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2011年7月 6日 (水)

ホルスト 組曲「惑星」 名盤 ~七夕スペシャル~

Milkyway

明日は七夕ですね。「七夕伝説」と言えば、織姫(おりひめ)と牽牛(けんぎゅう)が1年に一日だけ会えるという有名なお話ですが、この二人はご夫婦なんですよね。二人とも結婚する前は大変な働き者だったそうです。それが結婚したとたんに、毎日毎日天の川のほとりでラブラブばかりしていて、ちっとも働かなくなってしまいました。そこで天帝が怒って二人を天の川の両岸に別れさせてしまい、7月7日だけは会えるようにようにしたのだそうです。これ、ちょっと可哀そうですよね。新婚さんだったら仕方がないですよね。現代人じゃ無いのですし、新婚さんのうちぐらいゆっくりラブラブさせてあげれば良いのにね。どうせ、そのうちに熱は冷めちゃうんでしょうから。(苦笑)

でも、おかげで「元祖遠距離恋愛」状態になったので、逆にいまだにラブラブが続いているのかもしれませんね。1年に一晩だけじゃ、お二人ともさぞや燃え尽きるんでしょうね。明日も熱い熱い夜になることでしょう。

ところで、星にちなんだ曲と言えば、やはりホルストの「惑星」です。ホルストの代表作、というよりも20世紀の代表的な管弦楽曲の一つです。地球以外の太陽系の七つの惑星に、それぞれの名前の曲を作ったのですね。大編成のわりには親しみ易く分り易い内容です。ですのでとても人気が有りますね。

七つの曲は次の通りです。

 「火星」 戦争をもたらす者

 「金星」 平和をもたらす者

 「水星」 翼のある使者

 「木星」 快楽をもたらす者

 「土星」 老いをもたらす者

 「天王星」 魔術師

 「海王星」 神秘主義者

この中で、一番良く知られているのは「木星」です。何年か前に平原綾香さんが「ジュピター」として大ヒットさせたので有名ですね。原曲はさすがに素晴らしく、個人的にはやはりこの曲が好きです。戦闘シーンを髣髴させる「火星」も人気が有りますが、まるで「スターウォーズ」なのが、ちょっとですね。というか、スターウォーズが真似したんでしょうけど。一転して、静かで詩情のある「金星」を聴くと、ああ英国の音楽だなあ、と思います。全体的にイギリス音楽の趣きは希薄ですが、この曲は別です。もちろん他の曲も変化に富んでいて、ちょっとした宇宙旅行でも楽しんだ気分に成れる名管弦楽作品です。

それでは僕の愛聴盤です。

Srcr9080 レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィル(1971年録音/CBS盤) 昔、アナログ盤時代から愛聴しました。この演奏が好きな理由はただ一つ。「木星」が断然素晴らしいからです。特にこの曲の中間部で、ぐっとテンポを落として歌う部分には胸を揺さぶられます。ホルストの音楽からは少々はみ出しているかもしれませんが、この圧倒的な説得力の前ではどうでも良くなります。「火星」もテンポが速くいかにも戦闘シーンを想わせます。但しスケール感よりもスピード感が勝るので言うなれば徳川軍というより真田軍という印象です。その他の曲は、繊細さがいま一つのようにも感じます。イギリス音楽らしい詩情が更に欲しい気がします。幾ら「近代管弦楽」と言っても、何となくアメリカ音楽のように聞こえるのは気のせいでしょうか。

Holst エードリアン・ボールト指揮ロンドン・フィル(1978年録音/EMI盤) ボールト卿は、なにせこの曲の初演者です。生涯の録音回数は何と5回(!)に及びます。4回目の録音のニュー・フィルハーモニア管盤も評価が高いようですが、僕が持っているのは最後の録音です。この演奏は本当に素晴らしいですね。少しも派手派手しくならずに、「音の暴力」とはまるで無縁。大人の品格を感じさせます。「金星」では詩情が溢れるようで、実に美しいです。反面「木星」はバーンスタインと比べると軽く穏やか過ぎますし、中間部の例の旋律もあっさりとしていて物足りなさを感じます。「木星」は残念なのですが、他の曲の素晴らしさで、この演奏はやはり外せません。

41zsp43byzlヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィル(1981年録音/グラモフォン盤) ベルリン・フィルを存分に鳴らした豪快な響きが快感です。「火星」など非常にスケールが大きく、さながら十万の徳川軍の大進軍のようです。「金星」などでは弦楽の繊細さが素晴らしく、なんとなくドビュッシーを想わせる箇所も現れます。全般的にやや「音響面」に傾いていて、深く音楽を感じさせる点ではいま一つですが、元々そういう曲ですし広く好まれると思います。録音はさすがに最新盤と比べると幾らか鮮度は劣りますが、バーンスタイン、ボールト盤よりもかなり優秀です。

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エルガー、ホルスト、ヴォーン・ウイリアムズ、他イギリス音楽」カテゴリの記事

コメント

ハルくん、こんにちわ

この曲は、何と言っても、ボールトですね。1918年の非公開の世界初演、1919年の公開での一部の曲の世界初演、そして、1922~1923年に行われた世界初録音、1926年に行われた電気式録音等、この曲のスペシャリストって言って良いほど、関係していますね。

そう言えば、一時期、冥王星が作られたことが話題になりましたが、その後、準惑星に格下げされたこともあり、それほど、騒がれなくなりましたね。

投稿: matsumo | 2011年7月 7日 (木) 16時50分

matsumoさん、こんばんは。

この曲の演奏史のようなボールトを外すわけには行きませんね。どんなに名人オケがハイファイ録音を行なっても、越えられない部分が有ると思います。

ホルストも冥王星の追加を試みたそうですが、実現しなかった曲を無理やり継ぎ足すのはどうかと思います。冥王星が惑星から除外されたのは編曲ブームの沈静化に寄与したと思いますよ。

投稿: ハルくん | 2011年7月 7日 (木) 19時43分

ハルくんさん、こんにちわ。

そういえば、きょうは七夕だったんですね。
星の音楽で管弦楽曲は「惑星」以外にありましたっけ?
早速、指揮:ズービン・メータ、ニューヨークフィルハーモニック(録音:1989年11月ニューヨーク、マンハッタン・センター)で聴いてみました。
やはり「木星」が聴きなれているせいかいいですね。あと海王星がハルくんさんの写真にありますように、淡くて涼しくて、なんとなく地球から遠くの星らしくていいですね。

で、恥ずかしながら、ホルストってアメリカ人かと思っていました。イギリス人であると教えていただき、ありがとうございます。

投稿: たつ | 2011年7月 7日 (木) 22時05分

たつさん、こんばんは。

星の音楽ってすぐに思いつきませんね。歌謡曲なら「夜空の星」とか(古い!)

メータはこの曲を得意にしていますね。ロス・フィルとの旧盤も有りました。
「海王星」もイイですね。ホントに地球の遥か彼方という雰囲気ですしね。

投稿: ハルくん | 2011年7月 7日 (木) 23時13分

こんばんは。今日は七夕ですね。こちらは雨なのでお星様が見えなくて残念。
『惑星』で持っているCDは、ガーディナー/フィルハーモニア管だけ。随分昔、ガーディナーのCDを集めていたので、たまたま店頭で見て買いました。(これを買う人はあまりいないような気がしますが)
カーディナーはそれほど重厚なサウンドではなく軽快な演奏なのでしょうが、幻想的で透明感のある合唱部分は上手いと思います。

私は”火星”を聴くと「エイリアン2」のクライマックス部分を思い出しますが、たしかにスターウォーズ風でもありますね~。

星にまつわる音楽なら、規模は小さいですが思いつくのは、吉松隆の「地球(テラ)にて」、グラナドスの《星々の歌》、シサスクの《スパイラル・シンフォニー(渦状銀河交響曲)》。
伊福部昭は《日本組曲》の中で”七夕”(原曲はピアノソロ)という曲を書いてますね。
ピアノ曲だとクラムの《マクロコスモス》、シサスクの《銀河巡礼》。クラムとシサスクはいかにも現代音楽風。シリーズものなので、ホルスト以上に全体の規模は大きいと思います。

投稿: yoshimi | 2011年7月 8日 (金) 00時04分

ハルくん、こんにちわ

星の音楽ですか。有名な所だと、管弦楽曲で「ヨゼフ・シュトラウス:天体の音楽」がありますね。後、「一柳慧:星の輪」と言う「笙」のための独奏曲、「メンデルスゾーン:無言歌集」の中に「宵の明星」、「サティ:星たちの息子」と言う劇付帯音楽(ただし、これは現在、ピアノ譜しか残っていないようです)等がありますね。

「夜空の星」は加山雄三の最盛期の曲ですね。

投稿: matsumo | 2011年7月 8日 (金) 20時40分

yoshimiさん、こんにちは。

ガーディナーの録音もあったのですね。確かに知りませんでした。合唱の美しい扱いというのは、なるほどそうなんだろうなぁと思いますね。

星にまつわる音楽って随分と有るんですね。特に伊福部昭の「日本組曲」というのは聴いてみたいです。
色々と教えて頂きましてどうもありがとうございました。

投稿: ハルくん | 2011年7月 9日 (土) 09時53分

matsumoさん、こんにちは。

星の音楽、まだまだいっぱい有るんですね。「天体の音楽」を忘れてはいけませんでした。

加山雄三がTVで話していましたが「夜空の星」は14歳の時に書いた曲なんだそうです。
なので、作品番号K.1なんですね。これってモーツァルトのケッヘルをパクって、「加山」の作品番号だそうです。(笑)

投稿: ハルくん | 2011年7月 9日 (土) 10時03分

おはようございます

惑星は昔から大好きでボールトは規範となる演奏
ですね。
ボールトの録音は4枚もっていて、肩の力を抜いた
最後の録音と緊張感を伴ったウエストミンスターの
モノラル盤を愛聴しています。
サージェント、プレヴィン、デュトワ等素晴らしい
録音盤が数多く、どれを聴いても楽しんじゃいます。

投稿: メタボパパ | 2011年7月10日 (日) 10時24分

ハルくん、こんにちわ

なるほど、「夜空の星」はK1だったのですか、知りませんでした。そう言えば、作曲者名の弾厚作は、団と耕筰を合わせたものでしたよね。

投稿: matsumo | 2011年7月10日 (日) 20時36分

ハルくん、今晩は。
秋の澄みきった青空も良いけど、夏の星空も良いですねぇ。
「銀河のロマンス」シルビーマイラ~ブ …ジュリー by悠木千帆(当時はまだ樹木希林じゃなかった)またもや昭和ノスタルジー。。。
夏本番に『惑星』いいですねぇ。
何と言っても「木星」が一番好きですが「水星」の何となく「不思議の国のアリス」に出てくるウサギをアリスが追いかけるシーンを彷彿させる可愛らしさが好きです。
私の所蔵品は無名指揮者の廉価盤…いわゆるバッタもんです。でも意外に悪くないんです、これが。 一流レストランでなくとも、美味い店に当たった気分ですかね?
イギリス音楽のカテゴリーが新規追加されましたね。大好きなエルガーの記事もいづれお目にかかれるわけですね。楽しみです。(大好きなオダチューの好きなエルガーが正しいかな? )

投稿: From Seiko | 2011年7月10日 (日) 22時28分

はじめまして、です。6月初旬頃、このブログを発見して、紹介の曲をしっかり聞いてからコメントしようかと思い、1ヶ月経ってしまいました。コメントしたい曲がたくさんありましたが、戻ってもしょうがないので、さて、惑星です。私の思い出は中学の時に木星を演奏したことです。出だしのホルンからワクワクして、サビで泣いて、最後、盛り上がってバン。好きな演奏といえば、やっぱりプロムスのライブでしょうか。いつか、ロンドンで生で聴きたい、と。ちなみに、聴くときは、ほとんど木星のみで、全曲は、今回、久しぶりにレヴァイン・シカゴ響を聴きました。ほかには、小澤、ラトル、メータ、グローブズです。私の耳にはアメリカ系のオーケストラが合いました。今後もよろしくお願いします。

投稿: ひらけん | 2011年7月11日 (月) 20時21分

ニュースを見てびっくり!ハルくんの織姫様、諏訪内晶子様が脱税。。。追徴課税3000万円だとか。でも、美しいから許しちゃいます。とは言うものの気をつけてね、晶子様。もしかしたらハル様に、み…つ…い…だ?
(先のコメントの部分でオダチューの後にさんを忘れてしまいました。チューさん失礼)

投稿: From Seiko | 2011年7月12日 (火) 21時09分

メタボパパさん、こんにちは。
レスが遅れて申し訳ありません。

「惑星」は本当にお好きなんですね~。
ボールトだけで4枚とは驚きです!
やはりリファレンスとして良い演奏なんじゃないでしょうか。
他の演奏も一度は聴いてみたいですね。


投稿: ハルくん | 2011年7月13日 (水) 12時25分

matsumoさん、こんにちは。

加山雄三の歌には他にも「蒼い星屑」という歌もありますね。「海」とか「星」とかが実に似合う人です。
弾厚作の名前が団と耕筰の掛け合わせという話は聞いたことがあります。しゃれてますね。おまけに曲が良いのですから脱帽です。

投稿: ハルくん | 2011年7月13日 (水) 12時30分

こんにちは。探してみると、伊福部昭の『日本組曲』の音源がこちらにありました。
”七夕”は古式ゆかしく粛々とした雰囲気で、古い時代劇の劇伴を聴いている気分がしてきます。
http://nicoviewer.net/sm2901148

投稿: yoshimi | 2011年7月14日 (木) 09時38分

ひらけんさん、はじめまして。

コメントを頂きましてどうもありがとうございます。レスがすっかり遅くなりまして申し訳ありませんでした。

「惑星」とてもお好きなんですね。
本場ロンドンでライブで聴けたらいいですよね~。でもこの曲は確かにアメリカのオケも得意にしていますね。イギリスのオケの演奏との違いはやはり聴き手の好みではないでしょうか。それにしても随分色々とお聴きになられていますね。

過去の記事へのコメントもお気が向いて頂戴できれば嬉しいです。今後ともよろしくお願いします。

投稿: ハルくん | 2011年7月14日 (木) 21時58分

Seikoさん、こんばんは。

夏の夜空を眺めながら「惑星」が聴けたらいいですよね。中々難しいですけど。

無名指揮者の廉価盤で気に入った演奏にめぐり合えた時の嬉しさはまた格別です。良かったですね。

僕もエルガーは好きですよ。いずれ必ず記事を書きますからね。
オダチューさんはエルガーがお得意ですね。生演奏で聴けたらいいんですけどね。

いやはや僕の織姫様が脱税とは驚きです。でも金額が~、スゴっ!その何分の一かでもボクにみついでくれたらイイのになぁ~(笑)

投稿: ハルくん | 2011年7月14日 (木) 22時13分

yoshimiさん、こんばんは。

伊福部昭の「日本組曲」のリンクご紹介をありがとうございました。

なるほど「七夕」は静かで詩情溢れる好曲ですね。星空をじっと眺めているような気にさせられます。
「盆踊り」も中々楽しかったです。
日本の音楽も捨てたもんじゃないですね。

投稿: ハルくん | 2011年7月14日 (木) 23時45分

こんばんは。

先日、ザ・シンフォニー・ホールで
アマ・オケの演奏を聴きましたが
曲の素晴らしさを改めて認識しました。

火星・木星だけでなく、他の星も魅力的だと思いました。

最後の「海王星」の女性コーラスは3階席からで
まさに天上の音楽でした。

聴きに行って本当に良かったと思えました。

投稿: 影の王子 | 2014年9月18日 (木) 23時22分

影の王子さん、こんにちは。

ザ・シンフォニー・ホールでコンサートを開くとは上手いアマ・オケなのでしょうね。曲をすっかり楽しまれたご様子ですし、良かったですね。

考えてみたらこの曲を実演で聴いた記憶がありません。一度聴いてみたくなりました。
どうもありがとうございます。

投稿: ハルくん | 2014年9月19日 (金) 09時29分

サージェント…ステレオ初期の名番だと思います。他にウイリァムスタインバーグ(ピンカスの父だったかな)を愛聴しています。(快速すぎて…という異見もありますが)是非ご一聴いただければ幸いです

投稿: k | 2014年9月22日 (月) 18時41分

こんばんは。

「惑星」のマニアックな個人サイトです↓
http://www.geocities.jp/planets_tako8_ma_vlast/index.html

この方の記事を読んでますと、バーンスタイン盤は
CBSのカタログの「穴埋め」のための録音みたいですね。
現在からすると、オケも録音も「精度が高くない」のでしょうが
全7曲ムラなく「愉しめる」のはさすがレニーと思えます。

投稿: 影の王子 | 2017年12月 7日 (木) 20時43分

影の王子さん、こんにちは。

世の中には凄い方がいらっしゃるものですね。
カラヤン再録盤を聴いてみたくなりました。

ステレオ録音隆盛期のレコード会社はどこもカタログの穴埋めに一生懸命でしたよね。カラヤン、ベーム、バーンスタインのレコードが毎月発売されるのですから。

「惑星」のバーンスタイン盤は当時のLP盤で聴いた時は随分音が良いと思いましたが、現在の耳ではまぁまぁですね。
でもとにかく好きな演奏です。

投稿: ハルくん | 2017年12月 8日 (金) 11時22分

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