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2011年1月 8日 (土)

~ロシア音楽紀行~ チャイコフスキー「弦楽のためのセレナーデ」ハ長調op.48

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本当に寒い日が続きますね。こんな冬の夜には、♪雪のふる夜は楽しいペチカ~♪という気分になりませんか?そのペチカというのはロシアの暖炉のことです。日本ではお金持ちでなければこんな暖炉は造れないでしょうけれど、暖炉にあたりながら音楽を聴いたら素敵でしょうね。その時に聴くのははもちろんロシア音楽です。ということで暖炉にあたった気分でロシア音楽を聴きましょうシリーズです。

新年の気分がすっかり抜けたとはいうものの、余り暗くなるのもいやですので、美しく楽しいチャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」を聴きましょう。昨年小澤征爾さんが、がんの治療からカムバックして最初に指揮したのはこの曲でした。その演奏には並々ならぬ気迫を感じましたが、この曲は決して表面的に美しいだけでなく、チャイコフスキーの強いロシアへの想いが込められていると思います。弦楽セレナーデではドヴォルザークの作品も有名で僕は大好きですが、どちらも負けず劣らず素晴らしい名曲だと思います。ドヴォルザークは5楽章構成でしたが、チャイコフスキーのほうは4楽章構成です。

第1楽章「ソナチネ形式の小品」 導入部の重圧で哀愁漂う弦楽合奏が非常に印象的ですが、主部に入ってからの軽快な動きも非常に楽しいです。

第2楽章「ワルツ」 バレエの得意なチャイコフスキーは美しいワルツを幾つも書いていますが、その中でも特に傑作だと思います。美しく軽快ですが、どこかメランコリックな味わいがたまらない魅力です。

第3楽章「エレジー」 美しいロシア風の悲歌で全体に憂愁が漂いますが、暗くなり過ぎることが無いのでとても楽しめます。

第4楽章「ロシアの主題のフィナーレ」 ロシア民謡から主題が取られています。躍動感の中に大きく歌う部分がとても心地よいです。最後に1楽章の導入部分が再現されて感動的に終わります。

それでは僕の愛聴盤のご紹介です。

Tchaikovsky_strings_serenade_mravi エフゲニ・ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィル(1949年録音/メロディア盤) 古いモノラル録音ですので、音質に期待はできません。けれどもムラヴィンスキーらしい速めのテンポで彫の深い演奏はやはり存在感が有ります。ムード的に陥る部分が無く、全ての音符が真剣勝負といった風情です。もちろん無味乾燥ということでは無く、味わいに満ち溢れてています。軽く流される音が無いので非常に聴きごたえが有ります。

Tchaikovsky_strings_serenade_stoko レオポルド・ストコフスキー指揮ロンドン響(1974年録音/DECCA盤) 19世紀生まれのストコフスキーはポーランド系ですが、ロンドン生まれのアメリカ育ちです。戦前から積極的にレコーディングに取り組んでいたのと映画「オーケストラの少女」にも登場しましたので大衆にとても人気が有りました。大曲も多く演奏しましたが、ポピュラー指揮者というイメージが強くて気の毒です。この演奏は90歳を超えての録音ですが、生命力に溢れてロマンティックに歌わせた楽しい演奏です。

Sve2live エフゲニ・スヴェトラーノフ指揮ロシア国立管(1992年録音/CANYON盤) CANYONの優秀な録音のせいも有るのでしょうが、弦楽の響きがため息が出るほどに美しいです。ロシア国立管の弦がこれほど優秀とは思いませんでした。スヴェトラーノフのテンポはゆったりとしていて非常に重圧です。決して重苦しいということは有りませんが、まるでロシアの大地を想わせるかのようです。ワルツも楽しさの中に哀愁が一杯に感じられますし、エレジーでの歌いまわしも実に自然でロシアの空気感に惹きつけられます。フィナーレも同様でロシアの味わいに満ちています。

ということで、ファーストチョイスとしては当然、スヴェトラーノフ盤になるのですが、ムラヴィンスキー盤は聴いているうちに音質を忘れて演奏に惹きこまれます。ステレオ録音が残されていたら、どんなに良かったでしょう。

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チャイコフスキー(管弦楽曲)」カテゴリの記事

コメント

ブログを見るのをとっても楽しみにしています☆これからも楽しく読ませて頂きますね(*^_^*)

投稿: 小山の美容院 | 2011年1月 8日 (土) 01時19分

ハルくんさん、こちらのプログに今年になって最初の書き込みです。本年もどうぞよろしくお願い致します。
さて、この曲についてはあまり多くの演奏は聴いていませんが、しかし、小生には、カラヤン指揮ベルリン・フィルの録音、それも1966年録音のものがファーストチョイスです。いきなり第1楽章の序奏での合奏の中から、まるで人の声のような響きが浮かび上がって来たり、この人の演奏ですから、終始雰囲気も十分にバランスの良いサウンドが楽しめます。HABABI

投稿: HABABI | 2011年1月 8日 (土) 06時24分

小山の美容院さん、

ありがとうございます。ただ、申し訳ありませんがお店のリンクは外させていただきますのでご了承くださいね。

投稿: ハルくん | 2011年1月 8日 (土) 08時46分

HABABIさん、こちらこそ本年もよろしくお願い致します。

カラヤン指揮ベルリン・フィルは昔LP盤で所有していたはずですが、カップリングの三大バレエ組曲の演奏が気に入らずに手放した記憶が有ります。
弦セレの演奏についてははっきりは覚えていないのですが、改めて聴いてみたいですね。

投稿: ハルくん | 2011年1月 8日 (土) 08時52分

こんばんは。「弦楽セレナード」はここ数年、第1楽章がCMに使われたのか、代名詞でもあった「ワルツ」がかすんでしまっているのが残念です。
標題通り、弦楽オーケストラなのでしょうか。室内オーケストラと小編成によるものが占めてます。
そんな中、カラヤンの再録(初録は未聴)があり、ナイーブでありシンフォニックなフィーリングでした。(私としては聴きやすかったベスト・サウンド)かつて、指揮者アシュケナージを初めて聴いたサンクトペテルブルク・フィルによるものが当時は味が濃すぎてそのままになってたが、最近になって聴き直したら、ピアニストから180度方向転換した勢いと陰鬱を交えた技術でカラヤンとは違った名人であるのを再認識しました。
日本人はボルシチよりも味噌汁が慣れてるのかな。

投稿: eyes_1975 | 2011年1月 8日 (土) 20時02分

ハルくん、こんにちわ

チャイコフスキーの弦楽セレナードですか、あまり聴かない曲ですが、調べてみたら、メンゲルベルク指揮の古い録音と、ストリング・オーケストラ「響」による1998年の録音を持っていました。

後者は極めて珍しいもので、クラシックが好きな人で持っている人は少ないのではと思います。と言うのは、これ、CDではなくて、「(有)テグレット技術開発」が発売したパソコン用ソフト「知子の情報Ver.8」のCD-ROMに付録として収録されていたものなのです。CD-ROMと言っても、勿論、これ、CDプレーヤーを使えば、普通に再生できます。あ、演奏は実況録音でした。

投稿: matsumo | 2011年1月 8日 (土) 20時30分

eyes_1975さん、こんばんは。

僕は逆にカラヤンの再録盤は聴いていません。旧盤は随分昔聴いたので、今は余りはっきりと憶えていません。
アシュケナージ/サンクトペテルブルク・フィルも聴いてはいませんが、味の濃い演奏でしたら僕は好みそうです。
僕はやはりロシア音楽は味噌汁の味よりもボルシチの味が好きなので、ロシア人なのかもしれません!?

投稿: ハルくん | 2011年1月 8日 (土) 23時20分

matsumoさん、こんばんは。

メンゲルベルクは「ワルツ」のみ入っているCDを持っています。いつもの甘い甘いメンゲルベルク節ですね。

ストリング・オーケストラ「響」というのは確かに名前を初めて聞きました。日本の団体なんでしょうか?サントリー財団のオケということではないですよね。

投稿: ハルくん | 2011年1月 8日 (土) 23時24分

ハルくん、こんにちわ

「弦楽セレナード」はおまけのこともあり、CD-ROMには、ストリング・オーケストラ「響」の説明は全くありませんでした。

インターネットで検索をかけても最近のものは出てこないことから、おそらく、1998年頃にあった日本のプロの弦楽オーケストラのようです。

と言うことで、サントリーの「響」とは関係ないようです。

投稿: matsumo | 2011年1月 9日 (日) 17時50分

matsumoさん、こんばんは。

わざわざありがとうございました。
おそらくは臨時編成のオーケストラなのでしょうね。そういう活動をしている団体は多く有りますし。
サントリー財団がホールのレジデンスオーケストラでも作ると面白いのですけどね。オーケストラ・ハイボールとかオーケストラ・モルツなんていいと思いませんか?(笑)

投稿: ハルくん | 2011年1月 9日 (日) 22時15分

ドヴォルジャークの弦楽セレナードと書法が似ていて、とても暖かく、しかし切ない気持ちになります。豪雪の降りしきる中、舞踏会に、はたまた暖炉の前での昔語りに興じるような気分です。

投稿: かげっち | 2011年1月11日 (火) 12時42分

かげっちさん、こんばんは。

ドヴォルザークとチャイコフスキーの弦セレはどちらも本当にいい曲ですね。

「豪雪の降りしきる中、舞踏会に、はたまた暖炉の前での昔語りに興じるような気分」とは素晴らしい表現です。そうなんです。そういうことを伝えたかったのですよ。代わりに表現して頂いてどうもありがとうございます。

投稿: ハルくん | 2011年1月11日 (火) 22時28分

ハルくん、こんばんはnight

チャイコフスキーの『弦楽セレナード』とても有名ですねheart04heart04heart04実は私、『弦楽セレナードよりワルツ』の着うたもってます(*^▽^*)heart04heart04heart04前の携帯では『弦楽セレナードよりワルツ』を着信メロディに設定したこともありますよnotenotenoteこの曲を聴くと『忍たま乱太郎』の土井半助先生を思い出します(*^▽^*)heart02特にポニーテールが(土井半助先生は私の大好きなアニメキャラですよheart04heart04)『弦楽セレナードよりワルツ』メーッチャクチャオススメですよぉ(^з^)-☆Chu!!heart02heart02heart02heart02

投稿: 上原よう子 | 2012年12月15日 (土) 21時27分

よう子さん

この曲の「ワルツ」は本当に良い曲ですものね。着メロに使ったら、とても素敵ですね~。

投稿: ハルくん | 2012年12月16日 (日) 11時40分

こんばんは。
僕はこの曲が好きです!
毎日毎日寒いので聴きました。
スクロヴァチェフスキ&読売日本響のライブ盤がすばらしいです。
とにかく響きは芳醇なのですが、アンサンブルは万全です。
聴いていてものすごく寛げるんです。
併録のブラームス「第3」も良いです。

投稿: 影の王子 | 2018年1月 9日 (火) 23時47分

影の王子さん、こんにちは。

「弦セレ」良い曲ですよね♪ 僕も大好きです!
スクロヴァチェフスキ&読響盤は聴いていませんが、日本のオケも随分と上手くなったものですね。その分、指揮者が追いついてくれると良いのですが。器用な点では優れていると思うのですがね。

投稿: ハルくん | 2018年1月10日 (水) 12時45分

ハルくん様
貴ブログを拝見し、KINGレコードがテレフンケン・レーベルの発売権利を持っていた頃に、秘蔵名盤シリーズとしてリリースのK17C・9405の番号のLP、メンゲルベルク&コンセルトヘボウ管弦楽団を、引っ張り出して聞き直しました。
この人としては、濃厚な演出が控え目で、曲自体の美しさと愉しさを満喫できる立派な演奏でした。それにしても、フルトヴェングラー&ウィーン・フィルの録音が、ワルツと終曲のみなのが、残念極まりないです。当時まだ市場で主流でしたSP盤一枚分の商品として、出したのでしょうか。

投稿: リゴレットさん | 2018年3月18日 (日) 10時52分

3大バレエ音楽以外のチャイコフスキーの管弦楽曲では
「フラチェスカ・ダ・リミニ」が大好きなのですが人気薄ですね。

ダンテの「神曲」に出てる実話
醜い武将に嫁いだフラチェスカが美男の弟と恋に陥るも
二人ともども武将に殺される悲劇

無限地獄を描いた冒頭と終結部がまずいいし
なにより中間部の甘美な調べが最高です!

CDはムラヴィンスキー晩年のステレオ録音がベストでしょうか。

投稿: 影の王子 | 2018年5月13日 (日) 15時59分

影の王子さん

「フラチェスカ・ダ・リミニ」も良いですね。
手塚治がこの曲が好きで仕事をしながらよく聴いたということを書いていました。

投稿: ハルくん | 2018年5月14日 (月) 16時22分

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