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2011年11月12日 (土)

ブラームス交響曲全集 カルロ・マリア・ジュリーニ/ウイーン・フィル盤

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朝晩がすっかり冷え込んできて、いよいよ秋が深まりましたね。さて、「秋の夜長はブラームス」。ブラームジアーナーのこの合言葉通りに、今月はブラームスの曲を楽しみます。これまでも、交響曲、協奏曲、室内楽などの特集を行ないましたが、それ以降に聴いた演奏がだいぶ溜まりました。その中には、是非ともご紹介したい演奏も少なからず有りますので、今回はそれらをまとめてご紹介するつもりです。

手始めはシンフォニーです。最近は新しいディスクを購入することはすっかり減ってしまいましたが、しばらく前にコメントを頂いた、じゅりさんのお気に入りというジュリー二盤が気になっていたので聴いてみました。ジュリーニはウイーン・フィルと録音した「ドイツ・レクイエム」の演奏では、少々カンタービレが強過ぎてドイツ的な圭角が失われた印象でした。けれども考えてみれば、常に遅いテンポでイン・テンポを保ち、堂々としたスケール感を生み出すというジュリーニの演奏スタイルは、ブラームスの音楽の特徴とも重なります。

オーケストラに関して言えば、自分はブラームスには北ドイツ的な重厚な音を好むので、必ずしもウイーン・フィルの演奏が好きなわけでは有りません。けれども確かに流麗で美しいブラームスにも魅力を感じないことはないので、ジュリーニがどのように指揮しているか、じっくりと聴いてみました。

1989年から1991年にかけてグラモフォンに録音を行なったこの全集ですが、4曲ともに、遅く、重く、念押しするリズムでじわりじわりと音楽を高揚させてゆく表現はいつものジュリーニです。そしてカンタービレが非常に良く効いています。少しも力むことはありませんが、緊張感を失うことが無く、ずしりとした手ごたえが有ります。4曲の中で、特に優れていると感じたのは4番です。耽美的なワルターの演奏に重量感と演奏の立派さを加えた印象です。1番の第1楽章も絶品です。4楽章の有名な旋律ではカンタービレの効かせ過ぎのために幾らか高貴さを失い気味なのが気にはなりますが、やはり良い演奏です。2番もウイーン・フィルの美感を生かしている点では、ベームと並ぶかもしれません。3番はジュリーニにしては意外に速めのテンポに感じますが、自然な流れの良い演奏です。3楽章は何故か濃厚に歌わずに、弱音であっさりと歌うのがユニークです。

ということで、4曲のいずれもが非常に水準の高い演奏です。ブラームスの交響曲のディスクというと、曲ごとには好きな演奏が有っても、こと全集盤となると、これまではファースト・チョイスのザンデルリンク/ドレスデン盤以外にはほとんど思いつかないのが正直なところでした。強いて挙げれば、ザンデルリンク/ベルリン響の新盤か、むしろベーム/ウイーン・フィル盤でしたが、今後はセカンド・チョイスとしては、このジュリーニ盤を上げたい気持ちです。

それぞれの曲についての感想は、過去記事に加筆をしましたので、良ければ目を通してみてください。

交響曲第1番 名盤

交響曲第2番 名盤

交響曲第3番 名盤

交響曲第4番 名盤

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コメント

ハルくんさん、夜分にお邪魔します。

まずは、コメント投稿上~、不手際及び不首尾が多々ありましたこと、深く深くお詫び申し上げます。充分に自重致しますので、今後とも宜しくお願い致します。

さて、秋も深まりいよいよブラームスの季節と言うことで、今回はジュリーニ/ウィーンフィルの全集ですか。確かに、ハルくんのおっしゃる通り~個々の交響曲には、すぐれた演奏が多いのですが、全集で質が高くて素晴らしいものは、なかなかありませんよね。

そして、ブラームスは~ブルックナーほどには聞き込んでいないので、全集を通して聞いていいと思ったのは、べーム/ウィーンフィルぐらいなものです。正直なところ~私は、ジュリーニはテンポが遅く重く、流れの悪さを感じることがあるので、あまり期待はしていないのですが~……。むしろ、これも未聴なのですが、バルビローリ/ウィーンフィルの方が流れが良く、歌心に溢れ鄙びた風情もあって、いいと思うのですが~。

どうも、ご推薦の全集を聞きもしないで、推測で言ったりして申し訳ありません。しかし私以前に、このコンビでブルックナーの交響曲第7番&第9番を聞いて、あまりに遅く流れの悪い演奏に思えて、がっかりした覚えがありますので~。

最近、馴染みのCDショップで、ザンデルリンク/ベルリン響の全集を予約しましたので、ふところに余裕ができたら、ジュリーニ/ウィーンフィルの全集も購入して聞いてみます。いつになるかはわかりませんが~……。どうも、長々とすみませんでした。

投稿: kazuma | 2011年11月16日 (水) 00時08分

kazumaさん、こんばんは。

いえいえ、そのようにわざわざ仰られる必要はございません。こちらこそ今後とも宜しくお願い致します。

ジュリーニのブルックナーは確かに遅過ぎてもたれますね。チェリビダッケと同じです。
けれどもブラームスに関しては、そんなことは有りません。少なくとも僕にはとても良いテンポに思えます。ザンデルリンク/ベルリン響盤のほうがよほどもたれますよ。

バルビローリ/ウイーン・フィルの全集は以前は持っていましたが、歌心は有るものの、少々締まりに欠ける印象で面白く感じませんでした。でも、試しにご自分でお聴きになられてみてください。

投稿: ハルくん | 2011年11月16日 (水) 23時53分

ハルくん、こんばんは。
ブラームスの交響曲全集は、ジュリーニ/ウィーン・フィルを含め数種を所有のところ、最近、ジュリーニ/フィルハーモニア、レヴァイン/シカゴ、チェリビダッケ/ミュンヘンがコレクション入りです。まだ、すべてを聴き終えていませんが、いずれも素晴らしい演奏ですので明日までにまとめて聴いてしまう予定です。明日の天候は晴れということですので、CD持って公園にゴーでしょう。
ちなみにジュリーニは大好きで晩年のソニー・グラモフォンの録音はほとんどコレクションしているほどです。バッハのミサ曲、モツレクなどの宗教音楽がお気に入りですね。
最近、CDのボックスが安いのでどんどん増量しています。困ったものです。

投稿: ひらけん | 2011年11月19日 (土) 21時12分

ひらけんさん、こんにちは。

ブラームスの交響曲全集は購入しやすいので色々聴いてはみましたが、ハードルは結構高いと思います。自分が本当に満足できたのは記事中で上げた四種ぐらいです。

僕もジュリーニは好きですが、そんなに多くは聴いてはいません。

ボックスは割安なのでついつい購入しますが、実際は中々聴き切れませんね。

投稿: ハルくん | 2011年11月19日 (土) 22時47分

 こんにちわ。

何年ぶりかに渋谷のタワーレコードに行ってきました。
目的はジュリーニ指揮ウィーンフィルのブラームス交響曲全集を手にするためです。
恥ずかしい話ですが、私はブラームスの交響曲第2番は他の3つの交響曲より劣るものと思っていて何かで聴こえても軽くながしていました。
それが、ブログで話題になっていましたので、matsumoさんやyunng君さんの提供された2番を聴いて、この2番を軽くみていた自分の愚かさを悟りました。
それらの中でワルター指揮ニューヨークフィルの終楽章のノリノリ爆演には度肝をぬかれました。ワルターにこんな一面があったとは驚きでした。
そこで、ハル君さんもジュリーニのブラームス交響曲全集を取り上げていましたので、ネットで視聴しチョコットしか聴けませんでしたが柔らかく厚みがある良質な音に納得!!。
それで今日タワーレコードで全集を手にして足取りを弾ませて帰りました。
まだ、「2番」と「悲劇的序曲」「ハイドンの主題による変奏曲」しか聴いていませんがハルくんさんが述べているとおり素晴らしい演奏です。
縁遠かった「2番」でしたが今日は真剣に対峙して聴きました。出だしからいいですね。
その第1楽章の途中チェロで奏されたミードレミードミラソファミレミファー~は、心の傷口に良薬を柔らかく塗って手当てをしてくれるようで、心の傷が癒されます。第2楽章も、3,4も唸らせてくれます。
これからゆっくり聴いていきますが、ウォークマンに取り込んだことは当然の運びです。
今日は、嬉しい一日です。

投稿: たつ | 2011年11月20日 (日) 21時06分

たつさん、こんばんは。

渋谷タワーですね。僕もかつては通いましたが、最近はとんと行っていません。たまには良いですね。

ブラームスの4曲の中で好きな順番をつけるとすれば2番は一応最後にはなりますが、やはり素晴らしい曲ですよね。僕はワルター/NYPの爆演は好みませんが、ザンデルリンクやベーム、そしてこのジュリーニは大好きです。ジュリーニは全集として素晴らしいと思います。他の曲も実に良いですよ。

投稿: ハルくん | 2011年11月20日 (日) 22時56分

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