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2011年8月13日 (土)

ヴォーン・ウイリアムス「グリーンスリーヴスによる幻想曲」 ~サマースペシャル・名曲シリーズ~

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今日から夏休みに入りました。といっても自分の勤務する会社は全部で5日間です。これを短いと感じるか長いと感じるかは、人それぞれでしょうが、世の中には連休と無縁の方だって多くいらっしゃるわけですから、ぜいたくを言ってはバチが当たります。

そこで今週はモーツァルトのピアノ協奏曲シリーズもお休みします。ウォルフィくん、おやすみだよ~ん。

代わりにサマースペシャル・名曲シリーズとしてヴォーン・ウイリアムスの「グリーンスリーヴスによる幻想曲」です。イギリス音楽って実に爽やかですよね。もちろん北欧音楽ほどの清涼感は有りませんが、この爽やかな音楽は、暑苦しい夏に涼しく爽やかな空気を与えてくれます。特にレイフ・ヴォーン・ウイリアムスの音楽は、イギリスの民謡を題材にした曲が多いので、どの曲もとても爽やかです。シンフォニーも多く作曲していますが、どちらかと言うと短い管弦楽曲のほうにこの人の特徴が強く表れている気がします。僕の大好きな「舞い上がるひばり(あげひばり)」なんて名曲も有りますが、今日は「グリーンスリーヴスによる幻想曲」です。

この「グリーンスリーヴス」という曲は元々は16世紀に、イギリスのスコットランド近くの地方で歌われ始めた民謡なんだそうです。どうりで涼しい空気感を持つメロディですよね。ただし作曲者は不明です。ある男性が女性、それも娼婦に対する恋慕を歌にしたという、せつない内容なのです。歌詞はこんな風です。

ああ、私の愛した人は何て残酷な人、
私の愛を非情にも投げ捨ててしまった。
私は長い間あなたを愛していた、
側にいるだけで幸せでした。

グリーンスリーヴスは私の喜びだった、
グリーンスリーヴスは私の楽しみだった、
グリーンスリーヴスは私の魂だった、
あなた以外に誰がいるでしょうか。

という具合です。娼婦に熱を上げるのは本人の勝手ですが、これじゃ困ったものですよね。早く正気に戻りなさいとアドヴァイスしてあげたいです。でも、そんなにもイイ女だったら、一度ぐらい会ってみたいなぁ~。(苦笑)

実は僕が初めてこの曲を知ったのは、アメリカの古いフォーク・ソング・グループのザ・ブラザース・フォアの歌でです。クラシック音楽としては、この歌を題材にした作曲家は何人か居ますが、何といっても有名なのはヴォーン・ウイリアムスですね。元々美しいメロディはますます美しく感じられ、中間部の変奏部分の詩情溢れる幻想的な雰囲気も最高です。僅か5分ほどの短い曲ですが、つかの間の癒しの時間を味わえます。

それでは僕の愛聴盤です。

Barbirori_elgar サー・ジョン・バルビローリ指揮シンフォニア・ロンドン(1962年録音/EMI盤) イギリス人といってもバルビ様はイタリアの血が半分入っていますので、やはり恋歌を歌わせると、どこか熱が入ります。単たるムード的に済ませないで、旋律を明確に歌わせて男の恋心を強く訴えかけます。中間部の歌い方もやはり明確です。それでいて詩情を失わないところはさすがです。録音は少々古めかしいですが、元々地味な響きの曲なので、それほどマイナスには感じません。

Vwilliamsboult サー・エードリアン・ボールト指揮(1970年録音/EMI盤) 交響曲/管弦楽曲集に収められています。いかにも英国紳士風の控えめな歌い方です。バルビ様のように綿々と訴えかけたりはしません。それがイギリス音楽風なのかもしれませんが、曲の内容を考えると、もっと迫るような歌い方でも良いようにも思います。もちろん聴き手の好みも有るでしょうが、僕には地味過ぎに感じられてしまいます。やっぱり、♪ときには娼婦のように~♪という風に行って欲しいなぁ。

12360191164111925131865122901010718 サー・ネヴィル・マリナ―指揮アカデミー室内管(1972年録音/DECCA盤) マリナ―もやはり、速めのテンポであっさりと歌います。爽やかには違いありませんが、少々物足りない気がします。余りにBGM的に聞こえてしまうからです。DECCAの録音は優秀で明瞭なのですが、余り心に訴えかけてくるようなタイプの演奏では有りません。個人的な好みとしては、ちょっと違うかなぁ~という感想です。

せっかくですので、ブラザース・フォアのCDもご紹介しておきます。

Brathers_four_ ザ・ブラザース・フォア(CBS盤) 昔、フォーク・ソングの全盛時代に、彼らは「ブラ・フォー」という愛称で日本でもとても人気が有りました。(「アラフォー」ではありませぬよ。) 僕も高校の放課後に、彼らの「500マイル」や「グリーン・フィールズ」「トライ・トゥ・リメンバー」といった名曲をギター片手に友人と歌ったものです。ですので、今こうして彼らの歌を聴くと、青春時代の思い出が蘇ってきます。あの時の友達は、好きだった娘は、いまどうしているのかなぁ。♪あのこ~どこにいるのやら~♪ 

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エルガー、ホルスト、ヴォーン・ウイリアムズ、他イギリス音楽」カテゴリの記事

コメント

私が唯一所持している同曲のCDは、バーンスタイン=ニューヨーク・フィルハーモニックの演奏です。

今、そのCDをかけながら、コメントを書いているのですが、曲は夏の昼下がりに聴いたら、ピッタリでしょうねー。

バーンスタインの表現は爽やかさとはやや遠く、重々しい感じがしますが、素敵なメロディーですね。

投稿: たろう | 2011年8月13日 (土) 11時09分

たろうさん、こちらへもコメントありがとうざいます。

この曲の元の歌詞からすれば、爽やかさとはほど遠い内容ですから、重々しい演奏でも構わないんじゃないですか?
それにしても、本当に美しいメロディですよね。

投稿: ハルくん | 2011年8月13日 (土) 15時09分

ハルくん、こんにちわ

フローレンス・ゲランの出演作に「新レディドール2」(アル・ブラッドレイ監督)と言うのがあるのですが、この中で、彼女は変態のみを相手にする娼婦になって、兄を殺した男を捜しています。そして、犯人の特徴が、この「グリーン・スリーブス」を口笛で吹き、かつ、娼婦に変態行為をさせるということでした。ハルくんのおかげで、なぜ、この曲が使われたのか、知ることができました。有り難うございました。

投稿: matsumo | 2011年8月13日 (土) 16時22分

これってそういう曲というか歌だったんですか。
ふうん。そうなんだぁw(゚o゚)w

私のグリーン・スリーブスというと、
小学校のリコーダーのテスト!
スラーと息継ぎが難しくって、苦労した割には評価はよくなかったの。
というのも2声に分かれていて、出席番号順でペアになった相方が楽譜が読めない上に拍感覚がない子だったのよ(;;;´Д`)
私はソプラノパートを練習しつつ、アルトパートも見るという感じで、今でもこの曲を耳にするたびにリコーダーのテストの悪夢が・・・
ホントにトホホの思い出の曲だす。

投稿: はるりん | 2011年8月13日 (土) 18時20分

matsumoさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。

「新レディドール2」という映画は観たことがありませんが、なかなか面白そうですね。DVDが出ていたら観てみたいなぁ。
こちらこそ、とても興味深い情報を教えて頂きまして、ありがとうございました。

投稿: ハルくん | 2011年8月13日 (土) 23時56分

はるりんさん、こんにちは。

名曲のグリーン・スリーブスに、そのような悪夢のような体験をお持ちだとは残念ですね。
では、呪縛を取り払うために、今度僕が生歌でお聞かせしましょう!
えっ?本当の悪魔体験になって毎晩うなされるですって??(笑)

投稿: ハルくん | 2011年8月14日 (日) 00時01分

こんばんは

バルビローリの演奏はマイベストです。
レコードで聴くと、厚みもあって録音がいいと思って
いたので、ちょっと意外な気がしました。
この曲は色々な演奏で聴きましたが、オーマンディも
お気に入りです。

投稿: メタボパパ | 2011年8月14日 (日) 00時36分

今晩は、ハル様。
前回はこんな私めをブログ本編にメジャーデビューさせていただきありがとうございました。これまでの人生…じんみり(地味としんみりをかけた造語です)と生きてきた私には、このような陽のあたる場所は眩し過ぎます。
グリーンスリーブス…大好きな曲です。イギリス・スコットランド民謡って爽やかな中にどこか哀愁があって雰囲気ありますものね。確かアニーローリーやロッホローモンド等が一緒にセレクトされたイギリス地方民謡集を持っていた筈と思い、探してみましたが見つかりません。夢の中へ気分です。
夏休み特集記事、次々アップの予定なのかな?楽しみですねぇ♪

投稿: From Seiko | 2011年8月14日 (日) 00時38分

ひらけんです。コメント第14番です。
夏休み少ないかもしれませんが、精一杯楽しんでください。一日あれば、ベートーヴェンの交響曲マラソンもできますし、頑張れば、マーラーの交響曲マラソンもできる。こんな一日は、いかがでしょうか。
さて、グリーンスリーヴズは、良いですね。揚げひばりやタリスも好きです。しかし、Vウィリアムズを聴いたのは一年以上前かも。イギリス音楽好きと自認していたのですが・・・。反省して、今日は、タリス等々、五回リピートしました。
所有盤は、Sir A.ディヴィス指揮BBC響のボックスのみです。手薄ですので、今度、スラットキンのボックスを購入予定です。ほとんど聴いたことがない交響曲も少しは聴いて音楽の幅を広げたいと思います。

投稿: ひらけん | 2011年8月14日 (日) 22時50分

メタボパパさんこんにちは。

バルビローリいいですよね。
僕はCDでしか持っていないので分かりませんが、CD化の際に音質が落ちたのかもですね。多くの場合、アナログ録音はアナログ盤で再生したほうが音質は勝りますし。
オーマンディもこの曲は向いていそうですね。

投稿: ハルくん | 2011年8月15日 (月) 10時57分

Seikoさん、こんにちは。

このブログ本編が陽の当たる場所だなんて、そりゃオーバー過ぎますよ。

イギリス/スコットランド民謡って昔から結構親しまれているのですよね。日本語で歌われているので気がつきにくいですけれども。そのイギリス地方民謡集というのが見つかるといいですね。

投稿: ハルくん | 2011年8月15日 (月) 11時05分

ひらけんさん、こんにちは。

どうもありがとうございます。
余り集中的でなく、気ままに音楽を楽しんでいますよ。

Vウィリアムズの管弦楽は聴きやすいのですが、僕もシンフォニーは余り聴き込んでいません。そのうちにピンと来たら記事にするかもしれませんけれども。

投稿: ハルくん | 2011年8月15日 (月) 11時22分

夏らしい、懐かしい曲を取り上げていただき、ありがとうございます。

この歌は別の歌詞でクリスマスの讃美歌にもなっていますが、英国人に尋ねたところ「元の歌詞がアレだから讃美歌にすると変だ」と苦笑いしていました。

今は昔、リコーダーに入れ込んでブリュッヘンのライブを聴いたりした頃、全音リコーダーピースというシリーズでこの曲を知りました。リコーダーとピアノにアレンジしてあるわけです。中間部の「可愛いジョアン」という長調の旋律との対比が秀逸です。同じシリーズでリコーダーとギターにアレンジした「グラウンドによるグリーンスリーブズ」というのも出ていました。

今夏、とあるイベントのサイドメニューで聞いたレクチュア。イギリス民謡に歌詞をつけた讃美歌・聖歌は、北米を経由して、19世紀太平洋貿易航路開拓(黒船もその延長)に便乗した宣教師により、西太平洋・東アジアへと伝わったものが多い。だから、フィジー、ハワイ、フィリピン、日韓台などで、それぞれの土地の歌詞(訳詞または替歌)で歌われている旋律には、共通のものが多い。蛍の光、スコットランドの釣鐘草などが、代表例である。イギリス民謡ではないが「たんたんたぬき」も、同様に渡ってきた北米の歌である。

投稿: かげっち | 2011年8月25日 (木) 13時13分

かげっちさん、こちらへもコメントありがとうございます。

この曲は元の歌詞を知らないと、讃美歌でも抵抗ないぐらいに美しい曲ですからね。

日本語の歌詞が付けられて、すっかり日本の歌化している外国の民謡は結構多いですね。
なにしろ「おーたまじゃくしは、かえるのこ~」が本当は「グローリーグローリー、ハレルヤ」ですから。

投稿: ハルくん | 2011年8月25日 (木) 21時54分

 ハルくんさん、こんにちは。
 最近は猛烈な暑さですね。こんな時はフランス音楽がいいなあ~、と思ったら、それに関連する記事がほとんどなかったのでびっくりしました。フランス音楽はあまり聴かれないのですね。
 イギリス音楽も暑い時にはいいですね。ここに書かれているヴォーン=ウィリアムスやブリテン辺りは気候にげんなりしていても問題なく聴けます。バルビローリは熱すぎる気もしますが…(笑)。でも大好きな演奏です。
 個人的には、サン=サーンスのピアノ協奏曲(特に5番)やピアノ曲は良い意味でお気楽で、梅雨から夏の時期にピッタリだと思います。

投稿: ぴあの・ぴあの | 2013年8月10日 (土) 15時48分

ハルくん様

morokomanです。

本日は暑かったですね~。今年一番の暑さですね。

このブログ、少し前までは「夏のボヘミア音楽シリーズ」のようになっていましたが、イギリス音楽も夏には良いかと思います。

ハルくん様は、おそらくご存知だと思いますが、ヴォーン=ウィリアムズには『海の交響曲』と『南極交響曲』があります。

こう言う暑い日にはぴったりだと思いますが……。

事実、私は聴いていました。いくら「夏はシベ1&2の季節!」などと言ったところで、こう毎日聴いていると、たまには別の曲も聴きたくなりますし。

この作曲家、もっと注目されても良いと思います。

投稿: morokoman | 2013年8月10日 (土) 21時35分

ぴあの・ぴあのさん、こんにちは。
本当に暑かったですね~。

フランス音楽は確かに聴く頻度は低いと思います。でもフォーレの室内楽なんかは大好きですし、ドヴュッシーやラヴェルももちろん。
でも、やっぱり余り聴いてはいませんね(汗)

投稿: ハルくん | 2013年8月10日 (土) 23時54分

morokomanさん、こんにちは。
本当にお暑いですね~異常です(汗)

ヴォーン=ウィリアムズのシンフォニーも好きですよ。もっとも全集で持っていますが、中々じっくりとは聴けていませんけれど。
そのうち順番が回ったらじっくりと聴きたいと思っています。

投稿: ハルくん | 2013年8月10日 (土) 23時59分

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