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2012年12月22日 (土)

「野田版・鼠小僧」 ~江戸のホワイトクリスマス~

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もうじきクリスマスですが、今月亡くなった中村勘三郎(当時はまだ勘九郎でした)が主演した、クリスマスの江戸を舞台にした歌舞伎の傑作が有ります。

それは、2003年に演劇の野田秀樹の脚本・演出で公演された「野田版・鼠小僧」です。といっても僕は生の舞台を観たわけでは無く、舞台をそのまま撮影したシネマ歌舞伎で後から観たのでしたが。

話のあらすじは、江戸の町で棺桶屋をしている三太が、ある武家の遺産をめぐって屋敷に千両箱を盗みに入りますが、蔵番の爺さんに義賊の鼠小僧だと思い込まれてしまい、「自分を殺して金を取って、捨て子同然の暮らしをしている孫に、施しの金を降らせてやってほしい」と頼まれます。

生れてこのかた他人に施しなんかをしたことの無い三太は千両箱を持って逃げ出しますが、途中で箱をひっくり返して小判を街にばらまいてしまいます。そこで三太は小判を取り戻すために、本当の鼠小僧に成りすまします。

ところが、ひょんなことで出会った子供が、蔵番の話していた孫だと気付き、その子の為に小判の雨を降らそうと決心して屋根に上ります。けれどもその時、運が悪いことに目明しに見つかって捕えられてしまいます。

三太は奉行所で裁きに合い、目明しに切りつけられながらも、奉行所から逃げ出します。そして、隠してあった小判の雨を子供に降らせてやろうと、再び屋根に上ります。けれども、追ってきた目明しにとどめを刺されてしまい、そこで力尽きてしまいます。

三太が屋根に横たわっていると、そこに子供が現れて、静かに降ってきた雪を見ながら、「きらきらと光って小判が降ってきたぞ。きれいだなぁ!」と一人でつぶやきます。そのとき尺八の調べで名曲「ホワイト・クリスマス」が静かに流れてきます。今夜は師走の二十四日だったのです。

もうお分りの通り、三太はサンタだったのですね。鼠小僧とサンタ・クロースをコラボさせるアイディアはもちろん野田さんでしょうが、それを演じた勘三郎は全くもって見事でした。こういう役を演じさせて、この人以上の役者はまず考えられません。

ごくごく簡単にあらすじをご紹介しましたが、抱腹絶倒間違いなしの話と演技が次から次へと息つく間も無いほどに登場して来ます。そして最後には一転して涙を誘います。

三太のように天国へ旅立ってしまった勘三郎さんの生の舞台を、出来ることならもう一度堪能したかったですが、幸いなことにこの「野田版・鼠小僧」もシネマ歌舞伎として、来年全国で再上映されるようですので、「研辰の討たれ」や「法界坊」と並んで、最高の舞台を味わうことが出来ます。

松竹 シネマ歌舞伎に関するWEBサイトはこちらへ

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コメント

ハルくん、こんばんはnight

おっsign01クリスマスの江戸を舞台にした歌舞伎があるんですかしかも中村勘三郎さんが主演だなんてメチャクチャすごいじゃないですかshineshineshineってゆーか今月亡くなってるから生きてる間に主演されてるんですねheart04heart04heart04本当に中村勘三郎さんが亡くなってメチャクチャ惜しいくらいですp(´⌒`q)weepweepweep歌舞伎のファンにはたまらないですね(*^▽^*)heart04heart04 ハルくんにとって素敵なクリスマスでありますよおに彡
xmasMerry Christmas!(^з^)-☆Chu!!

投稿: 上原よう子 | 2012年12月24日 (月) 21時33分

よう子さん、メリークリスマス!

そうなんです。クリスマスの江戸を舞台にした歌舞伎が有るんですよ。とにかく笑って泣けて、素敵なんですよ~。
勘三郎さんだから面白いということもありますけどね。
東京の劇場でも上映されますから是非観て下さいね。

投稿: ハルくん | 2012年12月25日 (火) 00時26分

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