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2012年8月14日 (火)

グリーグ ピアノ協奏曲イ短調 隠れた名盤

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ロンドン・オリンピックの間は何となくブリティッシュ・ロックを聴いていましたし、毎日暑いのでクラシックにも今一つ触手が伸びませんでした。でも、そろそろクラシックを聴こうかなぁということで、爽やかなグリーグの音楽にしました。

グリーグの作品の中で僕が最も好きな曲というと、ピアノ協奏曲イ短調です。同じ北欧の作曲家でも、シベリウスの曲から感じるフィンランドの空気ほどには冷気を感じませんが、清涼感溢れる音楽が何とも心地良いからです。

この曲の愛聴盤については、かなり以前に「ぶらり北欧の旅」という記事で、グリーグの母国ノルウェー出身のピアニストのエヴァ・クナルダール(Pf)、インゲブレッセン指揮ロイヤル・フィル(BIS盤)と、レイフ=オヴェ・アンスネス(Pf)、キタエンコ指揮ベルゲン・フィル(EMI盤)をご紹介しました。どちらも、北欧の空気感がたっぷりと味わえる素晴らしい演奏なのですが、実は最近両盤を凌駕するほどの素敵な演奏に出会いました。

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それは、イェンス・ハーラル・ブラトリという1948年生れのノルウェーのピアニストの演奏です。(レーベル:ノルウェーNkf)
この人は日本ではまず無名と言って良いですが、本国では演奏家としてよりも、むしろノルウェー音楽院の教授としての仕事が中心のようです。演奏録音もノルウェーの作品が幾らか存在するだけですので、グリーグの協奏曲を録音してくれているのはせめてもの救いです。この録音は1988年頃のものですが、伴奏を務めているのはマリス・ヤンソンス指揮のオスロ・フィルハーモニーです。

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ブラトリの演奏は、音楽の素朴さや土俗感という点では、クナルダールに一歩譲りますが、確かなテクニックは彼女よりもずっと上で、アンスネスと比べても聴き劣りしません。何よりテンポが常にゆったりとして呼吸が深いので、音楽のしみじみとした情緒が如何なく表現し尽くされています。一音一音に念押しをしている感じですが、もちろん決して音楽がもたつくわけではありません。

それにしても世界には素晴らしい演奏家が隠れているものです。この人はベートーヴェンやブラームスをどのように演奏するのかと思うと興味が尽きません。

そして、オスロ・フィルハーモニーの音の、まぁ何と素晴らしいこと!世界のどんな名オーケストラでも、この曲のこれほど美しい伴奏は不可能だと思います。単に技術の問題では無く、長い年月をかけて練り上げられた母国の音楽への敬愛が基盤に有るからでしょう。アンスネス盤のベルゲン・フィルの音も素晴らしいですが、このオスロ・フィルの音はそれを更に越えています。

グリーグのこのコンチェルトを、何となく物足りなく感じておいでの方には、是非とも聴いて頂きたい演奏です。但し、日本では入手が難しそうですので、アマゾンのUK(英国)から購入されるのが早いと思います。英語ですが、日本のアマゾンとほぼ同じ構成ですので解りやすいです。

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グリーグ」カテゴリの記事

コメント

ハルくんさん、こんばんは。 オリンピックが終わって、例の韓国の問題で いきなり 夢から現実に戻されてしまいましたね・・・。(ホントに韓国と言う国は・・・) さて、グリーグの「ピアノ協奏曲」は クナルダールの「ピアノ曲全集」からのものと ジルベルシテイン/ヤルヴィ盤を聴いています。この曲、第2楽章がとても美しいですよね。グリーグの作品では 「ホルベルク組曲」と共にお気に入りの曲です。ブラトリ盤も入手出来たら聴いてみようと思います。

投稿: ヨシツグカ | 2012年8月14日 (火) 21時38分

ヨシツグカさん、こんばんは。

オリンピックは本当に愉しい夢のような毎日でした。これからまた現実の日々ですね。

クナルダールも隠れ名盤だとは思いますが、ピアノ曲全集が有るのでファンにはまだ知られているでしょうね。ブラトリの方はホントに隠れたる名盤です。よければ是非お聴きになられてください。

ジルベルシテイン/ヤルヴィのものも美しそうですね。一度聴いてみたいです。

投稿: ハルくん | 2012年8月14日 (火) 23時21分

ハルくんさん、おはようございます。

オリンピックの後半から、日本でキナ臭いことが続いていますね。適切な対応が必要ですので、元々現在の政権党を支持していない小生としては、一刻も早く政権交替して欲しいと願っているところです。

さて、ご紹介のブラトリのCDは、1995年にオスロに行った際、市内(あるいは空港)で買いました(同時にジルベルシテインのCDも買いました)。取り出して、久し振りに聴いています。オスロフィルの響きがよく録られていて、オスロの景色や空気を感じるかの様です。ピアノは、私の好きなステファンスカの様な華はありませんが、確かにちょっとした間(ま)に情緒を感じ、一方、全体に意志の強さも覚えます。

ご存知の通りノルウェーは長い間デンマークやスウェーデンに支配され、20世紀に入って(1905年)やっと独立した訳で、徴兵制があります。ノーベル平和賞の授与式はオスロで行われ、上記の際、その会場を見学しました。

投稿: HABABI | 2012年8月18日 (土) 07時31分

HABABIさん、こんにちは。

ブラトリ盤をお持ちとは驚きました。
本国のノルウェーでは結構ポピュラーなようですね。
実際に行かれたHABABIさんが、オスロの景色や空気を感じるかの様と仰られるのですから本当にそうなのでしょうね。考えてみれば行ったことのない自分には北欧は想像の世界にしか過ぎないのですが、何かそう感じさせられる音だと思います。暖流の影響でフィンランドほど気温が寒くないと聞いているとおり、幾らか温かみを感じる音なんですよね。

HCステファンスカは昔ショパンの2番とカップリングのLPで聴いていましたが、あれも良い演奏でしたね。

投稿: ハルくん | 2012年8月18日 (土) 21時20分

ごぶさたしております。この盤は知らなかったので、聴いてみたいですね。曲のほうは85年頃だったか田沢湖音楽祭で伴奏した記憶があります。後宮、グリーク、新世界からというプログラムで指揮はヴィオラ奏者のF先生でした。

投稿: かげっち | 2012年8月29日 (水) 12時06分

かげっちさん、こんにちは。
お久しぶりです。

この演奏については記事に書いた通りですが、とても気に入っています。
本場ものの好きな自分には、うってつけの演奏でした。


投稿: ハルくん | 2012年8月29日 (水) 22時29分

ハルくんさん、こんにちは。 この間、あるリサイクルショップのサイトで色々物色していたら なんと このブラトリのCDを発見!即、購入(800円)しました。聴いていると ハルくんさんやHABABIさんの仰るように ノルウェーの景色や空気を感じる演奏ですね。素晴らしいです!カップリングの小品集も なんとも澄んだ響きが良いですね。 私は しばらくグリーグの音楽にハマってしまいそうです。(笑)

投稿: ヨシツグカ | 2012年9月 1日 (土) 14時27分

ヨシツグカさん、こんばんは。

リサイクルショップで入手されたとは運がよかったですね。とてもお気に召されたようですし嬉しいです。

僕も昔から好きな曲でしたが、このブラトリ盤を聴いてからは、ホントに大好きになりました。
それだけ曲から良さを引き出しているのでしょうね。

投稿: ハルくん | 2012年9月 1日 (土) 22時19分

お早うございます。

昨夜の熱帯夜に納涼目的で笑、ブラトリを。聴くのは2回目。少し前に中古屋サイトの新入荷で目にした時は高まりました。縁をずーっと待ち望んでいたので、なかなかの値段でしたが即決。

誰もが耳にしたコトあるであろうコノ曲はグリーグだったとは苦笑。

冒頭からピアノのただならぬ雰囲気...北欧の自然を想像してしまうテンポ...この後どういう演奏が待っているかは直感できました。

第2楽章の深奥さに引き込まれ、協奏曲に続くカップリングも魅惑の曲でした。ご紹介で知れたので深謝です。


ところで、書き込みすべく貴blogのグリーグのページを出した際、現在トップにある、ベーン演奏のソナタなんですけど、カナでもローマ字でもamazonではヒットしないのです...いつか縁で出会うのを願います。

投稿: source man | 2017年5月20日 (土) 10時15分

source manさん、こんにちは。

ブラトリ盤が日本に入荷した枚数はごく僅かだと思いますので幸運でしたね。
これは掛け値なしに素晴らしい演奏だと思います。

ベーンのソナタも同様に日本での流通は少ないことでしょう。Amazon.UKから取り寄せる方法も有りますがこれだと¥3000位になってしまいそうですね。

一応、Amazon.UKのサイトから”ole bohn grieg”でヒットします。

投稿: ハルくん | 2017年5月20日 (土) 21時40分

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