ブラームス 「ドイツ・レクイエム」op.45 ~亡くなられた被災者の方へ~
東北および関東地方で発生した大地震と津波による被害の余りの大きさと悲惨さを連日のニュース報道で知るにつけ、自然の脅威の前での人間の無力感を改めて思い知らさせてしまいます。どんなに科学が発達して、宇宙に行くことが出来たり、かつての不治の病を克服することは出来ても、大自然をコントロールすることだけは永遠に不可能でしょう。
けれども我々は自らの無力を認識したうえで、少しでも悲惨な状態から脱却するために皆で知恵を使い合い、協力し合わなければなりません。その為にも現在の日本国全体の危機を乗り越えるためにも、政府の強力なリーダーシップが必要です。今こそ政治主導であらゆる緊急対応策をとって貰いたいです。民主党は駄目だと言ってる場合ではありません。駄目では困るのです。与党も野党も無い、今こそは一致団結して貰いたい。そして今はとにかく生存者の救命と被災者への支援を最優先として全力を尽くして欲しいです。
さて、前々回からブラームスの交響曲の特集をしていましたが、今はとてもシンフォニーという気分ではありません。ですので、不幸にも亡くなられてしまった大勢の方々のご冥福をお祈りするのと、被害に合われた方々の一刻も早い救出、被災地域の一日も早い復旧を祈る意味で、ブラームスの「ドイツ・レクイエム」の記事にします。
ブラームスがこの作品を書こうと思ったきっかけとなったのは、恩師シューマンの死去です。けれども曲の一部を書いたところで筆が進まなくなります。それを数年後に完成させるきっかけとなったのは今度は自分の母の死でした。
通常「レクイエム」というと、カトリック協会のミサの典礼文になるので、言葉はラテン語です。ところがこの作品はプロテスタントの信者であったブラームスがマルチン・ルター訳のドイツ語の聖書から、選び出して曲にしました。ですのでこれは全くのコンサート用の作品なのです。バッハの影響を受けている部分が少なからず有りますが、声楽曲として素晴らしく充実しています。作品番号からも分かるように、この作品は交響曲第1番よりも以前の作品です。けれどもオーケストラと合唱の重厚な響きは紛れもないブラームス作品ですので、楽壇ではその実力を大いに認められたそうです。全体は7曲からなる構成ですが、各曲の内容は次の通りです。
第1曲 悲しんでいる人たちは幸いである。彼らは慰められるであろう。 非常に美しく厳粛な曲です。この曲ではヴァイオリンが弾きませんので音色がとてもくすんでいます。
第2曲 人は皆草のごとく、その栄華は草の花に似ている。草は枯れ、花は散る。 葬送行進曲ですが、悲しみだけではなく威厳が有ります。聴き易いので昔からとても好んでいます。
第3曲 主よ、私の一生があとどれぐらいあるかを私に知らせ、命のはかなさを教えてください。 バリトンも合唱も素晴らしいですが、最後のフーガは堂々としていて大バッハを思わせます。
第4曲 雲の中で天使が歌う 短い曲で、7曲の真ん中に間奏曲のように置かれていますが、非常に美しく、この曲も個人的には大好きです。
第5曲 あなたがたも今は憂いあり ソプラノが静かに歌うこの曲も短めです。
第6曲 この地上には永遠の土地は無い カトリックの典礼文で言えば「怒りの日」に相当しますが、ブラームスは歌詞から「最後の審判」を外しています。現世で死せるものは最後のラッパにより、なに人も天国に迎えられると解釈できそうです。曲の後半の壮絶な盛り上がりには言葉を失います。壮大に続くフーガは正にこの曲の聴きどころです。
第7曲 今からのち、主にありて死ぬ人は幸せである。 優しく慰めに満ちた終曲です。死により天上で永遠の命を与えられる、と美しく歌われます。
この曲は歌詞がドイツ語ですので、コーラスはドイツの合唱団が理想です。というよりも、そうでないと子音の発音がどうしても曖昧になってしまって違和感を感じます。この曲はそれほど幾つものCDを持っているわけではありませんが、気に入っているものをご紹介します。
オットー・クレンペラー指揮ウイーン・フィル/ウイーン楽友協会合唱団(1958年録音/テスタメント盤) クレンペラーはEMIへのスタジオ録音も有りましたが、僕が聴いているのはウイーンでのライブ録音です。但し、これはボックスセットの中の付録盤です。コーラスは当然、ウイーン楽友協会合唱団です。50年代の演奏ですので、合唱団もオーケストラも柔らかい音が肌のぬくもりを感じさせて、優しい表情が胸に染み入ります。クレンペラーの指揮は普通の速さのインテンポですが、音量の変化が大きく、少しもわざとらしくなくて非常に効果的です。モノラル録音ですが、音質は優秀です。
カール・シューリヒト指揮シュトゥットガルト放送響/合唱団(1959年録音/Tresor盤) シュトゥットガルトでのライブ録音です。フランクフルト放送からの応援を得た合唱団がとても力強く魅力的です。シューリヒトのテンポは沈滞することなく速めですが、流石はこの人で非常に味わいに富んでいます。マリア・シュターダー、ヘルマン・プライの独唱も素晴らしいです。明瞭なモノラル録音ですが、フォルテで高音が歪むのが残念です。この演奏は、以前archiphonから出ていましたが、Tresor盤の音質は全く同じです。
ラファエル・クーベリック指揮バイエルン放送響/合唱団(1978年録音/audite盤) ミュンヘンでのライブ録音です。最新盤では無いですが、非常に優秀な録音です。音が自然で柔らかいのにもかかわらず分離に優れます。低域には量感が有り、低弦群やティンパニに重量感を感じます。合唱はとても明瞭で、ドイツ語の子音の発音がとても良く聞きとれるのに満足です。エディット・マティス、ウォルフガング・ブレンデルの独唱とともに、真実味の有る深い祈りを感じさせる声楽陣の素晴らしさは、少なくとも僕がこれまでに聴いたものの中では最高です。
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ウイーン・フィル/ウイーン楽友協会合唱団(1987年録音/グラモフォン盤) 遅めのテンポでゆったりとした構えですが、流麗で耽美的な美しさはクーベリックを凌ぎます。但し、レガートに過ぎますので、ブラームスの音楽の持つドイツ的な圭角が失われています。クーベリックの真剣勝負の真実味と比べると、どうも表面的な印象は拭えません。けれども良い演奏であることに間違いはなく、自分としてもその時の気分で聴き分けたいと思っています。
ということで、肌のぬくもりを感じさせるクレンペラー/ウイーン・フィル、耽美的ともいえるジュリーニ/ウイーン・フィルも魅力的ですが、やはり真実味と限りなく深い祈りを感じるクーベリック/バイエルン放送響盤に最も感動させられます。
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コメント
私は、「ドイツレクイエム」はこのあいだ
親しかった大学の友人が癌で亡くなったときに
聴いて過ごしたので、今回は別の曲を聴いています。
ブログを通じて親しくなった人が、仙台の近くで海の近くということで、安否を心配していました。
今日、書き込みがあって猪苗代に避難しているとわかり、
ホッとしました。
投稿: 四季歩 | 2011年3月14日 (月) 20時48分
四季歩さん、こんばんは。
亡くなられた方への追悼も大切ですが、今は九死に一生を得られた方たちの生命を守ることが最も優先されますね。余りにも広範囲ですので非難するのも大変なのでしょうね。
投稿: ハルくん | 2011年3月14日 (月) 21時10分
ハルくん、こんにちわ
今回の大地震で、都内の私の家も浴室等のタイルが剥がれる等の被害がありましたが、この大地震や巨大津波による東北地方の悲惨な状況や福島原発のテイタラクをTVで観ていると、呆然としてきて、気分が暗くなりますね。それにしても、4階まで来た津波では、どんな準備をしていても、被害が起こらなくさせることは不可能だと思います。
さて、ドイツレクイエムですが、上げられている4種とも持っていませんが、クレンペラー指揮の正規盤は持っています。でも、最も好きなのは「ワルター指揮ニューヨークフィルハーモニック」の録音です。と言っても、これ、合唱団は米国人ですが、ドイツ語は「Ich liebe dich.」位かわからない私にはドイツ語に聞こえます。
この曲の「人は皆草のごとく、」は、聴いていると、モーゼがユダヤの民を率いて紅海を渡る場面が頭に浮かびます。
投稿: matsumo | 2011年3月15日 (火) 17時01分
matsumoさん、こんにちは。
自然の脅威は仕方がないとはいえ、その後の東電と福島原発、JR東日本などの対応の悪さには怒りを覚えます。結局、政権党の災害対応経験の無さが影響しているのでしょうか。首相もリーダーシップを意識するあまりに、関係機関の対応に逆に弊害となっているという話もありますし。
ワルター/NYPの演奏は昔LP盤で持っていました。モノラルではむしろ音の悪いフルトヴェングラー/ストックホルム盤が好きだったように記憶しています。どちらも今は持っていないのですが。
投稿: ハルくん | 2011年3月15日 (火) 17時41分
ハルくんさん、こんばんは。
災害に胸を痛めると同時に、人の為すことにも憤りを覚えることしきりですね。
この時期にこの曲を選ばれたこと、深く同意します。ブラームスはこれに先立ち「運命の歌」という合唱曲を書いていますので、それと合わせて聴くとさらにいろいろ思わされることが多いです。
ブラームスは宗教家ではないのに、自分で聖書からこのようなテキストを選んだということに、驚嘆・心服します。これは死者のためのレクイエムでなく、生きている者のためのレクイエムだと言った人がいますが、被災した皆さんの安息を祈りながら聴きたいと思います。
ただしこの曲、なかなか納得する演奏が見つからないのですよね。20代の頃一度演奏しましたが、その時はジュリーニを聴いて勉強しました。ちょっと遅すぎ、甘すぎです。いまはマズア、ニューヨークフィルを聴いていますが、あまりに快速で「ちょっと待って~」と言いたい部分があります。
ちなみに私は、自分の葬儀の時に使ってほしい曲を遺言としており、後奏ではこの曲の第四曲を指定しています。本番が来る前に、納得する録音を見つけなくては。
投稿: かげっち | 2011年3月15日 (火) 19時02分
かげっちさん、こんばんは。
ジュリーニが遅過ぎ、甘すぎと感じられるのは理解できます。僕は耽美的という表現を使いましたが、好みが分かれるのは確かですね。
その点、クーベリックはずっと峻厳で甘さは有りません。機会あれば一度お聴きになられてみてはいかがでしょう。ただ「本番」用ということになると、ご評価が厳しくならざるを得ないでしょうね。
投稿: ハルくん | 2011年3月15日 (火) 20時47分
ハルくんさん、こんばんは。
久しぶりにCDを聴きました。
この時期にドイツ・レクィエムをとり上げられたお気持ちに賛同して、手持ちのCDを探したら、ワルター+NYフィルとジュリーニ+ウィーン・フィルがあったので、ジュリーニを聴きました。
あまり批評めいたことは考えずに素直にそして、しみじみと聴きました。
素晴らしく美しい音楽で、かえってやるせないですね。
復興が順調に進むことを祈るばかりです。安らかなときが来たときに、ご推薦のクーベリック盤を聴いてみたいものです。
投稿: sarai | 2011年3月17日 (木) 18時14分
今朝(17日)タイより帰国しました。いざ帰国すると今回の大地震による被害の大きさに改めて驚きました。不幸にも亡くなられた方々のご冥福を祈ると共に、今も不自由な避難生活を強いられている方々の生活が少しでも早く改善されることを強く思います。
偶然にも、私も出張先でこの報を受け、聴いた曲がこのドイツレクイエムでした。
ドイツレクイエムを含め、宗教曲の演奏はとても難しいと個人的に思っています。有名な指揮者が劇的表現をしても興醒めに感じます。ですから、あまり知られていない指揮者(特に合唱指揮出身の指揮者)とオケ、合唱団の演奏が思わぬ名演を残したりするように思います。
私が良く聴くのは、合唱指揮者出身のヘルムート・コッホ指揮=ベルリン放送響(旧東ドイツの方)、同合唱団のCDです。
全く派手さはない演奏ですが、それが返って曲本来の姿を等身大で表しているように思います。
投稿: たろう | 2011年3月17日 (木) 22時40分
saraiさん、こんばんは。
本当にこの曲は美しいですね。ジュリーニ盤の美しさは格別です。これはこれで好きですので、時々聴きたくなります。
クーベリック盤もとても良いですよ。機会あればお聴きになられてください。
投稿: ハルくん | 2011年3月17日 (木) 23時22分
たろうさん、こんばんは。
南国から帰国されたのですね。今日は3月とは思えないぐらい冷え込んでいますので、風邪など召されませんように。
ヘルムート・コッホ盤は良いかもしれませんね。幾らコンサート用の作品とは言っても、宗教的で厳かな雰囲気が欲しくなりますからね。純性ドイツのメンバーですし、これは聴いてみたいですね、
投稿: ハルくん | 2011年3月17日 (木) 23時28分
こんにちは。
ぱぱりんの実家は福島県浜通りにあります。
渦中の第一原発事故の屋内退避エリアからぎりぎりはずれていますが、これが第二原発ならアウトでした。
おそらく実家の上空ではヘリの音などすごいんじゃないかなぁ。
大津波による被害は一部の地域に限ってあったかのような報道で、でも太平洋沿岸はどこもかしかも津波による被害は出ていると思います。
自分の体のことで精一杯だったところに今回の震災があって、心が重くってこの1週間は音楽どころではありませんでした。
やっと手に取れたCDはシューマンでもブラームスでもなくバッハでした。
もちろん亡くなった方を悼む気持ちもあるのですが、レクイエムよりマタイ受難曲でした。
被災地で奮闘努力をされている人たち、首都圏のスーパーやガソリンスタンドでの長い行列。
みんな生きていくことに必死なだけなのに、この違いってなんなのかしら。
すみません。
別に選曲にケチをつけているわけではありません。
今の私にはレクイエムはちょっとキツイので。
でも、そうかぁ。ブラームスがこの曲を書こうとお思ったきっかけはシューマンの死なんですね。
じゃ、私もちょっと真剣に聴いてみることにします。
ところで
この震災を教訓にして、被災地の復興はもちろん明日の日本のために、みんなで頑張りましょう!
まずは節電!
東京都民は福島県には足を向けては寝られないはずですよ!
生意気言ってすみません。m(__)m
投稿: はるりん | 2011年3月18日 (金) 11時50分
ハルさんこんばんは。
ご心配おかけしました。僕の住んでいる町は、幸い目に見える被害はほとんどありません。ただ、知人から好ましくないチェーンメールが届いたり、政治的な言い争いが起こったり、悲しい気持ちになってしまいます。
ドイツ・レクイエムは機会があったらぜひ聴いてみます。持ってもいないのにコメントに書き込んでごめんなさい。
あらためて、亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。
投稿: sasa yo | 2011年3月18日 (金) 19時29分
はるりんさん、こんにちは。
ぱぱりんさんのご実家は福島なんですね。
今回の災害で、「絶対に安全な原子力発電施設」などというのは有り得無いということが分かってしまいました。自然災害というのは必ず人智を超えたことが起きるものだと思いますので。
エネルギー政策の方向転換が必須になるのは間違いありません。それまで当分の間は節電で頑張らなければなりませんね。
投稿: ハルくん | 2011年3月19日 (土) 00時09分
sasa yoさん、こんばんは、
北の街とお聞きしていましたが、被害が少なくて良かったですね。
別にCDをお持ちでなくても、書き込みを頂いて構いませんので、どうぞご遠慮なさらないでください。
でもドイツ・レクイエムは素晴らしい曲ですよ。是非お聴きになられてください。
投稿: ハルくん | 2011年3月19日 (土) 00時19分
こんにちわに。
クーベリック/バイエルン盤→ジュリーニ/VPOと聴きました。素敵なジャケットの後者を大変気に入りました。
>レガートに過ぎますので
宗教曲は残響を感じる演奏が好きなので、ボクにはド真ん中でした。
クーベリック盤=audite盤全般に感じるのですが、装置との相性なのか、乾いた音に聞こえてしまうのです。
宗教曲は大好きなので、フォーレ/レクイエムや、モーツァルト/大ミサetcを、いつの日かとり上げて下さるのを楽しみにしています。
投稿: source man | 2011年5月 4日 (水) 14時24分
source manさん、こんにちは。
ジュリーニ盤ですが、僕も残響については問題ありません。気になるのは演奏が「滑らかに過ぎる」点です。ドイツ音楽はテヌートが過多だと、どうも幾らか違和感を覚えてしまいます。
クーベリック盤(audite盤)が乾いた音に感じるというのは、装置と好みの問題でしょうね。恐らく同じ感想をお持ちの方もいらっしゃるのでしょうが、この曲の録音は僕はとても気に入っています。
僕も宗教曲は好きですが、シンフォニーのようには色々と聴き比べていません。でも、モーツァルトとバッハは是非特集をしたいですし、フォーレもヴェルディも記事にしたいと思っています。
投稿: ハルくん | 2011年5月 5日 (木) 08時37分
こんばんは、ひとつ質問です。
第6曲を「怒りの日」と解釈される理由はどこにあるのでしょうか?ラッパの音に引き続く死者の復活は「怒りの日」に起こる出来事ですが、その後の「審判」については、ブラームスは敢えて歌詞から外していると私は思っています。
投稿: R2 SUZUKI | 2011年9月 4日 (日) 22時14分
R2 SUZUKIさん、はじめまして。
非常に深いご質問を頂きましてありがとうございます。
ブラームスの歌詞をもう一度読み返してみましたが、確かにおっしゃる通りに典礼文の「審判」とは違いますね。僕は「ラッパ」→「最後の審判」→「怒りの日」と安易に考えてしまいましたが、そもそもブラームスの歌詞は典礼文とはかなり異なりますし、死者は「審判」により裁かれるのではなく、全ての者が天国に行けるように書かれていますから、おっしゃられた解釈が妥当だと思います。
さっそく記事内容を訂正したいと思います。
大変ありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願い致します。
投稿: ハルくん | 2011年9月 4日 (日) 23時29分
早速記事の修正をしていただいたのですね。私の稚拙な一言を取り入れてくださってありがとうございます。
この曲は、来月私の所属する合唱団の定演で取り上げるので、曲を知るためにいろいろと検索してこのサイトを見つけました。
「怒りの日」を残すことにこだわりがあるようですね。これがないとレクイエムではないのでしょうか。
最後のラッパ→死者の復活→最後の審判、の流れでは「怒りの日」となりますが、この曲は、最後のラッパ→死者の復活→死の敗北、という流れになっており、「審判」は蚊帳の外に置かれています。
ブラームスは敢えてこのようにして「ラッパは審判(怒りの日)の合図ではない」ことを言おうとしていたように私は思うのですが、ハルさんはどう思われますか?
投稿: R2 SUZUKI | 2011年9月 7日 (水) 21時43分
R2 SUZUKIさん、こんばんは。
僕は決して詳しいわけはありませんので、確かなことは言えません。ただ、元々の「レクイエム」というのは、カトリックの典礼文に基づいたミサ曲ですので、「最後の審判」としての「怒りの日」は有る方が正統派と言えるような気がします。但し「レクイエム」自体が、音楽の一つの形として変化してきた以上、「この世に別れを遂げた人への慰安」が目的でありさえすれば、形にこだわる必要は無いと思います。ブラームスの意図も、まったく貴方の解釈の通りだと思います。ラッパは「審判」の合図では無く、永遠の地へ案内されるための合図だと思います。
この曲を歌われるのですか。それは素晴らしいですね。宜しければ演奏会のご紹介をして頂けませんか?自分も行ければ聴きに行きたいですし、他にも興味の有る方がいらっしゃると思いますし。
投稿: ハルくん | 2011年9月 8日 (木) 19時41分
確かに典礼文を使用しないという意味では、この曲はレクイエムとは呼べないかもしれませんね。「Requiem Eternum」で始まりませんし。
聴きに来られる方がいらっしゃるとうれしい限りです。コメントのURL欄に合唱団のブログサイトを載せました。席数があまり多くないホールなので、お問合せはお早めに(^^)。よろしくお願いします。
投稿: R2 SUZUKI | 2011年9月10日 (土) 14時41分
R2 SUZUKIさん、こんばんは。
この曲も広義の意味では「レクイエム」で構わないと思いますよ。ブラームス本人も「ドイツ語によるレクイエム」と名付けていることですし。
演奏会のご紹介をありがとうございます。ピアノ&打楽器の伴奏版というのも今まで聴いたことが無いので、都合がつけば是非行きたいと思います。記事としても簡単ですがご紹介させて頂きました。
投稿: ハルくん | 2011年9月10日 (土) 20時39分
はじめまして。
来年4月に「ドイツレクイエム」を演奏する合唱団のHP管理人をしている者です。
様々な盤のCD紹介、ありがとうございます。
自分はよくわからないのですが、なかなか「これぞ!」と思えるものがないそうですね(うちの指揮者・談)。。
でも参考にさせていただきます(さしあたってはクーベリック盤を探してみます)。
そしてやはり復興ボランティアにも行こうと思いました。
投稿: lin2 | 2011年10月15日 (土) 01時41分
lin2さん、こんにちは。はじめまして。
コメントを寄せて頂きまして誠にありがとうございます。
HP拝見しました。川崎でコンサートを開かれるのですね。同じ神奈川県内ですので、都合がつけば是非聴きに行きたいなと思います。
この記事を書いた後にも中々に良い演奏のCDを入手していますので、来月のブラームス特集の際にご紹介する予定です。
でもクーベリック盤はとても素晴らしいと思いますので、是非お聴きになられてみてください。後日、ご感想をお聞かせ頂ければ嬉しく思います。
今後ともよろしくお願い致します。
投稿: ハルくん | 2011年10月15日 (土) 12時16分
4月に「ドイツレクイエム」を歌うアニモKAWASAKIの管理人再びです。
先日詳細が決まり、HPも更新しましたのでそのお知らせに伺いました。
もしよろしければ、団員ノルマチケットがありますので、ご招待させていただければと思いました(メールにご連絡いただくか、当日受付預かりにもできるかと思います)。
その後、CD屋にクーベリック盤について訊いたところ、CDは廃盤になってしまっているそうで、DVDがあるとのことでした。
金額が倍だったので保留にしつつ、他の盤を図書館で見つけて聴き漁っています。
でもオケ付き生を聴いていないので、そのチケット分と思ってDVDを買ってしまおうかと思っています。
投稿: lin2 | 2012年2月 2日 (木) 04時16分
lin2さん、こんにちは。
コンサートへのお招きを頂きまして誠にありがとうございます。4月の後半に法事の予定がありますが、重ならなければ是非聴きに行きたいと思いますので、別とメールをお送りさせて頂きます。
クーベリック盤は廃盤になってしまったのですか。HMVの通販あたりでは海外盤の取り扱いはまだ続いているようですが。
DVDはインターネットで一部観たことが有りますが、演奏者の気迫がひしひし伝わるような画面に惹きつけられました。一見の価値はありそうですよ。
投稿: ハルくん | 2012年2月 2日 (木) 23時49分
ハルくんさん、こんばんは。
数多いレクイエムの中でも、この作品の味わい深さは格別ですよね。ブラームスらしく派手さはありませんが、穏やかさの中にずっしりとした重厚な手ごたえが聴きとれるのが堪りません。
私の愛聴盤ですが、ケンペ指揮のベルリン・フィルによるモノラル録音です。奇をてらったところのまるでない、実に穏当な表現ながらも確信に満ちたケンペの解釈がまず素晴らしく、絶妙なテンポ感やいぶし銀のようなオケの響きに惹き込まれます。ソリストや合唱も含めオール・ドイツキャストで、若きフィッシャー=ディースカウやグリュンマーの歌唱の素晴らしさはもちろん、聖ヘドヴィヒ教会合唱団も中々健闘しております。現代のレベルからすると精緻とは言えないですが、十分なアンサンブルですし、ドイツ語のディクションは流石に完璧です。優しく厳しくそして滋味深い、素晴らしい演奏だと思います。
投稿: げるねお | 2020年4月25日 (土) 23時34分
げるねおさん
良い曲ですよね。疲れ切っていて音楽を聴くのさえ億劫な時でも、そっと寄り添って癒しを与えてくれますね。
ケンペは好きな指揮者ですが、この曲は聴いたことが有りません。しかし演奏メンバーからしても、まず最上のものであることは想像に難しくありません。機会あれば是非聴いてみたいです。
ご紹介ありがとうございました。
投稿: ハルくん | 2020年4月28日 (火) 14時55分