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2010年7月28日 (水)

ドヴォルザーク 「弦楽のためのセレナーデ」ホ長調op.22 ~いっそセレナーデ~

Moldavaencontrario 

夏向き音楽家ドヴォルザークの作品は交響曲、チェロ協奏曲、弦楽四重奏などに名作が目白押しです。ところが意外と親しまれていないのが管弦楽曲です。「スラヴ舞曲集」は非常に有名ですが、「序曲」とか「交響詩」にも数々の名作が有ります。また合唱曲にも「レクイエム」「スターバト・マーテル」「カンタータ」などの名作が有ります。これらの曲については、おいおい触れていきたいと思っています。けれども、夜更けに家でくつろいで仕事の疲れを癒そうとするときには、いっそセレナーデという気分になります。「管楽のためのセレナーデop.44」も美しい曲ですが、僕は「弦楽のためのセレナーデop.22」が大好きなんです。全5楽章構成ですが、どの楽章も本当に素晴らしいです。

第1楽章:モデラート 懐かしさいっぱいの美しいメロディにまずノックダウンです。ドヴォルザークの良さここに極まれりです。

第2楽章:テンポ・デ・ワルツ ワルツですが楽しいというよりも哀愁をいっぱいに漂わせます。中間部ではまるで夜想曲という風情に魅了されます。

第3楽章:スケルツォ/ヴィヴァーチェ 心が躍らされますが、やはり中間部が非常に魅力的です。うーん、ドヴォルザーク!

第4楽章:ラルゲット 抒情をいっぱいに湛えて実に美しいです。夏の夜に一人静かに聴くのに最高です。うーん、セレナーデ!

第5楽章:フィナーレ/アレグロ・ヴィヴァーチェ 闊達に曲を閉じますが、やはり懐かしさや哀愁を感じさせます。1楽章のメロディが静かに回想されるあたりは心にくいですね。

それにしても何と美しく心に染み入る曲なのでしょう。それでは僕の愛聴盤をご紹介します。

504 プラハ室内管弦楽団(1993年録音/DENON盤) 指揮者を置かない団体なので演奏の自発性には優れますが、逆に表現意欲がやや薄く感じる部分もあります。長所でもあり短所でもあるというところです。けれども、弦楽パートが絡み合う美しさを堪能できるという点で、これ以上の演奏は中々無いと思います。録音が優秀なので、楽器の音そのものの美しさを充分味わえるのもメリットです。本当に何度でも繰り返して聴きたくなる曲で演奏ですので、これ1枚だけで充分と思えるほどです。

Cci00055bs ラフェエル・クーベリック指揮バイエルン放送響(1977年録音/オルフェオ盤) 指揮者を置いた演奏としては最高レベルです。クーベリックの表現意欲を感じます。残念なのは70年代のライブ録音なので、やや録音の粗さを感じます。悪いことは無いのですが、プラハ室内管の美しい音を聞いた後ではどうしても差を感じてしまいます。ですので、これは素晴らしい「新世界より」のCDに収録されたカップリング曲として楽しめば良いと思います。

これ以外の演奏で、忘れられないのはヴァーツラフ・ターリッヒがプラハ合奏団を指揮した演奏(1940年頃録音/スプラフォン盤)です。音と表現が少々時代がかってはいるものの、これ以上無いほどにノスタルジックな気分でいっぱいです。元々曲がそういう曲だけに非常に魅了されます。録音の古さを忘れさせるぐらいの素晴らしさです。    

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コメント

ごぶさたしています。
弦セレいいですね~

この曲と、グリークのホルベア組曲と、シベリウスのアンダンテ・フェスティーヴォがあれば、半年暮らせるくらいに好きです。

特にワルツ;私には「雪が激しく降る夜、室内では煌々と灯輝き男女は踊り狂う」といった物狂おしさを感じ、いてもたってもいられない感じになります。

同じセレナーデでも、木管セレナーデとは何とちがうことでしょう(笑)木管人間として複雑な心境です。

投稿: かげっち | 2010年8月 2日 (月) 12時52分

かげっちさん、こんにちは。

この曲ほんとに名曲ですよね。
こういう曲が有るからドヴォルザークは大好きです。管楽セレナーデもいいですけど、比べるとやっぱり弦セレでしょうね。お気持ち察します。(笑)

グリークのホルベルク組曲は僕も大好きですよ。もちろんシベリウスもです。

投稿: ハルくん | 2010年8月 2日 (月) 23時59分

ハルくんさん、こんばんは。
夏になると、聴きたくなる作曲家といえば 私は ヘンデル、ロドリーゴ、スメタナ、ドヴォルザークですが、寝る前には、交響曲や協奏曲でもないな~と 手が伸びるCDの一つが この"弦楽セレナード"です。
聴いていると本当に癒してくれる曲ですよね。
私は、プラハ室内管の旧盤('77年)で聴いていますが、当時のスプラフォンの録音の特徴(?)のやや硬めの音が、なかなか良い味を出しています。
カップリングの「チェコ組曲 Op.39」と共に 今年も 何度もお世話になりそうです。(笑)

投稿: ヨシツグカ | 2013年7月20日 (土) 00時10分

ヨシツグカさん、こんにちは。

夏にスメタナ、ドヴォルザークはイイですが、猛暑の時にはロドリーゴも良いですね。赤土の上にそそがれる灼熱の太陽って感じで。

プラハ室内管の旧盤は聴いていませんが、スプラフォンの’60~70年代の音も好きですよ。本当にあんな音がしていたのかは判りませんが、「スプラフォンの音」としてとても懐かしいです。
どちらにしても本当に良い曲ですからね。

投稿: ハルくん | 2013年7月20日 (土) 08時47分

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