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2013年5月28日 (火)

ブルックナー 交響曲第3番 ザンデルリング/ロイヤル・コンセルトへボウ管のライブ盤

81hjtilpfpl__aa1500_クルト・ザンデルリンク指揮ロイヤル・コンセルトへボウ管(1996年録音/コンセルトへボウ管弦楽団アンソロジー第6集1990-2000より)

ロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団による自主制作CDについては、クラウス・テンシュテットのマーラー交響曲第5番の演奏をご紹介しましたが、このセットには興味をそそられる録音が目白押しです。そこで今回は、その第2弾としてクルト・ザンデルリングの指揮したブルックナー交響曲第3番をご紹介します。

ブル3といえば、ザンデルリング・ファンには1963年にライプチッヒ・ゲヴァントハウス管を指揮した録音が隠れ名盤として余りにも有名です。(じゃ”隠れ”では無いだろって?それもそうですね。) コンヴィチュニー時代のゲヴァントハウス管の武骨な音をそのまま生かしたスケール大で豪快な演奏でした。それから33年後の演奏と言うことですが、名門コンセルトへボウが相手とあれば期待に胸が膨らみます。

第1楽章はコンセルトへボウの美音を生かした厚みのある響きを醸し出しています。フォルテで音が固くならず、ふくよかな響きが非常に心地良いです。柔らかく歌う弦楽の美しさも旧盤を凌ぎます。反面、音の凝縮が幾らか弱い印象を感じ、旧盤での緊張感は減衰しています。これはライブという条件のせいかもしれません。

第2楽章の美しさは旧盤を大きく凌ぎます。コンセルトへボウの底光りするような響きは本当に美しいです。ヨッフムがこのオケと残した幾つかの名盤を思い出してしまいます。

第3楽章に入ると、音の集中力が高まってきた印象を受けます。けれども響きはあくまでも柔らかく、金属的な響きに陥ることが有りません。

第4楽章もまた同様で、迫力は有っても金管をむやみに強奏させないので響きが濁らず、音の美しさが失われません。ブラームスやブルックナーの演奏にはこの点が不可欠だと思いますが、多くの有名指揮者が過ちを犯すところです。中間部でゆったりと落ち着きを持って歌わせるのにも強く惹かれます。

決して枯れているわけではなく、生命力を充分に感じますが、全体的にゆとりと気宇の大きさを感じさせる正に大人のブルックナーという風情です。正に円熟のザンデルリングによる至芸の極みです。旧盤とどちらが好きかと問われれば、個人的には迷わず新盤と答えるでしょう。

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コメント

今晩は、ハルくん様。
昨日9月4日はブルックナーの誕生日でしたね。
ならば聴くしかあるまいと思い何番にしようか並べて眺めていたら、睡魔に襲われいつの間にか寝てしまったらしく、気がついたらCDを下敷きにしておりました。 憐れ7番…カラヤン/ウィーンフィル盤は傷だらけの憂き目に合い鑑賞不可能となりました。
さよ~なら~、ヘルベルト君†

投稿: from Seiko | 2013年9月 5日 (木) 23時52分

Seikoさん、こんにちは、

そうですね。ブルくんの189回目のお誕生日でしたね。
記念の日にブルくんのCDを布団にして寝てしまわれましたか!
どちらか言うと昔のLP盤のほうが寝ごこちは良さそうですが。(笑)

ヘルベルトくんのCDが犠牲になったのは残念でしたね。

投稿: ハルくん | 2013年9月 6日 (金) 12時40分

ハルくんさん、Seikoさん、こんばんは~!

あらら~、Seikoさん。ブルックナーの誕生日に、第7を聞こうとしたら寝ちゃいましたかぁ~? 実は、僕も初めて第7をTVで視聴した時には~、不覚にも寝てしまいました。演奏は奇しくも同じヘルベルト君!オケはベルリン・フィルでしたよぉ~。(笑)

さて、ハルくんさん。この記事に載っているザンデルリンク&ACOのライブCDですが~、実に興味深く食指の動くCDですねぇ~。僕のブル3体験は実に貧しくて、LPで~シューリヒト・VPO版、べーム・VPO版、CDでは~クーベリック・バイエルン放響、セル・クリーブランド管、そして珍しいものでは~、FMからカセットに録音した、マタチッチ・ウィーン響の演奏ですね。


投稿: kazuma | 2013年9月 6日 (金) 21時30分

kazumaさん、こんばんは。

ザンデルリンク/ACOのライブCDですが、分売されていないのが残念です。ゲヴァントハウスを指揮した’60年代の演奏は分売されているのでお薦めできます。

ご紹介の演奏はセル盤以外は全て所有しています。但しマタチッチのは海賊盤ですけれど。そういえば、これは良い演奏なのに記事に入れていなかったです。追記しなければ。

投稿: ハルくん | 2013年9月 6日 (金) 23時02分

ハルくんさん、こんばんは~。

以前から貴殿にお聞きしたかったのですが、ブル3の初稿版演奏には~、ご興味がないご様子ですが~、私はインバル・フランクフルト放響の演奏を聞いて、大いに興味関心をそそられました。

確かに、ワーグナーの亜流と聞きまがうばかりに、ワーグナーからの引用が多く、音楽モチーフが並列・混濁していて、纏まりの悪い冗長さを感じます。しかしながら、初稿版にはブルックナー特有の根源的な力や宇宙的な壮大さを実感出来るので、大いなる魅力を感じます。

それから、所謂第2稿は~エーザー版として世に出て、ワーグナーからの引用も適宜残しつつ~適宜推敲改定も施し、根源的な魅力も充分に盛り込んだものとなりました。その成果と真髄は、正に~マタチッチ・ウィーン響の演奏に聞くことが出来ます。フィナーレなどは、第3稿を元にしたノヴァーク版よりも、断然エーザー版の方が好きですが~、ハルくんさんは如何でしょうか?

投稿: kazuma | 2013年9月 8日 (日) 20時46分

kazumaさん、こんばんは。

申し訳ありません。初稿版は確かに好んでいません。
エーザー版、ノヴァーク版の違いについても、演奏そのものが良いかどうか(好きかどうか)の方が気に成ります。ですので版の違いはさほど気に成りません。これは他の曲についても言えることなのですが。

投稿: ハルくん | 2013年9月 8日 (日) 22時59分

通常ノバーク第Ⅲ稿で演奏されるこの曲、最近エーザー版が増えて来た印象を受けます。初稿に関しては第4番も含め、異なる世界を描いている気がしますワーグナ交響曲(第4番ではロマンティッシュ)という表題に捕らわれるのなら、確かに初稿が一番フイットしているかも知れません。実際、ノバークⅢ稿が後期の交響曲の形式に第3番を焼き直したと論ずる批評家もいるので、非常な戸惑いを感じます。あくまでも私見ですが初稿はスケッチの域を出ていない気がします。(聴いていて非常にハラハラします。)折衷案として最近はエーザー版をよく聴いています。特に第4楽章で第1楽章のテーマが回送される所など涙ものです。

投稿: k | 2014年10月31日 (金) 19時19分

Kさん

過去に初稿版は嫌いだと書きましたが、あれは別の曲だと考えるべきですね。
ノヴァーク版とエーザー版については、まぁどちらでも。自分にとっては演奏そのものが好きかどうか以上の問題ではありません。他の曲でもそういう傾向にはあります。性格がいい加減なのでしょうか(苦笑)。

投稿: ハルくん | 2014年11月 1日 (土) 17時46分

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