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2010年7月25日 (日)

ドヴォルザーク 交響曲全集 ウラディミール・ヴァーレク/プラハ放送響

Dovorak_varek

♪夏が来れば思い出す~ はるかなチェコ遠い空~♪♪ と言いましても僕はチェコに行ったことはありません。(涙) けれども毎年暑い時期になると、むしょうに聴きたくなるのがボヘミアの音楽なのです。スメタナ、ドヴォルザーク、いいですよね。周囲のうだるような空気が、すぅ~と爽やかになってゆく気がします。ということで、ドヴォルザークの交響曲全集を聴いています。昨年の記事では、ノイマンとクーベリックの幾つかの全集をご紹介しましたが、今年は、ウラディミール・ヴァーレク指揮プラハ放送響(2000-2003年録音/スプラフォン盤)です。実はヴァーレクという指揮者の年齢は知らなかったのですが、もう75歳になるのですね。プラハ放送響の主席指揮者も既に25年間勤めているそうです。立派なベテラン指揮者です。日本にも多く来日していますが、その割りにはそれほど人気が高いわけではありません。

ともかく、これはドヴォルザークの没100周年記念として2004年にスプラフォン・レーベルからリリースされた全集です。僕はボヘミアの音楽を聴く場合に一番気にするのは、まずオーケストラの音です。ドイツ風に分厚い音ではなく、ウイーン風の柔らかくしなやかな音でもなく、アメリカ風の機能的な音でもなく、あくまでも爽やかさと素朴さを感じさせるボヘミア風の音でないと抵抗があるのです。こんなことを言うと、きっと「ボヘミア風の音なんてものがあるのか?」と聞かれるかもしれません。でも、確かにあります。それはチェコやスロヴァキアのオーケストラが共通して持っている音です。

ここで演奏しているオーケストラは、プラハ放送交響楽団です。名門チェコ・フィルハーモニーは、優秀なアンサンブルと洗練された音色を持っていますが、それと比べると、ずっと荒削りな印象です。ただしそれが逆に素朴さを感じさせる結果になって、決して悪くありません。スロヴァキアのフィルハーモニーやブラスティラヴァ放送響ほどの田舎臭さはありませんが、チェコのオーケストラの中では非常に良い素朴な味わいを持っていて魅力的です。ヴァーレクの指揮も奇をてらうようなところはおよそ皆無で、実にオーソドックスなものです。9曲の交響曲の演奏の出来栄えにばらつきは全く有りません。安心してボヘミア音楽に身を浸していられます。ドヴォルザークの交響曲は、音楽的に充実しているのは、やはり第6番以降、とりわけ第7~9番の3曲ですが、5番以前の曲も僕は好んでいます。

全集盤としてお勧めするのは、どうしても定番のノイマン/チェコ・フィルの旧盤、あるいは新盤のうちのどちらかということにはなるでしょうが、このヴァーレク/プラハ放送響盤をちょいと気分を変えたいときのセカンドチョイスとして選んでも悪くはないかもしれません。

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コメント

ハルさま、暑くて寝苦しい夜が続いております。そんな夜にドヴォルザークはグッドチョイス♪
交響曲は勿論大好きですが、彼のスラブ舞曲をはじめとする小曲も大好きなのです。前に私の涙腺が緩む5曲を挙げましたが、6番目は【わが母の教え給いし歌】ですね。お母さん、親不孝な娘でごめんね。元気で長生きしてね(涙)っていう気持ちになってしまいます。ハルさま、孝行息子してますか?

投稿: From Seiko | 2010年7月26日 (月) 00時16分

Seikoさん、こんばんは。

夜になっても暑い日が続きますね。
僕は大抵エアコンつけっぱなしですけれど。(苦笑)

ドヴォルザークの曲はノスタルジックな雰囲気を感じさせるものが多いので夜に向くのかもしれません。「アメリカ」や「ユーモレスク」なども実にいいです。
「わが母の教え給いし歌」は元は民謡だったのではなかったかな?もちろんいい曲です。

僕は孝行息子とまでは行きませんが、まあそれなりでしょうか。後で後悔だけはしないようにしたいですね。

投稿: ハルくん | 2010年7月26日 (月) 23時28分

ハルくんさん、こんにちは。

ドヴォルザークの作品ですが、これまで室内楽を好んで聴いてきました。

今春ターリッヒの「スターバト・マーテル」
を聴いたのをきっかけに、交響曲を聴き始めたところです。私が好きなのは、8番。中でも2楽章です。この楽章を取り出して聴くことが多いですね。3楽章の優雅なワルツにも惹かれますが。

2楽章の冒頭、弦で奏される旋律を聴いただけで、土や草の匂いをいっぱいはらんだ風が吹いてくるような気がします。音楽の中に織り込まれた鳥のさえずりや葉ずれの音などの「自然の声」と共に「静けさ」も感じられる8番の2楽章、私は大好きです。

8番は、異演盤でいろいろ聴いてみるつもりです。ノイマン、アンチェル…ゆっくりと聴き進めていきます。

投稿: ANNA | 2010年7月30日 (金) 12時49分

ANNAさん、こんにちは。
ご無沙汰しています。猛暑日が続きますがお元気そうで何よりです。

8番は僕も大好きですよ。
牧歌的な2楽章はいいですねー。中間部の重音を駆使したヴァイオリン独奏もこぼれる様な美しさで惹かれます。3楽章の旋律もホントに素晴らしいですね。
似た構成でやはり2、3楽章が素晴らしいのが7番です。ノイマン/チェコPOの80年代盤が7番、8番がCD1枚ですし、演奏はどちらも最高です。まずはこれがお薦めですよ。

投稿: ハルくん | 2010年7月31日 (土) 07時02分

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