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2010年1月 2日 (土)

~新春第二弾~ ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 続・隠れ名盤

「新世界より」の隠れた名盤の筆頭はノイマン/チェコ・フィルの1971年ライブ盤だと思いますが、いかんせん廃盤で入手が難しいのが残念です。そこで"隠れ名盤”の続編として、もう1枚僕の愛して止まない演奏をご紹介したいと思います。もっともこの演奏は以前にも愛聴盤の記事の中で一度触れた事は有りますが、改めて詳しくご紹介したいと思うのです。

Cci00053b オンドレイ・レナルト指揮ブラティスラヴァ放送響(1987年録音/Amadis盤) オンドレイ・レナルトは何年も前から日本のオーケストラに客演をしているスロヴァキア出身の指揮者なので、ある程度馴染みが有ると思います。ですがこの人のCDの数は極めて少ないので、中堅の大したことの無い指揮者だと思われている方が多いのではないでしょうか。事実、僕もその一人でした。それでも「新世界より」や「我が祖国」となると、本場物の演奏なら何でも聴いてみたくなるので、この人の新世界を聴いてみたのです。オーケストラはブラティスラヴァ放送響です。ブラティスラヴァはチェコとスロヴァキアが分離した時にスロヴァキアの首都になった都市ですが、決して有名では有りません。この国のオーケストラとしてはズデニェック・コシュラーが率いたことのあるスロヴァキア・フィルのほうがよほど知られているでしょう。スロヴァキア・フィルは二年前に日本公演を聴きましたが、ローカルな音色に味わいの深い素晴らしいオーケストラです。ところがこのレナルト/ブラティスラヴァ放送響のCDを聴いてみて、スロヴァキア・フィル以上にローカルな音色なのに驚きました。もしも日本食に例えて言えば、チェコ・フィルの音は都心の高級料理屋で腕利きの板前さんが料理する極上和食のようなものです。ところがスロヴァキア・フィルやブラティスラヴァ放送響の音は、田舎の民家の囲炉裏端で味わう郷土料理のような味わいなのです。これはどちらが良いとか言うことでは無く、味わいの違いを楽しむべきなのです。そういう意味でこのレナルト/ブラティスラヴァ放送響の演奏は最上の演奏だと思います。これまで宇野功芳先生が推薦されたスメターチェク/プラハ放送響や、コシュラー/スロヴァキア・フィル、ペシェク/スロヴァキア・フィル、ヴァーレク/プラハ放送響といったチェコフィル以外の「新世界より」も聴いてきましたが、最もローカルの味わいが深い演奏はこのレナルト盤です。第1楽章導入部のホルンやティンパニの田舎臭い音色は驚くほどです。しかも主部に入ってからのレナルトの指揮は遅めのテンポで心がこもり切った素朴な味わいが最高です。この演奏には「激情」「演出」「洗練」そんな言葉は全く当てはまりません。第2楽章も同様に滋味に溢れていて実に感動的です。第3楽章、第4楽章も派手さは皆無ですが、充実した素朴な響きは満足感で一杯にさせてくれます。レナルトが他の曲で同じような感動を与えてくれるかどうかは分かりませんが、少なくともこの「新世界より」は他の多くのCDとは一線を画す素晴らしい名盤だと思うのです。

ちなみにこのCDはデジタル録音の現役盤ですが、HMVでは正価でも僅か800円そこそこです。騙されたと思って、是非ご自分の耳でこの演奏をお聴きになられることをお薦めします。このCDにはスラヴ舞曲集作品72から第1、2、7、8番の4曲も入っていて、やはりローカル色溢れる名演です。

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コメント

こんばんは。

貴殿が紹介後、探し続けてようやく入手scissors
遅いテンポ、派手さは皆無でノイマン'71盤より更に素朴純朴。
聴くうちに、こーゆー演奏こそがコノ曲の本質なのカモと。

追伸:パワースポット購入の2点聴きました。
①クナッパーツブッシュ/エロイカ
→音の自然さ最高。初めてコノ曲の良さが解りましたcoldsweats01
②クーベリック/ロマンティック
→演奏は勿論、音質が異常にイイですgood

投稿: source man | 2010年7月11日 (日) 23時23分

source manさん、こんばんは。

レナルト盤お聴きになられましたか。どうですか、いい演奏でしょう?
僕もこんなに無名の演奏が、これほど良いなんて思いもしませんでした。素朴な味わいの演奏としては最右翼だと思います。

パワースポットでGETされたCDも、すっかり気に入られたようでよかったですね。これからは一年に何回かは詣でないといけませんね。(笑)

投稿: ハルくん | 2010年7月12日 (月) 23時24分

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