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2010年2月14日 (日)

ブルックナー 交響曲第5番変ロ長調 名盤

Doitu080l_2            ケルンの大聖堂

交響曲第5番はブルックナー中期の傑作です。後期の作品に匹敵するか、あるいはそれ以上のスケールの大きさを持つ、正に聳え立つ巨峰です。ブルックナー自身はこの曲を「対位法的」と呼びましたが、最も典型的なのは巨大なコラールが対位法と一体になった終楽章です。もちろん、他の楽章も構築性において一段と際立つ作品です。がっちりとした構築性と堅牢な管弦楽の響きは、あたかもドイツのゴシック様式の巨大な大聖堂を仰ぎ見るような印象を受けます。
この曲は初演の際には、指揮者のフランク・シャルクが聴衆に受け入れ易くする為に楽譜に大幅なカットと、金管、打楽器を追加するという改定(改悪?)を行いました。もちろん現在では通常、原典版で演奏されていますが、改定版はクナッパーツブッシュの録音で聴くことが出来ます。

第1楽章”アダージョ~アレグロ” 荘重な導入部に続く主部は、スピード感有る印象的な主題が何度も転調しながら繰り返されます。これには心が躍るような感動を覚えさせられます。正にブルックナーの音楽の醍醐味を味わえます。

第2楽章”アダージョ、非常にゆっくりと” 冒頭、弦のピチカートによる三連音の上に、オーボエが二連音で哀しげな旋律を奏でて非常に印象的に始まります。その後、弦楽が大河の流れのような広がりを持つ旋律を歌い、とても荘厳な雰囲気を感じさせます。本当に感動的な楽章です。

第3楽章”スケルツオ‐モルト・ヴィヴァーチェ” 2楽章の三連音がそのまま急速な伴奏形となり、トウッティで激しく奏されます。野趣に溢れた豪快な迫力が魅力的です。

第4楽章”フィナーレ、アダージョ~アレグロ・モデラート” 最終楽章は対位法を駆使して作曲された正に音の大伽藍です。その巨大なフーガとコラールは圧倒的なスケールで心の底から感動させられます。

この曲も素晴らしい演奏が多く有りますので、順にご紹介します。

Buru5_kuna2 ハンス・クナッパーツブッシュ指揮ウイーン・フィル(1956年録音/DECCA盤) 大学生になった頃に初めてこの曲を聴いた演奏(もちろんアナログLPで)でした。曲の良さが直ぐに理解出来たのは演奏が良かったからでしょう。珍しいシャルク改訂版による演奏なのですが、指揮の意味深さによる演奏の魅力が音楽を充分にカバーしています。テンポは全体に早めなのにもかかわらず、せかせかしたところが全く無く、クナの呼吸の深さをつくづく感じます。当時のウイーン・フィルの柔らかい音は一聴すると音に迫力が無い様に感じるかもしれませんが、音楽そのものの聴き応えは充分です。特に第2楽章の弦楽の美しさは例えようも有りません。

Buru5_kuna3 ハンス・クナッパーツブッシュ指揮ミュンヘン・フィル(1959年録音/DREAMLIFE盤) DECCA盤と同じ改定版によるミュンヘンでのライブ演奏です。以前から何種類かの海賊盤が出回っていて、中でもGreenHILL盤はかなり良い音質でしたが、ようやく正規音源盤が出て、この演奏の凄さを存分に味わう事が出来るようになりました。ブルックナーをモノラル録音で鑑賞するのは適さないのですが、クナ位凄い演奏になると鑑賞に耐えます。ウイーン・フィルの美音には劣るものの、野趣に溢れたミュンヘン・フィルの音はこの曲には相応しいです。基本テンポはやはり早めですが、ここぞという所でクナは(足で床をドンと鳴らして)オケに気合を入れますので、のけ反るような迫力が生れます。若輩指揮者には真似のできない至芸です。

Buru5_konvi フランツ・コンヴィチュニー指揮ライプチヒ・ゲヴァントハウス管(1961年録音/BERLIN Classics盤) 名指揮者コンヴィチュニーもブルックナーをよく振りました。極めて男性的で豪快な演奏です。金管を強奏するので直接的な迫力が有ります。しかしトランペットがいささか強過ぎるので全体のバランスを欠き、響きに「法悦」を感じる事が出来ません。音が汚いというわけでは有りませんが少々やかましく聞こえます。その点がクナの響きとは大分異なります。けれども第2楽章アダージョはたっぷりと深みを感じて中々に魅力的です。

Buru5_schu カール・シューリヒト指揮ウイーン・フィル(1963年録音/グラモフォン盤) これはウイーンでのライブ録音です。この人とウイーン・フィルとのブルックナーの正規録音が3、8、9番しか無いのは残念ですが、モノラル録音ながらも状態の良い5番が残されたのは喜びです。シューリヒトは普段は早めのテンポで淡々と音楽を進めますが、この演奏はテンポがたびたび変化しますし、表現も非常に濃厚で劇的です。けれどもそれが決して外面的に陥ることが無く、どこまでも音楽の内面的な感動に結びつくのは流石にシューリヒトです。フィナーレもクナに負けないほどの迫力です。

Klenpelar_wien オットー・クレンペラー指揮ウイーン・フィル(1968年録音/Testament盤) クレンペラーがウイーン・フィルに1968年に客演した際の録音がテスタメントからBOXで出たのはとても嬉しい出来事でした。この曲はかつてセブンシーズからも出ていましたが、リマスタリングで音質が格段に向上しています。いかにもクレンペラーらしいインテンポのがっちりした指揮ぶりですが、ウイーン・フィルの音が演奏に瑞々しさを与えてくれています。一本調子の所が面白みが無いと言ってしまえばそれまでですが、こういう真面目な曲を真面目な演奏で聴くのも悪くはないでしょう。

Buru5_mata ロブロ・フォン・マタチッチ指揮チェコ・フィル(1970年録音/スプラフォン盤) 年配ファンには懐かしいマタチッチですけれども、最近はやや忘れ去られているようです。録音が少ないので仕方が有りませんが、かつてN響の定期で聴いたワグナーの管弦楽の美しくも豪放な響きは今でも耳の底に焼きついています。ブルックナーの正規録音は5、7、9番しか残っていませんが、どれもが貴重な財産です。この5番はテンポは全体に早めで極めて豪快なのですが、それがブルックナーの持つ野趣の面を強く感じさせてくれて納得します。機械的に上手く空虚な音の演奏とは正に対極に位置します。1楽章の主部などは相当に快速ですが、その一方で2楽章の弦楽はゆったりと味わい深く非常に感動的です。

Buru5_kenpe ルドルフ・ケンペ指揮ミュンヘン・フィル(1975年録音/BASF盤) ケンペはクナの指揮でブルックナーが体に染み付いているミュンヘン・フィルと素晴らしい録音を残しました。これはケンペの最大の遺産の一つと言えるでしょう。ゆったりした部分はより遅く、速い部分はスピード感を持って、非常にメリハリが利いています。スケールは大きいのですが、もたついた感じが無いのは流石です。堅牢なオケの響きが、正に石造りの大聖堂を仰ぎ見るようです。響きはやや固めですが金管のバランスが良いので決してうるさくなりません。ケンペとミュンヘンフィルの正規録音が他には4番しかないのが本当に残念です。なお、この演奏は海外のPILZから廉価盤で出ていますが、音が薄いので避けるべきです。国内テイチク旧盤のほうが遙かに優れていますので、最近出たXrcd盤かどちらかを選ぶべきです。

Buru5_eu オイゲン・ヨッフム指揮ドレスデン国立歌劇場管(1980年録音/EMI盤) EMIへの全集盤に含まれる演奏です。最円熟期を迎えたヨッフムが全集録音を残すには一番良い時期に完成させてくれたと思います。5番ではマタチッチほどでは無いですが、テンポにかなり緩急をつけています。オケを豪快に鳴らしていますが、ドレスデン管弦楽団のまろやかに溶け合う音が騒々しさを感じさせません。いつもながらこのオケの自然で素朴な音色が魅力的です。音だけで大自然の広がりを感じさせます。マイナスは1楽章の終結部でたたみ込むようにアッチェレランドしてスケールが小さくなったことです。

Buru5_johu オイゲン・ヨッフム指揮アムステルダム・コンセルトへボウ管(1986年録音/TAHRA盤) ヨッフムが最晩年にコンセルトへボウと演奏したライブ録音を仏ターラが幾つもCD化してくれたことはブルックナー・ファンにとって感涙の喜びでした。特にこの5番は白眉の演奏で、名演中の名演です。録音が良いのも嬉しいです。柔らかくふくよかにブレンドされた名門コンセルトへボウの音が実に美しく捉えられていて正に「法悦」を感じます。6年前のEMI盤よりもスケールが大きく、1楽章終結部も自然です。2楽章のたっぷりとした深さも素晴らしく、これほどまでに崇高で感動的な演奏も稀です。後半の3、4楽章ももちろん素晴らしいですが、特に終結部の巨大なスケールは圧倒的です。

Buru5_cheri セルジュ・チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィル(1986年録音/Altus盤) 第5番ともなればチェリビダッケを無視する訳には行かないでしょう。但しチェリ・ファンでは無い僕は幾つもCDを持っていません。晩年のミュンヘン・ライブと、このサントリーホールでのライブ盤のみです。相変わらず極度に遅いテンポで、音楽の自然な流れを感じられないために、聴いていて息が詰まります。オーケストラの状態も必ずしもベストでは無かったように感じます。録音も1993年盤の方が良いと思うので、よほどのチェリ・ファンでなければこのディスクは必要無いのではないでしょうか。

Bruckner5_743ベルナルト・ハイティンク指揮ウイーン・フィル(1988年録音/フィリップス盤) 良い演奏が無いわけでは無いハイティンクなのですが、自分とはどうも相性が合いません。普通の意味では「良い」演奏かもしれませんが、自分にはいま一つです。まずウイーン・フィルに演奏させて、この響きは無いだろうと思います。ブルックナーの敬虔な響きが聞こえて来ないからです。フレージングの呼吸の浅さも気に成ります。第3楽章までは、ほとんど聴きどころがないと言って良いぐらい。強いて言うと終楽章ではコラールがスケール大きく鳴り響き、ようやく充実感が得られました。全体的には愛聴盤からは遠い存在です。

Bruckner_5セルジュ・チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィル(1993年録音/EMI盤) 熱心なチェリ・ファンでは無い自分は、この人の演奏を聴いているとどうも極度に遅いテンポに付いて行けずに呼吸困難に陥ってしまいます。ファンはそこが凄いと言うのでしょうけれども。けれども、この演奏は元々巨大な造形美を誇る曲ですので、チェリの良さが発揮されていると思います。テンポの遅さは感じても1986年のサントリー・ライブよりも音楽の流れが感じられますし、響きの美しさや神秘感もこのミュンヘン録音の方がよく感じられます。従ってチェリの第5であれば、この演奏を選びます。

Buru5_want ギュンター・ヴァント指揮ミュンヘン・フィル(1995年録音/Profil盤) ヴァントのブルックナーには北ドイツ放送やベルリンフィルとの録音が多く存在しますが、個人的に最も好むのは晩年のミュンヘン・フィルとの演奏です。それは、このオケの元々南ドイツ的な素朴で明るめの音がクナ、ケンペ、チェリビダッケという歴代のブルックナー指揮者によってしっかりと受け継がれてきたからです。現代的で都会的なベルリンフィルの音との違いは明らかです。木管のセンスなんかも随分隔たりが有ると感じます。真面目な職人ヴァントは大見得を切ったりはしないので時に面白みの無さを感じたりもしますが、極めてオーソドックスな演奏で曲そのものを味わうにはとても良いと思います。

これらの中で個人的にベスト3を選ぶとすれば、ヨッフム/コンセルトへボウの1986年盤がダントツのナンバー(オンリー)ワンです。そしてケンペ/ミュンヘン・フィル盤がナンバー2。残り一つはマタチッチ/チェコ・フィル、ヨッフム/ドレスデン国立管、ヴァント/ミュンヘン・フィル等と乱立状態ですが、むしろ改訂版のハンディを乗り越えてクナッパーツブッシュのミュンヘン、ウイーン両盤といきたい所です。余り好まないチェリビダッケも1993年盤だけは残しておきたいです。

未聴のCDの中では、もうじきミュンヘン・フィルと来日して第8を演奏するティーレマン盤を聴いてみたいと思っていますが、その感想はその時にまた。

<関連記事>
ティーレマン/ミュンヘン・フィルのブルックナー第5番
アイヒホルン/バイエルン放送響の聖フローリアン・ライブ ブルックナー第5番 

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ブルックナー(交響曲第4番~6番)」カテゴリの記事

コメント

ブルックナー5番…いいですよね。3番と同じくらい好きな曲です。ただし、私の持っている盤は恥ずかながら一枚¥500のワゴン品なので、今度ハルくんや皆さんお薦め盤を購入いたします(冷汗。。。)
今日バレンタインの夜、またまたN響アワーで尾高氏の指揮を楽しみつつ、34年前チョコレートをNHK気付・尾高忠明様で送った事を思い出して一人赤面しておりました。よくそんな事をしたものだと思います…って言いながら人様のブログて告白してるくせに〈θ〉
清水和音氏の演奏もありましたが(かつての美青年も随分様子が変わりましたね)確か彼はブルックナーの何処が良いか解らないという様な発言をラジオ番組か何かでして物議を醸し出した事があったという記憶があります。人それぞれ、好みや意見があって然るべきですが、随分と過激な方だなぁと思ったものです。生演奏も聞いた事はあります。過激どころか繊細で優しく美しい演奏でした。明日はタワーレコードへ行きます。

投稿: From Seiko | 2010年2月14日 (日) 22時18分

こんばんは

とうとうブル5ですね。折り返し地点ですね。毎回楽しく拝読しています。ブル5は長大過ぎて曲の良さがイマイチ分からなかったのですが、独墺さんにこのCDを教えていただいて、調度そのとき再発売されていて購入することが出来ました。で、聴いてビックリ。完璧ですね。ブル5というのはこういう曲なんだなあとしみじみ思いました。
最近ウェルザー=メストでのブル5を購入したので聴き込んでいこうと思ってます。
長々と失礼しました。

投稿: kurt2 | 2010年2月14日 (日) 22時46分

Seikoさん、こんばんは。
一週間のご無沙汰でした。(笑)
その玉置さん、亡くなってしまいましたね。

¥500でも良い演奏は有るんじゃないですか?僕はよく中古盤で買いますから数百円の物が多いですよ。

尾高さんにバレンタインプレゼントとは楽しい思い出ですね。清水さんは美少年時代に確かラフマニノフを聴いた覚えが有ります。やはり美しい音の演奏でした。

明日はタワーレコードですね。ゆっくりとCDを選んで楽しまれますように。


投稿: ハルくん | 2010年2月14日 (日) 22時51分

kurt2さん、こんばんは。

独墺さんご紹介の演奏とはヨッフム/コンセルトへボウ盤のことですよね?
正に音楽の魅力を完璧に表現した素晴らしい演奏だと思います。他にも良い物は沢山有りますがやはりナンバーワンの座は揺るぎません。
ウェルザー=メスト盤の感想記事を楽しみにしていますね。

投稿: ハルくん | 2010年2月14日 (日) 22時58分

私のブログで朝比奈隆のブルックナーを、たどった後にヴァントとケンペがミュンヘンフィルを指揮した録音、そしてマタチッチがNHK交響楽団をしきした録音を手にいれました。
ミュンヘンフィルの響きには何かブルックナー演奏の伝統を感じます。
ヴァントにはベルリンフィルを指揮した録音も忘れがたく、私にはミュンヘンフィルとの演奏の優劣はとてもつけることができません。
ケンペ盤はレコード時代からの私の愛聴盤でした。このコンビで第8番の録音がないのは本当に残念です。
マタチッチが1967年、N響を指揮したライブ録音(Altus盤)は我が国のオーケストラのブルックナーの演奏の記録として忘れてはいけない録音だと思います。 

投稿: オペラファン | 2010年2月15日 (月) 10時59分

こんばんは。「第5番」のクナはウィーン・フィルがあり、通常原典版と比べると短くカットされた嘆きの歌でありますね。
何か「おふくろさん」騒動のようで作曲する側と演奏する側の対立のような気がします。
いつの時代でも名曲にゴタゴタはつきものですね。

投稿: eyes_1975 | 2010年2月15日 (月) 22時23分

オペラファンさん、こんばんは。

いよいよバンクーバーオリンピックが始まりましたね。日本選手の頑張りに期待しましょう。

朝比奈さんのトラックバックを毎回有り難うございます。とても助かります。
ミュンヘンフィルにはたまたま偶然なのかもしれませんが、クナ以後、ケンペ、ヨッフム、チェリビダッケ、ヴァントというブルックナーを得意とする指揮者が何度も振っているので、オケに染み付いているのでしょうね。
ケンペのLP盤は自分も愛聴しました。このコンビが4番と5番の2曲だけというのは本当に残念なことです。

投稿: ハルくん | 2010年2月15日 (月) 23時35分

eyes_1975さん、こんばんは。

考えてみればクナ/ウイーンPOの改訂版演奏は、短くて音が美しく、初心者が聴くにはむしろ馴染み易くて丁度良かったのかもしれません。事実自分もこの演奏で聴き始めました。「改悪」では無く「改善」であったのかもしれませんね。


投稿: ハルくん | 2010年2月16日 (火) 00時01分

ブルックナーの5番、自分は本文でもご紹介されているチェリビダッケ/ミュンヘンフィルの来日公演(1986年サントリーホール)くらいしか持っていません。
なのでコレがスタンダードになってしまっているんですよ~。
数字の上でかなり遅い演奏なのはわかっているんですが、聴き比べる対象がないのでこの演奏が「普通」になってしまってたり…(^^;

ハルくんさんのベスト演奏、ヨッフム/コンセルトヘボウ盤、探してみようと思います。

投稿: ライト | 2010年2月17日 (水) 11時32分

ライトさん、こんにちは。

チェリビダッケは熱烈なファンが多くいらっしゃいますし、あくまで個人的な好みの問題です。
でもヨッフム/コンセルトへボウも聴かれて絶対に後悔はされないと思いますよ。

投稿: ハルくん | 2010年2月18日 (木) 00時34分

ハルさん、こんばんは。

ブルックナーの第5は、個人的にとても好きな曲です。対位法を駆使した曲で、とっつきやすい曲ではないのですが、何回も聴く内に曲の構成が理解できて来て、好きになる曲ですね。

私の今のベストCDは、ヴァント=ミュンヒェン・フィルです。ハルさんも書かれている通り、ヴァントの頑固一徹な表現とミュンヒェン・フィルの素朴で明るいサウンドが一つになって、第5にピッタリな演奏になっていると思います。

ヴァントは、ベルリン・フィルともこの曲を録音しており、こちらも立派な演奏をしていますが、オケのサウンドの好みからすると、ミュンヒェン・フィルに軍配を上げたくなります。

実は私が初めて第5を聴いたCDは、ハルさんも推薦されているシューリヒト=ウィーン・フィル(グラモフォン)の演奏でした。ブルックナーも第4、第7、第9を聴いただけの状態で、かつ当録音はモノラルということもあり、曲にも演奏にも全く感動しなかった覚えがあります(今は勿論違う感想を持っていますが)。

この曲の良さを教えてくれたのは、朝比奈隆でした。CDでは、大阪フィル(キャニオン)と新日フィル(フォンテック)の演奏、実演では大阪フィル(サントリーホールでのライヴ)と都響(東京文化会館でのライヴ)の演奏です。よく言われる正に無手勝流(ヴァントと正反対)な表現に圧倒され、毎回フィナーレを聴き終えて感動したものです。

朝比奈隆の演奏に出会わなかったら、第5の曲の良さは理解できなかったかもしれません。

投稿: たろう | 2010年2月19日 (金) 01時25分

たろうさん、こんにちは。

ヴァントの5番はもちろんどれも素晴らしいですが、やはりオケの音色は好みが別れるでしょうね。同じ明るくても現代的なベルリンPOと素朴さを残したミュンヘンPOでは、やっぱり僕もミュンヘンが好みです。北ドイツRSOは・・・・良いですけど「暗い」ですね。(笑)

朝比奈さんの5番というとシカゴSOに客演した時が忘れられません。オケの能力の凄さは歴然でしたね。個人的にはドイツのオケを振って演奏して貰いたかったでのすけれど。

投稿: ハルくん | 2010年2月19日 (金) 07時09分

ハルくんさん、こんばんは。

ブルックナーの5番の紹介、楽しみにしてました。大好きなんです。
ヨッフム/コンセルトヘボウ盤が ハルくんさんのオススメなんですね。聴いてみたいと思います。

ブルックナーの5番や9番を聴いていると、大きな流れの中に身を委ねているような、瞑想状態(?)になります。堂々巡りの思考でなんだか疲れているかなー?なんていうとき、閉じてしまった自分に広がりを与えてくれるような気がします。

投稿: ANNA | 2010年2月24日 (水) 21時47分

ANNAさん、こんにちは。

「大きな流れの中に身を委ねているような瞑想状態」ですね。良くわかりますよ。それはブルックナー鑑賞の基本ですね。音楽であって、もはや音楽でないような気さえしてきます。

ヨッフム/コンセルトヘボウには1965年のライブ録音盤(フィリップス)がよく紹介されますが、TAHRAの1986年盤の演奏には遠く及ばないと思っています。このTAHRA盤はジャケット写真が変わりましたが、現在も販売されていますので、是非お聴きになられてみて下さい。

投稿: ハルくん | 2010年2月24日 (水) 23時15分

こんばんは。
ブルックナーの5番というと、
演奏の中身はまだまだ他を知らないので、
どうなのかわかりませんが、
フランツ・ウェルザー・メスト指揮クリーブランド管弦楽団が、
聖フローリアン教会で演奏しているDVDを持っています。
聖フローリアン教会内部の美しいこと。
映像でノックアウトです(笑)

ヨッフム指揮のを聴いてみたいと思いました。
それとオットー・クレンペラーのも。

投稿: 四季歩 | 2010年2月25日 (木) 19時40分

四季歩さん、こんにちは。

ウェルザー・メストの5番は観ました。
クリーヴランドのメンバーが「フローリアン教会で演奏して初めてブルックナーの音楽が理解できた」というように話しているのが面白かったです。ということは、それまでは理解していなかったんだなぁ、アメリカ人はやっぱりそんなものかと・・・・(苦笑)

ヨッフム/コンセルトへボウ盤、とにかくお薦めですので是非お聴きになられてみてください。

投稿: ハルくん | 2010年2月26日 (金) 00時21分

ハルくんさん、こんばんは。

ハルくんさん、ご紹介のヨッフムの5番ですが早速買い求めました。よく足を運ぶ中古のお店なんですが、ご紹介のものと同じジャケットもので新品未開封のものと運良く出会うことができました。
今大好きな2楽章を聴きながらコメントしています。
はあ…なんて、なんて美しいのでしょうか。

すばらしい演奏に出会うことができて幸せです。ほんとうにありがとうございました。

投稿: ANNA | 2010年2月28日 (日) 23時06分

ANNAさん、こんばんは。
いつもコメントありがとうございます。

ヨッフム盤の新品を発見とはラッキーですね!このジャケット写真も現在のものより好きなのですよ。
第2楽章の演奏も後半になるとどんどん美しさが増してくるのですよね。お気に入っていただいたようなので良かったです。

投稿: ハルくん | 2010年2月28日 (日) 23時32分

再びこんばんは。

ホロヴィッツと共に新入荷に在ったのが、クナッパーツブッシュ/ミュンヘン/Green Hill盤。DreamLife盤は中古でも高いだろし、GH盤を探してました。

予想以上の鮮明で自然な音で、あっという間に終わった感じ。

コノ曲、Batmanみたく架空世界の映画の冒頭でかかりそうな、要所要所で出てくるテーマが大好きです。1枚モノというのも魅力。

DreamLife盤は、コノ音質より更に上ですか?

投稿: source man | 2010年3月28日 (日) 21時24分

source manさん、コメントを沢山ありがとうございます。

GreenHILL盤は大半が放送局音源を使用しているようです。ですので非常に良質な音質です。このクナのブル5もこと「音をいじらない自然さ」という点ではむしろDreamlife盤よりも上かもしれません。多分に好みの問題ですので、ご自分で聞き比べられるべきです。
そして、よほどこだわりの有る方以外はどちらか1枚あれば充分という気がします。

投稿: ハルくん | 2010年3月28日 (日) 22時02分

お早うございます。

「音質そんなに違いますか」と表現すべきでした。
お答え難い訊き方で失礼しました。嗜好は其々ですし。

Music and Arts盤も入手済みでしたが、Green Hill盤が先に発売されたと知り未聴にしておいたのです。昨夜の書き込み後に聴きました。

音に厚さ(拡がりと表すべきか)を、より感じます。若干ですが。
Green Hill盤を【音をいじらない自然さ】と評されたのが解ります。

投稿: source man | 2010年3月29日 (月) 10時03分

source manさん、こんばんは。

クナ/ミュンヘンのブル5ですが、同じMusic and Artsでも1998年リリースの6枚組セットででた時の音は明らかに劣りました。その後に単品でリリースされたものは音がすっかり改善されましたが、かなり音をいじっている感じなので、余り好みません。
僕はDreamLife盤が有れば充分ですが、もう一つGreenHILL盤も有っても良いですね。

投稿: ハルくん | 2010年3月29日 (月) 23時00分

再びこんにちは。

ずっと聴きたかった、クレンペラー/ウィーンの68年ライヴ。
ベートーヴェン運命とシューベルト未完成の150周年DG盤が愛聴盤なので。

King盤は毎度高値、Testament盤はBoxだし...。
昨日M&A盤を。ココが出してるのを知らず怪しみながらも、裏にking盤と同音源と記載されており、試聴して購入。

曲自体も好きだし、シューリヒト、クナッパーツブッシュ、全て大正解。

投稿: source man | 2010年4月25日 (日) 11時29分

source manさん、こんにちは。

クレンペラー/ウイーンですが、King盤というのは僕が以前持っていたセブンシーズ盤と同じではないかと思います。Testament盤はさすがに更に音質向上しているとは思いますが、セブンシーズ盤も良質なステレオで鑑賞には全く問題無かったです。

5番はイイですよね。この曲は良い演奏が沢山有って、僕もシューリヒト、クナなど、皆大好きです。

投稿: ハルくん | 2010年4月25日 (日) 12時16分

ヨッフムのターラ盤は実に素晴らしいですね。最初は定評あるフィリップス盤で聞いていましたが、こちらを知ってからは断然ベスト盤になりました。
ケンペとマタチッチも方向性は違えど実にうまいです。個人的に5番はむしろ4番よりも好きではないのですが、この三種類はそんなことも忘れて聞き惚れてしまいます。その次にシューリヒト、フルトヴェングラーといったところでしょうか。

投稿: ボナンザ | 2014年6月 8日 (日) 22時59分

ボナンザさん

ヨッフム/コンセルトへボウの1986年ターラ盤は本当に素晴らしいです。ちょっとこれ以上のブル5は聴いたことがありません。
ケンペとマタチッチも素晴らしいですね。私も結局この3枚がベストでしょうか。

クナッパーツブッシュ/MPOも凄いですがモノラルですし、フルトヴェングラーは録音が悪過ぎるので自分には許容出来ません。

投稿: ハルくん | 2014年6月 8日 (日) 23時39分

愛聴盤はコンビチュ二/LGOとヨッフム(1964年ライブ)です。前者は絶好調のLGOが、後者はオルガン的な響きが堪能出来ると思います

投稿: k | 2014年9月22日 (月) 19時04分

Kさん

コンビチュニー盤はやや金管が耳に付きますが僕も好きな演奏です。ヨッフム/コンセルトへボウの1964年盤は会場の教会の残響が美しく以前はとても愛聴しましたが、1986年盤の神々しい演奏を聴いてからはもっぱらそちらを愛聴しています。

投稿: ハルくん | 2014年9月23日 (火) 11時03分

クラシック初心者ですので、詳しいことは分からないのですが、このサイトのおかげで好きな曲をいくつも見つけることが出来、ロックにはない聴き比べの楽しさを満喫しております。これからも楽しみにチェックさせていただきます。

ブルックナーに挑戦してみました。初めの2回はすぐ寝ましたが、3回目に感動を覚えてびっくりしました。ご紹介のヨッフム・マタチッチ・クナッパーツブッシュの順に聴きましたが、他も聴いてみようと思います。その後、他の曲も紹介を参考に聴いてみます。

投稿: きみくん | 2015年6月10日 (水) 14時27分

きみくんさん、はじめまして。

>このサイトのおかげで好きな曲をいくつも見つけることが出来、ロックにはない聴き比べの楽しさを満喫しております。

これは嬉しいお言葉を頂きありがとうございます。クラシックファンが少しでも増えると良いなと思いブログを始めましたので、これ以上嬉しいことはありません。
ちなみに私もいまだにロックは聴いています。

ブルックナーを3回聴かれて感動されたとのこと。これは既にブルックナーファンに成りかけていらっしゃいますね。ぜひ他の曲も聴かれてみて下さい。

今後ともよろしくお願いします。
いつでも何でもお気軽に書き込みください。楽しみにお待ちしていますので。

投稿: ハルくん | 2015年6月11日 (木) 00時24分

こんにちは。

ウィーン・フィル五重奏団1974年録音の弦楽五重奏曲。

ブルックナーが弦楽五重奏を遺していたのを知らなかった驚き、団体の名前、録音年代から名盤と予測して衝動で入手です苦笑。

作曲者らしい多層な響きが、交響曲を聴いているような不思議な感覚に陥ります。

いつかコノ曲を取り上げて下さい。

交響曲第5~6番と同時期に作曲されたと判ったので、こちらに書き込みました。
m(_ _)m

投稿: source man | 2017年12月 7日 (木) 11時23分

source manさん、こんにちは。

それは大変良い衝動買いをされました!(笑)
ブルックナーで聴くべきは何と言ってもシンフォニーですが、ミサ曲集とこの五重奏曲は必聴ですね。特にアダージョの美しさは絶品です。
入手された録音もファーストチョイス間違いなしの名盤だと思います。

記事はいずれUPしますが、書きたいものがたまりにたまってトホホ状態です。

投稿: ハルくん | 2017年12月 7日 (木) 16時25分

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ブルックナー 交響曲第5番 変ロ長調 第1楽章 アダージョーアレグロ 第2楽章 アダージョ 第3楽章 モルト・ヴィヴァーチェ 第4楽章 アダージョーアレグロ・モデラート 第4番までの作品には無いスケールの大きさで演奏時間も1時間を越える大曲である。特に第4楽章はフーガが使用されており、最後は息の長い圧倒的としか言い様がないクライマックスを聴く事が出来る。作品全体を通じてブルックナーを聴く醍醐味である宇宙の鳴動を感じさせる壮大な作品である。 1875〜6年に書かれブルックナーの手によって一度も改... [続きを読む]

受信: 2010年2月15日 (月) 10時44分

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