« ブルックナー交響曲第5番 ティーレマン/ミュンヘン・フィル盤 | トップページ | パーヴォ・ヤルヴィのマーラー交響曲第2番「復活」 »

2010年7月10日 (土)

エッシェンバッハのマーラー交響曲第1番「巨人」

Mahler1_eschenbach

 

今年はショパンとシューマンのアニヴァーサリー・イヤーですが、マーラーの生誕150周年でもあります。でも僕はマーラーに「生誕何年」という言い方は、どうもしっくり来ないのです。自分の人生を「一枚の紙切れのような人生」と言い、常に自分や回りの人間の「死」を恐れ、生まれてきた苦悩を生涯背負い続けたマーラーに「ハッピー・バースデイ」というのに何となく抵抗を感じるからです。僕としてはマーラーは、むしろ来年の「没後100年」の時に心から悼みたいと思っています。

 

それはさておき、クリストフ・エッシェンバッハの指揮したマーラーの新盤が最近リリースされましたので聴いてみました。クリティアン・ティーレマンがブルックナー、ワーグナー、リヒャルト・シュトラウスを得意とすれば、エッシェンバッハはマーラー、ブラームス、シューマンを得意にします。この二人にはドイツ・ロマン派の伝統的なスタイルを更につき詰めて行って欲しいと願います。

 

僕がエッシェンバッハを実演で聴いたのは、若手演奏家を集めて編成されるシュレスヴィヒ・ホルシュタイン祝祭管弦楽団を率いての2005年日本公演です。その時には、ブラームスの4番がなんとも大きくロマンティクに演奏されて感銘を受けました。まるでフルトヴェングラーのようであり、しかもスケール感を失わなかったのです。幸いにも、この名演奏はCD化されています。

 

エッシェンバッハのマーラーの録音には、既にフィラデルフィア管との第2番「復活」第6番「悲劇的」が有ります。どちらもスケールの大きい名演奏だと思うのですが、アメリカの楽団の中でも特に明るい響きのフィラデルフィア管というのが少々不満でした。できればドイツの楽団で彼のマーラーを聴きたいと思っていたので、今回の新盤はベルリン・ドイツ交響楽団なので嬉しいです。

 

実際に聴いてみると、期待した通りのドイツ的なオケの響きに満足しました。あくまでも弦楽器が土台を造り、その上に管楽器が美しくブレンドされています。音色は幾分ほの暗さを持って落ち着いた色合いです。演奏も全体としてスケールが大きく、ズシリとした手ごたえを感じます。但しテンポには振幅が有り、たたみ掛ける箇所ではかなりの高揚を見せます。終楽章の熱気、迫力もかなりのものです。

 

このCDの録音が優秀なのは大きなアドヴァンテージですが、それを別にしても、過去の名盤である、ワルター、テンシュテット、バーンスタイン、小林研一郎などに充分肩を並べられる演奏だと思います。

 

<過去記事> 「マーラー 交響曲第1番 名盤」

|

« ブルックナー交響曲第5番 ティーレマン/ミュンヘン・フィル盤 | トップページ | パーヴォ・ヤルヴィのマーラー交響曲第2番「復活」 »

マーラー(交響曲第1番~4番)」カテゴリの記事

コメント

また、マーラー名演マエストロの
名前が増えたんですね。

エッシェンバッハ聴いてみたいと思います。

「巨人」いい曲ですよね。
好きです。

やはり1番というのは、意味あると思います。

投稿: 四季歩 | 2010年7月10日 (土) 20時00分

今晩は、ハルくん。
異常に暑かったり、ゲリラ豪雨だったり首都圏は大変でしたね。日本海側は湿気が多くて、じと~とした日々。
嫌なじめじめを払拭すべく東響のコンサートへ。ブル9&テ・デウム…良かったですよ~!一番安い三階席ですが、演奏者の様子が良く見えて。弦楽器奏者の手の動きや弓の動きがマエストロと、ぴったりシンクロして波の様に見えたり、ホルン隊が(大活躍の曲ですからね)ちょっとした休みでも、ここぞとばかり唾抜きに一生懸命だったり。
指揮者のユベール・スダーン氏は、時に熱く時に包み込む様で曲に対しての思い入れを感じました。当然、演奏者も同じ思いで演奏していたでしょう。素晴らしかったです(2ヵ所程、木管の音がひっくり返ってた?ご愛嬌)打楽器の音が小さい気がしましたがマエストロの意向なのでしょうか。テ・デウムの合唱も独唱も素敵でしたね。生演奏はやっぱり良いですね~♪

投稿: From Seiko | 2010年7月10日 (土) 20時33分

四季歩さん、こんにちは。

エッシェンバッハいいですよ。
往年の巨匠風の演奏を現役で聴くことができますから。

1番は曲に若さを感じるところが魅力ですね。僕もとても好きです。やはり色々な演奏を聴いてみたくなります。

投稿: ハルくん | 2010年7月11日 (日) 09時04分

Seikoさん、こんにちは。

ほんとうに毎日不快な天気が続きます。
こういうときには涼しいコンサート会場で名曲に浸るのが一番ですね。

ブル9とテ・デウムの演奏、とても素晴らしかったようですね。もちろん管弦楽の生演奏も良いのですが、合唱の生声ってほんとに素適ですよね。余り聴く機会に恵まれない名曲を生で聴かれたのは貴重ですよ。

投稿: ハルくん | 2010年7月11日 (日) 09時12分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: エッシェンバッハのマーラー交響曲第1番「巨人」:

« ブルックナー交響曲第5番 ティーレマン/ミュンヘン・フィル盤 | トップページ | パーヴォ・ヤルヴィのマーラー交響曲第2番「復活」 »