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2010年1月 1日 (金)

~迎春2010~ ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 隠れ名盤

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明けましておめでとうございます!新しい年が皆様にとりまして素晴らしい年になりますように心から願っております。

さて、ニューイヤーの音楽といえばヨハン・シュトラウス&ウインナ・ワルツというのが定番です。それに次いでは「新世界より」では無いでしょうか。そこで2010年の聴き初めはドヴォルザークの「新世界より」で行きたいと思います。ところが、ここで大きな疑問に襲われてしまったのです。

どうして新年に「新世界より」なんじゃ~???

この曲は作曲家ドヴォルザークが故郷のチェコを離れて遠くアメリカへ渡り、ヨーロッパ伝統の音楽に新天地の音楽要素を取り入れて作り上げた傑作なので、恐らくは新しい領域(新年)に挑戦しよう!立ち向かおう!という意欲を感じるからなのでしょうね。第2楽章では遠い故郷へ戻りたいというノスタルジーに襲われて挫けそうになっても、第3楽章~第4楽章で一生懸命頑張って勝利を勝ち取るという曲に聞こえるのでしょう。確かに終楽章は華々しい勝利の歌です。新しい年を迎えるのにはとても相応しいかもしれません。

前にも書きましたが、この曲は僕の大好きな曲です。色々な演奏を聴いた回数では一番かもしれません。特に僕はお国もののチェコ、スロバキアの演奏家のものなら何でも聴いてみたくなる「お国もの新世界」オタクと言えるかも知れません。以前の記事ではそんな幾つかのCDについて触れました。<旧記事> ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 名盤

この時には、アンチェル1961年盤、ターリッヒ1954年盤、コシュラー1973年盤をベスト3に選びました。ところが知らぬ事とは恐ろしいもので、まだまだ大変な名盤が存在していたのです。そこでそのCDで本年の聴き始めをしながらご紹介したいと思います。

Dvocci00013 ヴァーツラフ・ノイマン指揮チェコ・フィル(1971年1月4日録音/PRAGA盤) ドヴォルザークの好きな方ならご存知の通りノイマンはチェコフィルとこの曲に複数の録音を残しています。①1972年(スプラフォン)②1982年(スプラフォン)③1993年ライブ(スプラフォン)④1995年(キャニオン)ですが、いずれも自国チェコフィルの美質を生かし切った名演奏です。但し、この人の特徴としては、少々冷静に過ぎるのです。先代のアンチェルはスタジオ録音では筋肉質で引き締まった造形を持ちましたが、実演になるとしばしば熱く成り過ぎて崩れを見せました。ノイマンはアンチェルほど厳しい造形は持ち合わせませんでしたが、ライブでも冷静で崩れを見せませんでした。それがノイマンの長所でも有り短所でも有った訳です。ところがこの1971年のプラハのドヴォルザークホールでのニューイヤーライブはノイマンが若かったせいも有るのでしょうが気合が入って熱気が前面に出ています。にもかかわらず、アンチェルのスタジオ録音のような筋肉質で引き締まった造形を保っているのです。言わばアンチェルとノイマンの長所を合わせたような演奏なのです。リズムは切れが良く、歌う情感もよくこもっていて正に理想的です。録音もとても優れていて、この時代のライブ録音としては最上の透明感が有り、管と弦とのバランスがベストです。第2楽章の弱音器を付けた繊細な音や、1楽章、4楽章の金管の強奏がとても良く録られています。

ということで、これまではノイマンのこの曲のベストは1981年の二度目のスプラフォン録音かなと思っていましたが、この71年ライブが断然ベスト盤になりました。またそれどころか前述のベスト3を凌駕して、現在はあらゆる「新世界より」の中でもナンバーワンかもしれません。残念な事にこのCDは既に廃盤で滅多に中古店でも見かけませんが、もしも見つけられた方は是非ご購入されることをお薦めします。

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ドヴォルザーク(交響曲)」カテゴリの記事

コメント

ハルくんさま
明けましておめでとうございます
本年も、旧年と相変わりませず、宜しくお願いいたします〜。

ドボルジャーク「新世界」私も何度か演奏しましたが、やはり良い曲ですよ。4楽章のコーダに入る前の木管のアンサンブルが好きです。

ターリッヒ、アンチェル、ノイマン、本当に懐かしい名前です。私が学生の頃、廉価盤でよく聴いたように覚えております。

ミ(`w´彡)

投稿: rudolf2006 | 2010年1月 1日 (金) 12時59分

rudolfさん、あけましておめでとうございます。
こちらこそ新しい年をまた宜しくお願い致します。

「新世界」は僕も演奏しましたよ。
弦は難しく有りませんが、とても燃えるんですよ~。

昔は廉価盤でもとても良い演奏が有りました。その当時の新盤よりもよほど良いものが多く有ったような気がしますね。

投稿: ハルくん | 2010年1月 1日 (金) 13時15分

新年おめでとうございます。年末になぜかバッハ全集のCDをいただいてしまったので、大晦日からブランデンブルクなどを中心に聴いているところです。夕方のニューイヤーコンサートまでにいろいろ片付けてしまわなければ・・・

後輩のブログで知ったのですが、ニューヨーク音楽院ではもう一人の招聘候補としてシベリウスの名前を挙げていたのだそうですね。その後輩は高校教師をしていて、なぜかそこの音楽室の奥にはターリッヒの「新世界から」をはじめ古い名盤の(SPも)掘り出し物が見つかるのだそうです。

投稿: かげっち | 2010年1月 1日 (金) 14時21分

かげっちさん、あけましておめでとうございます。

新年にバッハは合いますよね。今日も「新世界」の後に聴いたのはヴァイオリン協奏曲集でした。

ドヴォルザークでなくてシベリウスの可能性も有ったのですか。するとシベリウスの交響曲の緩徐楽章に「家路」が含まれたかもしれませんね・・・
きっとご後輩の高校には昔、相当な愛好家の先生が居たのでしょうね。面白いですね。

投稿: ハルくん | 2010年1月 1日 (金) 15時01分

明けましておめでとうございます。
昨年は、ありがとうございました。

平和な正月で、昨日から
クルト・マズア指揮の「第九」、
「ジルベスター」カウントダウン・コンサート、
元旦の「ニューイヤーコンサート」と
クラシックずくしです。

私も、どこぞやに「新世界」を探しに
出かけたいところですが(笑)

今年も、どうぞよろしくお願いします。

投稿: 四季歩 | 2010年1月 1日 (金) 19時13分

新年に新世界、いいじゃないですかっ!!
というか、そういう方は普通に多いと思っていましたがどうなんでしょう?(^^;

自分はノイマンもアンチェルも持っていないので、興味あります。
この手の音楽は本国の指揮者&オケでの演奏がおもしろそうですから…。


ちなみに自分はパーヴォ・ヤルヴィ/ロイヤルフィル盤をよく聴きます。315円のヤツです(^^;
あとはメータ/イスラエルフィルですが、どっちも全く違う国ですからねぇ…sweat02

投稿: ライト | 2010年1月 1日 (金) 20時00分

新年明けましておめでとうございます。

新世界はノイマン&チェコフィルを聴いてました。ノイマンのは他の演奏(それほど色々な演奏を聴いてるわけではないですが)より断然好きです。71年盤を見かけたら購入することにします。

投稿: kurt2 | 2010年1月 1日 (金) 20時25分

新年おめでとうございますshine

今年もどうぞ宜しくお願い致します。

ハルさんご推薦のノイマン=チェコ・フィル(ライヴ盤)聴いてみました。
まだまだチェコ臭がしっかりと残っている当時のオケが素晴らしいですね。
先日、東京文化会館で聴いたチェコ・フィルとは違いますね・・・。勿論ライヴで聴いたチェコ・フィルも素晴らしかったですが。

とても良い演奏だと思いますが、個人的にはアンチェルの「筋肉質で引き締まった」表現とチェコ・フィルの融合が好きなので、ちょっとの差でアンチェルに軍配があがりました。でも、このノイマンのライヴも素敵です。

私は今日(1日)、ベートーヴェンの第九を聴きました。ブロムシュテット=シュターツカペレ・ドレスデンのCDです。シュターツカペレは本当に素晴らしいオケですね。改めて惚れ直しました。シュターツカペレにsign03

投稿: たろう | 2010年1月 1日 (金) 21時56分

謹賀新年。m(_ _)m

昨日聴けなかった代わりに、今日の元日に
クーベリック/バイエルン/Orfeo盤で第九→クライバー'89ニューイヤーを。

元日に「新世界」。確かにイイですねー。

今年もお世話になります。m(_ _)m

投稿: source man | 2010年1月 1日 (金) 22時28分

四季歩さん、明けましておめでとうございます。

大晦日~元日とクロシック三昧でよろしいですね!昨夜のニューイヤーコンサートも楽しかったですね~。

「新世界」の探訪ですか??
それはまあ時にリスキーですからねぇ。どうぞご慎重に。(笑)

本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

投稿: ハルくん | 2010年1月 2日 (土) 10時53分

ライトさん、明けましておめでとうございます。

僕は自国物の演奏が大好き人間なのですよ。
ご当地料理と同じで真の味付けはやはり地元の人間でしか出来ないんじゃないかと思っています。
もちろん好みの問題も有りますけれど、試しに色々聞き比べられると面白いですよ。

投稿: ハルくん | 2010年1月 2日 (土) 10時59分

kurt2さん、明けましておめでとうございます。

ノイマンの「新世界」についてあれこれと書きましたけれど、本当はどの演奏もとても素晴らしいと思います。
71年盤は入手難しいですが、もしも見つけられましたら是非!

投稿: ハルくん | 2010年1月 2日 (土) 11時03分

たろうさん、明けましておめでとうございます。

アンチェル盤が好きな方にはノイマン71年ライブ盤はこたえられないと思います。
あとは本当に好みの問題ですね。
とにかくチェコ/スロヴァキアの自国演奏家のお国ものはどれもこれも素晴らしいです。
そういう意味でも「ザ・ドイツ・オーケストラ」とも言えるSKドレスデンのドイツ物は本当に素晴らしいですね。インターナショナル化してしまったベルリンフィルではとてもこういう味わいは出せませんよね。

本年もどうぞ宜しくお願いします。

投稿: ハルくん | 2010年1月 2日 (土) 11時10分

source manさん、明けましておめでとうございます。

クーベリック/バイエルンの「第九」もCクライバーのニューイヤーもとても素晴らしい演奏ですよね。いい音楽で新年を迎えられましたね。

本年もどうぞ宜しくお願い致します。

投稿: ハルくん | 2010年1月 2日 (土) 11時16分

ハルくんさん、はじめまして。
少し前から、こっそりと拝見しておりました。ANNAと申します。

バッハを筆頭に古楽を中心に聴いてきた私ですが、昨年 本当に急に、ブルックナーが好きになりました。

ブルックナーの交響曲が、ハルくんさんの豊かな言葉で紹介されていて、とても興味深く拝読しております。

ブラームスの室内楽も、大好きなので
(でも聴いたことのない曲がまだまだ多いです。)ハルくんさんのお薦めを参考にしながら少しずつ聴いていきたいと思っています。

どうぞよろしくお願いいたします。

投稿: ANNA | 2010年1月 2日 (土) 12時57分

ANNAさん、はじめまして。
ようこそお立ち寄り下さいましてありがとうございます!

ブルックナーやブラームスは大好きで本当に素晴らしい音楽だと思っています。色々とお聴きになられてたとえ古い記事にでもご感想を頂ければ嬉しいです。

僕もバッハや古楽は好きですが、聴いている度合いがずっと少ないのでほとんど記事にはしていませんが、今後ぼちぼち書いてみたいと思います。その時には是非色々とご教授ください。
今後とも宜しくお願い致します。

投稿: ハルくん | 2010年1月 2日 (土) 17時34分

ドヴォルザークがニューヨークに渡った年を確かめてみたら、シベリウスは27歳、クレルヴォを書いた翌年、アイノと結婚した年ですね。このタイミングで渡米することは考えにくかったでしょうし、もしそうしていたら早々と鬱病になって何も書けなかったかもしれません。それにしても、まだフィンランディアも書いていないシベリウスに目を付けたニューヨーク音楽院は慧眼ですね。

「新世界から」私には「新世界から故郷を懐かしんだ音楽」に聞こえます。あるいは若い日々を懐かしんだと言えるかもしれません。よくこの曲を「新世界」と省略してしまう人がいますが、(確かにアメリカの音楽や風土の影響はあるにしても)作者の心は常にボヘミアの風土と共にあったのではないでしょうか。四楽章の終わり方も(かつていろいろな日々があったと言うように1~3楽章が回想されますが)「すべてが終わり暮れゆく空に溶けて消えてゆくよう」な感じがいたします。チェコの人々による演奏を聴くと「お帰りなさい、やっぱりこっちがいいでしょ?」と言っているような気持ちがします。最近わたし自身が望郷の念に駆られているからかもしれませんが。

しかし残念なのは、チェコのオケのクラリネットの音色です・・・どうしてサックスみたいな音でヴィブラートをたくさんかけるのか?皆フランスで学んでくるのが伝統なのでしょうか。

投稿: かげっち | 2010年1月 2日 (土) 22時30分

かげっちさん、シベリウスがアメリカに渡る可能性はやはり無かったのでしょうかね。
逆にドヴォルザークが母国に残って「新世界より」が生れなかったら困りますし・・・。
まあ「人生いろいろ」なんでしょうけど。

終楽章で1~3楽章が回想されて「すべてが終わり暮れゆく空に溶けて消えてゆくよう」な感じ、チェコ演奏家による演奏が「お帰りなさい、やっぱりこっちがいいでしょ」と言っているような感じ、どちらも同感です。

僕はチェコのオケのクラリネットの音色は全く気にならないですよ。自然に聞こえます。もうそういう耳になっているのでしょう。やはり自分で演奏する楽器へのこだわりって大きくなるのでしょうね。

投稿: ハルくん | 2010年1月 3日 (日) 07時45分

チェコフィルの70~80年代のクラは特に、聴くと動揺します。自分のパートが次の小節で何をするかわかってしまっているので、予期して聴くしかない、もはや中立には聴けない体になってしまっている悲しさですね。

投稿: かげっち | 2010年1月 4日 (月) 12時47分

かげっちさん、こんばんは。

かげっちさんのように長いこと楽器を続けていると、それは職業病みたいなものでしょうね。その点、僕は若いうちに引退してしまいましたので、そういう病気はすっかり抜けてしまいましたよ。(笑)
とは言え、やはり自分がやっていた弦楽器へのこだわりは管楽器に対してよりも強いという気はします。

投稿: ハルくん | 2010年1月 4日 (月) 21時32分

こんばんは再び。

71年Praga盤、2度続けて聴いた処です。ノイマン初体験。
オークションで新品即決¥980(送料¥50)でした。

第1,2楽章は端正な印象。第3,4楽章が白眉で、第4最後の鳴り方、終わり方は他盤では味わえない感覚。敢えて抑えながら爆発まではさせないって感じ...!?。

品番:PR 50101(独盤)で貴殿盤とは違って素敵なジャケットではないし、音質に一抹の不安が在りましたが無問題。

総合力でコンドラシン、アンチェルより愛聴盤となりそです。

投稿: source man | 2010年1月17日 (日) 19時27分

source manさん、こんばんは。

71年Praga盤手に入りましたか!それは良かったですね。しかもオークション新品でその値段ならお買い得です。
そうですね、ノイマンは決して「爆発」させないですね。そこが好き嫌いの分かれ目でしょうが、チェコ以外の国の指揮者/オケが「新世界より」をやると大抵「爆発」させないと気が済まないようなところが有りますね。
アンチェル盤も大好きなので、亡命せずにチェコフィルをもう少し長く振ってくれていれば録音の良いLIVE盤が出たかもしれません。残念です。

投稿: ハルくん | 2010年1月17日 (日) 21時43分

こんばんは。

フリッチャイ/DG盤、どの様に感じておられますか?
西独盤を入手も、世評どおりのイイ演奏ですが如何にもベルリン・フィルな強さが印象に残り、逆にコンドラシン/ウィーン盤の印象が↑↑、アンチェルやノイマンは更に↑↑。

投稿: source man | 2010年1月24日 (日) 22時03分

source manさん、こんばんは。

フリッチャイはとても好きな指揮者ですが、DG盤の「新世界よりは」特には好みません。仰られる通りベルリンフィルのゲルマン的な重い音にどうしても違和感を感じます。クーベリック/ベルリンDG盤のこの曲のど派手な音よりは良いと思いますが。

投稿: ハルくん | 2010年1月24日 (日) 22時34分

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