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2012年9月27日 (木)

ブラームス 交響曲全集 エードリアン・ボールト盤 ~熟年男性向け名盤?~

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朝夕がすっかり涼しくなりました。秋の気配を感じると、何となくブラームスを聴きたくなるから不思議です。もう何年もそうしているうちに身体にすっかり染み付いてしまったようです。

エッシェンバッハのブラームス交響曲全集を聴いたところで、ついでにもう一つ最近購入した全集を。と言っても正確には再購入になります。
指揮者はサー・エードリアン・ボールトで、オーケストラはロンドン・フィルハーモニー(3番のみロンドン交響楽団)です。録音されたのは1970~73年です。

以前は、海外のDiskyというレーベルがEMIからのライセンスで出したCDを持っていましたが、現在は所有していません。そこへ最近ボールトの「バッハからワーグナーまで」という11枚組の廉価ボックスがリリースされたので購入した次第です。今回は本家EMIの販売ですし、他にもバッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ワグナーなどのドイツの作曲家の名曲を収録して大変充実していますが、中核となっているのは、やはりブラームスの4曲の交響曲です。

その演奏ですが、どの曲でもロマンティシズムに溺れ過ぎない節度を保っています。テンポは速からず遅からずの中庸で、ほぼインテンポを守り、劇的な表情の変化は見せません。正に英国紳士の気品ある姿を想わせるような雰囲気です。それは決してブラームスの音楽から離れてはいません。

響きの面でも、イギリスのオーケストラは地味で暗く、くすんだ音色を持ちますのでブラームスに似合います。但し、トゥッティで金管が弦よりも一瞬早めに音を出すことが有るのは気になりました。また、微動だにしないインテンポを守るというわけではなく、音楽が高揚する部分では僅かに加速を見せます。それは通常では自然な表現なのですが、ブラームスの場合にはインテンポを頑固なまでに守った方が立派な造形性を感じられるので好ましいとは思います。

それにしても、この演奏はどれもが良質のブラームスです。噛み続けるほどに味わいの増すスルメのような演奏と言えるかもしれません。ザンデルリンクやベーム、ジュリーニの素晴らしい全集以上とは思いませんが、それらとはまた一味違った名盤のように思います。4曲の出来栄えは安定していて出来不出来は有りません。それでも特に印象に残るのは、名ヴァイオリニストのユーディ・メニューインが自ら志願してコンサートマスターに就いたという第1番です。もちろん2楽章のメニューインの独奏も聴きものですが、大きく高揚する終楽章も感動的です。第4番は、素晴らしい人生の黄昏を感じさせるような非常に味わい深い演奏です。と言っても枯れているわけでは無く、終楽章の変奏など案外と情熱的で面白く聴かせてくれます。

うーん、これは正に大人の男(熟年男性とも言う?)の音楽です。まあ、もともとブラームスの曲にはそういうところが有りますが、このCDはR40指定にするべきかもしれませんね。

この新盤の音質をDisky盤と直接聴き比べてはいませんが、かなり良くなった印象ではありました。

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ブラームス(交響曲全集)」カテゴリの記事

コメント

私はDisky盤を持っています。いろいろ持っているブラームス交響曲全集の中でお気に入りの演奏の一つなので、今回、こちらのブログで紹介されて本当に嬉しいです。
特に第4番の演奏が一番好きです。
ボールトの演奏は渋さを増した、正に男の音楽と言えるでしょう。

投稿: オペラファン | 2012年9月27日 (木) 23時27分

ハルくんさん、こんにちは。 おぉ! ボールトのブラームスですか。 エルガーやV=ウィリアムスの交響曲で あれほど素晴らしい演奏をしているボールトのブラームスが悪かろう筈がありませんね。以前から気になっていたCDですが、廉価ボックスセットに入っていたのですね。 貴重な情報をありがとうございました。是非、購入しようと思います。 ところで R40指定(笑)とのことですが、1966年生まれ、第2期ウルトラ世代の私は大丈夫でしょうか?(笑)

投稿: ヨシツグカ | 2012年9月28日 (金) 12時54分

オペラファンさん、こんばんは。

ボールト盤はお気に入りだったのですね。
気が合ったところで、お近くであれば杯でも酌み交わしながら一緒に「男の音楽」を聴きたいところですなぁ。(←急にオヤジっぽくなる)(笑)

4番は本当に良い演奏ですよね。

投稿: ハルくん | 2012年9月28日 (金) 21時49分

ヨシツグカさん、こんばんは。

確かにエルガーやV=ウィリアムスのボールトは素晴らしいですからね。ブラームスも良いですよ。きっと気に入られるのではないでしょうか。
第2期ウルトラ世代も第1期ウルトラ世代も変わりはありません。R40指定に問題なく顔パスです。(笑)
この11枚組なにしろ廉価ですから、是非聴かれてください。感想を楽しみにお待ちしております。

投稿: ハルくん | 2012年9月28日 (金) 21時59分

今晩は、ハルくん。ハルくんの言葉に後押しされてオペラファン様のブログへお邪魔してきました。ご丁寧なお返事も頂いて嬉しかったです。これもハルくんが取り持つ縁ですね。感謝です!
そのオペラファン様もご推薦とあらば、是非とも聴いてみたいですね。男性ではありませんが、R40第一ウルトラマン世代の熟年ですので資格はあるかな(人間として未熟者ですが)エードリア~ン!!→ロッキー風に叫んでみようか???

投稿: from Seiko | 2012年9月29日 (土) 19時43分

Seikoさん、こんばんは。

男は勝手に自分たちの音楽だと思っていますが、実は女性ファンも多いブラームスです。
ぜひお聴きになってください!
なにせこのCDはドイツ音楽の名曲オンパレード、ザ・ヒットパレードですので。アメリカ人のロッキーも「エイドリア~ン!」と叫ぶこと間違いなしです。
いやぁ、ロッキー懐かしいですね。ロッキーのテーマも好きですが、ロッキー4のサバイバーの歌う「アイ・オブ・ジ・タイガー」が大好きでした。

投稿: ハルくん | 2012年9月29日 (土) 23時09分

ハルくんさん、こんばんは。 早速、購入して 毎日、聴き入っています。 期待通り、ボールトらしい渋くて誠実な演奏ですね。渋好みの私には嬉しいボックスセットです。 特に というか やはり ブラームスの交響曲は素晴らしいですね。いわゆるドイツ的な演奏とは異なりますが オケの渋い音とインテンポを主体にした表現は「さすが!」の一言です。 ブラームスの交響曲全集では、ザンデルリンク/SKD盤がダントツですが 私には ザンデルリンクの新盤やスイトナー盤よりも こちらの方が好みかもしれません。(第2番などは 私の中では ベーム/VPO盤に並びました・・・笑) もちろん、その他の曲も素晴らしい演奏ばかりで(シューベルトの「ザ・グレイト」最高!) 正直、ここまでグレードの高い演奏ばかりとは思ってませんでした。 これからの秋の夜長に スコッチウイスキーでも飲みながら 聴きたいCDボックスです。(まぁ、実際にはスコッチじゃなく スーパーニッカですけれど・・・笑) これは 良い買い物でした。 ご紹介、ありがとうございました。

投稿: ヨシツグカ | 2012年10月 5日 (金) 20時52分

ヨシツグカさん、こんばんは。

ボールトのBOXセットを購入されたのですね。ブラームスも他の曲もお気に入りになられた様子なので安心しました。
どの曲でも、渋い大人好みの演奏スタイルで一貫していますので、ファンにはたまらないでしょうね。

スコッチなら最高ですが、スーパーニッカで充分ですよ。私なんぞは薩摩の芋焼酎ですから。(笑)

投稿: ハルくん | 2012年10月 5日 (金) 22時31分

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