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2012年2月20日 (月)

クリティアン・ティーレマン/ウィーン・フィル ベートーヴェン 交響曲全集 ~推薦盤~

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ベートーヴェンの交響曲全集が新たに登場しました。いまやドイツ楽壇の期待を一身に担って大活躍のクリスティアン・ティーレマンが世に問う全集盤です。これは是非とも聴いてみたくなりました。2008年から2010年にかけてウィーン・フィルハーモニーとコンサート収録したものです。メディアはブルーレイ・ディスクによる映像版と、音のみのCD版の二種類ですが、オペラやバレエ(あるいは美女演奏家??)以外を、それほど映像では鑑賞しない自分はCDのほうを購入しました。

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ティーレマンは現役の指揮者では珍しく「重厚長大」な演奏をします。意地の悪いリスナーからは「過去の大巨匠達の真似をしているだけだ」と陰口を叩かれます。けれども、僕に言わせれば、猫も杓子も古楽器奏法的な快速テンポでキレの良い演奏を目指すという「軽薄短小」時代に、ドイツの伝統に真っ向から挑戦する立派な気概を持つ演奏家です。現代の指揮者は大抵、有名コンクールで優勝することによって、その名前が知られます。けれどもティーレマンは、最近では珍しくオペラハウスのアシスタント指揮者から出発した、現場たたき上げの「カぺル・マイスター」なのです。まだまだ演奏に出来不出来が有るのは当たり前で、これからの円熟を長い目でじっくり見届けたいと思っています。

それでは、CDの聴後の感想をお伝えします。

9曲通して言えるのは、録音が非常に優秀なことです。ウィーン・フィルの美音がコンサート・ホールの最上席で聴くような臨場感を持って捉えられています。ですので、各楽器のニュアンスが生演奏のように(か、あるいは、それ以上に)良く聞き取れます。演奏スタイルは、いつも通りの「重厚長大」スタイルです。その点でファンを決して裏切りません。テンポは概して遅めでスケールが大きいです。リズムには重量感が有りますが、重過ぎてもたれることはありません。しばしば聴かせどころでテンポに変化をつけたり、音にタメをつくって念押ししたります。最近の快速でストレートな演奏に慣れた耳には、それが少々煩わしく感じられるでしょうが、昔の巨匠達の演奏をずっと聴いて来た耳には、何とも心地よく感じられます。と、ここまで書くと、何やら本当に過去の巨匠のコピーのような演奏に聞こえるでしょうが、決してそれだけでは有りません。今世紀に入ってウィーン・フィルもすっかりメンバーが若返りましたが、そうした奏者の若々しさも感じられます。音が、単に「甘く柔らかい」のではなく「しなやかさ」と「爽やかさ」を強く感じます。これはベーム時代とは随分異なる要素です。このティーレマン盤は、音にとても若々しさが増した印象を受けます。ドイツ伝統の重さと、若々しさとを、絶妙にブレンドしているのは非常に素晴らしいと思います。得てして、大抵はどちらかに偏ってしまうものだからです。

まず、1番、2番、4番という初期の作品では、その若々しさや切れの良さが最上に生かされています。これは、この人の後期ロマン派の演奏イメージからは随分と離れていて意外ですが、実に魅力的です。

それが、3番や5番、7番となると、今度は重厚長大な印象がずっと大きくなります。唯一失敗だと思うのは5番の終楽章で、テンポを動かし過ぎて、いささかわずらわしく感じられます。逆に7番は、重量感と推進力のバランスが抜群で、非常に聴きごたえのある傑作です。2楽章の悲壮感の表出も、まるでフルトヴェングラーのようです。「田園」の演奏も非常に気に入っています。まるでベームのようにゆったりとしたテンポでこの曲の美しさを心ゆくまで堪能させてくれるからです。

8番も、この曲にしてはゆったりめのスケール大きな演奏です。どうしてどうして「小さな交響曲」ではありません。1楽章で途中に入れたルフトパウゼだけは、幾らか余計なように思いますが、どうでしょう。

そして、いよいよ結びの一番、ではなく9番なのですが、これが中々に良い演奏です。フルトヴェングラーのような凝縮された音での鬼気迫るドラマは有りませんが、解放されて豊かに広がる響きで、非常にスケールの大きさを感じます。ところどころでブルックナーのような音に聞こえる瞬間が有ります。もちろん熱さも充分感じさせますが、「激しさ」よりは「大きさ」を強く感じさせます。3楽章の表情豊かな弦楽の美しさは特筆ものです。終楽章の主題が最初に弦で奏されるところも非常に美しいです。合唱も美しく、この曲は単独でも、モノラル録音のフルトヴェングラーは別格としても、ジュリーニや、クーベリック、シュミット-イッセルシュテットなどのステレオ録音の名盤に肩を並べる素晴らしい演奏です。

全曲を聴き終えて、この人は、ベートーヴェンの作品や、時代による様式の変化を忠実に捕えているなぁと感じます。それに比べると、良くも悪くも往年の巨匠たちや、現代の指揮者たちの演奏は、どうも一本調子に思えてきます。但し、この人は決して閃きを持った「天才型」では無く「努力型」だと思うので、表現に僅かながらも不自然に感じられることが、まれに有るのは否定できません。けれども全体の評価を下げるほどのものではありません。

ベートーヴェンの交響曲については、このブログで昨年、1番から9番まで順番に愛聴盤のご紹介をしました。けれども「全集」という形でのご紹介はしていません。その理由は、曲毎にベスト盤が異なるので、全集盤として一人の指揮者で通して聴くことが、意味の無いことに思えたからです。フルトヴェングラーにしても、EMIの全集は2番と8番の音が悪過ぎるいう欠点が有ります。もしも、この2曲がせめて7番程度の音であれば、全集としてベストに上げられるかもしれませんが、現実はそうでは無いわけです。もし、強いて上げるとすれば、カール・ベーム/ウィーン・フィルか、あるいはフランツ・コンヴィチュニー/ライプチヒ・ゲヴァントハウス管という選択肢が有ります。そんな中で、このティーレマン盤を聴き終えて、各曲がこれだけ出来不出来の無い全集は極めて稀だと思いました。解釈の正統性、オーケストラの音の美しさと上手さ、優秀な録音、というようにおよそ欠点が感じられないのです。もしもベートーヴェンの交響曲全集をこれから手に入れようという方がおられれば、僕は迷うことなくこのティーレマンの新盤をお薦めします。

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ベートーヴェン(交響曲全集)」カテゴリの記事

コメント

ハルくん様。
ご無沙汰しております。

おおおーーーw(゚o゚)w
なにかもうひとつ欲しいなぁと思っていたところだったのです。
それでは、私もこの全集を購入することにしましょう。

良い情報をありがとうございます。

投稿: はるりん | 2012年2月20日 (月) 11時09分

はるりんさん、こんにちは。

こちらこそご無沙汰しています。
お元気そうで何よりです。

現在どんな全集をお持ちなのかは分かりませんが、この全集は本当にお勧めできますよ。
でも万が一お気に召さない場合の返品はご容赦願います。(笑)
ご感想記事を楽しみにしていますね。

投稿: ハルくん | 2012年2月20日 (月) 22時44分

ハルさん、こんにちは。

とうとう全曲お聴きになったんですね。うらやましい限りです。私のほうはまだアマゾンの買い物かごに入れたままです。秋のコンサートシーズンのチケット購入に備えて節約中なので(泣)。
9番のアルトが藤村実穂子さんだというのを今確認してきて、ますますほしくなりました。

ところで、先日大フィルの東京定期公演で大植さんの田園と春の祭典を聴いて来たのですが、彼の下から上へすくいあげるような動作はティーレマンを思わせました。
指揮棒を鋭く前に突き出すところはコバケン先生風であったり、ステップを踏むところは山本直純さん(古すぎ?)風であったり。凡人の私には理解を超える指揮でしたが、音楽は楽しめました。

投稿: 雪子 | 2012年2月22日 (水) 11時32分

雪子さん、こんばんは。

ええ、それぞれの曲を2~3回づつ聴いたので、時間がかかってしまいました。繰り返して聴くと、益々良さが増してくるように思います。僕はUS盤のCDで購入したので、一番安かったです。DVDや国内盤は高いですからね。慌てなくても良いと思いますよ。

秋に来日しますが、他にも行きたいものが色々と有るので予算編成に苦労しています。さあ困ったぞ~(笑)

大植さんの実演は聴いたことが無いのですが、色々と先輩諸氏を参考にしているのかな?でも飛び上がるのは、たぶんバーンスタインの真似じゃないですかねぇ。

投稿: ハルくん | 2012年2月22日 (水) 21時52分

ハルくん、こんばんは。ティーレマンは 現在では珍しく、重心が低い 大きな音楽をつくりますよね。如何にも「叩き上げ」って感じで。私は好きです。このベートーヴェン全集を購入するかは検討中ですが、「英雄」、「田園」は是非とも聴いてみたいですね。ちなみに私が持っている全集は、フルトヴェングラー、ワルター、コンヴィチュニー の3組です。(あと、私の実家の方に ベームのLPが眠ってますが・・・) 普段 ベートーヴェンの交響曲を聴きたい時は コンヴィチュニー盤を手に取ることが多いです。飽きの来ない、ドイツのビールのような演奏ですよね。(笑)

投稿: ヨシツグカ | 2012年2月23日 (木) 20時10分

ヨシツグカさん、こんばんは。

そうなのです。ティーレマンは現代では珍しくスケールの大きいタイプなんですよね。そこが好きなんです。

フルトヴェングラー、ワルター、コンヴィチュニー、ベーム、みな素晴らしいですね。
「コンヴィチュニーは飽きのこないドイツビール」 これは名言です!
もうひとつ、ブロムシュテットが若いころに録音したシュターツカペレ・ドレスデン盤の音もドイツビールみたいで好きです。

投稿: ハルくん | 2012年2月23日 (木) 20時57分

ハルさん、こんにちは。

そうでした。踊る指揮者といえばバーンスタインでした。大植さんは、マーラーの5番を94分という超遅テンポで演奏して、ギネスに載った(ここはウソ)人で、前から聴きたいと思っていました。

ティーレマン シュターツカペレ・ドレスデンは、日程は決まっているけど、プログラムは未定のようです。
このオーケストラは、2009年にファビオ・ルイージで来たときに聴きに行きました。ルイージは、ティーレマンとは対照的に小柄な人でしたが、とても優雅な指揮ぶりでした。
ハルさんの記事でティーレマンの顔をつくづく見ましたが、少年ぽくて結構かわいい感じもしますね。

投稿: 雪子 | 2012年2月24日 (金) 16時02分

雪子さん、こんばんは。

ティーレマン シュターツカペレ・ドレスデンの曲目はブルックナー7番のようです。これは聴きたくなりますね。

僕も2009年のルイージの時にはリヒャルト・シュトラウスの「英雄の生涯」を聴きました。素晴らしかったですね。

ティーレマンが可愛く見えるのは、たぶん髪形のせいでしょう。「ドイツの巨匠」になる条件として、この人に唯一欠けているのは「ハゲでないこと」です。(笑)

投稿: ハルくん | 2012年2月24日 (金) 21時30分

ハルさん、こんにちは。

ブルックナーの7番ですか!最新情報をありがとうございます。前回、「英雄の生涯」が素晴らしかったのはもちろんですが、アンコールのオベロンの美しさにも心打たれました。

ティーレマンの髪の量には気づきませんでした(笑)。確かにフサフサの巨匠は意外と少ない。カラヤンと小澤さんくらい?
最近、N響の方々が意外とフサフサな人が多いのに気づきました。私はB定期の会員で、今期は2階席に移ってわかったのですが、後ろで束ねている人もちらほら。1,2を争うほど髪が多かった店村さんが退団してしまったのは毛髪量の減少という点でも残念です。
もう一つ気づいたのは美人が多いこと。特に木管、次に第一ヴァイオリンあたり、でしょうか。

投稿: 雪子 | 2012年2月26日 (日) 11時45分

雪子さん、こんばんは。

小澤さんは日本人ですから当てはまらないですが、カラヤンはれっきとしたドイツ人です。なので「ドイツの巨匠」の条件を満たしていませんね。
ティーレマンは真の巨匠になるためにはスキンへッドにする必要があるかも。そういえば、パーヴォ・ヤルヴィももしや頭髪を剃っているのでしょうか?

N響にかぎらず、最近のオーケストラ団員にはどこも若い美人が目立ちます。いつも安いチケットを買うので遠目にしか見えませんが、たまにはステージ最前列の席をゲットして、よーく眺めてみたいものです。あっ、音楽鑑賞には支障が出そうですね。(笑)

投稿: ハルくん | 2012年2月26日 (日) 21時51分

ハルくんさん、こちらでもコメントします。

NHKで放映された4番、5番、6番は聴きました。残念ながら、世評ほどは感じるものがありませんでした。といいながらもティーレマンはやはり大注目の指揮者。昨年はミュンヘンのガスタイクでR・シュトラウス(英雄の生涯)をミュンヘン・フィルで聴き、素晴らしかったです。
来月はウィーンまで聴きにいきます。パルジファルとウィーンフィルとのシューマン(1番、4番)です。もちろん、秋のドレスデンとの来日公演も行きたいと思っています。
ハルくんさんの記事を参考にベートーヴェンの全集も聴いてみるつもりです。ありがとうございました。

投稿: sarai | 2012年3月 1日 (木) 13時17分

saraiさん、こちらへもコメントありがとうございます。

ティーレマンの演奏がそれぞれの曲についてベストかと言われると、そこまでは思いません。ですが、全集として見た場合はやはりベストではないかなぁ。もちろん録音とかも含めてですが。

「英雄の生涯」はウイーンPOとのCDを持っていますが、中々に素晴らしいです。この人は大曲がよく似合いますね。
沢山聴けるご予定が有ってイイですね。羨ましい限りです。ご報告記事を楽しみにしていますよ。

投稿: ハルくん | 2012年3月 1日 (木) 19時50分

ハルさんこんにちは。
コメントするのは初めてですが、ディスク選びに度々参考にさせてもらっています。
私もティーレマンは最も期待する指揮者なのですが、どちらかというと期待外れの方が多く、ブラームスの交響曲や今回のベートーヴェンの5番などは正にそうでしたが、3番や9番は期待以上でした。
ワーグナーやシュトラウスを聴けばもっと評価出来るかもしれませんが、私自身がワーグナーの作品を消化しきれていないので(笑)。
まだ実演を聴いたことがないので秋のブルックナー7番に期待しています。
同時期にリリースされたシャイーの全集は情熱的で、ベートーヴェンの革新性が上手く表現されているという印象でした。大胆な演奏ですが、完成度も高くなかなかやるな〜という感じでしたよ。

投稿: シジナ | 2012年3月 2日 (金) 20時05分

シジナさん、こんにちは、初めまして。

コメントを頂きまして誠にありがとうございます。とても嬉しく思います。

ティーレマンのディスクはそれほど多くを聴いたわけでは有りませんが、最近は「当たり」の確立が段々上がってきているように思います。
思えば、過去に「大巨匠」と呼ばれている人でも、打率が5割に到達する人はそうは居ないですし、良くてイチロー並みだと思います。ティーレマンのブラームスは未聴ですが、今回のベートーヴェンでは、1番と7番がベストで、続いては3、6、9番あたりが好きです。5番は終楽章が頂けないので一番下でしょうか。
シャイーの全集も聴いてみたいですね。情報をどうも有難うございます。

ティーレマンでは、ワーグナー、Rシュトラウス、モーツァルトあたりで気に入った演奏が有りますので、少しづつ記事にしてゆきたいなと思っているところです。

投稿: ハルくん | 2012年3月 2日 (金) 23時38分

こんにちは。
貴Blogでの各曲紹介で気にはなってた、シューリヒト/90年独盤¥1,050!!試聴もせず購入し、3,4,5,6,8番を一気に聴きました。交響曲しかもベートーヴェンを続けて聴けたのは、悪く言えば1枚ベールが掛かったような音質で、軽やかなTheシューリヒトな演奏だったからで、室内楽モードから入るには丁度良い演奏でした。

投稿: source man | 2013年2月23日 (土) 10時21分

source manさん、こんにちは。

あー、ベートーヴェンのシンフォニー全集の記事は無かったですね。
完璧な全集というのは中々に難しいと思いますが、録音の優れたものならこのティーレマンや、全盛期のSKDとのプロムシュテット、コンヴィチュニー/ゲヴァントハウスなんかは良いと思います。
シューリヒトは確かにモノラル録音ですが、室内楽のような引き締まった演奏は個性的で独自の輝きを放っていますね。
それにしても¥1050ですか!素晴らしい買い物でしたね。

投稿: ハルくん | 2013年2月23日 (土) 11時36分

第3「エロイカ」をバラ売りの国内盤で買いましたが少々残念でした。

56分もの演奏ですがジュリーニ&ロスアンジェルス・フィル
の様な密度の濃さが感じられません。
一言で言うと緊張感が足りません。

あと第1楽章コーダのトランペットを完全に吹くのがダサいです。

ただ、こうした女性的な「エロイカ」もありかもしれませんし
私の耳が高速演奏に毒されているのかもしれません。

ウィーン・フィルの音は流石に素晴らしいです。
これでライブではなくセッション収録ならもっと良かったでしょうが
それはないものねだりですね。

投稿: 影の王子 | 2013年8月29日 (木) 23時38分

影の王子さん、こんばんは。

ティーレマンの演奏スタイルは、どうやら凝縮力や緊張感ではなく、広がりやスケールの大きさにあるように感じます。ですのでどちらか言えばブルックナーやワーグナーに向いていると思います。
ですのでこのベートーヴェンはCクライバーやPヤルヴィを始めとする高速演奏の緊張感が好きな方には向かないでしょうね。
カール・ベームもそうですが、個々の曲を単独で聴くよりも、全曲通して聴いて良さが感じられるタイプかも知れません。

投稿: ハルくん | 2013年8月30日 (金) 00時59分

またまたご無沙汰しています。

3番をまず聴きました。いや~素晴らしいですね。ハルくんの言われるようにスケール感が凄いと思います。第2楽章のじっくりかつ強いリズムで構成される巨大さは、ピリオド奏法の軽薄な演奏では絶対得られませんね。
終楽章、ポコ・アンダンテ前の長い静止にはハラハラさせられましたが、全曲を通してほぼ文句なしです(提示部反復は嫌い)。
これから他の曲も聞きます。

投稿: まっこい | 2014年8月28日 (木) 21時50分

まっこいさん、こんにちは。
ご無沙汰しましたがお元気そうで何よりです。

ティーレマンのベートーヴェンお聴きになりましたか。3番はスケール大きな広がりが有って素晴らしいですよね。ピリオド奏法の演奏はせいぜいハイドン、モーツァルトあたりまでが良いという気がします。
僕も提示部反復は余計だと思いますが、古い指揮者でも行う人が居ましたので、まあ仕方ないですね。
他の曲のご感想もまた聞かせて下さい。楽しみにしています。

投稿: ハルくん | 2014年8月28日 (木) 23時08分

少しずつ聴いています。
ハルくんの感想と殆ど同じなのですが、7番は規模の大きさに感動しました。熱気もあって素晴らしいと思います。
8番も妙に古典派っぽいこぢんまりした演奏が多い中で、スケール豊かなこの演奏は異色と言えますが、とても気に入りました。
5番は仰るとおり駄目ですね。終楽章は説得力のない急激なテンポ変動がいけません。逆に第1楽章は変におとなしくてティーレマンらしくない演奏です。第2楽章だけ良かったと思います。

話がまた提示部反復のことになるのですが、私はとにかく反復が嫌いです。その中でも5盤の終楽章反復が最悪だと思っています。盛り上がって一気に展開部になだれ込もうとする流れをいっぺんに白けさせるからです。最近の演奏が無批判に反復しているのが気になって仕方ありません。

私にとって最高の5番はシュミット=イッセルシュテットです。

投稿: まっこい | 2014年9月 4日 (木) 21時43分

まっこいさん

7、8番はとても良い演奏ですね。
問題は5番ですが、ティーレマンは時々この不自然で急激なテンポ変化を行いますね。

提示部の反復は現代では不要ですね。
レコードというものが無く、曲を聴く機会が演奏会しか無かった時代には必要とされたかもしれませんが。

投稿: ハルくん | 2014年9月 4日 (木) 23時22分

こんばんは。

ティーレマンのベートーヴェン、「第4」と「第5」を聴きました。

「英雄」は期待はずれでしたが、この2曲はなかなか良いです。

どちらもウィーン・フィルならではの「優雅な」ベートーヴェンです。
特に「第4」は曲想に大変相応しく聴きごたえありです。
「第5」は余計な力みが無いのがさいわいです。

このシリーズ、他の曲も聴いてみたくなりました。

投稿: 影の王子 | 2015年3月 4日 (水) 22時02分

影の王子さん、こんばんは。

僕はこのシリーズ、「3番」も結構好きです。
むしろ「5番」の終楽章のほうが好みから外れます。それ以外、特に「4番」は素晴らしいですね。
もちろん細部で気にらない部分は有りますが、全体的には非常に気に入っているベートーヴェンのシンフォニー全集です。

投稿: ハルくん | 2015年3月 4日 (水) 23時56分

こんばんは。

ティーレマンのベートーヴェン、今度は「田園」を聴きました。

一言で言うと「新鮮味は無いが安心して聴ける」です。
ゆったりとしたテンポで曲の良さが伝わってきます。
特に第2楽章は心が和みます。
後半の楽章はもっとメリハリがあってもと思いつつ、
これが「流儀」なのでしょう。

この曲の演奏としては及第点をつけれます。

投稿: 影の王子 | 2015年5月 3日 (日) 19時28分

影の王子さん、こんにちは。

ティーレマンの「田園」はかなり気に入っています。
ベーム以上ということはありませんが、「及第点」以上なのは確かです。
ベーム以外のウイーン・フィルの演奏ならモントゥー盤と並んで好きですね。
HSイッセルシュテットやアバド盤よりもむしろ良いと思っています。

投稿: ハルくん | 2015年5月 4日 (月) 19時15分

ハルくん様

はじめまして。数年前より貴ブログを拝読していましたが、コメントは本日が初めてとなります。之までにご紹介頂いた名盤の数々に魅了され、購入したCDは10枚以上にも及びます。買うべきか買わぬべきか悩む際は、必ず訪問しました。

今日はブログ内の検索ではなく、ヤフー検索で此方の記事に辿り着きました。今晩、改めて聴き直し流石ウィーンで愛される指揮者だなと感じました。

「2008年から2010年CD」と「2013年ベートーヴェン・ツィクルス来日公演」を比較するとしたら、真っ先に浮かぶのが「英雄/第5番」です。ウィーン・フィルに半分近くは委ねる実演の中、紛れもなくティーレマン氏が主導権を握った指揮と解釈でした。「第7番」につきましては、録音&実演共に評価が高く感じられます。

「第1番」が良いのは、恐らくティーレマン氏ご自身が大きな序曲(第1楽章から第4楽章まで)と捉え、大切に創り上げているからかもしれません。又、カイザー氏との対談より、「第6番/田園」を他の交響曲にはない聖なる素朴「音楽の聖書」と評しているのが印象的です。

ちなみに、「第3番/英雄」に関しては聴き手の好き嫌いは別としても、ドイツ人として又元ピアニスト&ヴィオラ奏者としての強い意気込みを感じます。テンポ・ルバートと理解されそうな演奏を、敢えてデュナーミクの錯覚で聴衆をハッとさせようと試みたとのこと。

出来不出来の無い全集として、私もハルくん様に100%同感でございます。他に辞書的に聴けるツィクルスがあるとしたら、私にとってカラヤン氏&ベルリン・フィル(1970年代)です。両者を秒単位で聴き比べると、(師弟関係にあったのに)如何に解釈が違うか分かり興味深いです。

ハルくん様のブログ記事の数々を読ませて頂くと、とてもホッとします。最もお世話になったのは、ブルックナーの名盤探しでした。ご推薦の何枚も、纏めて購入しました。ありがとうございます。

投稿: michelangelo | 2015年6月28日 (日) 00時18分

michelangeloさん、はじめまして。

お返事が遅くなり申し訳ありませんでした。
初コメントありがとうございます!

>之までにご紹介頂いた名盤の数々に魅了され、購入したCDは10枚以上にも及びます。買うべきか買わぬべきか悩む際は、必ず訪問しました。

このような有り難いコメントを頂き本当に嬉しく思います。

ティーレマンのベートーヴェン全集は一部には批判評も見受けられますが、称賛のご意見に全面的に賛同します。記事に書いた通りで些細な疑問点は有っても全体の素晴らしい出来に対しては大した傷ではありません。

ブルックナーのCDについても有難うございました。コメント大変嬉しいです。お気に入りの演奏についてもぜひコメントをお伺いできればと思います。

貴ブログのご紹介ありがとうございます。
とても読みごたえが有りますので、ゆっくりと読ませて頂きたいと思います。
後日リンクさせてくださいね!

今後ともよろしくお願いします。
いつでもまたお気軽にコメント下さい。楽しみにお待ちしています!

投稿: ハルくん | 2015年6月29日 (月) 00時26分

こんばんは。
今度は「第7」&「第8」を聴きました。
一言でいうなら「耳にやさしいベートーヴェン」。
録音もソフト・フォーカスですし
攻撃的な解釈は皆無ですね。

ベートーヴェンの「前衛性」「激しさ」は求められませんが
多くのモダン楽器の指揮者達が古楽器奏法の洗礼を受けている中
こうした「典雅な」演奏は他に得難い個性だと思います。

もちろん、ウィーン・フィルあってこその成果ですね。
同じオケのベートーヴェンでもラトルとは真逆です。
オケが「喜んで」いるのはティーレマンでしょうね。

投稿: 影の王子 | 2015年8月 7日 (金) 21時45分

影の王子さん、こんにちは。
お返事遅くなりました。

僕は7番、8番とも仰られるほどはソフトな演奏には感じません。
ただ、古楽器派のような挑戦的で刺激的な演奏ではありませんし、ウイーンフィルの持つ素晴らしく典雅な響きがやはりそのように聴こえさせるのでしょうね。
あえて「新しさ」に固執することなくオーソドックスな行き方で極めた名演だと思います。

投稿: ハルくん | 2015年8月10日 (月) 10時44分

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