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2009年12月14日 (月)

ブルックナー 交響曲第0番二短調 名盤

Bruckner アントン・ブルックナーの交響曲には第1番から9番の他にもへ短調交響曲と第0番が存在します。このうちのヘ短調は全くの習作ですが、第0番のほうは少々ややこしいのです。この曲に着手したのは第1番よりも以前ですが、完成したのは実は第1番よりも後だというのが現在の定説です。ですがブルックナー自身は2番の名称を与えることなく0番としました。その理由は分かりませんが、ちょっと可哀相な作品です。ですので一昔前には交響曲全集にも含まれませんでしたし、単独でも録音がされることは滅多に有りませんでした。けれども最近は全集に含まれるケースが増えましたし、ファンの間では結構愛聴されています。

ブルックナー・ファンにとってはこの曲からアルプスの山々の美しさや悠久の自然を感じ取る事は容易です。第1楽章アレグロは少々変化に乏しく長ったるく感じないでも有りません。しかし第2楽章アンダンテは非常に美しい曲ですし、第3楽章スケルツオも素朴で野趣を感じるあたりは初期の作品としてよく出来ています。第4楽章モデラートはバロック的な対位法による旋律の絡みが主体の曲ですが、初期作品とはいえ音楽はとても立派です。

とは言え僕は第1番も第2番も普段は余り聴きませんし、0番になると更に聴くことが少なくなります。ですので所有CDも僅かに1種類だけなのですが、ご紹介します。

Buru0 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキー指揮ザール・ブリュッケン放送響(1999年録音/ARTE NOVA盤) ブルックナー指揮者には大きく分けてクナッパーツブッシュ、マタチッチ、ヨッフム、朝比奈などに代表される細部にこだわらない無手勝流豪快型と、細部を彫琢して積み重ねていくシューリヒトやヴァントに代表される職人型の二つのタイプが有ると思います。スクロヴァチェフスキーは完全に後者の職人型です。但しシューリヒトやヴァントは職人として100%完成の域に到達しましたが、スクロヴァチェフスキーは2人と比べてしまうとせいぜい90%というところでしょうか。何年か前にこの人がN響定期で振った8番を聴いてなかなか感心しましたが、後期の曲の場合には更なる高みを望んでしまいます。

とはいえザール・ブリュッケン放送響と残した全集の中でも初期の曲については、非常に満足のできるレベルです。初期の曲を後期の曲のように巨大に演奏するのも一つのやり方ですが、その曲の等身大の大きさの演奏というのもリファレンスとして貴重だと思います。そういう点でスクロヴァチェフスキー盤は安心して曲を楽しむ事が出来ます。ザールブリュッケン放送響は技術的にも問題は有りませんし、この曲に名演奏を残してくれた事を喜びたいと思います。

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ブルックナー(交響曲第0番~3番)」カテゴリの記事

コメント

ゼロ番の話は、どこかで読んだことがあります。
面白いですね。

ブラームスの次には、ブルックナーを攻めようと
思っています。
まだ、幾つかの交響曲を聴いただけですが、
すごいと思っています。

宇宙をイメージする曲が多いと思ってます。

投稿: 四季歩 | 2009年12月16日 (水) 19時51分

四季歩さん、こんばんは。

ブラームスもいいですが、ブルックナーも本当にいいですよ。第4番辺りまではアルプスの山々や大自然という感が強いですが、5番以降の後期の曲になると仰るとおり、正に「宇宙的」だと思います。なかなかこういう印象を受ける音楽というのも少ないですね。

投稿: ハルくん | 2009年12月16日 (水) 21時35分

ハルさん、こんばんは。

0番を初めて聴いたのは、ティントナー指揮アイルランド国立管(Naxos)のCDでした。8番とのカップリングで、0番を最初聴いたときは、正直とっつきにくい曲だなと感じました。
以来、ブルックナー好きを自認する私がこの曲だけは殆ど聴くことがありませんでした。

後にこの曲を頻繁に聴くようになったのは、スクロヴァチェフスキ=読売日響の演奏会を聴きに行ったことがきっかけでした

スクロヴァチェフスキのメリハリの利いた表現と歌わせるべきメロディーはしっかりと歌わせる演奏にとても感動しました。演奏会へ行く以前にスクロヴァチェフスキ=ザールブリュッケン放送響のCDは持っていたのですが、ティントナーの印象が0番に良い印象を持たせなくさせていたようであまり聴く機会がありませんでした。

しかし、この演奏会の後は頻繁にCDを聴くようになり、私の中でスクロヴァチェフスキ=ザールブリュッケン放送響は0番の決定盤です

私が所有している0番のCDは上記2点のみですが、他にも素晴らしい演奏のCDがあるのでしょうか・・・

投稿: たろう | 2009年12月18日 (金) 00時42分

たろうさん、こんにちは。

ゲオルグ・ティントナー懐かしい名前ですね。生演奏を聴く機会は有りませんでしたが、なかなか良い指揮者でしたね。オーケストラにもう少し恵まれていれば良かったと思います。
スクロヴァチェフスキーは現在では数少ないブルックナーを振れる指揮者ですから、更に大器晩成で進化して欲しいところです。

「0番」の他のCDは少なそうですが、名演が有れば僕も知りたいところです。

投稿: ハルくん | 2009年12月18日 (金) 06時14分

手許に三枚のCD…バレンボイム、マリナー、朝比奈…この曲は朝比奈盤が原体験です。第一楽章の足を重く引きずるようなテーマ非常に印象的です。第二・第四楽章が何故か不完全燃焼に聞こえますが、第一楽章コーダの前の全休止がいかにもブルックナーの原点であるような気がして、決して見すごせません。もっと取りあげられてよい曲だと思います。

投稿: k | 2014年10月29日 (水) 18時39分

Kさん

もともと第2番以前は滅多に聴くことがありませんので所有ディスクも増えません。
もちろん悪い曲ではありませんが、ブルックナーの魅力にはどうしても乏しさを感じてしまいます。

投稿: ハルくん | 2014年10月30日 (木) 23時58分

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