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2009年10月27日 (火)

シューマン ピアノ協奏曲イ短調op.54 名盤

P1000261 シューマンはピアノ協奏曲もとても人気が有りますよね。当然良い曲です。ですが個人的には、むしろ独奏曲の「幻想曲」や「クライスレリアーナ」「交響的練習曲」のほうが更に感銘を受けます。この協奏曲は第1楽章は文句無しに素晴らしいのですが、第2、第3楽章にどうも物足りなさを感じてしまいます。ですので尻つぼみに感じてしまうのです。特に演奏が平凡だといけません。と言って何も大げさな演奏を望むと言う訳では在りません。真に魅力的な演奏をしないと、やや退屈に感じられてしまうということです。などと述べるとファンの方からは大変なお叱りを受けそうですが、どうかお許し下さい。そんなこの曲なのですが、僕が学生時代に聴いて心底感動したのはディヌ・リパッティのライブ演奏でした。(右上の写真は所有の海外DECCAアナログLP盤です。素適なジャケットでしょう?)

この曲の愛聴盤ですが、例によって古い録音が多くを占めますが、順番にご紹介させて頂きます。

Bethcci00038 ワルター・ギーゼキング独奏、フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル(1942年録音/メロディア盤) 戦時中のドイツでの一連のライブ録音の一つですが、戦後のどさくさの際にソビエトが大量の録音テープを持ち去った為に原盤はロシアに有ります。まったくロシアという国はけしからんです。ところで、この録音はギーゼキングよりもフルトヴェングラーを聞くべき演奏です。当時のベルリン・フィルの奏でるドイツロマン派の深い雰囲気は古今髄一です。ですのでこの曲には向いていなそうなギーゼキングも触発されてなかなか雰囲気のある良いピアノを弾いています。但し録音状態は戦時中なのでお世辞にも良いとは言えません。これはフルトヴェングラー・ファンのみにお勧めしておきます。 

Mozcci00036 ディヌ・リパッティ独奏、カラヤン指揮フィルハーモニア管(1948年録音/EMI盤) ルーマニア生れのディヌ・リパッティは真に天才のピアニストでした。白血病に犯されて僅か33歳でこの世を去る前にEMIに残した録音はいずれもかけがえの無い記録です。この演奏はスタジオ録音なので音質は後年のライブ盤よりは優れています。リパッティの限りなく高貴であり深い精神性と力強さを兼ね備えた演奏は非常に素晴らしいです。若きカラヤンの指揮も特別に深みがある訳では有りませんが、伴奏としては充分に満足できるものです。ライブ盤が存在しなければ更に価値の高かった録音だと思います。

Schcci00036 ディヌ・リパッティ独奏、アンセルメ指揮スイス・ロマンド管(1950年録音/DECCA盤) リパッティが亡くなる9ヶ月前のライブ演奏です。演奏会の前日は40度の高熱で医師からは絶対安静を命じられていたにもかかわらず、解熱剤を投与してふらつきながら演奏会のステージに向かったそうです。そんな極限状態での天才の演奏が如何なるものであったかを思い知らされる録音です。演奏はとても余命僅かの人間の演奏には聞こえません。というより天才が死期を悟ったからこそこのような演奏が可能になったのかもしれません。打鍵は立派。ファンタジーは豊か。これほど感動的な演奏は他のどんなピアニストでも聴いたことが有りません。アンセルメ指揮のオーケストラ伴奏も状況を察して大変に感動的です。但しこれほどの素晴らしい演奏が現在は廃盤です。中古店で運良く見つけたら何を置いても購入すべきです。

187 アルフレッド・コルトー独奏、フリッチャイ指揮ベルリン放送響(1951年録音/Green Door盤) 以前から評論家の宇野先生が絶賛されていたので聞きたくて仕方の無かった演奏でしたが、数年前にグリーンドア出版が大変音質の良いCDを発売してくれました。現在は正規録音盤も出ていますがそれは聞いていません。コルトーもフリッチャイも真に表現力に優れた芸術家ですが、両者の共演が大変にユニークな名演を実現させました。冒頭の和音の後がなんという遅さで始まることでしょう。かつて耳にした事が有りません。ピアノのミスタッチも何のその、濃厚な表現の限りを尽くしています。しかしそれは両者の心に感じた通りの演奏なので、例えばアルゲリッチやチェリビダッケのような"あざとさ"は少しも感じられません。第2楽章も同様に深い深いロマン的表現です。第3楽章はいくら何でも遅すぎるのではないかと思いますが、好き嫌いは別にしてもこの演奏は必聴です。

Sch195 スヴャトスラフ・リヒテル独奏、ロヴィツキ指揮ワルシャワ・フィル(1958年録音/グラモフォン盤) 個人的にはリヒテルはシューマンの演奏が一番良いと思います。これは彼が西側にデビューして間もない時期の録音なので、技術的にも全盛期にあります。但し元々から演奏に随分とムラのあるリヒテルとしてはこの演奏は中の中というレベルです。スタジオ録音ということもあり、いまひとつ感興が乗り切っていないのです。しかしそれでも第1楽章中間部などのシューマネスクな香りの漂うピアノはさすがにリヒテルです。ロヴィツキの指揮はとりたててどうということはありません。

Schucci00019b ジュリアス・カッチェン独奏、ケルテス指揮イスラエル・フィル(1965年録音/DECCA盤) カッチェンは知る人ぞ知る名ピアニストでしたが早死にしてしまいした。奇しくもケルテスも水の事故で早死にしてしまう名指揮者です。なかなか珍しい"早死に"名演奏家の共演盤です。(苦笑) しかしさすがに名演奏家同士だけのことはあってとても良い演奏です。カッチェンはブラームスを最も得意として男性的なピアノを弾きますが、この演奏も力強い打鍵で大変男性的です。ケルテスの指揮も実に立派です。第3楽章などはまるで「皇帝」のフィナーレのようです。といっても決して優しさや情緒に欠ける演奏ということではありません。このような「男気」のある演奏も是非一度は聴いてみる価値が有ると思います。

Schcci00037 ラドゥ・ルプー独奏、プレヴィン指揮ロンドン響(1973年録音/DECCA盤) デビュー間もない頃の若きルプーの演奏です。彼はルーマニア生まれだったので、当時のキャッチコピーが「リパッティの再来」「千人に一人のリリシスト」であった記憶が有ります。確かに良い演奏が多く有りましたが、いつの間にか若手奏者の影に隠れて目立たなくなってしまいました。10年ほど前に東京で生演奏を聴いた時には大変素晴らしかったので残念です。この演奏はプレヴィンの指揮共々とても瑞々しい演奏です。大げさにならない等身大のシューマンという感じでこれもまた捨て難い良さを感じますが、その分ややムード的に聞こえてしまう難点はあります。

Schcci00037b マルタ・アルゲリッチ独奏、コード指揮ワルシャワ・フィル(1980年録音/Accord盤) 何度も書いてしまいますが、90年代以降のアルゲリッチは表情が多分に恣意的であり、聴いてどうしても"あざとさ"を感じてしまいます。真の芸術は決して作り物めいてしまってはいけないと思うのです。話は逸れますが僕が大抵のカラヤンの演奏を好まないのはそういう理由からです。ここでのアルゲリッチのライブ演奏は彼女特有の気まぐれさを感じますが、それがシューマンの音楽のうつろさ加減と上手く合っているように感じます。男優りの力強い打鍵も非常に聴き応えが有ります。カップリングのチャイコフスキーも良い演奏ですし、これはなかなかお買い得な名盤だと思います。

Sch24062 マウリツィオ・ポリーニ独奏、アバド指揮ベルリン・フィル(1989年録音/グラモフォン盤) ポリーニのシューマンは決して嫌いでは無いのですが、どうも曲によって出来にムラが多いように感じます。この演奏もどうも覇気と締まりに欠ける気がします。両者の実力からすれば少々雑な仕上がりでもあります。ポリーニ&アバドという独グラモフォンのかつての看板ブランドですからセールスは間違いないでしょうが、売れりゃ良いというものではありません。どうしてこのような中途半端な演奏でプロデューサーはOKするのでしょう。収録の時間的な問題も有るのでしょうが、このような仕事ぶりがクラシックの衰退を招くのだと思います。

この曲のCDの数は他にも沢山有りますのでとても聴ききれませんが、僕が特に好きな演奏はやはりリパッティ/アンセルメのライブ盤。次いでコルトー/フリッチャイ盤です。あとはアルゲリッチ/コード盤とカッチェン/ケルテス盤。こんなところです。

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シューマン(協奏曲)」カテゴリの記事

コメント

シューマンのピアノ協奏曲は私も大好きです。シューマンでいちばん好きなのはたぶん幻想曲作品17だと思いますが、その次くらいに好きです。
演奏でいちばん好きなのは、現在は、ルービシュンタイン/ジュリーニのロマンティックな演奏だと思います。他にも、ルービンシュタインのクリップスとの旧盤、ルプー/プレヴィンや個性的なケンプ/クーベリックなど、自分の好きな演奏はいろいろあります。
昔ルプー/プレヴィン盤の記事を書いたことがあるので、TBさせて頂きました。

投稿: アルトゥール | 2009年10月27日 (火) 08時24分

アルトゥールさん、こんにちは。

一番好きな曲が「幻想曲」というのは同士ですね!僕も多分そうです。素晴らしい曲ですものね。

協奏曲の演奏では、ルービンシュタイン/クリップス盤は昔持っていました。ジュリーニ盤は良さそうですね。是非聴いてみたくなりました。

TBありがとうございます。後ほど公開させて頂きます。

投稿: ハルくん | 2009年10月27日 (火) 12時33分

おおお・・、リパッティ&アンセルメのライヴ版が!!
これを聴きたくてたまらないのですが、手に入らず仕方なく(?!)カラヤン版を聴いてます。
これです~~(涙)。

たまたま持っていて長く聴いていたのは、あざとい(笑)アルゲリチ&チェリビダッケ版ですが、これはこれで刷り込まれてます。
ほかにもこの曲はいろいろな演奏を聴いていますが、ある日、FMでリパッティ&アンセルメのライヴ版を聴いて(昨年か一昨年のことなのです、実は)以来、すべて吹っ飛びました(笑)。

投稿: 仮装ぴあにすと | 2009年10月27日 (火) 23時40分

仮装ぴあにすと様、こんばんは。

僕もリパッティ&アンセルメを初めて耳にしたのはFMでしたね。(大昔の)大学生の頃でしたが、すっかり気に入ってしまいました。

アルゲリッチは昔は大好きでした。いつの頃からかあんまり好きでは無くなりました。その理由は書いたとおりです。ですので以前の演奏には愛聴盤がけっこう有るのです。

投稿: ハルくん | 2009年10月28日 (水) 00時12分

こんばんは。
リパッティ&アンセルメ。そんなにすごいのですか?
どんな演奏なのでしょうか・・・私も機会があれば聴いてみたいです。
FMでのクラシック放送は本当に少なくなりましたから、多分、私が耳にすることは一生ないかもしれませんね。
もうちょっとクラシックのオンエアを増やしてほしいと思うはるりんです。
っても聴く人いないのかな。。。
仕方ないのでカラヤンで我慢?します(笑)
私が良く聴くのはゼルキン&オーマンディです。


第1楽章は文句なくスゴすぎです。。。
でも、私は第3楽章はなにげに好きですよ。
なんかとても幸せな気分になれる曲です。
幸せを運んでくれる曲と呼んでいます。

投稿: はるりん | 2009年10月28日 (水) 20時54分

はるりんさん、こんばんは。

リパッティ/アンセルメ盤は僕にとっては一番大切にしたい演奏です。リパッティのピアノが心の琴線に触れるのです。
ゼルキンはとても好きなピアニストなのにこの曲は聴いたことが有りません。そのうち是非聴きたいものです。

第3楽章は演奏によって「最高の曲」にも「退屈な曲」にもなるような気がします。ブリリアントな良さはもちろん感じていますよ!


投稿: ハルくん | 2009年10月28日 (水) 22時27分

ウルトラセブンの最終回。モロボシ・ダンがアンヌ隊員に自分がウルトラセブンである事を告白する時、いきなり、この作品の第1楽章の冒頭の音楽が流れます。
ガキの頃なのでインパクトが強かったのでメロディは憶えていたのですが、なんという曲目なのか分からない時期が長かった。そして高校生の時、テレビの放送(N響の番組?)でこの作品を聴き、たいへん驚いた記憶があります。

投稿: オペラファン | 2009年10月29日 (木) 11時25分

オペラファンさん、こんばんは。

ウルトラセブンは見ていました。しかし最後にシューマンが流れたとは知りませんでしたね。その曲を憶えていたとは、さすがはオペラファンさんです。
アンヌ隊員も懐かしいです。紅一点の素適な女性隊員でしたね。自分も入りたくなったものです。(笑)

投稿: ハルくん | 2009年10月29日 (木) 22時46分

こんばんは。
シューマンが好きになって、ウルトラセブンにこの曲が流れていると知って、特撮好きの方から1年近くもDVDを借りて、1話から最終回まで見たはるりんです。
本当に最終回のBGMはほとんどこの曲なんですよね。。。
衝撃の告白シーンだけでなく、アマギ隊員をゴース星人の地底基地から救出するところから、怪獣パンドンとの戦闘シーンから、えんえんとこの曲が流れているんで、はるりんはもうびっくりと感動で、なんだかんだで最終回は30回ぐらい見ちゃいました。。。
盤がすり減っているかもしれないです。。。
何回見ても感動です!!!

投稿: はるりん | 2009年10月29日 (木) 23時32分

はるりんさん、こんばんは。

いやー、意外に皆さんウルトラセブンに詳しいんでビックリです。
しかし円谷プロにはシューマン・オタクが果たして居たのでしょうか?誰がそのBGMを選んだのでしょうね?

投稿: ハルくん | 2009年10月30日 (金) 00時12分

またハルくんさんはアンヌ隊員ばっかり見ている(笑)ウルトラセブンの音楽を書いた冬木透氏は桐朋音大作曲家の先生なので、シューマンも彼が選んだのではありますまいか。

この曲は確か、1楽章だけ先に幻想曲として書かれ、かなり時間をおいてから2~3楽章を書き足して協奏曲にしたのだったと思います。1楽章の出来が良すぎたので2~3楽章を書きにくかったのかもしれませんね。

投稿: かげっち | 2009年10月30日 (金) 15時56分

ウルトラセブン・ネタですみません。
はるりんは○×大学SF研究会に所属していたもんで、この手の内容だとちょっと燃えるんです。

なんかで読んだのですが、ウルトラセブンを制作するにあたり、ダンとアンヌのロマンスは最初から設定されていたそうです。子供向けの番組なのでそこらへんの兼ね合いがとても難しくて、ホントはもっとがっつりやりたかったようですね。

円谷プロはなかなかロマンチスト集団です。やはりシューマンオタクがいたのでしょう。私はなにげ実相寺昭雄監督がそうなのではないかと思うのです。根拠はないのですが、1話からずっと見ているとそんな気がします。

でも。。。なんでウルトラセブンの話!!!
BGMで使用されたのは、リパッティ/カラヤンだそうですね。

投稿: はるりん | 2009年10月30日 (金) 17時35分

私もウルトラセブンとなると燃えるものがあります。
最終回のウルトラセブンとパンドンとの戦闘シーンもシューマンのピアノ協奏曲が流れていたのですね!休みの日に一度、レンタル屋へ行って、ソフトを借りて見てみます。
少し前、何の番組か忘れましたが、アンヌ役を演じた、ひしめゆりこさんの姿を拝むことができました。今もたいへんなチャーミングな方でした。
話はシューマンと全く関係ありませんが、現在、書店で東宝特撮映画DVDコレクションが発売されています。現在、ゴジラシリーズが中心ですが、私自身は「モスラ」の発売を待っています。「モスラ」の音楽のみ伊福部昭でなく古関祐而が担当しています。あの流行歌で有名な作曲家が、どのようなオーケストラ音楽を書いたか、映像と共に味わってみたいと思っています。
話が大きく脱線してしまいました。本当に申し訳ございません。

投稿: オペラファン | 2009年10月30日 (金) 22時55分

かげっちさん、確かに第1楽章が先に出来ていて、後から第2、3楽章を加えたのでした。こういうケースで良くあるのは統一性において違和感を感じることですが、この曲も全く無いとは言えない気がします。
どちらにしても第1楽章の出来は素晴らしすぎますね。

投稿: ハルくん | 2009年10月30日 (金) 23時34分

はるりんさん、どうりでウルトラ話題にお詳しいはずですね。
ダンとアンヌのロマンスは大人の為の番組として是非リメイクしてほしいですねぇ。できればベッドシーンなんぞも入れて!あっ、でも変身したら3分間しかもたないのですね・・・って何の話だ!? おあとがよろしいようで。(笑)

BGMはリパッティですか!いや~マニアック!やはりシューマニアーナーが居たにちがい有りませんね。

投稿: ハルくん | 2009年10月30日 (金) 23時43分

いや~オペラファンさんもウルトラ話題に参戦ですか!ブラームスやシューマンの話題よりもずっと盛り上がっていますね。この際ですから「ウルトラマン祭り」か「東宝怪獣フェスティバル」で行きますか!
僕は個人的にはやはりウルトラQが好きでしたねぇ。もちろんアンヌ隊員の可憐さには大変弱かったですが。(笑)

投稿: ハルくん | 2009年10月30日 (金) 23時52分

すごいですね。
こんなに、お持ちだなんて。

私のように駆け出しの者だと、
これだけ揃えて物申すには、
何年かかるのだろうと、
ボーゼンとしてしまいます(笑)

それにしても、クラシックは
奥が深くてすごいですね。

投稿: 四季歩 | 2009年10月31日 (土) 20時02分

四季歩さん、こんばんは。

同曲異演を聴き比べるのはクラシックの醍醐味ですね。どの曲もするのは大変ですが、ご自分の特に好きな曲だけを色々と聴き比べるのも面白いかと思います。友人の中にも、ある曲だけは何でも買うという人が居ます。

投稿: ハルくん | 2009年10月31日 (土) 21時44分

こんにちは。ちょうどこの曲について書いていたところだったので、激賞されているリパッティのライブ録音を聴いてみました。
Youtubeに最近登録されていたのですぐに聴けて運が良かったです。

おっしゃるとおり、このシューマンは素晴らしいですね!
生気と詩情とダイナミズムの全てが揃っているようで、他の録音が軒並み色褪せかねないほどです。

私は第3楽章が一番好きなのですが(こういう曲想が好きな性格なので)、テンポも全く落ちずに一気に弾きこんでくるところの力強さはとても病身とは思えません。
さすがに終盤にもなると、打鍵ミスも増えてかなり消耗しているようで、力を振り絞って弾いているようなタッチに感じます。とにかく気迫のこもった演奏でした。

この音源は、1年くらい前にリリースされたアンセルメの廉価盤録音集シリーズに収録されていますので、入手可能になりました。私も買おうと思っています。
良い録音をご紹介いただいて、ありがとうございました。

投稿: yoshimi | 2011年1月28日 (金) 22時34分

yoshimiさん、こんにちは。

古い記事へのコメントをどうもありがとうございます。
リパッティはそれほど音質の良くないモノラル録音ばかりですが、どの演奏にも惹かれてしまいます。とくにこのライブ演奏の気迫と凄みには心底圧倒させられます。また、あくまでも正攻法の表現で極められているのにも感心します。この人やカッチェンが長生きしたら、どんな演奏家になっていたのでしょうね。聴くことができないのが残念です。
海外盤で再発売されていたのですね。是非購入されて改めてご感想を聴かせて頂けると嬉しいです。

投稿: ハルくん | 2011年1月29日 (土) 01時14分

ハルくんさん、こんばんは。 「暑さ 寒さも彼岸まで。」とは良く言ったもので ずいぶん すごしやすくなりましたよね。秋に聴きたくなる音楽と言えば 私は シューマンとブラームスです。土曜日から シューマンの「ピアノ協奏曲」ばかり聴いていました。(笑) この曲に関しては アルゲリッチの「あざとい」演奏(笑)もアリかな・・・と思いましたが コルトー、ハスキル、リパッティのそれぞれのライブ盤を聴くと、あまりの感動でアルゲリッチの印象がどこかへ飛んで行きました。
特に リパッティの壮絶な演奏では 聴き終えると、汗びっしょりになっていました。 本当に素晴らしい演奏ですね。

投稿: ヨシツグカ | 2012年9月25日 (火) 22時45分

ヨシツグカさん、こんばんは。

アルゲリッチ(も)、コルトー、ハスキル(も確か聴いたと思います)、みな素晴らしいですが、リパッティ/アンセルメのライブはちょっと違いますね。文字通り「命をかけて」演奏したからなのでしょう。録音の良し悪しを完全に越えていますよね。

投稿: ハルくん | 2012年9月25日 (火) 23時16分

私はこの曲の3楽章が好きです。幸福感と浮揚感があふれる感じは今で言うと萌え系ですかね。シューマンもまだ精神的に余裕があったのではないでしょうか。最近はブラームスの二重協奏曲とカップリングされているイストミン/ワルター盤を聴いています。イストミンのピアノは端正で地味ですが、温厚なワルターとはよく合っている感じですよ。

投稿: NY | 2012年11月22日 (木) 05時23分

NYさん、おはようございます。
レスが遅くなり申し訳ありませんでした。

3楽章は輝くばかりの明るさですね。シューマンの曲は初期でも何となく「狂気」が感じられてしまい、そこに惹かれますが、この楽章ではまるで躁状態にあったみたいですね。でも僕は不健康な1楽章が特に好きなのです。

イストミン/ワルター盤というのは聴いていません。ワルターの演奏なら一度は聴いてみたいですね。

投稿: ハルくん | 2012年11月23日 (金) 09時14分

ウルトラセブンの最終回で使用されたとされるリパッテイ/カラヤン盤・冒頭のピアノの出だしから異様な雰囲気に引きずり込まれてしまうアンセルメとの共演…この2種類を聞き込んでしまうと他の演奏が取澄ました優等生的なものに聞こえてしまう…やはりこの曲は切羽詰まった演奏で聞きたいと思います。リヒテル・ルビンシュタインは一応合格…ケンプは温和に聞こえるけどシューマンの世界から外れてはいない…アシュケナージ・ルプーになってくると段々ピアニストの個性が作曲家よりも勝ってしまう…この曲の名盤選びは難しいと思います

投稿: k | 2014年12月27日 (土) 23時37分

Kさん

リパッティ/アンセルメ盤は凄演の記録として永遠に不滅ですね。コルトー/フリッチャイ盤も同様です。
音質も加味して考えると、グリモー/サロネン盤、リヒテル/ムーティのライブ盤が双璧だと思います。
その他に直ぐに思いつくものは余り無いような気がします。

投稿: ハルくん | 2014年12月29日 (月) 17時21分

リヒテル、マタチッチ指揮モンテ・カルロ国立歌劇場管弦楽団
はスケールが大きく、かつ美しい演奏だと思うのですが
ここではあがってないようですね・・・

これは併録のグリーグも良いので個人的にはお薦めです。

投稿: 影の王子 | 2015年4月17日 (金) 18時04分

影の王子さん、こんにちは。

リヒテルの録音は幾つか有りますが、現在ではムーティ/ウイーンPOと共演したザルツブルクLIVEを愛聴しています。これは自分としては同曲の様々なディスクの中でも最上位の一つに置いています。

投稿: ハルくん | 2015年4月20日 (月) 00時37分

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» ルプーのシューマン「ピアノ協奏曲」 [クラシック音楽のある毎日]
シューマンの「ピアノ協奏曲作品54」を聴いてみた。演奏はピアノがラドゥ・ルプー、オーケストラがアンドレ・プレヴィン指揮ロンドン交響楽団で、1973年の録音である。この曲は古今のピアノ協奏曲中屈指の名曲と言われ、ベートーヴェンのピアノ協奏曲「皇帝」に対し、「女王」と言われることもあるらしい。ぼく自身は「皇帝」よりもこの「女王」の方が好きだ。昔から大好きで、CDもこのルプーの他に、アルゲリッチ、ギーゼキング、ケンプ、リパッティ、ナット、リヒテル、ルービンシュタイン(2種類)とたくさん持っている...... [続きを読む]

受信: 2009年10月27日 (火) 08時16分

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