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2009年11月30日 (月)

ゲルギエフ/マリインスキー歌劇場管弦楽団 2009来日公演

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帝政ロシアの古都サンクトペテルブルクのマリインスキー劇場が日本に訪れています。今回はコンサートとバレエ公演を兼ねた大規模なツアーです。マリインスキー劇場のバレエは3年前に「白鳥の湖」を観ましたが、世界一美しいと思えるコールドバレエは圧巻でした。ですのでバレエ公演にも大いに惹かれましたが、今回は財政的都合で「仕分け」となり(笑)、コンサートのほうに予算配分となりました。

ゲルギエフ/マリインスキーを聴くのはこれで3回目です。最初は10年前にストラヴィンスキーの「春の祭典」他、2度目がマーラーの「復活」でした。今回は東京ではサントリーホールで「オール・ロシアン・プログラム」として、ムソルグスキー、チャイコフスキー、ショスタコーヴィチ、ストラヴィンスキーという4人の大ロシア作曲家を一晩毎のコンサートで聞かせます。ストラヴィンスキーは一度聴いていますし、今回はチャイコフスキーが、序曲「1812年」、ピアノ協奏曲第1番、交響曲第4番という豪華プログラムでしたので、迷うことなくこれに決めました。

今日のチケットは随分前に完売していただけあって、サントリーホールの前には開場前から多くのお客が集まっていました。入場して席に着くと本当に満席でした。そして演奏開始を心待ちにしたのです。

オープニングの序曲「1812年」は非常に表情豊かな演奏でした。冒頭、弦が大きく歌うのにまず魅了されます。戦いのシーンの激しさも充分ですが、むしろ惹かれるのはロシアの民謡部分です。さすがは自国オケの演奏で雰囲気が満点でした。

続いて2曲目はピアノ協奏曲第1番です。独奏は中国の若手イケ面ピアニスト、ユンディ・リでしたが、彼は2000年のショパンコンクールの優勝者です。聴くのは初めてでしたが、非常に良いピアニストだと思いました。キーシンのように精密な訳でも無く、若きアルゲリッチのようにブリリアントな訳でもありません。ですが、とても陰影深く情緒に訴えかけるピアノを弾いてくれます。ゲルギエフのオケ伴奏と共に第1楽章の名旋律を遅いテンポでたっぷりと歌わせてくれたのには感動しました。また第3楽章の追い込みもなかなかのものでした。

メインの交響曲第4番は、マリインスキー劇場管で是非聴いてみたい曲でした。5番、6番はCDで聴くことが出来ますが(但し5番はHarvestの海賊盤)、4番はウイーンフィルとの録音だけだからです。その演奏は実に素晴らしかったです。こういうロシア風の曲想が多い曲はやはり自国のオケが最高だと感じるからです。ゲルギエフの指揮は非常にオーソドックスなもので、目新しさは有りませんが我々がこの曲に要求することを全て兼ね備えています。ですので聴き終わって「良いチャイコフスキーを聴いたなぁ」という満足感で一杯になりました。但しオーケストラの技量で言うと、今日のマリインスキーよりも昨年のサンクトペテルブルク・フィルのほうが上かなという印象でした。

アンコールは「眠りの森の美女」のワルツと「くるみ割り人形」からのトレパックの2曲です。これは楽しさという点で文句有りませんでした。

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チャイコフスキー(交響曲)」カテゴリの記事

コメント

お早うございます。

名古屋公演は「悲愴」とP協だったはず。
でも、公演を知った時点でS席しか残っておらず断念。
金券屋やオークションをまめにチェックするも結局入手できず...。
ゲルギエフの生「悲愴」聴きたかった...(ToT)。

投稿: source man | 2009年11月30日 (月) 09時18分

こんばんは。

名古屋公演は「悲愴」「P協」ですね。
今回は都市毎に「4番」「5番」「悲愴」を振り分けたようです。ですので出来れば4番以外も聴いてみたかったです。

投稿: ハルくん | 2009年12月 1日 (火) 00時12分

良いものをお聴きになりましたね。学生時代であれば楽屋口からもぐったかもしれません(笑)

投稿: かげっち | 2009年12月 1日 (火) 12時27分

かげっちさん、こんばんは。

学生時代は楽屋口からよくもぐられたのですか?まあNHKホール以外は警備が手薄でしたからね。(笑)

投稿: ハルくん | 2009年12月 1日 (火) 23時08分

もう時効でしょうが、私の師匠は学生時代、午後のうちに楽屋口から入ってトイレに潜んでいたと聞きました。
私も同じ手口を目指したのですが・・・BNK会館は楽屋から舞台下手に出た後、舞台裏を通って上手に回らなければ客席に出ることができないので、肝を冷やしました。楽器ケースを手にして行ったことは言うまでもありません。

投稿: かげっち | 2009年12月 2日 (水) 17時43分

かげっちさん、おはようございます。

なーるほど、周到な計画でしたが思わぬ落とし穴が有った訳ですねー。でも無事に?成功して良かったですね。(笑)

投稿: ハルくん | 2009年12月 3日 (木) 08時09分

ハルくんさん、こんにちは。

ハルくんさんはチャイコフスキーに行かれたのですね。なかなか良かったようですね。
私はショスタコーヴィチのほうに行きました。といっても、夢倶楽部の無料招待で右サイドの上のほうの席でした。
正直、ゲルギエフはお好みではありませんでしたが、何と何と素晴らしいショスタコーヴィチで深い感銘を受けました。
やはり、音楽は人間が演奏し、人間が聴くものですから、その時、その時で受け止め方も変わりますね。固定観念に捉われずにこれからも音楽を楽しみたいものだと切実に思いました。

ハルくんさんのCDガイドもより一層、参考にさせてくださいね。

投稿: sarai | 2009年12月 3日 (木) 10時18分

オール・ストラヴィンスキー・プロに行った友人もいて、そっちもブログが華やかです。あちこちで話題になったツアーだということだけは間違いないようですね。

投稿: かげっち | 2009年12月 3日 (木) 12時40分

ギックリ腰のために
動きを封じられてました。
しょうがないから、オーディオの前に
布団しいて、音楽三昧の日々
(笑)

タイミングよく、オーディオもグレードアップできたので、楽しく聴いてました。

だいぶ良くなったので、PCの前に
坐れるようになりました。

このプログラム、いいですね。
ロシアものって、どうしてあんなに
心を揺さぶるんでしょうか。
序曲「1812年」は、9月に
コバケンと読響で聴きましたが、
いい曲だなあと思いました。

投稿: 四季歩 | 2009年12月 3日 (木) 19時28分

saraiさん、こんにちは。

夢倶楽部の無料招待でゲルギエフを聴かれたのですか?自分もその会員ですが招待の通知は来なかったです。Japan artsへ文句を言わないといけないですね。

ゲルギエフのロシアものはどれも最高だと思っています。その反面ロシア以外のものに感動した事は一度も無いのですけど。(苦笑)

投稿: ハルくん | 2009年12月 3日 (木) 20時26分

かげっちさん、こんばんは。

ゲルギエフのストラヴィンスキーは10年前の「春の祭典」とアンコールの「火の鳥」のフィナーレに随分と感銘を受けました。前のコメントにも書きましたがこの人のロシア物は正に最高です。

投稿: ハルくん | 2009年12月 3日 (木) 20時30分

四季歩さん、こんにちは。

僕もロシアものって大好きですが、例えばロシア民謡なんかは日本人の感性にとても近いものが有るのですよね。国民性は良く分かりませんが、音楽は実に素晴らしいです。
「1812年」や「ロミオとジュリエット」は大好きです。「スラブ行進曲」はそれほどでもですけど。

投稿: ハルくん | 2009年12月 3日 (木) 20時34分

ハルくんさん、こんにちは。

少し、補足が必要ですね。
夢倶楽部の無料招待はもともとブロンフマンのピアノ・リサイタルを選択していました。ところが、ブロンフマンが新型インフルエンザで来日できなくなり、急遽、振り替えとして、ゲルギエフのショスタコーヴィチとストラヴィンスキーなどが用意され、ショスタコーヴィチを選択したわけです。ストラヴィンスキーは「春の祭典」ですが、最近、NHKハイビジョンでゲルギエフ・マリインスキーのバレエの「春の祭典」を見て、さすがになかなかよかったので、どうせ見るなら、やっぱりバレエがいいなと思い、今回は回避しました。
ところで、チャイコフスキーは満席だったようですが、ショスタコーヴィチはガラガラでした。そのあたりの席の空き具合もあり、振り替え用になったのかな。お陰で観客は好きもの揃いって感じでよかったですよ。
ストラヴィンスキーもそうだったのかな。
ショスタコーヴィチも5番とか、7番とか、プログラムにあれば、もっと聴衆が集まったかもしれませんね。DEEPなファンって意外に少ないですね。

投稿: sarai | 2009年12月 4日 (金) 09時50分

saraiさん、こんばんは。

ああ、そういうことだったのですね。
でもゲルギエフ/マリインスキーのバレエの「春の祭典」は期待薄でしょうね。ただ、何年か前に「ロミオとジュリエット」を公演したことが有ったはずですし、案外実現するかもしれません。まあロシアまで行くのが手っ取り早いのではありますけど。

ショスタコーヴィチは実は僕は余り好きでないのです。聴きたくなるのはせいぜい5番ぐらいです。熱烈なファンはいらっしゃるようですけれど。

投稿: ハルくん | 2009年12月 4日 (金) 22時54分

 こんにちは。
 皆様のお話に出ているようにこちらはユンディ・リさんを迎えての『悲愴』でした。が、私は仕分けの結果バレエを取りました。むさいゲルギーより美しいヴィシニョーワです(笑)。
 でもハルくん様のお話を伺って、やっぱりコンサートも聴きたかったなぁとムズムズしてきました。どうしてくれるのですか!

 実は今までバレエは映像がなくっちゃと思っていたのですが、音楽だけ聴くのも悪くないなと考えを改めました。何か良いCDがないかこちらのブログを探索中です。

投稿: すい | 2009年12月 6日 (日) 13時19分

すいさん、お久しぶりです!
お元気そうなのでとても嬉しく思います。

女性の聴衆にとっては、"むさい"ゲルギーをカバーして余りあるのがユンディ君のイケ面だったでしょう。演奏後にステージに贈り物を持って駆け寄って大喜びしているご婦人方がいらっしゃいましたが、なんだか韓流スターのおっかけのような雰囲気でした。(笑)

聴いて楽しいバレエ音楽というとチャイコフスキーの「三大バレエ」の他には「ロミオとジュリエット」(プロコフィエフ)と「コッペリア」(ドリーブ)が好きですね。ストラヴィンスキーの「火の鳥」「ペトルーシュカ」「春の祭典」やラベルの「ダフニスとクロエ」はほとんど独立した管弦楽曲のように聴いてはいますけど。

投稿: ハルくん | 2009年12月 7日 (月) 08時26分

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