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2012年1月27日 (金)

~追悼~ パーヴォ・ベルグルンド

Berglund

フィンランドの名指揮者パーヴォ・ベルグルンドが今月25日に病気の為に亡くなられたそうです。82歳でした。

実は今回初めて知ったのですが、この人は左手で指揮棒を持っていたのですね。オーケストラで弦楽奏者が左手で弓を持つと、隣と弓使いが揃わなくて不便そうですが、普通の楽器奏者なら、左手でベースを弾くポール・マッカートニーのような有名な人も居るので不思議はありません。

ベルグルンドと言えば、まず思い浮かぶのは素晴らしいシベリウスの演奏です。この人はなにしろ3回も交響曲全集を録音しています。いずれも名演ですが、第1回目のボーンマス交響楽団とのものは、再録音と比べると、深みにおいて僅かに物足りなさを感じます。2度目のヘルシンキ・フィルハーモニーとのものは、多くのファンに絶賛されて、いまだに決定盤として名高い演奏です。普通ならば、これほどの名演奏を残した後に、更に再録音を残そうとは思いそうに有りませんが、三度目の挑戦をしました。オーケストラはヨーロッパ室内管弦楽団です。当然、フルオーケストラの編成からは小さくなりますが、それこそがポイントです。シベリウスが生きていた時代に演奏をしていた編成に近いからです。ピリオド編成の再現という意義は大いに認めます。確かに極限まで切り詰められた内容の6番、7番あたりは良さが出ていて、ヘルシンキ・フィルと、どちらを取るか迷うところです。けれども他の曲、特に1番、2番、5番のようなスケールの大きい音楽の場合には、ヘルシンキ・フィルに比べると、どうしても音が脆弱に感じられます。音楽評論家は総じて新盤を推薦しているようですが、多くのファンの意見は割れているように思います。僕自身は、もちろん両方とも好きですが、やはりヘルシンキ・フィル盤をリファレンスとしています。

シベリウスの交響曲の演奏には、この人以外にもオッコ・カム、レイフ・セーゲルスタム、オスモ・ヴァンスカ、ユッカ‐ペッカ・サラステ、それにネーメ・ヤルヴィといった素晴らしい録音が多く存在しますが、それらの中にあって一段と輝やかしい光を放っているのがベルグルンド盤です。僕は実演で聴く機会が持てなかったことがとても心残りですが、残された宝の名録音をいつまでも大切に聴き続けたいと思います。

<過去記事> 「シベリウス交響曲全集で思うこと」

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コメント

ハルくん、こんにちわ

ベルグルンド、亡くなったのですか。私の興味の範囲外の指揮者でしたが、左手で指揮をするシベリウス指揮者として有名だったと思います。

シベリウスは良い短波放送受信機を持っていて、自分の曲が放送されると聴いていたそうですが、その中ではオーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団の演奏が最も好きだったそうです。また、バイオリニストでは、カミラ・ウィックスを高く評価していたそうです。と言うことから考えると、シベリウスは自分の曲は、現代楽器・大オーケストラでの演奏の方が好きだったのではと思っています。

投稿: matsumo | 2012年1月29日 (日) 09時02分

matsumoさん、こんにちは。

シベリウスが生きていた時代に聴けた演奏は、ごく限られていたでしょうから、現在生きていて色々な演奏家で自分の曲を聴いたらどういう評価を下すでしょうね。もっともそれはモーツァルトにしてもベートーヴェンにしても同じことですが。
シベリウスだけでなく皆現代の大オーケストラを支持してしまうことだってありえますね。
そうすると古楽器派の意味って一体どうなるのでしょう。単なるアカデミックな研究だけに?

投稿: ハルくん | 2012年1月29日 (日) 18時33分

このニュースを聞いて、驚いた後しばらく呆然としていました。今も、持っているベルグルンドのCDのジャケット写真を見ると、言葉に出来ない気持ちになります。

私はヨーロッパ室内管盤を最初に聴いたので、こっちのほうに親しみを持っています。ライナーノートのインタビューも、解釈に校訂も重ねて、シベリウス作品に真剣に向き合っているのだなと感じました。
でも、ヘルシンキフィル盤もいいんですよね。どっちも好きです。あと、フィルハーモニア管との管弦楽・交響詩集もいいなぁと思います。

本当に、心からありがとうと伝えたいです。

投稿: | 2012年1月29日 (日) 19時53分

こんばんは。
ベルグルンドさんについては僕は何も知らなかったのですが、つい先日、自分はシベリウス交響曲全集について書き込みをしたばかりだったので少し驚きました。シベリウスの名指揮者が一人この世を去ったというのはシベリウスの音楽を聴き始めたばかりの僕にとっても残念です。
ベルグルンドさんのご冥福をお祈りします。

投稿: sasa yo | 2012年1月29日 (日) 21時36分

遥さん、こんにちは。

ベルグルンドの訃報は本当に残念でした。
ロシアの圧政時代に愛国運動を勇気付けたシベリウスの音楽はフィンランド人にとって本当にかけがえのないものなのでしょうね。

僕もヘルシンキPO盤とヨーロッパ室内管盤はどちらも好きですよ。最近は違いを楽しんで聴いています。
フィルハーモニア管盤とヘルシンキPO盤の管弦楽曲集も同じように楽しんでいます。

シベリウスの音楽の素晴らしさを教えてくれたこの人には心から感謝したいと思います。

投稿: ハルくん | 2012年1月29日 (日) 23時09分

sasa yoさん、こんにちは。

シベリウスの音楽は本当に素晴らしいです。
それを知らしめてくれたこの人には感謝の気持ちで一杯です。
残された数々の名演奏を我々はこれからも大切に聴き続けましょう。

投稿: ハルくん | 2012年1月29日 (日) 23時20分

ハルくん、お疲れ様です。
ベルグルンドさんについては、シベリウスとブラームス(どちらもヨーロッパ室内管)のCD を所有しているところです。シベリウスは、ベルグルンドさんというより、シベリウスの音楽、特に交響曲が苦手でCD を所有しているだけで、聴き比べなど高度なレヴェルに達していない状況です。いつかベルグルンドのシベリウスの真価のわかる日が来るのでしょうから、楽しみはその時までとっておきます。なお、ベルグルンドのブラームスは好きな盤で、繰り返し聴いていますし、今もブラ2を聴きながらコメントを書いています。

投稿: ひらけん | 2012年1月31日 (火) 17時53分

ひらけんさん、こんにちは。

シベリウスの3,4,6,7番あたりは、初めはとっつき難いので親しむのに時間がかかるかもしれません。まずは1,2,5番あたりをじっくり聴かれることをお勧めします。でも、どの曲も一度魅力に取りつかれると二度と離れられないですよ。

僕はベルグルンドのブラームスは聴いたことが有りません。是非一度聴いてみたいですね。
ありがとうございます。


投稿: ハルくん | 2012年1月31日 (火) 23時10分

まったく惜しまれます。

投稿: かげっち | 2012年2月 5日 (日) 19時45分

かげっちさん、

最高のシベリウス指揮者の一人を失ってしまい本当に残念です。

投稿: ハルくん | 2012年2月 5日 (日) 23時13分

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