« ヴィルヘルム・フルトヴェングラー ~最高のベートーヴェン~ | トップページ | ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 名盤(モノラル録音編) ~指揮者の英雄たち~ »

2010年8月29日 (日)

ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 ~フルトヴェングラーの名盤~

Furtwangler1 フルトヴェングラーは自身の著書「音と言葉」のなかで、ベートーヴェンの音楽についてこのように語っています。

『ベートーヴェンは古典形式の作曲家ですが、恐るべき内容の緊迫が形式的な構造の厳しさを要求しています。その生命にあふれた内心の経過が、もし演奏家によって、その演奏の度ごとに新しく体験され、情感によって感動されなかったならば、そこに杓子定規的な「演奏ずれ」のした印象が出てきて「弾き疲れ」のしたものみたいになります。形式そのものが最も重要であるかのような印象を与え、ベートーヴェンはただの「古典の作曲家」になってしまいます。』

フルトヴェングラーは当時から既に、ベートーヴェンの曲が多くのコンサートの中でルーティンワークのように演奏されることに大きな危機感を感じていたのです。そして演奏を行う際には古典的な形式感だけでも、内心の情炎だけでもいけないと述べています。

フルトヴェングラーの演奏は現代の「演奏ずれ」したものと比べれば、随分と造形を損なっているように感じないでもありません。急激なアッチェレランド(たとえば第九の終結部)などは一見、そう見えます。但し、曲全体を通して眺めると、不思議と構造的な破たんを感ずることはありません。部分的なデフォルメが決して全体の統一感を損なわないのです。このことは驚くべきことです。なぜならそんな相反することを同時に成し遂げられるような演奏家は他に存在しないからです。この点が古今の指揮者のなかで独自の位置に置かれる理由だと思います。もっとも個人的には、ブルックナー、ワーグナー、ブラームスなどの演奏においては、一部の例外は有るにしても、大半の演奏で人間感情の吐露が余りに勝り過ぎている点で余り好んではいません。やはりフルトヴェングラーに最も適しているのはベートーヴェンの音楽だと思います。

僕がクラシック音楽を聴き始めたころ、当然ベートーヴェンのシンフォニーを聴きたいということになります。そこで「運命」「田園」「合唱」などと副題が付いて親しみが湧く曲を順に聴いていきました。買ったのは当時のベストセラーのカラヤンのレコードです。でも「英雄」だけは、さて誰の演奏で聴いてみようかと音楽書籍を調べてみると、なんでもフルトヴェングラーという人の第二次大戦中の演奏が伝説的な名演らしいことが分かりました。いわゆる「ウラニアのエロイカ」です。それをどうしても聴きたくなってレコード店で探してみると、もちろんオリジナルのウラニア盤ではありませんが、海外の廉価LP盤がありました。音質は貧弱でしたが、元々古い録音なので意外と抵抗感なく聴けました。それよりも音楽の凄さが直感的に伝わってきたのです。目の前に迫りくるこの音は一体何なのだろう・・・と。恐らく貧弱な音質を通してでも、フルトヴェングラーの言う「演奏ずれ」のしていない一度限りの演奏を心に感じたからなのだと思います。

フルトヴェングラーの「エロイカ」の録音は「運命」と並んで非常に多く、恐らく10種類以上は有るでしょうが、僕は主要なものしか聴いていません。それでも片手の指の数以上にはなってしまいます。まずはそれらをご紹介します。

Cci00054 ウイーン・フィル(1944年録音/ターラ盤、メロディア盤) いわゆる「ウラニアのエロイカ」です。僕はターラの戦時中録音集BOXとメロディアの単独盤で持っています。戦時中の古い録音にしてはバランスが良く、随分と音がしっかりしていますし、ウイーン・フィルのアンサンブルが驚くほど優秀です。とにかく演奏の燃焼度が半端でなく、凄まじいほどの燃え上がり方です。明日をもしれぬ当時の時代の緊張感が、このような演奏にさせたのかもしれません。フォルテの一つ一つの音がまるで雷の一撃のように迫り来ますし、ウイーン・フィルの楽員が死んだ気になって弾いている姿が目に浮かびます。この演奏は歴史的な記録ということを別にしても、絶対に聴かれるべきです。CDは色々なレーベルから復刻されていますが、メロディア盤かターラの1枚ものなら手堅いところだと思います。

Furt_be3_1950 ベルリン・フィル(1950年録音/ターラ盤、audite盤) 戦後のベルリン・フィルとの演奏です。翌々年1952年には幾つものエロイカの録音を残しますが、それに比較するとテンポがだいぶ速めで、ウラニア盤に近い印象です。但し音はウイーン・フィルのしなやかさの代わりにベルリン・フィルの剛直さを感じます。音楽に勢いを感じるので、52年の一連の演奏よりも好むファンも少なくないと思います。CDは1枚ものではターラ盤が有りますが、auditeから最近出たRIAS放送録音集は高音が少々固い面はあるものの、ターラ盤からベールを1枚も2枚も剥ぎ取った印象で完全に上です。但しセット物のみになります。 

Furt_be3 ウイーン・フィル(1952年録音/EMI盤) 昔はウラニア盤以外では、このEMI録音しか聴くことができませんでした。僕は独エレクトローラの疑似ステレオLP盤で聴いていましたが、これは非常に美しい音がしていました。唯一のスタジオ録音盤ということもあり、他のライブ録音と比べると興奮度合いがずっと控えめですが、その代わりにゆったりとした広がりが有ってスケールの大きさを感じます。近年流行の古楽器派的な演奏と比べると非常に遅いテンポですが、音楽が停滞したりもたれると感じることは全く有りません。フルトヴェングラー以外の一流指揮者が、この遅いテンポをとると大抵もたれてしまうのとは、やはり大きな違いです。特に極めて遅いテンポでじっくり始まって徐々に巨大に高揚してゆく終楽章は素晴らしいです。録音も良いですし、代表盤のひとつとして選択するべきです。僕はCDでは海外EMIのReferences盤で聴いていますが、音はとても気に入っています。

794 ウイーン・フィル(1952年録音/ターラ盤) EMI録音が11月26と27日に行われた直後の30日に同じウイーンで開かれた演奏会の録音です。従って表現はほぼ同じです。とは言え、やはりライブのほうが気分的な高揚感が勝り、即興性を強く感じます。逆にその分だけEMI盤の安定感には欠けることになりますが、この辺は一長一短だと思います。ファンにとってはEMI盤と比較する興味は起きますが、繰り返して鑑賞することを考えた場合には、やはり録音が優れていてウイーン・フィルの柔らかい音質を味わえるEMI盤をとることになります。こちらもライブにしては音質は悪くありませんが、幾らか音の揺れとざらつきを感じます

Furt_be3_be ベルリン・フィル(1952年録音/ターラ盤) ウイーンでの演奏会の一週間後の12月7日に今度はベルリンでこの曲を指揮しました。第1楽章は速めのテンポでストレートに進むのが1950年盤に似ています。一転して第2楽章は重く暗く粘ります。終楽章はやや彫の深さにかける気がします。録音状態はウイーンでの前の週のライブに比べると音が安定はしていますが、終楽章のみ幾らかざらつきを感じます。余り奥行きを感じない録音なので1950年盤と大差は無いところです。

41uvmjpcql__sl500_aa300_ ベルリン・フィル(1952年録音/audite盤) ’52年12月のベルリン演奏会は二日間で、これは翌日8日の録音です。RIAS放送局のオリジナルテープからCD化されたために非常に良い音質です。演奏も二日目ということもあり、オーケストラに安定感を感じます。切迫感は前日のほうがあるかもしれませんが、録音が良い分だけ演奏に彫の深さを感じられて満足できます。印象としてはEMI盤の大きな広がりに、ライブの高揚感を加えた感じです。第2楽章も悲しみが深く心に染み込んで非常に感動的です。フルトヴェングラーが亡くなって50年以上も経って、実に素晴らしい録音が現れました。但しこれもRIAS録音集なので、是非とも分売して欲しいと思います。

以上から、更に厳選すれば、1944年盤、1952年EMI盤、1952年RIAS盤の三つです。それぞれに特徴が有るのでこれ以上は絞ることは出来ません。

次回は、フルトヴェングラー以外の指揮者の「エロイカ」の名盤を聴いてみます。

|

« ヴィルヘルム・フルトヴェングラー ~最高のベートーヴェン~ | トップページ | ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 名盤(モノラル録音編) ~指揮者の英雄たち~ »

ベートーヴェン(交響曲第1番~3番)」カテゴリの記事

コメント

お早うございます。

祭りが、3番から始まるとは...。5,9番より3番を愛聴なので嬉しいっ。

メロディア旧盤でウラニア初体験。気に入り過ぎて、Bayer盤まで入手。後者が鮮度で若干鮮度が勝ってる気がしますがsweat01

VPO/'52/11/30、Venezia盤を入手。ウラニアと比べてしまうとアレですが、やはり手放せまセン。

'52/EMI、同Rias両盤を入手せねばっ。後者は単売願う切にthink

投稿: source man | 2010年8月30日 (月) 09時13分

なるほどねえ、細部の差異が勉強になります。しかしいずれも雄渾な演奏と言ってよいのではないでしょうか。

50年代にはウィーンフィルも80年代以降とずいぶんちがう音色だったような気がします、決して録音の質による違いだけではありますまい。もっと野太い無骨な響きで鳴らす部分があり、それが彼の雄渾な音楽性にマッチしていたように思うのです。

手持ちではないのですが、友人のコレクションで聴き馴染んでいるのはたぶん52年EMI盤。1楽章再現部直前のホルン乱入やコーダの快刀乱麻ぶり、2楽章の寂寥感、4楽章コーダの高揚感、この長めの曲の大局観を悟るのに格好の録音でした。

投稿: かげっち | 2010年8月30日 (月) 12時50分

source manさん、こんばんは。

ウラニアは凄いですよね。時々思うのですが、あの演奏が、もしも最新の録音で聴くことができたらどうなっちゃうでしょうね。
EMIも是非聴かれてください。ご感想が楽しみです。
RIASセットも輸入盤は枚数の割には安いので、思い切って購入されては如何ですか?充分すぎる価値があると思います。

投稿: ハルくん | 2010年8月30日 (月) 23時48分

かげっちさん、こんばんは。

'40~50年代のウイーンPOは本当に甘く柔らかい音をしていました。今でももちろん素晴らしい音ですが、あのような田舎臭さは失われたと感じます。
それがフルトヴェングラーの指揮で、かくも壮絶な演奏を行うとは本当に驚きます。要するにオケの力量が並みでないのですね。
EMI盤はやはり一つのスタンダードだと言えると思います。ただの爆演エロイカとは次元の全く異なる演奏です。

投稿: ハルくん | 2010年8月30日 (月) 23時59分

こんばんは

私も以前は数枚持っていましたが、自然と
52年のスタジオ録音とウラニア盤に集約され
て、現在はこの二枚しかありません。
通常聴くときは52年で、ある日、聴きたい!と
思うときがウラニア盤になります。
独エレクトローラの擬似ステレオ盤は当時の
愛聴盤だったので懐かしく思いました。

投稿: メタボパパ | 2010年9月 2日 (木) 23時26分

メタボパパさん、こんばんは。

'52 EMI盤とウラニア盤は、やはり代表盤でしょうね。
独エレクトローラ盤は低域がボケて甘くなっていますが、高域は驚くほどの美音ですので、たまに聴くと実に面白く楽しめます。

投稿: ハルくん | 2010年9月 3日 (金) 00時07分

こんばんは(再び)。

...38℃でしたsweat02。大学で過ごした京都も夏はsunsunsunでしたが、盆地なのでカラっとしてました。名古屋は湿度も高いbearing

そんな今日、VPO'52/EMI盤を入手。
ゆったりとしたテンポだからか、毎度の如くsleepy。3度目の正直で最後まで聴けましたsweat01。でも遅いとは感じまセン確かに。

ウラニアと比べると...ですが、比べるモノではナイんでしょうねthink

投稿: source man | 2010年9月 4日 (土) 19時33分

source manさん、こんばんは。

'52EMI盤入手されましたか。
これは本当に味わい深い演奏だと思います。
EMI盤とウラニア盤は、両方を聴いて違いを大いに楽しむべき演奏ですね。何という贅沢なことでしょう。これだからクラシック鑑賞はやめられませんね。

投稿: ハルくん | 2010年9月 4日 (土) 19時51分

フルトヴェングラーのベートーヴェン素晴らしいですよね。私も「英雄」が最高傑作だと思います。ベートーヴェンのSymの中で、一番複雑で雑多な要素が投げ込まれており、ブラームスの3番、マーラーの「大地の歌」と続きますよね。
私は、マニアでないのでごく普通のTAKEしか知りませんが、フルトヴェングラーに関しては、丸山大先生ではないですが、戦時中と戦後ではやっぱり気迫が違う。
ワルツ以外のウィーンが苦手な私は、ベートーヴェンはベルリンpo.に限る。スタヂヲよりライヴ。という偏見に満ちています。すみませんm(_ _)m

50年代のベルリンpo.とのライヴは何種かあるそうですが、どれがよいのでしょうか?
ハルさんの記事を見て、RIAS盤、欲しくなりました。お世辞でなく、ハルさんの記事はいつもCD聴きたくさせて頂けます。ありがとうございます。
早速、RIAS盤、買わねばo(^▽^)o

投稿: シャルリン | 2010年9月 6日 (月) 01時08分

シャルリンさん、こんにちは。

フルトヴェングラーの戦時中と戦後の演奏の白熱度は明らかに違いますが、僕はどちらも好きなんです。
ウイーンPOのベートーヴェンも良いですよ。ライブのほうがお好きと言われるのはよく理解できますけど。
RIASのBoxは'50と'52の両方が聴けますのでお薦めです。是非!
ご感想を楽しみにしていますね。

投稿: ハルくん | 2010年9月 6日 (月) 06時14分

こんばんは^^

本当にエロイカは色々ありすぎて、悩んだ挙句(?)結局ウラニアとEMI52年しか聴いたことがありません。
よく聴くのはウラニアでしょうか・・・
残念ながら私は、ご推薦の二盤は持っていなくて、AltusとDeltaを行ったり来たりです。
でもやっぱり、ウラニアお好きな方多いようですね。これを知ったらフルトヴェングラー自身はビックリするかも^^

RIAS録音集は、実は発売時から買おうかどうしようかとずーっと悩み続けてます。。

投稿: micchik | 2010年9月 8日 (水) 22時23分

micchikさん、こんばんは。

演奏だけみればやっぱりウラニア盤が最高だと思いますよ。ただ本物の音がどれほど凄かったかと思うと、フルトヴェングラーが販売中止を訴えたのも分かるような気がします。メロディアとターラは堅いとは思いますが、他にも良いものは有るでしょうし、逆に言えば全部「悪い」わけですから、ほどほどでいいんじゃないですか?
僕はEMIの52年盤もとても好きなんです。パワー不足と言う人は多いですけど、逆に曲間に深い静けさを感じます。

RIAS録音集はファンは絶対に購入されないといけません!(笑) 収録曲は多いですし、既発売の演奏でも音質が大分良いですよ。ドイツ盤が安いですし、解説もドイツ語ですので一石二鳥なのでは?

投稿: ハルくん | 2010年9月 8日 (水) 23時01分

今晩は、ハルくん。
残念ながら指揮者フルトヴェングラーのCDを持っていない私ですので、この記事に参加する事に躊躇するところですが、作曲家フルトヴェングラーの交響曲2番(朝比奈隆指揮大フィル)を所持しています。指揮者として割りと有名な人だよな、ちょっと聞いてみようか…そんな気持ちで買った中古CDでした。そして大満足でした。曲のクオリティーの高さ、スケールの大きさ。作曲家としてのフルトヴェングラーの素晴らしさを十分に示したものでした。
どうしてもブルックナナーの影響を感じてしまいますが、それもむしろ良いスパイス(?の様なもの)になっていますね。
その才能に拍手うーん、マンダム!

投稿: From Seiko | 2010年9月12日 (日) 03時56分

Seikoさん、こんにちは。

フルトヴェングラー作曲の交響曲2番ですが、実は昔FMで聴いて余り面白いと思わなかったので、ディスクを持っていません。改めてちゃんと聴いてみる必要が有りますね。本当は本人の晩年の録音が有ればすぐに飛びつくところなのですが。他人の演奏って何となく抵抗が有るのです。

投稿: ハルくん | 2010年9月12日 (日) 23時54分

ハルくんさん、こんにちは。

EMIの新リマスターCDを購入したので、ついでに他の英雄も聴いてみようと思い、この記事を参考にウラニアの英雄を買ってみました。オーパス蔵盤です。
今までEMI盤しか聴いていませんでしたが、素晴らしい音質にまず驚嘆。でも、演奏は言われるほどのことはないなと思いながら第4楽章にはいると俄然身を乗り出しました。特に途中からが素晴らしく、コーダはあのバイロイトの第9を聴いている感じで凄まじいですね。長く音楽を聴いていて、今更ながらのウラニアでした。
で、ベルリン・フィルも聴いてみたくなり、RIAS録音集も発注しました。EMI新リマスターと合わせて聴いてみます。

投稿: sarai | 2011年2月13日 (日) 11時20分

saraiさん、こんにちは。

ご感想ありがとうございます。
実はウラニアのエロイカは経緯がかなりややこしくて、元録音テープを進駐したソ連が持ち去ったために、露メロディア盤が発売したLPとCDが基本的に音質良好とされています。
一方、ウラニア社は何らかのルートでコピーテープからLPを発売したので、世界に知られて世に言う「ウラニアのエロイカ」となったのです。ところがこの盤はピッチが半音程度高くなっていました。それを近年のウラニア盤からの復刻ではピッチを修正したものが主流になりました。
ですので、通称「ウラニアのエロイカ」といってもウラニア盤からの復刻と、メロディア盤からの復刻と、元テープからCD化したものと、あるいは元テープのコピーテープからCD化したものと、色々と存在しています。僕は確かに初めはピッチの高いLP盤でこの演奏に馴染みましたが、現在では元テープ系のメロディア盤とかターラ盤を聴いています。
話は長くなりましたが、演奏自体はやはり非常に素晴らしいと思います。1楽章も相当凄いと思いますよ。
EMI新リマスター盤とRIAS盤のご感想も楽しみにしています。

投稿: ハルくん | 2011年2月13日 (日) 22時25分

ハルくんさん、こんばんは。

EMI新リマスター盤聴きました。古いEMI盤とも比べてみましたがエロイカに関する限り、さほどの音質の違いはありませんでした。というか、もともとEMI盤は音質がよかったですからね。

で、ウラニアとの比較ですが、やはり比較にならないくらいウラニアの素晴らしさが分かりました。まるでライブで聴いている感覚ですね。音質もウラニアが悪い筈ですが、音楽的な音質で言えばウラニアが上に感じました。ウィーン・フィルの音であることは同じで戦前も現在もウィーン・フィルの音であることに驚きました。戦争真っ盛りであの水準を保っていたのは凄いと思いました。

RIAS盤も届いたので引き続き聴いてみます。1950年と1952年の2つの演奏があるんですね。

投稿: sarai | 2011年2月14日 (月) 22時41分

saraiさん、こんばんは。

EMIの新リマスターは7番が一番気になります。オリジナルテープが初めて使われたそうですので。そちらの御感想も是非お願いします。

ウラニア盤の録音は非常に迫真性が有りますよね。当時のライブ録音としてはベストの条件でしょう。演奏水準も驚くほど高いですね。

RIAS盤の方のご感想も楽しみにしています。


投稿: ハルくん | 2011年2月15日 (火) 22時26分

ハルくんさん、こんばんは。

引き続き、RIAS盤の1950年、1952年のエロイカを聴いてみました。この2つは雲泥の差と言っては言い過ぎでしょうが1952年は演奏・音質ともに素晴らしいものでした。少なくとも3楽章まではウラニア盤を上回る出来だと感じました。ベルリン・フィルの鋭く切り込む彫の深い響きがすごいインパクトです。第2楽章のとてもスローなテンポは賛否両論あるかもしれませんが私は好きです。終楽章の迫力も十分です。
ウィーン・フィルの艶やかな弦を楽しむならウラニア盤、ベルリン・フィルのシャープさを楽しむならRIAS1952年盤というのが5枚のエロイカを聴いた結論です。
いかがでしょう?
ハルくんさんのお導きで思いのほか、こんなに集中的にフルトヴェングラーを聴いてしまいました。感謝です。

投稿: sarai | 2011年2月18日 (金) 00時17分

saraiさん、こんばんは。

いやー、見事にハマりましたね。
僕の各録音・演奏に付いての感想は記事に書いた通りですが、色々とご自分の耳で聴き比べてみる楽しみはこたえられませんよね。
感謝だなんてとんでもありません。それより散財させてしまって心苦しいです。(笑)

投稿: ハルくん | 2011年2月18日 (金) 01時04分

ハルくんさん、こんにちは。

ひさびさにお邪魔します。それと5周年おめでとうございます。いつも参考にさせてもらっています。

ウラニアはこれまでオーパス蔵盤を聴いていましたが、メロディアのリマスター盤を聴いてみました。これは凄いですね。第4楽章はもちろん、第1、第2楽章も素晴らしく、もう、これを超える演奏は不可能に思えるほどです。それにしてもウィーン・フィルの実力が思い知らされます。音質がよいとしっかり鑑賞できます。
今後もよいCDのご紹介、楽しみにしています。
ちなみに1952年のベルリン・フィル(RIAS)も聴きなおしてみましたが、やはり、この曲はウィーン・フィルの響きが私の好みです。EMIリマスター盤も満足しています。

投稿: sarai | 2013年8月10日 (土) 16時39分

saraiさん、こんばんは。
どうもありがとうございます。

演奏だけを取ればウラニア盤が最高ですね。全く同感です。
自分もベルリンPOよりもウイーンPOの音のほうが好きです。
52年EMI盤や、フルトヴェングラー以外でもテンシュテットのライブ盤、新しいティーレマン盤、日本公演でのプレートルの実演など、考えてみたらウイーン・フィルに好きな演奏が多いですから。

投稿: ハルくん | 2013年8月11日 (日) 00時31分

フルトヴェングラーの英雄はまさに理想的な演奏だと思います。むしろこれらを聞いた後だと、他の演奏には違和感を感じてしまいます。(シューマン4番や第9もそうです)
やはり代表的なのはVPOとの二種類でしょうが、個人的には重厚感あるBPOとの三種類も捨てがたいですね。ただ、私は12月8日よりも7日の演奏の方が好きですが・・・。50年の演奏はばら売りでも出ているはずです。
挙がっているもの以外だと、53年ルツェルンがたまに聞きたくなる熱演です。爆演一歩手前ですが、シューマン4番共々愛聴しています。
最悪なのはやはりローマ盤ですかね・・・(お好きな方はごめんなさい)。

投稿: ボナンザ | 2014年6月13日 (金) 23時27分

ボナンザさん

フルトヴェングラーのエロイカ、第九、シューマン4番などは他の指揮者とはまるで別世界の演奏だと言えますね。

エロイカについては、もちろんどの演奏をとっても他の指揮者よりも好きですが、個人的には”剛”のBPOよりも”柔”のVPOを好んでいます。

投稿: ハルくん | 2014年6月14日 (土) 22時46分

こんばんは。

ここには挙げられていない
ウィーン・フィルとの1950年8月31日
ザルツブルク音楽祭閉幕コンサートの
ライヴ盤(EMI)を初めて聴きました。

放送局の正規音源ではなく
プライヴェート音源からのCD化だそうで
雑音が多いのが難点ですが、強奏での歪みは少なく
フルトヴェングラーの迫力を感じられます。

第1楽章は悲しみをこらえているようです。
しかし覇気が無いわけではなくコーダの盛り上がりが凄い。
第2楽章はこの演奏の頂点に設計されているようです。
だからこそ、後半2楽章の盛り上がりが生きるのです。

全体としてフルトヴェングラーらしい
自然な感興を得ることが出来ました。

フルトヴェングラー、まだまだ新発見がありそうです。

投稿: 影の王子 | 2016年6月18日 (土) 20時58分

影の王子さん

こんにちは。お返事が大変遅くなり申し訳ありません。
実は1950年のザルツブルクLIVEは持っていなかったので急遽購入して聴きました。
確かに音が部分的に不安定な箇所も有るものの、低域も良くカバーしていますしウラニア盤ほど強奏で音割れしないのは良いですね。
フルトヴェングラーのエロイカは、たとえイタリアの放送オケを指揮しても名演を成し遂げてしまうのは本当に凄いです。個人的にはベルリンPOよりもウイーンPOの演奏が好きですので、’44ウラニア盤と’52EMI盤の中間的な演奏として時々聴きたくなりそうです。
ご紹介ありがとうございました!

投稿: ハルくん | 2016年6月26日 (日) 10時24分

おはようございます。

52年12月のベルリン・フィル
7日と8日を聴き比べたところ
同じ指揮者・オケとは思えぬ違いを覚えました。

7日は千変万化する曲想をまさに極地まで突き詰めた感です。
特に第1楽章に顕著で、これはウィーン・フィルではなく
手兵のベルリン・フィルとのコンビだからこそであり
これぞフルトヴェングラーのベートーヴェンを聴く醍醐味ですね。

8日は録音が良いですが、前日の緊張感は後退した気がします。
フルトヴェングラーとしてはやや予定調和的?

どちらも優劣は付けれませんが、僕は7日の方が気に入りました。
いまさらですが、「フルトヴェングラーのベートーヴェンは特別」
だと思い知らされるばかりです。

投稿: 影の王子 | 2017年4月23日 (日) 10時09分

影の王子さん、こんにちは。

フルトヴェングラーの場合は別オケ、別演奏の録音を色々と比べみてもどれにも特徴、魅力が有って、つまらないものは一つもないと言えるでしょうね。だからこれほど多くの録音が掘り出されるのだと思います。半世紀以上も前に亡くなった演奏家の録音に我々ファンの楽しみがいまだに無限に広がるのは正に奇跡です。
1952年12/7、12/8の二つを比べてもそれが当てはまりますね。


投稿: ハルくん | 2017年4月25日 (火) 12時49分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1080200/36408307

この記事へのトラックバック一覧です: ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 ~フルトヴェングラーの名盤~:

« ヴィルヘルム・フルトヴェングラー ~最高のベートーヴェン~ | トップページ | ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 名盤(モノラル録音編) ~指揮者の英雄たち~ »