。もっとも、このような曲での木管群の音は、やはりチェコ・フィルの素晴らしさには及びません。フィナーレの追い込みでの叩きつけるような迫力もチェコ・フィル盤の凄さには到達していません。

第2楽章は安定したテンポですっきりと流れます。得てして指揮者の思い入れが過剰でもたれるように歌うと、ボヘミアの爽やかな空気感が失われがちですが、そのような愚は犯しません。ヴァイオリン独奏部はなんだか怪しい出来栄えですので、おそらくは名コンマスのクレヴァースさんではなかったのでしょう。この楽章での楽器のハーモニーの美しさや翳りの濃さもチェコ・フィルに一日の長が有りそうです。

第3楽章の歌い方は美しいのですが、スラブ舞曲のリズムと歌の彫の深さではやはりチェコ・フィルに及びません。

第4楽章での厚く充実した音と迫力は素晴らしいです。この楽章だけはチェコ・フィル盤の熱演にかなり迫っています。フィナーレもチェコ・フィル盤の阿修羅のような追い込みには及ばないまでも相当なものです。

ということで、全体的にチェコ・フィルのライブ盤以上の魅力は感じませんが、なにしろ良質なステレオ録音ですし、アンチェルの数少ないドヴォルザークの至芸を味わえるという点では、ファンにとってはやはり有難い録音です。

なお、このディスクには他には自国のスメタナ、マルティヌ―、それにショスタコ―ヴィチの小品が収められています。

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コメント

 ハルくんさん、こんばんは。ドヴォルザークは意外と夏に合うのではないかと思い始めた今日この頃であります。
 ドヴォルザークの8番は、個人的には「新世界より」よりも好きです。とはいえ、ドヴォルザーク自体あまり聴かないので、この曲もしばらく聴いていませんでした。
 やはりチェコのオーケストラはお国ものをやらせると凄いですよね。それにはまってしまうと、確かに他のオーケストラの演奏は物足りなく感じてしまうのかもしれません。
 僕は制御の取れた演奏が好みなので、クーベリックもノイマンもセルもそれぞれいいなあと思います。

投稿: ぴあの・ぴあの | 2013年7月24日 (水) 19時26分

ぴあの・ぴあのさん、こんばんは。

ドヴォルザークが一番良く合うのは初秋ごろかと思っていますが、夏にも良く合うと思います。

自分は偏執的??(笑)とも言えるほどお国ものの演奏が好きなのですが、チェコそれにスロヴァキアのオケの音はドヴォルザークやスメタナに本当にピッタリだと思います。

クーベリック、ノイマン、セル、皆とても素晴らしいですね。

投稿: ハルくん | 2013年7月25日 (木) 22時13分

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